■掲示板に戻る■ ■過去ログ 倉庫一覧■
【艦これSS】ダイヤモンドレクイエム
-
※このSSは、うすべに桜子さんの艦これ同人誌「ダイヤモンドラプソディー」のその後のifストーリー的な何かです。
詳細はこちら↓(18禁注意!)
ttp://www.toranoana.jp/mailorder/article/04/0030/23/11/040030231121.html
例の画像↓(18禁注意!)
http://i.imgur.com/vekVWqY.jpg
このSSのメインキャラは榛名ではありません。暴力表現があります。ご注意下さい。
-
クソエロ榛名いいゾ〜これ
-
―――某日 鎮守府―――
提督「…まさか榛名があんなことをするなんて…」
彼は、まだ日も昇らない早朝…というよりまだ深夜に、そう独りごちた。
―――金剛とのケッコンを間近に控えたある日、彼は榛名と性行為に及んだ。
最も、それはずっと前から続いていた関係ではあったのだが。
しかし、その日だけは都合が違っていた。彼女は、彼に妊娠したことを告げたのである。
今までの性行為ではきちんと避妊具をしていたのにも関わらず、である。
榛名は、金剛から提督の『一番』を奪い取るために避妊具に細工をしていた。
初めてキスをしたのも、初めて性行為に及んだのも、全て私が一番目。
ケッコンは出来なくとも、彼の一番は私のものであると。金剛に向けて、そう声高に宣言した。
―――果たして、いつから榛名はあんなことを考えていたのか。
金剛とのケッコンを告げた時か?初めての関係を持った時からか?いや、それとも出会った時から―――
今更振り返ってもどうしようもないことではあるのだが、それでも彼は考え続けることを止めなかった。
それは、現実を見たくないが故の現実逃避なのか、はたまた己の行いを恥じてのことなのか。
ともあれ、これから榛名と、金剛とどのように接すればいいのか。
あの榛名の目を思い出す度に恐怖に体が震える。己の感情を限界まで煮詰めたかのように真っ黒な、光を失ったあの目を。
―――次から次へと考えたくもないことが頭の中に浮かんでくる。
―――お陰で、全く寝付くことが出来なかった。とりあえず司令室に行って、まだ残っていた仕事でも片付けよう。
まるで課題が捗らず部屋の掃除をして現実から目を逸らす学生のような、そんな虚ろな考えのまま彼はいつもの仕事場へ向かう。
―――そんな状態のまま司令室のドアを開けた彼に、どこからか声がかけられた。
-
「あぁ、おはようございます司令。今日はまたずいぶんとお早い出勤ですね。」
彼を出迎えたのは、まるで何事も無い、普段の日常会話にあるような何気ない挨拶であった。
声の主は、金剛型戦艦の四番艦である霧島。同じ金剛型戦艦の金剛と榛名の妹にあたる艦娘である。
本日の秘書艦担当は彼女では無いはずだが―――と疑問に思った彼であったが、直後、司令室の状況を見て凍りついた。
―――司令室が、一面、真っ赤な液体で染まっている。―――
―――その中心に佇む、部屋以上に全身を赤く染めた霧島。―――
―――そして、そのすぐ横の赤い水溜りの中に倒れている、榛名。―――
まるで戦場のまっただ中にあるようなその風景に、提督の脳はフリーズを起こした。
―――何だ?これは?一体何が起こっている?倒れているのは榛名か?この赤い液体は一体何だ?霧島はここで何をしている?―――
司令室の凄惨な状況に思考が追いつかず、ただ呆然としている彼を現実に引き戻したのはまたしても霧島の声だった。
「申し訳ありません司令。司令が仕事に来る前には元通り片付けるつもりだったのですが…」
「思いの外榛名が抵抗しまして、ちょっと時間を食ってしまいました。もう工廠には連絡を入れてあるので、すぐに片付けが出来ると思います」
「……昨夜の話は金剛姉さんから伺いました。金剛姉さんと榛名の様子が明らかにおかしかったので。」
「榛名とも話をしようと思ったのですが、深夜に何処かへ出かける榛名を見つけ、後をつけたところ司令室に用事があったようで」
「そして司令室に入る榛名を見て、ここで話をしようと思ったのですけれど…全く話にならなかったんです」
「私に向かって大声で何かを喚き立て、その挙句『邪魔をするな』と言われ襲いかかってきたので……あの、司令?聞いていますか?」
まさか、霧島がこれをやったのか。
「あ、あぁ済まない。それで、霧島がこれを?」
状況を鑑みれば聞くまでもないことであったが、軽いパニック状態に陥っている彼にはこの言葉を出すのが精一杯だった。
-
「…ええ、本当はこんなことはしたくなかったのですが…」
「事情はある程度把握しておりましたし、榛名が司令にご迷惑をかけてしまったことも分かっていました」
「当人は完全に錯乱状態でしたし、なんとか落ち着かせようとも思ったのですが彼女が聞く耳を持たなかったので仕方なく…」
「榛名も抵抗しなければこんなことにはならなかったのに……」
彼女は、淡々とその時の状況を語る。
「…それで、榛名は大丈夫なのか?」
辛うじて絞り出した次の言葉。彼が榛名の状態を心配しているのは本心ではあったのだが、言葉にその意思を乗せる余裕は無かった。
「ええ、大丈夫ですよ。艦娘がこの程度でどうにかなったりはしませんよ。…最も、『お腹の中身』は分かりませんがね」
一部分を妙に強調した言葉に、彼は背筋を凍らせた。
「最後のほうは、『お腹は駄目!』などと言って私から逃げようとしていましたね。…それも無駄になってしまった訳ですが」
「私もなんとも心苦しかったのですが、司令も榛名にずいぶんと困らされたようですしね。身内の失敗は身内がカバーしなくては」
