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【SS】フクジ「証人の証言は明らかに矛盾しています!」
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・逆転裁判の裁判の雰囲気を参考にした咲のSSです。
・逆転裁判のキャラクターは出てきません。
設定:
全国麻雀大会長野県予選決勝で敗れた風越女子高校。
個人戦の予選が終了した翌日、久保貴子検事は風越の大将である池田華菜を『戦犯』として起訴した。
『華菜を戦犯扱いになんかさせない』と意気込む福路美穂子弁護士。
サポーターとして、その大会の優勝校の部長、竹井久を招き入れた。
法廷で戦いの火ぶたは切って落とされた――
ジ ャ ス テ ィ ス !
法 廷 で 自 分 の 正 義 を 証 明 し た ま え !
-
某日 某時刻 長野裁判所 第1控室
イケダ「…何で、こんなことになっちゃったし…」ウウ…
フクジ「華菜、嘆いたって仕方ないわ。」
ヒサ「そうね。要は、勝てばいいのよね。」
フクジ「単純すぎる気もしますが、そういうことです。華菜、大丈夫よ。」
ヒサ「そうよ。私がいるのよ?負けることは好きじゃないの。」
イケダ「…わかりました。私、キャプテンを信じます。」
ヒサ「私も信じてるわ、福路さん。」ニッコリ
フクジ「任せて!さあ、行きましょう!」
ヒサ「おー!」
-
某日 某時刻 長野裁判所 第1法廷
裁判1日目 開 延
末原恭子裁判長(以下、サイバンチョ)「では、これより池田華菜の法廷を開演します。」
フクジ「弁護側、準備完了してます。」
クボ「こちら検察側、準備完了している。」
サイバンチョ「では、久保検事。冒頭弁論を。」
クボ「了解。」
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クボ「○○月△△日に全国麻雀大会長野県予選決勝が行われた。」
クボ「58校が参加する大会だが、決勝の卓を囲んだのは4校だ。」
クボ「清澄高校、龍門渕高校、鶴賀学園、そして、風越女子高校。」
クボ「裁判長。トーナメント表と県予選の最終結果、2つの証拠品を提出する。」
ヒサ「ふむふむ…、まぁ、知ってるけど、うちが1位ね。」
クボ「提出した県予選の最終結果を見ればわかる通り、風越女子は4位。」
クボ「つまり、決勝では最下位だ。」
クボ「長野県の名門と呼ばれている風越が全国に行けないどころか4位…」
クボ「これの意味するところが解ってんだろうなあ!」
池 田 ァ ァ ッ !
イケダ「!?」ビクッ
-
異 議 あ り !
フクジ「裁判長!検察側は被告人を不当に脅しています。」
サイバンチョ「せやな。久保検事。不用意にしないように。」
クボ「む…承知した。なるべくしない。」
ヒサ(いやいや、なるべくってなによ。)アセダラー
クボ「話を戻す。」
クボ「名門校が4位…これはまずい。」
クボ「当然のことながらOB及びOGから批判が相次いだ。」
クボ「そこで、今大会を敗した主要な原因の人物…」
クボ「つまり、『戦犯』を特定し、そいつらに詫びる。」
クボ「そうやってけじめを取ることで名門校としての再スタートを切るという訳だ。」
-
何だこのSSスレ!?(歓喜)
-
クボ「そして、私が選んだのが、お前だよ!」
池 田 ァ ァ ッ !
イケダ「!?」ビクッ
サイバンチョ「…久保検事。」
クボ「失礼。癖で。」
ヒサ(癖って…)アセダラー
フクジ「コーチは華菜に1日15回ぐらいはああやって叫んでいるわ。」
ヒサ「そんなに叫んでいるの!?」
フクジ「普段はそんなに気にしてないけど…」
ヒサ「この場でやったらそりゃ注意されるわよね。」
ヒサ(普段でも気にしてほしいけどね…)アセダラー
-
サイバンチョ「名門校の重み、よー解りますわ。しっかりと反省せなあかんですわ。」
異 議 あ り !
フクジ「反省はしっかりとするべきですが、戦犯は華菜ではありません。」
異 議 あ り !
クボ「戦犯は池田だ!これは間違いない!」
異 議 あ り !
フクジ「絶対に違います!」
異 議 あ り !
クボ「池田は戦犯だ!」
コ ン ! コ ン !
サイバンチョ「それが今から決まる。それが、裁判所の役目や。証拠で話し合おうな。」
サイバンチョ「それでは、被告人は証言台へ。」
-
!?トゥルーン
クボ「ああ!?何だそれはっ!?」
フクジ(華菜…制服で顔を隠してる…)
ヒサ「よっぽど怖いのね…久保コーチ。」
フクジ「そうね…、暴力をふるうこともあるから…」
ヒサ「…他校が言うのもなんだけどさぁ…変えてもらえば?」
フクジ「…久保コーチ、OGなの…。」
ヒサ「…あんなOGにはなりたくないわね…」アセダラー
フクジ(…同感。)アセダラー
-
逆転裁判スレいいゾ〜これ
-
フクジ(でも、それだけじゃないわ。)
フクジ(華菜は私を信じてると言ってくれたけど…)
フクジ(心の底では戦犯扱いされることを恐れてるんだわ…)
サイバンチョ「被告人、どうしたんや?顔見せて―な。」
イケダ「……」ブルブル
クボ「早く顔を見せろよ!」
池 田 ァ ァ ッ !
イケダ「!?」ビクッ
サイバンチョ「…久保検事。」
クボ「失礼。」
-
サイバンチョ「被告人。顔見せてや。」
イケダ「……」
サイバンチョ「困るわ…。」シュン…
フクジ「華菜!」
イケダ「…キャプテン。」
フクジ「大丈夫よ、華菜。私が弁護する限り…」
フクジ「あなたが思ってるような恐ろしいことにならないわ!」ニヤリ
イケダ「…キャプテン!」
サイバンチョ「…お、やっと顔見せてくれたなぁ。」
クボ(…泣いているかと思ったが…)
サイバンチョ「ええ顔しとるやないか。隠す必要なんかまったくあらへん。」
イケダ(大丈夫!キャプテンがどうにかしてくれる!華菜ちゃんは図々しいんだ!)
フクジ(華菜が信頼してくれてるのが伝わってくるわ…)
フクジ(任せて、華菜!)グッ
-
サイバンチョ「ほな、被告人。名前と職業を。」
イケダ「池田華菜。風越女子高校の2年生です。麻雀の名門校の大将だし!」ドヤァ
サイバンチョ「ほう。2年で大将任されてるんか。名門でそれは凄いことやで。」
フクジ「華菜、凄いわ!」ニッコリ
イケダ「へへへ…。褒められるのは照れるし。」
異 議 あ り !
クボ「福路ィィッ!いい加減なこと言うんじゃねぇ!」
クボ「本当に凄かったら池田はこんなとこに呼ばれてねえよ。」
-
クボ「お前みたいな結果を残して初めて凄いと言えるもんだ。」
異 議 あ り !
フクジ「久保コーチ。あなたは普段の華菜の凄さを知っているはずです。」
クボ「……」
フクジ「この資料をご覧ください。これは華菜の校内での成績が書かれているものです。」
ヒサ「あら、全員分載せてくれればよかったのに。」ザンネン
フクジ「…このような人がいるため、華菜のみを載せました。」アセダラー
-
サイバンチョ「…ほお、ええやん。いい成績や。」
フクジ「裁判長の言う通りで、華菜はOGとの練習試合でTOP率31%、」
フクジ「校内ランキング2位の成績を残しています。」
異 議 あ り !
クボ「だが、それとこれとは話は別だ。」
クボ「戦犯とは普段の対局で決まるものではない。大事な試合で決まるものだ。」
クボ「この資料を見ればお前も頷くしかない。確実にな。」ヤレヤレ
フクジ(何かしら…。)
-
クボ「この資料は長野県予選決勝の大将戦の得点収支が書かれているものだ。」
クボ「1番の成績は流石と言ったところか、龍門渕高校の天江衣で+35000点。」
クボ「2番はオーラスで数え役満をあがったこともあり、清澄高校の宮永咲で+22800点」
クボ「この2人がこれだけの+収支をしていることもあり、加治木ゆみは−収支だが、」
クボ「他校なのでそれは置いといて。」ニヤリ
クボ「見ればわかる通り…」
クボ「-45500点じゃねえかっ!」
池 田 ァ ァ ッ !
イケダ「ぐっ…………」
イケダ「ぐはあああああああああああああああああああああああああああああああああ」
-
何で戦犯の裁判を戦犯が裁いてるんですかねぇ…
-
異 議 あ り !
フクジ「戦犯とは、得点収支で決まるものなのでしょうか?」
異 議 あ り !
クボ「当然それだけでは決まらない。もしそれだけで決めてしまったら、」
クボ「戦犯を池田にはしない。」
クボ「ここで、何故天江衣がこんなにも+収支なのかを考えてみる。」
フクジ「………!…まさか」
クボ「そうだ。池田はまくられていたんだよ。天江衣にな。」
クボ「まあ、そんなのは試合を見てればわかることだが、」
クボ「それは池田の不用意から来ている。」
異 議 あ り !
フクジ「裁判長!久保検事は憶測で語っています。」
-
クボ「そう焦るな。根拠ならしっかりと用意しているさ。」ニヤリ
フクジ「な…何…?」
クボ「先ほどの私の発言を裏付ける証言をしてくれる証人を用意している。」
クボ「その者は池田と同じ卓にいたものだ。」
フクジ(! ………)
ヒサ(……咲ではないわね。となると…)
サイバンチョ「それでは、証人を入廷させてください。」
-
加治木ゆみ(以下、カジキ)「………」
サイバンチョ「それでは証人、名前と職業を。」
カジキ「加治木ゆみ。鶴賀学園の3年生だ。」
クボ「証人は鶴賀学園麻雀部の部長を務めている。」
サイバンチョ「ほお!せやな、いかにも自分部長してますって顔つきやしな。」
待 っ た !
カジキ「…私は、部長ではない…。…部長は蒲原智美だ。」
フクジ(あ…!)
ヒサ「あ…!」
クボ「え…、え…………」
クボ「えええええええええええええええええええええええええええええええええ!!!」
-
ざわざわ…ざわざわ…ざわざわ…ざわざわ…ざわざわ…ざわざわ…ざわざわ…ざわざわ…
ざわざわ…ざじょ?…ざわざわ…ざSOAわ…ざここどこ…わざワハハわざわ…ざわざわ…
ざわざわそういえばそうでしたわねわざわ…ざすばらっざわざわ…ざ寒い……ざわざわ…
ざわざわ…ざわざわ…ざわざわ…ざわざわ…ざわざわ…ざわざわ…ざわざわ…ざわざわ…
コ ン ! コ ン !
サイバンチョ「静粛に!静粛に!」
サイバンチョ「久保検事。発言は正確にお願いします。」
クボ「失礼…以後気を付ける。」
サイバンチョ「因みに、蒲原智美とはどのような人なん?」
クボ「それなら、資料『県予選団体出場メンバー』に顔写真が載っている。」
-
クボ「鶴賀学園の中堅が彼女だ。」
サイバンチョ「ほう…って、カマボコやないか!」
異 議 あ り !
フクジ「彼女は人です。」
異 議 あ り !
クボ「福路。口をよく見な。」
フクジ「口…あっ。」
ヒサ「…証明写真なのに口が開いてる…」アセダラー
フクジ「…確かに、見えなくも
待 っ た !
