■掲示板に戻る■ ■過去ログ 倉庫一覧■

廃屋訪問ss?

1 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2015/01/17(土) 02:06:46 kuoLFq.A
不動産屋を経営する叔父から電話があったのが昨日のこと。
ある廃屋を売りに出すためその片づけを手伝って欲しいと頼まれた。
しがない大学生の僕は報酬につられ二つ返事で了承していた。

その廃屋がどんな建物かも知らずに…


   ──廃屋訪問──


2 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2015/01/17(土) 02:07:15 kuoLFq.A
廃屋は、かなりの大きさらしく多くの手が必要になるため叔父からは友人を連れてくるよう頼まれた。
1年生の僕には友人が多くないため、サークルの先輩達を各学年から一人ずつ誘うことにした。
こうして僕、2年生・3年生・4年生の先輩3名、叔父、叔父の妻、叔父の会社の社員、計7人で片づけを行う
事にした。


3 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2015/01/17(土) 02:07:44 kuoLFq.A
片づけ当日、先輩を車に乗せて廃屋に向かうと叔父達は既に到着していた。
さっそく片づけをしようと、屋敷の中に入るとリビングに汚い男が、うずくまっている。
ホームレスが勝手に住みついたかと、叔父が近付き注意しようとすると、男が突然ぶつぶつと何かをつぶやきな
がら床に文字を書き始めた。
男を止めようと掴み掛かったが、人間とは思えない力ではねのけられる。


男の狂気に気圧され近付く事もできずに眺めていると、男は、突然文字を書くのをやめ廊下に走り出した。
恐怖で男を追いかける事もできない僕達の目は、自然と男が何かを書いていた床へと向かう。
そこにはこう記されていた。


4 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2015/01/17(土) 02:08:16 kuoLFq.A
8人の売り専の少年が学校から下校した


悔い改めて

溜まってんじゃん、血の池が

残りは7人、だいじょぶか?


一人は首をしめられて

白くなってる、わかんだね

残りは6人、だいじょぶか?


焼いてかない?

オイル塗ろっかぁ、焼けたかな?

残りは5人、だいじょぶか?


ぶっちっパラソル忘れたら…

じゃけん血の雨ふりますねぇ

残りは4人、だいじょぶか?


5 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2015/01/17(土) 02:08:36 kuoLFq.A
冷えてるかぁ?

すっかり固くなってんぜ

残りは3人、だいじょぶか?


丘の下!

入って、どうぞ。出られない

残りは2人、だいじょぶか?


まずウチさぁ…

屋上あんだけど…飛んでかない?

残りは1人、だいじょぶか?


喉乾かない?

出そうと思えば、アイスティー

お前の事が好きだったんだよ!


6 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2015/01/17(土) 02:08:55 kuoLFq.A
な、なんだコレは… 呆然とする僕達の耳に、獣の様な叫び声が聞こえる。
声の聞こえた部屋に踏み込むと、そこには先ほどの汚い男が全身から血を噴出し死んでいた。
残された僕達7人はただ呆然とするしかなかった。


7 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2015/01/17(土) 02:09:11 kuoLFq.A
落ち着け、とにかく外に出よう!叔父がそう言って玄関に向かおうとすると突然屋敷の明かりが消え暗闇につつ

まれる。
カバンの中に懐中電灯が入っていたことを思い出し、明かりをつけると玄関に向かったはずの叔父が目の前で倒

れている。
その首には大きな手形が2つくっきりと残っていた。


一人は首をしめられて

白くなってる、わかんだね

残りは6人、だいじょぶか?


8 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2015/01/17(土) 02:09:30 kuoLFq.A
叔父の死体を見た奥さんが半狂乱で、部屋を飛び出す。
皆で奥さんを追いかけようとすると、叔父の会社の社員が何かにぶつかり転ぶ。
辺りを照らしてみれば、彼の足元に何か液体がこぼれていた。
液体の異臭に気付いた時にはもう遅かった。彼の足元についたガソリンは、突然発火し火柱となった。


焼いてかない?

オイル塗ろっかぁ、焼けたかな?

残りは5人、だいじょぶか?


