田畑を焼き払って老人や子供がさんざめいた時よりも、
京太郎を串刺しにして、そこで訳も分からずマスをかいていた時よりも、
ああ――楽しいなぁ。楽しい。楽しい。楽しい。
借金のかたで血液を抜かれる酔狂も
耳をちぎられて泣きわめくゴミクズも
国の威信をかけて他国を蹂躙する施政者どもも
皆この、これこそに心を奪われた。狂わされた。目覚めさせられた。
さぁ諸君。どうした？
打てよ
捨てろ。君の命を。
私が笑い、囀り、罵り、君を踏み躙ってあげよう。
早く、早く早く早く早く早く――！
さあ、麻雀を楽しもう。
燃えるよう燃えるよう
家が燃えるよう！！！
こんな感じなる
悲しいよう
オイディプスに崖に投げ捨てられた父王より
魔女の甘言に乗って荒地を彷徨う狂王より
日が昇る度猛禽に腸を食い荒らされるプロメテウスより
悲しいよう悲しいよう
あ？なんだお前は
おっ死ね
諸君 私は咲さんが好きだ
諸君 私は咲さんが大好きだ
苗字が好きだ
名前が好きだ
顔が好きだ
身体が好きだ
心が好きだ
眼が好きだ
肌が好きだ
髪が好きだ
かりんとうが好きだ
学校で 便所で
部屋で トイレで
雀卓で 砂漠で
海上で 空中で
泥中で 湿原で
この地上で行われる ありとあらゆる咲さんが大好きだ
雀牌をならべた嶺上牌の一斉発射が 轟音と共に池田を吹き飛ばすのが好きだ
空中高く放り上げられた末原が プラマイ0でばらばらになった時など心がおどる
咲さんの操る嶺上開花 の数え役満が戦犯を撃破するのが好きだ
悲鳴を上げて 燃えさかる雀卓から飛び出してきた末原を
*鯽羮絣*花でなぎ倒した時など胸がすくような気持ちだった
嶺上牌をそろえた咲さんのカン材が 池田の手牌を蹂躙するのが好きだ
恐慌状態の咲さんが 既に息絶えた末原を 何度も何度も嶺上開花している様など感動すら覚える
敗北主義のワカメ達を焼き鳥にしていく様などはもうたまらない
泣き叫ぶ虜兵達が 咲さんの降り下ろした手の平とともに
*髁眄擇蠕爾鮠紊欧詢羮絣*花に ばたばたと薙ぎ倒されるのも最高だ
哀れ な抵抗者達 が 雑多な立直で健気にも立ち上がってきたのを
三槓子の数え役満が仲間の貯金ごと木端微塵に粉砕した時など絶頂すら覚える
男の金髪に滅茶苦茶にされるのが好きだ
必死に守るはずだった咲さんが蹂躙され 犯されていく様は とてもとても悲しいものだ
末原の物量に押し潰されて殲滅されるのが好きだ
池田に追いまわされ 害虫の様に地べたを這い回るのは屈辱の極みだ
諸君 私は咲さんを 地獄の様な咲さんを望んでいる
諸君 私に付き従う大隊戦友諸君
君達は一体 何を望んでいる？
更なる咲さんを望むか？
情け容赦のない 糞の様な咲さんを望むか？
鉄風雷火の限りを尽くし 三千世界の鴉を殺す 嵐の様な咲さんを望むか？
「 咲さん！！** 咲さん！！** 咲さん！！ 」
よろしい ならば咲さんだ
我々は満身の力をこめて今まさに振り下ろさんとする咲さんだ
だがこの暗い闇の底で半世紀もの間 堪え続けてきた我々に ただの咲さんでは もはや足りない！！
大咲さんを！！ 一心不乱の大咲さんを！！
我らはわずかに一個大隊 千人に満たぬ敗残兵にすぎない
ふるつわもの
だが諸君は 一騎当千 の古強者だ と私は信仰している
ならば我らは 諸君と私で総兵力１００万と１人の軍集団となる
我々を忘却の彼方へと追いやり 眠りこけている戦犯を叩き起こそう
髪の毛をつかんで引きずり降ろ し 眼を 開けさせ思い出させよう
池田に恐怖の味を思い出させてやる
末原に我々の軍靴の音を思い出させてやる
天と地のはざまには 奴らの哲学では思いもよらない事があることを思い出させてやる
一千人の吸血鬼 の戦闘団で
世界を燃やし尽くしてやる
征くぞ 諸君
http://jbbs.shitaraba.net/internet/20196/storage/1403186184.html