カジキ「…蒲原は私の大事な友人なので、」
カジキ「あまり無下に扱わないであげて欲しい。」ジロッ
サイバンチョ「せやな。すまんな。」
クボ「…失礼。」
フクジ「す、すみません…。」ペコリ
ヒサ「ごめんね。」テヘッ
-
クボ「…」コホン
クボ「証人は県予選の決勝で打っていた。」
クボ「そして、その時の様子を語ってくれる。」
サイバンチョ「では証人。証言を開始してください。」
-
証 言 開 始
『私は県予選の決勝で大将として出場した。
初出場なので緊張もしたが、委縮する事は無かった。
失点をしないように心掛け、それが結果に現れたと思う。
一方で、風越の大将は無茶が過ぎていた。
あんなに何回も振り込んでしまうのは不用意だ。』
-
サイバンチョ「成程な。確かに、点数失ったら勝てへんからな。」
サイバンチョ「点棒を失わないようにするのは必要なことやな。」
クボ「池田はそれができてなかったとの指摘だ。」
クボ「そして結果がそれを物語っている。」
フクジ「くっ………」
フクジ「…竹井さん。お願いします。」ペコッ
ヒサ「わかってるわ。私はこのために呼ばれたんだからね。」グッ
サイバンチョ「それでは、弁護側は証人尋問を開始してください。」
-
尋 問 開 始
カジキ『私は県予選の決勝で大将として出場した。』
待 っ た !
ヒサ「鶴賀学園はそれぞれのポジションをどうやって決めたの?」
カジキ「…一般では先鋒にエースを置くと聞いている。」
クボ「そうだな。今年はうちもそうした。」
カジキ「だが、私たちはそういったセオリー通りではなく、」
カジキ「各々の打ち方に適した配置をした。」
ヒサ「あら、私たちと同じね。」ニッ
-
クボ「そういえば、鶴賀学園と清澄は5人か。」
カジキ「はい。」コクリ
ヒサ「そうです。」
クボ「なら、その配置を決めるのは大変だったんじゃねえか?」
クボ「一般的な感覚だとそうは思わないかもしれねえが、私に言わせれば、」
クボ「80人から5人を配置させるよりも」
クボ「5人から5人を配置させる方が難しいと思うな。」
ヒサ「そうなんですかね?私たちはすんなりと決まりましたが。」ニヤリ
カジキ「私たちは相当悩んだぞ…。」アセダラー
カジキ「…とまあ、私は大将として出場したのだが…」
-
福留さん、ありがとう(意味深)
日本通算200本塁打おめシャス!
-
カジキ『初出場なので緊張もしたが、委縮する事は無かった。』
待 っ た !
ヒサ「初出場ってどんな気分なの?」
カジキ「それはあなたも味わったはずだが。」
ヒサ「あら、ばれたか。」テヘッ
クボ「で、どんな気分なんだ?気になるな。」
ヒサ「久保検事は風越のOGでしたっけ?」
クボ「ああそうだ。」
ヒサ「でも久保検事。あなたと同じ気分だったと思いますよ。」
クボ「え?」
ヒサ「全国出場が決まりとてもいい気分です。」ニヤリ
クボ「…これ以上は聞かないでおこう。」チッ
カジキ「…羨ましい話をしてくれるじゃないか。」
ヒサ「てへ。」
カジキ「私は初出場だったが、大した影響はなかったな。」
カジキ「委縮する事は無かった…」
-
カジキ『失点をしないように心掛け、それが結果に現れたと思う。』
待 っ た !
ヒサ「具体的にお願いします。」
カジキ「私は振り込まないことを心掛けた。」
カジキ「相手のツモあがりを止めるのは容易ではないが、」
カジキ「相手への振り込みをしないようにするのは難しくはない。」
カジキ「それが功を制したのか、私は振り込みをしていない。」
異 議 あ り !
ヒサ「証人は咲に振り込んでいます。」
-
フクジくんが弁護士ならヒサちゃんが霊媒師なの?
ということはヒサちゃんがバリアで地球を割る一撃を防いだり
ヒサちゃんのヘッドスライディング(下段)とフクジくんの尻餅や逆転モードのジャンプ指(いずれも中段)でガード不能を狙ったりするの?
そしてスエハラチョのハンマーで敵の隙を咎めるの?
(究極人類並感)
-
異 議 あ り !
クボ「そうだな」ニヤリ
クボ「しかし、その意味はお前も知っているだろう?」
ヒサ「ぐっ………」
クボ「わかってるじゃないか。資料によると…前半戦南一局か。」
クボ「あれは天江衣の親を流すため、わざとやったものだ。」
カジキ「紛らわしい言い方をしてしまったな。訂正しよう。」
カジキ「私は天江衣に振り込んでいない。」
-
ヒサ「確かに振り込んでいませんね。しかし、たまたまでは。」
カジキ「それでも一向に構わない。しかし、意識して行ったものだ。」
ヒサ「本当ですか?」
カジキ「ああ、はっきりと言っておこう。」
カジキ「私は天江衣に振り込むような行為をしていない。」
フクジ「裁判長!今の証人の発言は重要であると考えます。」
ヒサ(おっ!)
サイバンチョ「そうなん?では、証言に入れましょう…」
-
カジキ『私は天江衣に振り込むような行為をしていない。』
異 議 あ り !
フクジ「加治木さん…『振り込んでいない』という結果があるからって、」
フクジ「内容を語る時に少し口が過ぎましたね。」ニヤリ
カジキ「何だと……?」
クボ「どういう事だ………?」
-
フクジ「この資料をご覧ください。これは後半戦東2局2本場の配布です。」
フクジ「華菜は東を捨てて天江衣にあがられてしまいましたが…」
フクジ「その1巡前に証人も東を捨てているのです。」
フクジ「その間、天江衣は手替わりしていない。」
サイバンチョ「なんやて!?ちゅうことは…」
フクジ「そうです。天江衣は華菜からまくるのを選んだだけで、」
フクジ「証人は天江衣に対して振り込み行為をしていたのです。」
フクジ「尤も、証人はそのようなことは知っていたはずですけどね。」ニヤリ
カジキ「ぐっ………」
カジキ「ぐおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」
-
もう無罪放免でよくね(適当)
-
異 議 あ り !
クボ「しかし、池田が不用意に振り込んでしまったことには変わりはない。」
異 議 あ り !
フクジ「『証人が天江衣に対して振り込み行為をしていた』と言う事実によって、」
フクジ「証人の証言の趣旨が変わっているのです。」
クボ「何だと………!」
フクジ「振り込まないようにしていた人が振り込み行為を行っていたんです。つまり…」
フクジ「『華菜は戦犯である』根拠を語っていた証人の証言は、」
フクジ「ただただ『天江衣は強い』と言っていることになります!」
-
クボ「くっ………」
クボ「くそがああああああああああああああああああああああああああああ!!!」
カジキ「…私は見栄を張ってしまっていたんだな…。」
カジキ「後輩にみっともない姿を見せられない、なんて」
カジキ「心のどこかで思ってしまっていたんだろうなあ…」
カジキ「いやはや、みっともない…」
待 っ た !
!?ドンッ
!?ドンッ
!?ドンッ
???「そんなことないっすよ!」ステルス
-
カジキ「この声は…!」
ヒサ「え?何?何?どこから声がするの?」エ?エ?
フクジ「………これはもしかして…。」
東横桃子(以下、モモ)「槍槓あがったり、みんなを鼓舞してくれたり、」ステルス
サイバンチョ「何や?何や?まさか、部外者がおるんか!?」
モモ「私を見つけてくれたり、」ステルス
サイバンチョ「係官!見つけ次第追い出してください!漫ちゃん、任せたで!」
モモ「先輩は、私の尊敬する先輩っす!」ステルス
-
サイバンチョ「!まさか関係者か?えっと………」ペラペラ
サイバンチョ「!あった!多分やけど、こいつや!」
待 っ た !
カジキ「大丈夫です。彼女ならもう出ていきました。」
サイバンチョ「ほんまか!?というか、証人、見えてるん?」
カジキ「もちろん、はっきりと。」
カジキ(いかんいかん、嘘をついてしまった。…でも、わかるんだ。)
カジキ(ありがとう、モモ。)フッ
-
サイバンチョ「…確かに、声が聞こえなくなったな。」フム
クボ(凄えな、ステルス効果…。)
サイバンチョ「…まあ、出て行ったとみなして審議を続けよか。」ヤルデー
フクジ「さあ、これで華菜が戦犯だという主張は否定されました。」
クボ「ふっ…甘いな、福路。」
フクジ「………?」
クボ「検事側はもう一人証人を用意している。」ニヤリ
フクジ「何ですって………!」ガーン
ヒサ「あらあら、次はどんな人かしら。」
クボ「裁判長。」
サイバンチョ「うむ。では証人は入廷してください。」
-
センパンチョ
-
ハギヨシ「………」ヒソヒソ
フクジ「あの人は…」
ヒサ「確か…竜門渕の執事…だったかな?」
ヒサ(でも、あの人、証言台に立たないで久保検事と話しているわ…)
ヒサ(どういうことかしら…?)
-
これはボロ出しませんわ
-
サイバンチョ「何何?なんかあったん?」
クボ「すみません、裁判長。暫しお待ちを。」
サイバンチョ「はよしてや。」
ヒサ「今、打合せしてんのかな?」
フクジ「そんなはずはないと思いますけど…」
-
クボ「………」
クボ「………チッ。」
ヒサ「……はっきりと舌打ちしたわね…。」アセダラー
フクジ「ええ…何があったんでしょうか…」アセダラー
ヒサ「あ、証言台に立ったわ。」
ハギヨシ「すみません、お待たせしました。」
ハギヨシ「この度のご無礼、裁判長と弁護側、被告人並びに傍聴席に」
ハギヨシ「お詫び申し上げます。」ペコリ
-
サイバンチョ「…聞く前に、名前と職業をお願いします。」
ハギヨシ「私は萩原ハギヨシ。職業は龍門渕家の執事をやっております。」
※ハギヨシの本名は不明ですが(たぶん)、ここでは萩原ハギヨシを本名とします。
サイバンチョ「んで、何があったん?」
ハギヨシ「順序立ててお話ししますと…」
ハギヨシ「私は実は証人ではありません。」
サイバンチョ「へ?」ポカーン
ヒサ「あらあら。」フフッ
フクジ「………?」
-
ゲーム化したら楽しそう
-
ハギヨシ「証人の天江衣様が、」
ハギヨシ「『ジュース買ってくる』とメモを残してどこかに行ってしまわれて、」
ハギヨシ「証人尋問の時間になりましても戻ってこられないのです。」
サイバンチョ「じゃ、自分は何なん?」
ハギヨシ「ですので、私が代わりに証人になろうかと」ニヤリ
フクジ「え?」
ヒサ「………」ハハハ
サイバンチョ「な………」
サイバンチョ「なんやてええええええええええええええええええええええええええええ!」
-
>>48
何故か格ゲーのプレイアブルキャラになったりしそう
-
ざわざわ…ざわざわ…ざわざわ…ざわざわ…ざわざわ…ざわざわ…ざわざわ…ざわざわ…
ざわざわ…ざマジか!ざわざわ…ざわざSOAわざわ…ざわざワハハざわざわ…ざわざわ…
ざわざわ…ざわざわっかんねー…ざわざわ…ざわざわ…ざわざすばら?ざわ…ざわざわ…
ざわざわ…ざわざわ…ざわざわ…ざわざわ…ざわざわ…ざわざわ…ざわざわ…ざわざわ…
コ ン ! コ ン !