よく見れば、液体の中に、真っ赤な固形の何かが落ちている。つまり、アレは、つまり。
「それでは、私は榛名を工廠に連れて行きます。工廠には私から上手いこと伝えておきますので、司令はお気になさらず」
「まだ朝になるまで時間もありますし、片付くまでもう一度お眠りになってはいかがですか?ずいぶんとお疲れのようですし」
……なぜ、霧島はこうまで冷静に語れるのか。それが、彼を更に困惑させた。
「あ、ああ……済まない、ありがとう。」
この言葉は、今の彼が口に出せる精一杯の言葉だったのだが……その何気ない言葉が、彼女に変化をもたらした。
-
「ありがとう、ですか。……ねえ司令。あなたが次に榛名と会う時に、榛名は司令との関係を忘れていると思います。」
普段通りの声のトーン。しかし、普段とは何かが違う。
「普段の榛名は、とっても優しいんですよ。そして、とても司令想いなんです。」
何か彼女の強い意志が込められているような。
「司令の為にならなんだってやる、頑張りますって言って」
彼女の意志とは何なのか。
「……なんで、こうなってしまったんでしょうかね」
彼女は、彼に何を伝えたいのか。
「……司令は、金剛姉さんとケッコンをするんですよね?」
彼女は、隠し切れない意志を言葉に込める。
「……榛名の代理は、しばらくは私が務めます」
そして彼女は、彼に目線を向けた。
「……どうか金剛姉さんと幸せになって下さい」
榛名を背負って部屋を出ようとする彼女は、彼に目線を向けた。
「もし、また同じことを繰り返すおつもりならば」
彼女と目が合い、彼女の目を覗きこんでしまった彼は―――彼女の意志がどういうものかを思い知った。
「その時は、―――私が、『お相手をいたします』」
彼女が彼に向けた目は、あの時の榛名の目によく似ていた。しかし、その意志は榛名とは全く逆のベクトルを向いていた。
「では、失礼します司令。朝から申し訳ありませんでした」
そう最後に言い残し、霧島は司令室を後にした。
霧島の異常な程の殺意に中てられ、ただ立ち尽くしている提督を残して。
-
―――鎮守府内 特別工廠―――
明石「それでは、榛名さんの記憶の一部消去と改竄した記憶の植え付けを行います」
明石「提督とそういう付き合いを始めたのは割と前の話のようですが…まぁ問題無いでしょう」
明石「敵艦に不意をつかれて大破、しばらく意識不明の状態が続いていた…というのが妥当な線ですかね」
明石「記憶の定着を少しずつ進めながら……体の一部の交換手術を行う予定です。何か聞きたいことはありますか?」
霧島「そこの辺りは明石さんに全てお任せします。場合によっては金剛姉さんの処置もお願いすることになるかもしれませんが」
明石「金剛さんなら大丈夫ですよ。今は比叡さんがついているのでしょう?」
霧島「金剛姉さんも榛名のことは知らなかったようですから…罪の意識に苛まれなければいいのですが」
明石「……どうしても、というのならそれなりの処置をしましょう。今はしばらく様子を見てから、ということで」
霧島「そうですね、なるべくならこんなことはしたくないですから……それでは私はこれで」
明石「あ、ちょっと待って下さい霧島さん!」
霧島「…何ですか?」
明石「左腕、診せて下さい。……今、まともに動いてないでしょう?」
霧島「……はぁ…やっぱりあなたには隠せそうに無いですね。」
明石「司令室に飛び散ってた血液と肉片、あれはあなたのでしょう?…榛名さんも気絶してただけで全く怪我してませんでしたし」
霧島「……それじゃあ、お願いします」
明石「……!うっわ…これはひどいですね…よくもまぁこんな力で自分の腕の肉を千切り取れますね…躊躇した形跡すら無いとは」
霧島「他人を痛めつけるよりはまだマシですよ、この程度の痛みなんて」
明石「あなたぐらいしか出来ませんよこんな芸当…出血もひどいです、なんで意識保つどころか普通に対話できるんですか?」
霧島「慣れ、ですかね。これぐらいなら問題ありませんよ、私は艦娘ですし」
明石「艦娘でも普通は耐えられないと思いますよ…治療にしばらく時間をいただいても?」
霧島「榛名や姉さんの代わりに私が出撃する機会が増えると思うので出来る限り時間をかけたくないのですが」
明石「……副作用として激痛を伴いますが損傷部位の高速再生が出来る高速修復材があります。それを使っても?」
霧島「是非それでお願いします」
明石「分かりました。……霧島さん。言い出したのは私ですが、そんなに自分を痛めつける必要は無いと思いますよ?」
明石「あなたは今とても苦しんでいる。それで十分なのでは?」
霧島「そういう訳にはいきません。…まだ形すら整っていない時とはいえ、私は肉親が授かった子供を殺したんです。」
霧島「私が、許せないんです。私が楽になることを一番望んでいないのは、私自身なんですよ。」
明石「あなたがやらなくとも、いずれ誰かが手を打ったと思いますよ。……霧島さんは、本当に優しい方なんですね」
霧島「……ご冗談を。暴力でしか物事の解決を図れないような輩が優しい訳ないじゃないですか」
明石「そういうことにしておきましょうか。さ、治療を始めますよ!」
うすべに桜子姉貴ごめんなさい!僕を死刑にして下さい!
-
はぇ〜すっごい…
力作ありがとナス!
-
これは仕事人霧島
-
> 「最後のほうは、『お腹は駄目!』などと言って私から逃げようとしていましたね。…それも無駄になってしまった訳ですが」
ここ想像しただけで愉悦汁が海綿体に溜まりますよ〜
■掲示板に戻る■ ■過去ログ倉庫一覧■