9 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2015/01/17(土) 02:09:48 kuoLFq.A
僕たち4人は火の手を避けて廊下の奥へと進む。
地下へと降りる階段を見つけ急いで降りようとすると4年生の先輩が階段の途中でつまづいた。
10段程の階段を転がり落ちた先輩の首から、不自然な銀色の突起が生えている。
よく見るとそれは、先輩の首を貫通した傘の先端だった。先輩の首から血が噴出す。


ぶっちっパラソル忘れたら…

じゃけん血の雨ふりますねぇ

残りは4人、だいじょぶか?


10 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2015/01/17(土) 02:10:04 kuoLFq.A
何が起こっているんだ…
玄関は火の手に塞がれているため、外に出ようと窓のある部屋を探す。
火事によりサウナのような熱気につつまれた屋敷で、冬のような寒さの部屋を見つける。
どうやら冷凍庫として使われている小部屋のようだった。
部屋に窓が無いか探していると、部屋のすみで冷たくなった叔父の奥さんを見つけてしまう。


冷えてるかぁ?

すっかり固くなってんぜ

残りは3人、だいじょぶか?


11 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2015/01/17(土) 02:10:18 kuoLFq.A
くそ!そう叫んで引き返そうとした3年生の先輩が突然目の前から消えた。
先輩がいたはずの場所にはマンホールほどのサイズの穴があいていた。
覗き込むと暗く、まるで底など存在しないかのようだった。


丘の下!

入って、どうぞ。出られない

残りは2人、だいじょぶか?


12 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2015/01/17(土) 02:10:37 kuoLFq.A
1階が完全に火の手につつまれ僕たちは屋上へと避難する。
どこか安全に降りれる場所が無いか、柵につかまり先輩が確認しようとすると、その柵が外れ先輩は地面へと叩
き付けられた。赤い血溜まりができている。


まずウチさぁ…

屋上あんだけど…飛んでかない?

残りは1人、だいじょぶか?


13 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2015/01/17(土) 02:11:07 kuoLFq.A
残されたのは僕一人…
呆然としているとベランダにも煙につつまれ辺りは何も見えなくなっていた。
煙を吸い込み倒れこみそうになった僕を突然誰かの手が支える。
お、大丈夫か、大丈夫か?そう言って声の主が僕に肩を貸してくれた。

顔は良く見えない、
まるで水泳選手のような… サッカー選手のような… 野球選手のような… ミュージシャンのような…
そんな不思議な男が僕にそっと告げる 喉渇いた、喉乾かない?
そういって男がそっとアイスティーを差し出す
僕は誘われるようにそのアイスティーを飲み干す
薄れゆく意識のなかで僕は最後に男の声を聞く。


お前の事が好きだったんだよ!

──そして誰もいなくなった──


14 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2015/01/17(土) 02:14:10 RHMezR3.
え、何これは・・・


15 : まんじろく :2015/01/17(土) 02:16:05 ???
淫夢とマッチする怪現象
雰囲気ムンムンで素晴らしいっすね〜


16 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2015/01/17(土) 02:16:59 2hj1mp9M
アガサ・クリスティはホモ(いいがかり)


17 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2015/01/17(土) 02:23:31 C5mOGR/.
死を呼ぶわらべ歌のスレに書き込もうと思ったらすでに落ちてて草
やっぱAILEくんはホラー系のスレ苦手なんすね


18 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2015/01/17(土) 02:23:51 exDyaWLk
たまげた力作だなぁ、発想がセクシーエロい!


19 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2015/01/17(土) 02:24:11 96EQKmKw
>>17
苦手じゃなくて興味ないだけだってそれ何度も言われてるから


20 : 家畜に神なんか必要ねぇんだよ! :2015/01/17(土) 02:28:30 ???
過熱した欲望は、遂に危険な領域へと突入する…


21 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2015/01/17(土) 06:33:58 PxP/E.8Q
最初に男が書いた文字を見たとき草生えたけど、徐々にホラー展開になって怖いなと思いました
短いけど纏まっていて面白かった


■掲示板に戻る■ ■過去ログ倉庫一覧■