サイバンチョ「静粛に!静粛に!」
サイバンチョ「代わり?天江衣の代弁をするっちゅうことか?」
ハギヨシ「その通りです。」
サイバンチョ「無理やろ、そんなん。」
-
取り敢えず却下されそう
-
待 っ た !
クボ「俄かには信じがたいだろうが…この人と直に話したことがある人なら、」
クボ「『ああ、できるんだろうなあ』と思ってしまうほどの超人ぶりだ。何の問題も無い。」
クボ「むしろ、天江衣本人よりもはるかに良い証人尋問となるとさえ思えてくる。」
異 議 あ り !
フクジ「根拠を示してください!」
クボ「…根拠を示せとなると…無い…だが、福路。知っているだろう?」
フクジ「何をです?」
クボ「天江衣が難解な日本語を話すのを。」
フクジ「あ………!」
ヒサ「そういえば、そうね。」
-
クボ「証言は平易な日本語を話すように打ち合わせたが、」
クボ「尋問時にそうなるとは思えなかったんだよなあ。」
クボ「そうなると、我々は辞書を持たざるを得なくなる。」アセダラー
サイバンチョ「…それは、メンドイですね。」
クボ「萩原氏が証人となることは双方にとって良いんじゃねえか?」
クボ「もちろん、弁護側が危惧していることは問題ない。」
クボ「萩原氏は天江衣と綿密な打ち合わせをしていたからな。」
フクジ「…わかりました。」コクリ
-
フクジ「ですが、後で天江衣さんに萩原証人とのズレが無いか、」
フクジ「確認を取らせていただきます。」
クボ「好きにやってくれ。」
サイバンチョ「…では、証人は証言を開始してください。」
ハギヨシ「ええ。では、衣様が証言する予定だったメモを読ませていただきます。」
-
証 言 開 始
『その日はとてもきれいな満月だった。衣の力がフルに発揮できるぞ!
しかし、あまりにも点差がついてしまったから、途中で少し考えてね。
風越女子に対して0点調整をして見せた。舐めプレイをしてしまったよ。
結果、2位となってはいるが、そのせいで負けたとは思っていない。』
-
サイバンチョ「聞きしに勝る、強者やなあ。普通できひんで、そんなん。」
ハギヨシ「それもこれも衣様の実力あればこそ。」ニヤリ
サイバンチョ「まあ、普通出来てもせえへんわ、そんなん。」
クボ「…まあ、理解できないだろうな…」
クボ「…『強者』の0点調整は…」プルプル
ヒサ「…久保検事も理解できてないみたいね。」アセダラー
フクジ「ええ…打ち合わせ中に萩原証人が仲介に入っていたのが容易に想像できるわ…。」アセダラー
フクジ(しかし…理解できないわね。)
フクジ(…本当に舐めプレイなのかしら。)ウーン
フクジ(もし、他に理由があったとしたら…)ピーン
サイバンチョ「それでは、弁護側は尋問を開始してください。」
-
尋 問 開 始
ハギヨシ『その日はとてもきれいな満月だった。衣の力がフルに発揮できるぞ!』
待 っ た !
ヒサ「前後の文脈の関連性を説明してください。」
ハギヨシ「簡単なことです。衣様は満月の夜に最も力を発揮されるのです。」
ヒサ「それは、どういうことなのかしら?」
ハギヨシ「私の口からは説明できません。」
異 議 あ り !
ヒサ「尋問中です。天江さんが言っていたことでいいので、説明してください。」
-
ハギヨシ「衣様も良くわかっていないようです。」
ヒサ「え?」
ハギヨシ「衣様は『感覚』で打っているそうなので。」
フクジ(感覚………?)
ヒサ「感覚ねえ…」ヘェ
クボ「これは何となくだがわかるぞ。強者ゆえの直感だか何かだろ。」
クボ「麻雀してればそういうのに頼ることもあるだろ?」
ヒサ「そうですね。私も良く冴えます。」ニッ
ハギヨシ「ほう、それは素晴らしいですね。」ニコッ
-
クボ「まあ、藤田プロは『牌に愛された子』と称していたがな。」
ヒサ「牌に愛されるって、麻雀打ってたらうらやましいわね。」
ハギヨシ「そういうものなのですか?」
ヒサ「そりゃそうですよ。」
ハギヨシ「そうなのですか。麻雀を打っている人たちは、」
ハギヨシ「そんなことはありえないと言われるものと思ってました。」フフッ
ヒサ「…後輩が言いそうね。」フフフ
フクジ(……原村和さんのことかしら。)
ハギヨシ「…証言の続きを話してよいでしょうか?」
-
ヒサ「…ちょっと待ってください。萩原さんは普段何されています?」
クボ「………?」
ハギヨシ「龍門渕家の執事をやっております。主に衣様の付き添いです。」
ヒサ「いえ、そうではなくて、プライベートなことを
異 議 あ り !
クボ「………それは本件と関係があるのか?」
ヒサ「えーっとねー………」ウーン…
クボ「悩んでんじゃねえ!関係ねえんじゃねえか!」
サイバンチョ「………弁護側、そういうことは法廷で行わないように。」
ヒサ「はーい。すいません。」ペコリ
-
フクジ「竹井さん………」アセダラー
ヒサ「福路さん、ごめんね。」テヘッ
ハギヨシ「……改めて、証言の続きを話してよいでしょうか?」
ヒサ「………」チラッ
フクジ「………」コクン
ヒサ「構わないわ。」
ハギヨシ「では、続きを話しましょう…」
-
ハギヨシ『しかし、あまりにも点差がついてしまったから、途中で少し考えてね。』
待 っ た !
ヒサ「チームの勝利以外に何か考えることがあったのかしら?」
ハギヨシ「はい。そのようでございます。」
ヒサ「あら、何かしら?」
ハギヨシ「藤田プロのことを考えていたようです。」
フクジ(!………)
-
ヒサ「えっ!?やす………藤田プロ?」
ハギヨシ「はい。藤田プロは解説としてその試合を見ていました。」
ハギヨシ「同じ大会に出たこともあり、交流もあるので、意識されたようです。」
フクジ(!待って!そういえば確か資料に………)ペラペラ…
ヒサ「成程、試合中にプロを意識したのね…。」
ハギヨシ「はい、それで次の証言に繋がります………」
-
ハギヨシ『風越女子に対して0点調整をして見せた。舐めプレイをしてしまったよ。』
異 議 あ り !
フクジ(証拠があるって訳じゃない…でも、聞く価値はあるわ!)
フクジ「0点調整………果たして本当に舐めプレイだったのでしょうか?」ニヤリ
クボ「はあ?そうに決まってんだろーが!」
ハギヨシ「………どういう事でしょうか?」
-
フクジ「こちらの資料をご覧ください。これは藤田プロの証言を文字に起こしたものです。」
フクジ「天江衣さんは大将戦の休憩中に藤田プロと会ったそうです。」
フクジ「その時に藤田プロは天江衣さんに対してこう言ったそうです。」
フクジ「『お前は麻雀を打ってるんじゃない、打たされてるんだ…。』と。」
ハギヨシ「………」
クボ「………ほう。」
フクジ「彼女はこの言葉を意識したのではないでしょうか?」
ハギヨシ「………確かに、そのように聞いております。」
クボ「な!?私は聞いてないぞ!?」
ハギヨシ「私以外には話したくなかったようなので。すみません。」ニッ
クボ「………」チッ
-
フクジ「彼女がその言葉を意識していたということは、」ニヤリ
フクジ「彼女の0点調整は舐めプレイなどではなく、」
フクジ「その言葉を本気で否定するためだったのです。」
クボ「おいおい、0点調整のどこが舐めプレイじゃないんだよ?」
フクジ「そもそも!」ビシィッ!
クボ「!?」ビクッ
フクジ「舐めプレイは0点調整などではなく、他家をとばさなかったことです!」
クボ「うっ………」
フクジ「しかし彼女はとばさなかった。」
フクジ「それは『こんなこともできるんだぞ』という彼女の意思表示であり、」
フクジ「彼女の本気の表れであるのです!」
クボ「………!……おい、どうなんだ?証人!」
ハギヨシ「………少々お待ちください。………」
-
ハギヨシ「………」ウーン
ハギヨシ「………」フウ
ハギヨシ「はい、その通りです。」
クボ「えっ!?」
ハギヨシ「いくら麻雀の強い衣様でも、そのようなことができたのは」
ハギヨシ「満月の力をいかんなく発揮されたからであると思われます。」
異 議 あ り !
クボ「おい!推論を法廷で語るな!」
ハギヨシ「失礼しました。では、言い直します。」ペコリ
ハギヨシ「満月の力をいかんなく発揮されたからです。」
-
クボ「証拠はあるのか!?証拠はあ!」
ハギヨシ「………」
クボ「………」フッ
クボ「そりゃそうだよなあ、ねえわな。」
待 っ た !
!?ドンッ
!?ドンッ
!?ドンッ
???「ハギヨシ、何を黙っておるのだ?」
フクジ「あの子は………。」マァ
ヒサ「ずいぶん遅かったわねえ。」ヤレヤレ
クボ「…今更来たのか…!」ギリッ…
ハギヨシ「衣様」ニコッ
-
コロモ「そなたの発言は正しいのだから威風堂々としておればよい。」
ハギヨシ「わかりました。」
ハギヨシ「先ほどの私の証言が正しいことを証明してくれる証人を紹介します。」
サイバンチョ「……なんや、随分と勝手に事が進んでしまったようやけど……」
サイバンチョ「………まあええわ。ほな、新しい証人は職業と名前を言ってください。」
コロモ「承知した。天江衣。龍門渕高校の2年生だ。」
サイバンチョ「まあ、知ってるんやけどな。」
コロモ「む?裁判長は衣を知っているのか?」ハテナ?
-
サイバンチョ「そら、高校麻雀を知っていれば勝手に耳に入ってくるわ。」
ヒサ「全国で3校同時とばしは麻雀に疎くても凄いと思いそうだものねえ。」
フクジ(………ツモあがりで削れる点数は最大で約16000点………)
フクジ(………それも、点数調整しないとできないわよね………)アセダラー
ハギヨシ「それだけ、衣様の強さは知れ渡っているということです。」
コロモ「そうなのか?衣は嬉しいぞ。」ニコッ
ハギヨシ「私も嬉しく思います。」ニコッ
-
サイバンチョ「さて、本題に入るで。検事側はこれでいいのですか?」
クボ「………」ウーン
クボ「………ああ、構わない。」ニヤッ
フクジ「!?………」
フクジ(どういうことかしら?私たちに有利な証言を何の反論も無く受け入れるなんて………)
ヒサ「………何か考えてるわね、あれは。」
フクジ「………ええ。しかし、何なのかはわかりません。」
ヒサ「ま、その時を待ちましょう。」
フクジ「ええ。」
-
サイバンチョ「では、証人は
クボ「ああ、ちょっと待ってくれ。」
サイバンチョ「…久保検事、どうしました?」
クボ「天江衣の証言を萩原氏を通してくれないか?さすがに辞書を使いたくないんでね。」
サイバンチョ「ふむ……弁護側はどうですか?」
フクジ「別に構いません。」
ヒサ「確かにそれは面倒ね。」
サイバンチョ「では、証人及び萩原氏は証言を開始してください。」
-
フクジ(……それからの天江衣さんの証言は荻原さんの言ったことを裏付けるものでした。)
フクジ(本気で打ったこと。藤田プロの言葉を意識したこと。)
フクジ(あと、本件とは関係が無いことだけど、藤田プロが天江さんは麻雀を打っていたといったそうです。)
フクジ(でも、0点調整した場面では無かったみたいです。いったい、どこなのかしら?)
フクジ(証言し終わった後、萩原さんと天江さんは龍門渕のメンバーに迎えられて退廷しました。)
フクジ(この間、久保コーチは一切の異議を申し立てませんでした。)
フクジ(さて………)
-
フクジ「さあ、検事側の主張は全て否定されました。」
フクジ「これで、華菜を戦犯呼ばわりする要素は無くなったはずです。」ニヤッ
クボ「………」
クボ「………」ニヤッ
ヒサ(!?)
フクジ(な、何?久保コーチの笑みは……)
クボ「はーっはっはっは!本気で言ってんのか?福路ィィ!」
フクジ「な、何がですか?」
-
クボ「確かに検事側の主張は否定された。」
クボ「池田が不用意に振り込んだこと。天江衣が舐めプレイをしていたこと。」
クボ「それらが否定された。しかし、」
クボ「池田が戦犯であることは全く否定されてねえじゃねえか!」
異 議 あ り !
ヒサ「何を言っているの!?その根拠が無くなったでしょ!?」
異 議 あ り !
クボ「無くなってなんかねえよ。多少弱まっただけだ。」
クボ「あれらの証言は本題を強めるために用意したものだったが、」
クボ「それらの援護が無くたって十分に強い主張なんだよ!」
-
クボ「県予選の決勝の大将戦で、トップだった龍門渕にまくられて、」
クボ「一時は持ち点が0点になるほどの大量失点で敗北。」
クボ「全国には1校しか行けない。ゆえにその1校がどんなに強かろうが勝たないといけなかった。」
クボ「しかし、池田はそれができなかった。それのどこが戦犯じゃないって?ああっ!!」
クボ「反論したかったら何か根拠を示せよ!」
フクジ「くっ………」
ヒサ「………引き下がらないわね……福路さん、どうするの?」
フクジ「………ちょっと待ってください。」
-
フクジ(……これで取り下げてくれるわけなかったわね……)
フクジ(……一応策はあるんだけど、この流れで使ってしまうのは私が困ってしまうわ……)ウーン
フクジ(……ここは考える時間を稼がないと。)
フクジ「あの。」
クボ「あん?」
フクジ「華菜が戦犯呼ばわりされている理由を詳しく教えていただけますか?」
クボ「ああ?お前それ知ってんだろうが!」
フクジ「ですから、この法廷の場でもう一度詳しくお願いします。」
フクジ「裁判長!私はそれを強く求めます。」
サイバンチョ「ふむ。………」
サイバンチョ「せやな。ここで一度確認しとくのも悪くないわな。」
サイバンチョ「弁護側の主張を認めます。検事側は証言してください。」
クボ「………」チッ
-
クボ「では、池田華菜が戦犯であるという理由を詳しく説明する。」
クボ「まず、我々風越女子高校の立場を知ってもらいたい。」
クボ「風越は去年の県予選で龍門渕高校に負けて全国大会出場を逃している。」
クボ「なので、我々は龍門渕高校に勝って全国大会に出場することが悲願だった。」
クボ「序盤は大成功だった。キャプテンの福路が大きなプラス収支で1位だった。」
クボ「しかし、その後はうまくいかなかった。次鋒、中堅、副将とマイナス収支で4位になってしまった。」
クボ「なので、池田に課せられた使命は1位奪還だった。」
クボ「序盤は天江衣は様子見だったのか、おとなしかった。」
クボ「なので、ここで池田は点を取り、少しでも順位を上げておくべきだった。」
クボ「しかし、池田はそれをできていない。結果、池田はあがれないまま天江衣が動き出した。」
-
クボ「天江衣は強者だ。動き出したら苦戦を強いられることはわかっていたはずだ。」
クボ「実際、他の者も苦戦を強いられていた。あれが場を支配するというやつなんだな。未だに理解できん。」
クボ「奇しくも、池田はあの中で唯一天江衣と戦ったことのある選手だった。」
クボ「このアドバンテージを池田はしっかりと利用するべきだったのだが、」
クボ「逆に利用されたとでもいうべきかな、前半戦南二局から後半戦東二局2本場まで、」
クボ「7連続失点だ。風越は0点になり、このとき龍門渕との差は187900点だ。」
クボ「そのあと、池田があがったこともあり、とばされる事は無かったが、」
クボ「池田は-45500点のマイナス収支で風越は4位となった。」
クボ「まあ、龍門渕が2位となったのが、申し訳程度のオチといったところか。」
クボ「…以上の説明からわかる通り、池田は戦犯だ。何か反論はあるか?」
-
超大作過ぎィ!
-
ヒサ「………」ムムッ
フクジ(改めて聞いて分かったことがあるわ…。)
フクジ(それは、竹井さんも思っていることだと思う…)チラッ
フクジ(戦犯を決めるにあたって、清澄高校の扱いが軽い。)
フクジ(決勝戦で+39100点を取った竹井さんが不満そうなのも納得だわ。)
フクジ(清澄は確かに1位だけど、実力は龍門渕の方が上…)
フクジ(それが私たち風越の評価ってことになるけど…ほんとうにそうなのかしら?)
-
フクジ「あの、久保コーチ。」
クボ「何だ?」
フクジ「申し訳程度のオチが役満の振込みだったのですが…」
クボ「ああ、三味線で得た結果だな。」
クボ「天江衣及び龍門渕がなんの講義もしないから問題なしとされたが、あれはいただけないな。」
クボ「まあ、風越の勝敗には何の影響もないがな………」チッ
ヒサ「………ハハハ………」
フクジ(やはり、このような扱い………)
-
フクジ(清澄を考慮に入れさせることで、戦犯談義を今日で決められなくさせれば…)
フクジ(でも、それには強いインパクトを持ったものでないと…)
フクジ(竹井さんの得点は久保コーチもすでに知っているはず…)ウーン
フクジ(多分話しても、かわされてしまうわ。)
フクジ(………)フゥ
フクジ(さあ、しっかりと状況を整理して、)
フクジ(考えるの…考えるのよ………)
-
━━━ カ ン ガ エ ル ー ト ━━━
フクジ(まずは被告人である華菜について)
フクジ(華菜の実力は?)
校 内 ラ ン キ ン グ 2 位
フクジ(そう、華菜は名門である風越の校内ランキング2位の選手。)
フクジ(決して実力のない選手ではないの。大将を任されているぐらいだもの。)
フクジ(次に、対戦相手について。注目すべきは龍門渕高校の天江衣さん。)
フクジ(彼女の実力は?)
全 国 ト ッ プ レ ベ ル
フクジ(そう、彼女は全国でもトップレベルの実力者。全国の卓で3人同時とばしをしている。)
フクジ(プロからは『牌に愛されている』との評価も受けている。)
-
フクジ(そのような実力者であることはもちろん知っていた。)
フクジ(私も華菜も、勿論、久保コーチも。)
フクジ(華菜が戦犯とされている理由は?)
実 力 差 以 上 の 結 果 を 残 し て し ま っ た
フクジ(そう、勝負事というのは本来勝てれば良いけれど、そうはいかない時もある。)
フクジ(負けても最善を尽くしたと評されることもあるけれど、華菜はそうはならなかった。)
フクジ(華菜が戦犯でない以上、華菜は最善を尽くしたことになる。)
フクジ(それならば、なぜそのような結果になった?)
天 江 衣 以 外 の 支 配 を 受 け た
-
フクジ(大将戦では、天江衣さんの支配が非常に強かった。)
フクジ(しかし、天江さんが動かなかった序盤で、場を支配していた選手がいる。)
フクジ(その彼女の名は?)
宮 永 咲
フクジ(そう、宮永さん。加治木さんに槍槓をあがられて支配が弱まったようだけど。)
フクジ(しかし、終盤になって彼女の支配力は戻っているような感じだったわ。)
フクジ(そうなると、考えられる可能性は一つ。)
フクジ(なぜ彼女は天江さんの支配下で支配を発揮できたのか?それは)
━━━宮 永 咲 は 天 江 衣 と 同 等 以 上 の 実 力 者━━━
-
フクジ(…これしか考えられないわ。)ニッ
フクジ「久保コーチ。」
クボ「何だ?」
フクジ「そもそも、華菜は天江さんだけにやられたのでしょうか?」
クボ「何…!?…まあ、麻雀は4人で卓を囲む競技だからな。そうではないとは言える。」
フクジ「いえ、私が言いたいのはそういうことではなく、」
フクジ「あの卓では天江衣が頭一つ飛び抜けていたわけでは無かったということです。」
クボ「!…ど
サイバンチョ「どういうことや!?弁護側!」
ヒサ「……裁判長が強く食いついてきたわね……」アセダラー
-
フクジ「…華菜があのような結果となってしまったのは、天江衣さんだけでなく、」
フクジ「清澄高校の大将である宮永咲さんの影響も大きいと考えています。」
サイバンチョ「ほう!」
クボ「…その根拠は?」
フクジ「大将戦で最初に上がったのは宮永咲さんでした。彼女の得意の嶺上開花を2連続であがっていました。」
フクジ「後半にも似たようなことがありました。そして最後のあがりも嶺上開花でした。」
フクジ「彼女の得意技が嶺上開花ゆえ、彼女はカンを多用する傾向にあります。つまり、」ニヤッ
フクジ「彼女がカンをしているとき、それは彼女が場を支配しているということになるのです。」
クボ「その根拠
フクジ「それは結果から見ても明らかでしょう?久保コーチ。」
クボ「………」チッ
-
サイバンチョ「嶺上開花が得意…凄いのがおるな。」ヘェ
異 議 あ り !
クボ「だからといって、宮永が天江と同等以上とはならないだろ?」
フクジ「ええ、ですから裁判長!弁護側は宮永咲さんの証人喚問を要求します。」
異 議 あ り !
クボ「裁判長!そもそも宮永咲を証人喚問する意味が無い。仮に宮永が天江と同等以上だとして、それが本件とは何の関係も無いだろう?」
異 議 あ り !
フクジ「それが大いにあるんです。」ニヤッ
クボ「何………?」
-
フクジ「今までの戦犯談義では、龍門渕高校に重きが置かれていた。」ビシッ!
クボ「!………」
サイバンチョ「確かにせやな。久保検事の証言はそうなっとるわ。」
フクジ「しかし、ここで宮永咲さんが天江衣さんと同等以上だと証明されればどうなるでしょうか?」ニヤッ
フクジ「今までの戦犯談義を見直して……」
フクジ ダ ン ッ !
フクジ「清澄高校を十分に考慮したものに変えなければならなくなります!」
クボ「ぐっ……。」
サイバンチョ「……弁護側の要求を認めます。」
-
サイバンチョ「では、本日の法廷はここまでとします。」
サイバンチョ「検事側は宮永咲氏を証人として招くように準備しておいてください。」
クボ「………了解。」
サイバンチョ「それではこれにて閉廷します。」
コ ン !
-
同日 某時刻 長野裁判所 第1控室
須賀京太郎(以下、キョウタロウ)「お疲れ様です。」
染谷まこ(以下、マコ)「お疲れじゃけえ。」
片岡優希(以下、ユウキ)「お疲れだじぇ。」
ヒサ「ふう………何とか乗り切ったわね。」
フクジ「ええ。でも、まだまだこれからです。」
イケダ「…キャプテン。…私どうなるんですか…?」オロオロ
フクジ「大丈夫よ、華菜。」フフッ
フクジ「宮永さんのことを立証できたら、華菜が戦犯呼ばわりされる事は無いわ。必ず立証するから、安心してね。」ニコッ
イケダ「キャプテン……。」ウルッ
-
ヒサ(………池田さん以外に風越女子のメンバーがいない……)
ヒサ(……無理もないわ。池田さんが戦犯じゃないのなら、他の人が戦犯になるのだから。)
ヒサ(………福路さんはこのことをどう思ってるのかしら?聞いてもはぐらかされるし…)
ヒサ(…まあ、その時を楽しみにしましょうか。)
ヒサ「さて、……そういえば、咲は?」
ユウキ「咲ちゃんならのどちゃんとお話し中だじぇ。」
キョウタロウ「ああ…まだやってんのか。」ヤレヤレ
マコ「部長…悪い知らせじゃ。」
ヒサ「え?」
マコ「咲はさっきの主張に反対してる。」
フクジ「!?本当ですか!?」
-
や放火魔糞
-
マコ「ああ。咲は恥ずかしがり屋じゃ。天江衣並と大勢の人前で言われると耐えれんのじゃろう。」
キョウタロウ「今、和が懸命に説得しているんですが、」
ユウキ「咲ちゃんは世界一強いって言ってたじぇ。」
キョウタロウ「ですが、俺が知っている限りでは咲はああなると融通がきかなくて。」
マコ「どうやら、明日は検事側に都合の良い証言をするかもじゃけえ。」
フクジ「そんな…」
ヒサ「あら、でも面白いじゃない。」
フクジ「え?」
ヒサ「福路さんの中では、咲は天江さんと同等以上の実力の持ち主なんでしょ?」
ヒサ「だったら、そんなの隠しきれるわけないじゃない。」フフッ
ヒサ「そんな咲が法廷で弱者アピールするんでしょ?証言に必ず矛盾が出るわ。」ニヤッ
ヒサ「あー、明日が楽しみだわ。揺さぶりにあたふたする咲、想像するだけでかわいいわね。」アハハッ
-
フクジ「竹井さん…頼もしいです。」
ヒサ「今日はありがとう。」
フクジ「え?」
ヒサ「いや、私たち清澄は咲が天江さんと同じくらい強いと思うんだけどね、」
ヒサ「それって結局身内びいきなのかなって思ってしまうのよね。」
ヒサ「だから、あなたがそう言ってくれたことが嬉しかったわ。」ニコッ
フクジ「いえいえ…。」
キョウタロウ「いやー、明日は咲の強さがばれちゃうのかー。」コマッチャウナー
ユウキ「咲ちゃんバレバレだじょ。」
ヒサ「そのために今日も証拠集めに励みましょう。」
キョウタロウ「おう。」グッ
ユウキ「任せとけ。」タコスパワー
マコ「うちらがおれば、明日も準備万全じゃ。」ニッ
-
フクジ「ふふっ…みなさん頼もしいですね。」
キョウタロウ「伊達に長野県1位じゃないですよ。」ドヤァ
マコ「お前が言うかぁ?」アキレ
キョウタロウ「い、いいじゃないですか。俺だって清澄の一員だし。」
ヒサ「そうね。須賀君、いつもありがとう。」
キョウタロウ「いえいえ。」ヘヘッ
フクジ「…えー、みなさん。今日も証拠集めに励んで、」
フクジ「明日も頑張りましょう!」
一同「おー!」
つづく
-
途中で終わらせちゃってすみません。
一応書きだめはしているんですが…
こんなに時間がかかるとは思ってませんでした(>_<)
読んでくれている方には申し訳ないですm(__)m
明日(今日?)の夜に再開しますのでその時はよろしくお願いします。
-
おつやでー
次はカマトトぶってる咲がいじられ倒すのか、嬉しいなあ
それにしても逆転裁判って異議ありの応酬なんすねぇ
アルカプ3でしかナルホドくんを知らなかったから異議ありはここぞと言う場面でしか使えないのかと思ってたゾ
異議ありの癖に技名が(空中)逆転への布石とか(空中)追求とかなっててかっこE
-
>>99
オツシャス!
-
クッソ面白かった
これはまとめて欲しい
-
続きも期待しとるで!
-
次の日 某時刻 長野裁判所 第1控室
ヒサ「ごめんね、福路さん。和、懸命に頑張ってくれてたんだけど…。」
フクジ「…宮永さんは法廷で反論をすることになるんですね?」ウーン
ヒサ「ええ、しかも和が咲を尊重するって咲の味方になっちゃって…」
キョウタロウ「咲が法廷でしゃべるだけなら良かったんだけど…」
ユウキ「のどちゃん胸だけじゃなく頭もいいじぇ。」ムムム
マコ「うまいこと証言させるんじゃろう。」ヤレヤレ
ヒサ「ええ…そのようね。」
-
続きが来たで〜!
-
ヒサ(しかし、咲の強さは和が一番認めているはず…)
ヒサ(どのような証言をさせるのかしら?)ウーン
フクジ「咲さんが私たちの証言を認めてくれればことが進めやすかったんですが、」
フクジ「しかし、やることは変わりません。」ニヤッ
フクジ「私たちは法廷で宮永さんの強さを証明するだけです。」
フクジ「宮永さんがそうである以上、その証言には必ず矛盾が生じます。」
キョウタロウ「そこでびしっと頼みますよ!」ズビシィッ!
ユウキ「福路さんのナルホドポーズだじぇ!」ズビシィッ!
フクジ「え!?あ、あれをやるんですか!?私が!?」ギョッ
マコ「ほう、楽しみじゃのう。」ニヤリ
ユウキ「さーて、今から練習だじぇ!」
フクジ「え!?…え!?」
ヒサ「さてさて、どうなることやら……」
-
某日 某時刻 長野裁判所 第1法廷
裁判2日目 開 延
サイバンチョ「では、これより池田華菜の法廷を開廷します。」
フクジ「弁護側、準備完了しています。」
クボ「検事側、同じく。」
サイバンチョ「では、久保検事。冒頭弁論を。」
クボ「この裁判は全国麻雀大会長野県予選決勝で敗北した風越女子高校の戦犯が池田であることを問う裁判だ。」
クボ「しかし、前回までで、戦犯の決め方に問題があるのではないかとの指摘があった。」
クボ「よって、清澄高校の大将である宮永咲を証人喚問し、その妥当性を検証する。」
サイバンチョ「ふむ。では、証人は入廷してください。」
-
サキ「………」モジモジ
ヒサ(ん………)
クボ「証人。名前と職業を。」
サキ「はっ、はい!」アセアセ
サキ「み、宮永咲です。えー、えーっと……」アセアセ
サイバンチョ「?…職業は?」
サキ「あっ。そうだった。」カァー
サキ「清澄高校の1年生です。」
サイバンチョ「なんや。緊張してるんか?」
サキ「そ、そうですね。このような場は不慣れなもので…。」モジモジ
サイバンチョ「安心してや。嘘さえついていなければ、厳しく追及されることあらへんから。」ニコッ
サキ「…はい。」コクン
-
フクジ「…気のせいかしら。」
ヒサ「いえ、福路さん。気のせいじゃないわ。」フルフル
ヒサ「咲は明らかに大袈裟に感情を表しているわ。」
ヒサ(…和の入れ知恵かしら?)
フクジ「そうですよね…。普段の彼女とは違う気がしてました。」
サイバンチョ「宮永さんの得意技は嶺上開花なんやろ?」
サキ「はい。嶺上開花が得意です。」ニコッ
ざわざわ…ざわざわ…ざわざわ…ざわざわ…ざわざわ…ざわざわ…ざわざわ…ざわざわ…
ざわざわ…ざわワハハざわざわ…ざわざSOAわざわ…ざわそんなん考慮しとらんよ…わ…
ざわざわ…ざわニワカは相手にならんよわ…ざわ嶺上開花くらいくれてやる…ざわざわ…
ざわざわ…ざわざわ…ざわざわ…ざわざわ…ざわざわ…ざわざわ…ざわざわ…ざわざわ…
サキ「?」ポカーン
ヒサ(咲…そりゃ普通驚くわよ。嶺上開花が得意って…。)アセダラー
-
サイバンチョ「なんや、それだけでも強い印象を受けるなあ。」
異 議 あ り !
クボ「嶺上開花をよくあがるということ自体は驚かれるものかもしれないが、」
クボ「この麻雀時代に何かの役が得意というのは一定数いる。」
クボ「安易な発言は控えていただきたい。」
サイバンチョ「せやな。これからの証言が楽しみや。」
サイバンチョ「では、証人は証言を開始してください。」
-
証 言 開 始
『清澄高校大将の宮永咲です。 ペッコリン
大将戦では序盤はうまく打てたと思います。 ニッコリン
でも、前半戦の東二局二本場で、流れが変わりました。 オロオロリン
加治木さんに槍槓をあがられてしまいました。 シックリン
天江さんも本気を出してきて、聴牌すらままなりませんでした。 シックリン
後半戦の東二局三本場では池田さんに大きくまくられちゃいました。 シックリン
でも、最後らへんで私に運が向いてきた気がします。 ニッコリン
最終的に勝てました。麻雀って楽しいよね!』ニッコリン
-
ヒサ「………」
フクジ「………」
サイバンチョ「………」
クボ「………」チッ
ヒサ(え?何…このオーバーリアクションは…?)アセダラー
ヒサ(でも、案外かわいいものね…)フムフム
ヒサ(! まさか…)ピーン
ヒサ(和…まさか、これを見たいがために咲の味方を…)アセダラー
ヒサ(てことは、和はこれを見て楽しんでるわね…。)アセダラー
サイバンチョ「…へ、へえ、大変やったんやな…」ハハハ…
-
サイバンチョ「でも、スコアと印象がちゃうな…。」
クボ「スコアは結果だけを取り出しているからな。実際はこのようなことが起こっていたって訳だ。」
サイバンチョ「成程な。」
フクジ「…証人。」
サキ「何ですか?」ニコニコ
フクジ「証人は今の証言でいいのですか?」
サキ「ど、どういうことですか?」オロオロ
フクジ「宮永咲さんがここにいる理由は天江衣さんとの比較のためです。」
フクジ「証人はどのような立場なのかを証言していませんが。」
異 議 あ り !
クボ「それについては私から説明しよう。」
-
クボ「まず、証人は天江衣に及ばないと考えているそうだ。」
クボ「まあ、天江衣は去年の全国麻雀大会の最多得点プレイヤーだ。しかも、天江衣自身は2回戦までしか戦っていないのにだ。」
クボ「その凄さは麻雀をしていればわかるだろう?いや、していなくてもわかるか。」ニヤッ
クボ「事実、天江衣は大将戦で一番点を取っている。なので、証人がそのように思うのも納得がいく。」
クボ「しかし、証人が確かな実力を持っているのは事実。さも自分が弱いような証言は虚偽と取られる懸念があった。」フフン
ヒサ(うっ…。)
フクジ(……私たちがそこを攻めようとしていたのは想定内なのね…。)
クボ「なので、証人にはあの試合で起こったことを証言してもらっている。」
クボ「私には尋問すらする必要のない証言だったと思うが、そこは自由にするがいい。」フッ
-
ヒサ「……」ウーン
ヒサ「…福路さん。さっきの咲の証言なんだけど…。」
フクジ「…胡散臭いリアクションとは違い、聞いた限り、矛盾はなさそうですね…。」
ヒサ「ええ、咲は無難に結果しか言ってないわ。」ニッ
フクジ「相手がそのようなときは」ニヤッ
ヒサ「ええ。『フル待った』安定ね!」ニヤッ
サイバンチョ「それでは、尋問を開始してください。」
-
尋 問 開 始
サキ『清澄高校大将の宮永咲です。』ペッコリン
待 っ た !
ヒサ「知ってる?咲。全国でも大将が1年生って珍しいのよ。」
サキ「そうなんですか?」ヘー
サイバンチョ「証人、白糸台の大星淡、阿知賀女子の高鴨穏乃、劔谷の安福莉子、臨海女子のNelly virsaladze………」
サイバンチョ「思いつくだけ言うてみたけど、確かに少ないな。」フム
フクジ「裁判長…凄く詳しいですね。」アセダラー
サイバンチョ「高校麻雀に興味持ってたら、多少はな。」ニッ
-
ヒサ「裁判長のお墨付き通り、やっぱり大将は1年生に任されるポジションじゃないわけよね。」
ヒサ「そんな重要なポジションを任された咲が強いのは当然よね?」ニヤッ
異 議 あ り !
クボ「それはお前ら清澄の都合だろう?それに、強豪校はエースを先鋒に置くぞ。風越みたいにな。」
ヒサ「私たちは優希の配置が難しかったからねえ。」ウーン
クボ「…証人、証言を続けろ。」
-
サキ『大将戦では序盤はうまく打てたと思います。』ニッコリン
待 っ た !
ヒサ「2連続の嶺上開花はお見事だったわ、咲。」
サキ「えへへ。」ニター
クボ「私の記憶だと、嶺上開花は確率の低いあがりだったな。」
サイバンチョ「ええ、その通りですわ。んなあがれるもんやない。」
クボ「そして私の記憶だと…」
クボ「海底撈月も、確率の低いあがりだったはずだ。」ニヤッ
クボ「ま、それだけじゃ弁護側の主張の証明は難しいだろうな、なあ?」ニヤリ
ヒサ「うっ…」
-
フクジ「先に釘を刺されましたね…。」ウーン
ヒサ「うーん。嶺上開花だけじゃ説得力に欠けるのね…。」
フクジ「強いのは間違いないんですが、比較対象が天江さんなので…。」
フクジ「…ここは、どんどん情報を引き出していきましょう。」
ヒサ「オッケー。」グッ
クボ「…証人、証言の続きを。」
-
サキ『でも、前半戦の東二局二本場で、流れが変わりました。』オロオロリン
待 っ た !
ヒサ「咲。それは、結果から見てかしら?」
サキ「部長、どういう意味ですか?」ハテナ?
ヒサ「今思ってみれば、あの時から流れが変わったと分析したのかしら。」
サキ「いえ、対局しているときから、それを感じていました。」ウンウン
ヒサ「対局しているときから…。具体的にはどういうことかしら?」
待 っ た !
クボ「それを今から証人は話そうとしている。話してほしかったら…」
クボ「『待った』などと遮らずに黙って聞いとくべきだ。」ニヤリ
ヒサ「うっ………善処します。」アセダラー
-
フクジ「その調子ですよ、竹井さん。」グッ
ヒサ「え?どういうこと?福路さん。」
フクジ「久保コーチは咲さんの証人喚問では擁護する回数が他の証人の時よりも多くなっています。」
フクジ「きっと、宮永さんが揺さぶられると何を言い出すか不安なんでしょう。」
フクジ「竹井さんの強気な尋問を改めるように催促してきていますしね。」ニッ
ヒサ「成程。このままでオッケーってことね。了解。」グッ
クボ「では、証人は証言の続きを。」
-
サキ『加治木さんに槍槓をあがられてしまいました。』シックリン
待 っ た !
ヒサ「槍槓とは、他家が加槓を宣言した際、その牌が自らの和了牌であれば和了を宣言できるというものね。」
サイバンチョ「へえ、槍槓あがられたん?嶺上開花もやけど、確率低い役なんやで?不運やな。」
サキ「そうなんです。加治木さんは私がカンするのを待っていたんだと思います。私の勢いを止めるために…」ウルウル
サイバンチョ「ちょい待ち!?加治木さんは槍槓狙ってたんか?」
クボ「それは本当だ。こちらの資料を見て欲しい。これによると、満貫の待ちを捨てて待ちを変えている。」
クボ「おそらく証人がポンしたのを見て、証人がカンすると予想したのだろう。そして、」
サイバンチョ「その通りになったと。証人が嶺上開花を得意とするが故のあがりだった訳やな。」ヘェ
ヒサ「咲はポンしたのをカンする可能性が高いから、槍槓をあがれる確率があがっているということかしら?」
サイバンチョ「せやな。まあ、ほんのちょっとやけどな。」
サキ「うう…あんまりです。」シクシク
クボ「…では、証人は証言の続きを。」
-
サキ『天江さんも本気を出してきて、聴牌すらままなりませんでした。』シックリン
待 っ た !
ヒサ「これは、天江さんが海底撈月をあがるための副作用といったところかしら?」
サイバンチョ「せやな。いくら海底撈月をあがれてもその前に他家があがったら意味無いもんな。」
サキ「その天江さんの支配によって、聴牌するのも難しかったです。」ウルウル
サイバンチョ「一向聴地獄ってやつやな。」メゲルワ…
クボ「『一向聴地獄ぐらいよくあることなんだからボヤくな』と藤田プロが言っていたが、」
ヒサ「や……藤田プロ、そんなこと言ってとのね…。」アセダラー
クボ「さすがに天江衣の支配には驚いていたな。」
-
サイバンチョ「へえ、プロ雀士が驚くんか。やっぱり天江衣は凄いな。」フムフム
ヒサ「あら、藤田プロは咲のことも気にかけていたわよ。」ニッ
クボ「…ふーん。」
ヒサ(軽く流されちゃった…。)アセダラー
ヒサ「どうする?福路さん。もっと言っておこうか?」
フクジ「…いえ、攻めどころはここじゃなさそうです。これ以上言う必要はないですね。」
ヒサ「そう?オッケー。」グッ
クボ「…では、証人は証言の続きを。」
-
サキ『後半戦の東二局三本場では池田さんに大きくまくられちゃいました。』シックリン
待 っ た !
ヒサ「その時も槍槓をあがられたのよね。」
サイバンチョ「え?また!?証人、一局で2度も槍槓に振り込んだん?」ギョッ
サキ「はい。」シクシク
サイバンチョ「不運というか、逆に運がええんか?こんなん、麻雀やってても二度と巡り合えへんで。」アゼン
サイバンチョ「またあれか?狙われたん?」
クボ「いや、今回は違う。こちらの資料を見ていただきたい。この資料によると、証人がポンする前に池田はすでに聴牌していた。」
クボ「池田の待ちはそのポンされた牌だ。」
サイバンチョ「成程な。じゃあ、証人は狙われていたわけでもないのに槍槓を振り込んでしまったわけやな。」
クボ「ああ、不運だな。」
フクジ(不運…?…何か、引っかかるわね…。)ウーン
クボ「では、証人は証言の続きを。」
-
サキ『でも、最後らへんで私に運が向いてきた気がします。』ニッコリン
待 っ た !
ヒサ「最後らへんとは、どのあたりかしら?」
サキ「えっと、裸足になった時です。」ニコニコ
ヒサ「ああ、あの時ね。いきなり脱ぎ始めるから、どうしちゃったんだろうって思ったわね。」
サイバンチョ「え?靴下脱いだん?」
クボ「ああ、この資料を見てもらいたい。それによると、証人は後半戦東四局一本場で靴下を脱いでいる。」
クボ「以後、試合終了まで、天江衣が一回あがったのを除いて、全て証人があがっている。」
サキ「靴下脱ぐと、麻雀をよく打っていた時期を思い出せるんですよ。」ヘヘヘ
サイバンチョ「…ふむ。靴下脱いだら要注意ってことやな…。」メモメモ
クボ「では、証人は証言の続きを。」
-
サキ『最終的に勝てました。麻雀って楽しいよね!』ニッコリン
待 っ た !
ヒサ「最後の最後で役満をまくったのよね。」
サキ「はい!ツモ 清一 対々 三暗刻 三槓子 赤1 嶺上開花 32000です。」カッ
サイバンチョ「…聞き間違いかな?もう一度言ってくれへんか?」
サキ「ツモ 清一 対々 三暗刻 三槓子 赤1 嶺上開花 32000です。」カッ
サイバンチョ「ありがとう。…これまた凄いあがりやな。」ヘェ
クボ「確かに凄い。まあ、私は評価していないがな。」
-
サイバンチョ「ああ、確か証人は対局中に話しかけたんやっけ?」
サキ「はい。つい。」オロオロ
サイバンチョ「うちも対局中によーしゃべる人知ってるけどな…」ハハハ
サイバンチョ「…せやな。資料を見る限りでは…」フム…
サイバンチョ「天江さんは一筒を抱え込むはずやったんやないかな?」
異 議 あ り !
ヒサ「それは裁判長の打ち方です。天江さんは咲の打点を予想していました。しかし、」
ヒサ「咲がその予想を上回るあがりをした。そういうことです。」
クボ「…まあ、私はこの話をしたいわけじゃない。ここではそういうことにしておこうか。」
-
ヒサ「さて、とりあえずすべての証言を揺さぶってみたけど、何か気になることあった?」
フクジ「…そうですね。やはり、あの証言が気になりました。なので、」
フクジ「あの証言をもう少し揺さぶってみましょう。」
-
サキ『後半戦の東二局三本場では池田さんに大きくまくられちゃいました。』シックリン
待 っ た !
ヒサ「後半戦の東二局三本場の時に、何か気になることはあった?」
サキ「いえ、特に何も?」ハテナ?
ヒサ「もう一回聞くけど、本当に?」ニヤリ
サキ「………」アセアセ
サキ「………」チラッ
クボ「…私から話そう。」ウム
-
クボ「後半戦の東二局三本場において、天江衣と池田以外はツモあがりができない状態にあった。」
サイバンチョ「何でなん?…あ!ひょっとして、その時が…」
クボ「そう、池田の、風越の得点は0点だった。その時の1位が龍門渕高校。」
クボ「ダブル役満の無い今大会では龍門渕に直撃を食らわしても届かない点差があった。」
クボ「つまり、証人は池田をとばしてはいけない状況にあったのだが…、」
クボ「証人は緊張しているらしい。もう思い出しただろう?」ニヤリ
サキ「は、はい。そうでした。」テヘヘ
ヒサ(……咲だと、忘れてたってのがあり得るのが困るわね…)アセダラー
ヒサ(……とは言っても、今のところで隠す理由がわからないから、本当なのかもしれないわね。)
-
ヒサ「今、状況を確認した通りのように、池田さんは0点でした。つまり、」
ヒサ「池田さんが得点を取らない限り、その状況が続くのですが、」
ヒサ「咲が振り込んだのよね。確か、16900点。」
サキ「はい。敵ながら天晴でした。」スゴーイ
ヒサ「本当にそうなのかしら?」
サキ「…もしかして、わざと振り込んだと言いたいんですか?」…
フクジ(!……法廷資料に何かないかしら…)セッセッ
-
ヒサ「あら、そんなこと言ってないけど?」
サキ「そんなオカルトありえません!」ノドッチ
クボ「え?」
サキ「え?」
クボ「あ、…えー…」
クボ「…コホン。失礼。」
フクジ(…久保コーチ、凄く驚いてたわね…)アセダラー
ヒサ(そして、和が指導したことは確定ね…)アセダラー
ヒサ「…じゃあ、証言に加えても構わないわね?」
サキ「………」…
サキ「勿論です。」コクン
サイバンチョ「では、証言に加えましょう。」
-
サキ『わざと振り込むなんて、そんなオカルトありえません』ノドッチリン
異 議 あ り !
フクジ「…異議があることに正直私も驚いていますが…」
フクジ ダ ン ッ !
フクジ「証人の証言は明らかに矛盾しています!」ズビシィッ!
サキ「!?」ビクッ
ヒサ(おお!ナルホドポーズ!)
-
クボ「福路ィィッ!どういうことだ!?」
フクジ「簡単なことです。証人はあの場面でわざと振り込んだんです。」
サキ「そ、そんなことしてないですよ。」アセアセ
フクジ「弁護側はそれを裏付ける証拠を出す準備が整っています。」ニッ
サキ「え!?」ビクッ
サイバンチョ「ホンマか!?はよ見せて―な!」
-
フクジ「この写真をご覧ください。」
サイバンチョ「ん?証人が点棒を取り出しているな。」
フクジ「これは後半戦の東二局三本場の時に証人が点棒をそりだしている様子を写したものです。」
クボ「証人は池田に直撃を食らったんだから、別におかしいところはねえだろ?」
フクジ「そうですね。一見すると何もおかしいところは無い。しかし、問題はこれがいつ取られた写真なのか?」ニッ
サイバンチョ「…!ま、まさか…」
フクジ「そう、証人は華菜が和了宣言する前に点棒を取り出していたのです。」
サイバンチョ「何やて!?どうなんや、証人!」
サキ「え、えっと…」アセアセ
-
サキ「………」アセアセ
サキ「!」ピーン
サキ「すいません裁判長。私、思い出しました。」ペッコリン
サイバンチョ「何をや?」
サキ「私、確かにわざと振り込みました。」ウンウン
フクジ「認めるんですね?」
サキ「はい、認めます。ちゃんと理由もありますよ。」ウンウン
サイバンチョ「では、そのことを証言してください。」
-
サキ『あの時は池田さんが点棒を失ったら試合終了なので、わざと振り込みました。』ニッコリン
待 っ た !
ヒサ「やはり、そうだったのね。」ニッ
サキ「はい。でも…」ニコニコ
サキ「それが何だっていうんですか?」…
ヒサ「え?」
サキ「確かに私はわざと振り込みました。でもそれって特に凄いことでも何でもないですよね?」…
クボ「確かに、麻雀はいくつかの情報源がある。手牌に河。あと、ドラ表示牌もか。」
-
クボ「それらから相手の待ちがわかることもある。それはお前の得意とするところだろう?福路。」
フクジ「ええ、確かにそうですね。相手の待ちがなんとなくわかるのはよくあることなのかもしれませんね。では、」
フクジ「『わざと振り込んだことは凄いことではありませんよね?』を証言に加えてもいいですね?」
クボ「何?………」
サキ「はい。構いません。」コクリ
クボ(おい!? 即答するなよ!? 少しは考えさせろ!)
サイバンチョ「では、証言に加えます。」
-
サキ『わざと振り込んだことは凄いことではありませんよね?』
異 議 あ り !
フクジ「宮永さん。流石ですね。」ニコッ
サキ「……?」…
フクジ「今の証言であなた自身がとても強いプレイヤーであることを証明しているのです!」ニッ
サキ「え……!」…
クボ(どういうことだ!?どういうことだ!?………)パラパラパラパラ
クボ「あ!……な、な、な、何だと…!」
サイバンチョ「ど、どうしたんですか?久保検事。」
クボ「…後半戦の東二局三本場、池田は5巡目あがりだ。しかも役は槍槓ドラ7…」
サキ「あ!」シマッタ!
-
サイバンチョ「何やて!?リーチ……はかけれへんのか。リーチもかかってへんのに待ちなんかわかるわけあらへんやんか!」
ヒサ「そうよね。並大抵のことじゃないわ。でも、咲はわかってたのよね。ねー、咲。」ニコニコ
サキ「あ、いや、そ、それは…」アセアセ
フクジ「別に言い逃れても無駄ですよ、宮永さん。」ニッ
サキ「え?」ビクッ
フクジ「弁護側はもう一つ宮永さんが非常に強いプレイヤーである証拠を持っています。」ビシッ
クボ「な、なんだとおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」
ヒサ(福路さん。咲に、とどめを!)イッケェ!
-
フクジ「先ほどの写真ですが、もう一つ重要な情報があります。」
サイバンチョ「何や!? 何や、それは!」
フクジ「彼女は点棒を握り締めた後、そのまま渡しています。」
クボ「え!?マジで!?」ギョッ
サイバンチョ「…ちゅうことはつまり…」
フクジ「そう、つまり彼女は華菜に何点振り込むかもわかっていたということです!」
サキ「あ………あ………」ブルブル
サイバンチョ「ま……ま……」カタカタ
サイバンチョ「魔王やんかあああああああああああああああああああああああああああ!」カタカタ
ざわざわ…ざわざわ…ざわざわ…ざわざわ…ざわざわ…ざわざわ…ざわざわ…ざわざわ…
ざわざわ…ざ魔王だ…ざわざわ…ざわnot SOAわざわ長野に寄り道したかいがあったねえ
ざわざわ…ざわざざわざわするな、咲は私のかわいい妹…!ざわ…ざわざワハハわざわ…
ざわざわ…ざわざわ…ざわざわ…ざわざわ…ざわざわ…ざわざわ…ざわざわ…ざわざわ…
コ ン ! コ ン !
サイバンチョ「静粛に!静粛に!静粛にぃぃぃぃ!!!」
サイバンチョ「係官!暴れそうな人がいたら追い出してください!ゆーこ、容赦せんでええよ!ちゃっちゃとやっちゃってや!」
-
フクジ「…以上で宮永さんが天江衣さん程の実力の持ち主であることが証明されました。」
異 議 あ り !
クボ「と、とりあえず異議を申し立てる。」
サイバンチョ「………とりあえず、却下します。」
クボ「ぐわああああああああっ!」
サキ「く、久保検事〜。何とかしてくださいよ〜。」ウルウル
クボ(馬鹿野郎! お前、強いじゃねえか! 擁護しようがねえよ!)
サイバンチョ「…検事側の反論が無ければ弁護側の証言を受理しますが…ま、あるわけないわな。」
クボ「………」チッ
-
サキ「そ、そんなぁ〜」シクシク
クボ「めそめそしてんじゃねえよ!宮永ァァッ!」
サキ「!」ビクッ
クボ「てめえ、どこに勝ったと思ってんだ!鶴賀に龍門渕、そして麻雀の名門校、風越!」
クボ「それらを差し置いて清澄高校が長野県代表だ!てめえも長野の代表なら、」
クボ「てめえの強さを誇れ!そして、堂々としていろ!」
サキ「…!」コクンコクン
クボ「返事はっ!」
宮 永 ァ ァ ッ !
サキ「は、はい!ありがとうございました!」ペッコリン
サキ「では、失礼します!」ダーッシュ!
サイバンチョ「あ、ちょ、ちょい証人!…勝手にいなくなられても困るんやけど…まあ、ええか。」ヤレヤレ
-
サイバンチョ「さて、福路弁護人。あなたは宮永さんが天江さん並の実力者であることを証明しました。ホンマにお疲れさんです。」アリガトナー
サイバンチョ「これによって、戦犯を決める際に清澄高校を考慮する必要があることを十分に示したと言えます。」
サイバンチョ「では、その際に戦犯となるのは誰なのでしょうか?」
フクジ「………」…
フクジ(…仕方ないわね…)フゥ…
フクジ「…弁護側は文堂星夏さんの証人尋問を要求します。」
クボ「…理由は?」
フクジ「文堂さんは竹井久さんと同じ卓にいました。」
サイバンチョ「ほう、竹井弁護人と。」
クボ「…それがどうした?」
ヒサ(あらあら、知ってるくせに。)ムー
-
フクジ「竹井さんは決勝戦で私に次ぐ+39100点の得点収支を出しています。そして不幸にも文堂さんは竹井さんにまくられて…」
フクジ「決勝戦の最多失点であるー49000点を記録しています。」
サイバンチョ「−49000点!?ずいぶんと削られたんやなあ。」
フクジ「………文堂さんには戦犯の可能性があるかもしれません…」
サイバンチョ「せやな。むしろ、今まで戦犯談義に出てこなかったこと自体が不思議な結果やで。」
ヒサ「ま、ようやく明るみに出たってわけね。」フフフ
サイバンチョ「では、久保検事。証人の準備を。」
クボ「…承知した。文堂はこの建物内にいる。すぐに準備ができるだろう。」
サイバンチョ「そうなん?…まあ、そらそうか。風越の戦犯を決めてるわけやしな。」
クボ「裁判長。そうこうしている間に準備が完了した。呼んでもらっても構わない。」
ヒサ(早っ。)アセダラー
サイバンチョ「では、証人は入廷してください。」
-
ブンドウ「………」ボリボリ
!?トゥルーン
!?トゥルーン
!?トゥルーン
ヒサ(…あの子、証言台でポテチ食ってるんだけど…)アセダラー
サイバンチョ「ちょ、ちょっと証人!?お茶会やないんやで?飲食厳禁や!」
ブンドウ「…食ってないと、やってられないですよ。」ボリボリ
サイバンチョ「どういうことや?」
ブンドウ「い、いきなり戦犯の候補にされて…法廷に呼び出されて…こんなの食ってないとやってられないじゃないですか。」ボリボリ
-
サイバンチョ「せやかて法廷のルールは守ってもらわなアカンわ。係官!証人のポテチ全部持ってって!絹ちゃん、全部食べてええよ。」
待 っ た !
クボ「裁判長。今回は特例として許してやってくれねえか?文堂は不安なんだ。ポテチは証言をするために必要なものとして扱って欲しい。」
サイバンチョ「………」ウーン
サイバンチョ「まあええわ。好きにしいや。」
クボ「その配慮、感謝する。」
サイバンチョ「では、証人は証言を開始して
ブンドウ「あ、待ってください。」ストップ!
サイバンチョ「え?」
ブンドウ「その前に、カードでゲン担ぎです。」ニコッ
-
サイバンチョ「カード?…ああ!そのポテチはプロ雀士のカード付か。」
ブンドウ「そうなんです。私、カードを集めていまして。」
サイバンチョ「コレクターなんやな。」ヘェ
ヒサ「清澄にはいないわね。そのカードを集めてるのは。」
フクジ「他の高校にはいるんですかね?」
フクジ(まあ、そんな情報を集めても無駄なだけだわ。文堂さん以外は。)
ブンドウ「さあて、何が当たるかな〜。」フフフン
-
ブンドウ「………はあ。」…
ブンドウ「…藤田プロ…またか。」ガックリ
ヒサ(靖子…煙たがられてる…)アセダラー
ブンドウ「購買者のニーズもわからないとは…これだからKONMAIって呼ばれるんだよ…」ブツブツ
ヒサ(何かブツブツ言ってるわ。…おそらく悪口ね…。)アセダラー
サイバンチョ「…なんか知らんけど、証言を始めてもらいますよー。」オーイ
-
証 言 開 始
『私が戦犯として今まで言われてなかった所以は後半戦です。 ボリボリ
前半戦は確かに大きく失点してしまいました。これは認めます。 ボリボリ
しかし、後半はしっかりと打ち、チームに貢献しています。』ボリボリ
-
ヒサ(…終始、ポテチを食べてたわね。)アセダラー
フクジ(…やはり、もう山は登りきったということかしら?)
フクジ(こうなった時点で久保コーチは強く出れない。)
フクジ(何故なら、文堂さんをかばう言動は全て華菜にも適応できてしまうから。)
フクジ(あとはもう、下るだけね。)
サイバンチョ「では、尋問を始めてください。」
-
尋 問 開 始
ブンドウ『私が戦犯として今まで言われてなかった所以は後半戦です。』ボリボリ
待 っ た !
ヒサ「あら、前半戦は何があったのかしら?」ニヤリ
ブンドウ「…どうも。清澄の中堅さん。」ボリボリ
クボ「…弁護側は何も知らないと受け取っていいか?」
ヒサ「待って待って。知ってます知ってます。」ストーップ
クボ「そりゃ、中堅の試合を支配していた張本人だもんな。」
ヒサ「あら、それは褒め言葉として受け入れてもいいですか?」
クボ「悪待ちが好きなんだろ?ちゃんと褒められるまで待ってればいいじゃねえか?」ニヤリ
ヒサ「素直じゃないですね。あれだけ得点を取ったプレイヤーを褒めてもいいんですよ?」ニヤリ
クボ「ぬかせ。ほら、文堂。証言の続きだ。」
-
ブンドウ『前半戦は確かに大きく失点してしまいました。これは認めます。』ボリボリ
待 っ た !
ヒサ「前半戦で失った点数はー41600点ね。」
クボ「対してお前は+33500点か。大したもんだな。」
ヒサ「他家が面白いくらいに振り込んできましたからね。」フフン
ヒサ「そのリーチはね、通らないわよ。」ニヤリ
ブンドウ「ぐはっ」
クボ「おいおい、文堂は失点したことについては認めているんだ。勘弁してやってくれ。」
ヒサ「あら、残念。これからが本番だったのに。」フフッ
クボ「ほら、文堂。証言の続きだ。」
-
ブンドウ『しかし、後半はしっかりと打ち、チームに貢献しています。』ボリボリ
異 議 あ り !
フクジ(ごめんね、文堂さん…今からきついことを言うわ…)
フクジ「文堂さん…何故、事実と異なることを言ってしまうのかしら?」
ブンドウ「キャ、キャプテン。どういうことですか?」
フクジ「この資料をご覧ください。この資料によると、後半戦での文堂さんの得点収支はー7400点。」
フクジ「これのどこがチームに貢献しているのかしら?」
ブンドウ「うっ…」
-
異 議 あ り !
クボ「…決勝戦の中堅戦は清澄が調子が良かった。であるから、この失点でも少なく抑えたと言えるかもしれない。」
異 議 あ り !
フクジ「この資料にはしっかりと全ての中堅の得点収支が書いてあります。それによると、」
フクジ「後半戦は清澄が+5600点、龍門渕が+10200点、鶴賀学園がー8400点。」
フクジ「龍門渕が一番稼げてる時点でそれは言い訳にもなりません。」
クボ「………」チッ
フクジ「さあ、どうなの?文堂さん。」
サイバンチョ「証人。なんか言うことあるか?」
ブンドウ「…っせえ。」
サイバンチョ「ん?」
-
ブンドウ「うるっせえっつってんだよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」
!?ドンッ!
!?ドンッ!
!?ドンッ!
フクジ(文堂さんが…豹変した!?目をはっきりと見開いてるわ…。)カイガン
クボ(何か額にカードを張り付けたな…)
ヒサ(…!あれは、小鍛冶プロのカード。強力な助っ人ってことなのかしら…。)アセダラー
ブンドウ「さっきから黙ってきいてりゃ人の悪口をベラベラベラベラといいやがってよお。」
ブンドウ「まるで私が戦犯みたいによお、ふざけんじゃねえ!」ビリビリ
ヒサ(ああ…靖子が破られた…)ナームー
-
ブンドウ「池田先輩はどうしたんだよ、池田先輩は!あの人の容疑は全然晴れてねえよ!」
ブンドウ「裁判長!」
サイバンチョ「な、何や?」
ブンドウ「今から私が池田先輩の戦犯の容疑が晴れてないことを証言するから、よーく聞いとけよ!」
サイバンチョ「そ、そうなん?じゃあ、証言始めてや。」
-
証 言 開 始
『私が最多失点者?だから何なんだよ!笑わせるな!
所詮は五十歩百歩!池田先輩だって大して変わんねえだろうが!
お互い取れるところで点を取ってもなおこの結果だ!池田先輩の容疑は晴れてねえよ!』
-
フクジ(『欲が出れば、周りが見えなくなる。』麻雀漫画にそんな台詞があったわね。)
フクジ(今の文堂さんにも、その台詞があてはまる…)
フクジ(今の彼女の発言には大きな大きな矛盾があるわ。)
フクジ(あとはもうそれを指摘するだけ…)スゥ…
サイバンチョ「それでは、証人尋問を始めてください。」
-
尋 問 開 始
ブンドウ『私が最多失点者?だから何なんだよ!笑わせるな!』
待 っ た !
ヒサ「チームの中に最多失点者がいるっていうのは重要なことだと思うんだけど?」
異 議 あ り !
クボ「別に文堂は自己を正当化しているわけではない。今は池田との比較での説明の最中だ。」
クボ「途中で切ってしまうと、文の意味が変わってしまう。続きを聞いてやってくれ。」
ブンドウ「そうだよ!人の話は最後まで聞けよ!人の話をちまちまと揺さぶりやがってよお!」
ブンドウ「そもそも、お前があんなにまくらなければこんなややこしいことにはなってないんだよ!」
ヒサ「あら、私がまくったのは対局中よ。つまり、あなたは対局中にいつでも私からまくることができた。」
ヒサ「そんなに思ってるんなら、何故しなかったのかしら?」ニヤリ
ブンドウ「うるせえ!この、ムーミンが!」
ヒサ「む、ムーミン?…何でムーミン?」ハテナ?
フクジ(…今の文堂さんはやりたい放題ね…)アセダラー
クボ「ほら、文堂。証言の続きだ。」
-
ブンドウ『所詮は五十歩百歩!池田先輩だって大して変わんねえだろうが!』
待 っ た !
ヒサ「えーっと、証人がー49000点で、池田さんがー45500点ね。」
クボ「差は3500点か。まあ、麻雀においては1回あがればなんてことはない点差ではあるな。」
ヒサ「まあ、1回あがるのが大変なんですけどね。」ニッ
ブンドウ「はあ!?ポンポンポンポンとあがっておいて、どの口がそんなことを言うんだよ!」
ヒサ「あら、じゃああなたはポンポンポンポンあがったのかしら?」ニヤリ
ブンドウ「うるせえんだよ!この、たらしが!」
ヒサ「た、たらし!?な、何の話?」?
ブンドウ「私は龍門渕みたいに丸め込まれねえからな!残念だったな!」ハッハッハッ
ヒサ「え、何?どういう事?」???
フクジ(…今の文堂さんはやりたい放題ね…)アセダラー
フクジ(…でも、次の証言で終わる。)
クボ「ほら、文堂。証言の続きだ。」
-
ブンドウ『お互い取れるところで点を取ってもなおこの結果だ!池田先輩の容疑は晴れてねえよ!』
異 議 あ り !
フクジ「文堂さん…何でそんな嘘をつくのかしら?」
ブンドウ「な…何…!う、嘘なんかついてない!」
フクジ「文堂さん!あなたも見ていたはずよ!大将戦のオーラスを。」
ブンドウ「大将戦のオーラス……」
ブンドウ「あ!……」
クボ「ああ、あれか…」
サイバンチョ「ちょい待ち!ちょい待ちや!あれって何やねん。」
ヒサ「裁判長。この資料を見ればわかるわ。」ニッ
サイバンチョ「これは…オーラスの牌譜か。どれどれ…」
サイバンチョ「!………す、四暗刻単騎ツモあがり放棄やと…!」
ブンドウ「あ…あ…」ブルブル
-
フクジ「ええ、そうです。華菜はオーラスで他家よりも早く役ができていました。しかも役満です。」
ヒサ「ルールによってはダブル役満ね。まあ、そんなことを言ったら妹尾さんのも考慮しなくちゃいけなくなるけどね。」
フクジ「華菜には役ができた。しかし、華菜はあがらなかった。それは何故か。」
クボ「…風越が1位になれずに試合が終わってしまうからな…。」
サイバンチョ「そうか、役満あがっても追いつけないほどの点差なんやな。」
フクジ「もし、華菜がそれをあがっていたら、華菜の得点収支は約―13500点。文堂さんとの得点収支に随分と差ができます。」
フクジ「しかし、華菜はあがらなかった。それは一見、矛盾していると思えるような、『1位になるため』。」
フクジ「華菜は大将としての役割を理解し、心構えも備えており、しっかりと実行に移しています。」
フクジ「華菜のどこが…」
フクジ ド ン !
フクジ「華菜のどこが戦犯なんですか!」ズビシィッ!
-
ブンドウ「う………う………」
ブンドウ「うわああああああああああああああああああああああああああああ」ビリビリ
ヒサ(あ!小鍛冶プロのカードを破ったわ…。)
ブンドウ「あ!しまった!しまった!しまった!しまった!」アセアセ
ブンドウ「うわあああああああああああああああああああああああああああん」オオナキ
ブンドウ バ タ ン
サイバンチョ「か、係官!証人が倒れました。控室に運んであげてください。主将、優しく頼みます。」
サイバンチョ「…さて、これはもう明白やな。」
サイバンチョ「長かった戦犯談義もこれでおしまいやな。」セノビー
サイバンチョ「池田華菜さん。あなたの判決を言い渡します。」
サイバンチョ「あなたは
待 っ た !
!?ドンッ!
!?ドンッ!
!?ドンッ!
-
フクジ「判決を出すのはちょっと待ってください、裁判長。」
ヒサ「え!?どうしたの、福路さん!?」
サイバンチョ「何や何や!?どないしたんや、福路弁護人。今私は池田華菜さんに無罪判決を言い渡そうとしていたんやで!?」
サイバンチョ「あんたはその判決を望んでいたんとちゃうんか!?」
フクジ「まだ、終わっていません。」
サイバンチョ「?…どういうことや?」
フクジ「まだ全ての審議は終わっていません。」
クボ「…福路。何が言いたい…?」
フクジ「文堂さんは戦犯ではありません。」ニヤリ
ヒサ「…え!?」
クボ「…はあ!?」
サイバンチョ「…な………」
サイバンチョ「なんやてええええええええええええええええええええええええええええ!」
-
ざわざわ…ざわざわ…ざわざわ…ざわざわ…ざわざわ…ざわざわ…ざわざわ…ざわざわ…
ざわざあったか〜いわ…ざわざわ…ざわざSOAわざわ…ざわざわ…ざすばら…ざわざわ…
ざわ憧、戦犯って何?ざわざ別に知らなくていいと思…ざわちょーわかんないよーざわ…
ざわざわ…ざわざわ…ざわざわ…ざわざわ…ざわざわ…ざわざわ…ざわざわ…ざわざわ…
コ ン ! コ ン !
サイバンチョ「静粛に!静粛に!」
サイバンチョ「ふ、福路弁護人!どういうことや!」
クボ「…!ああ、あれか。まさか、お前だっていうのか?そんな戯言は通じねえぞ。」
フクジ「半分、あっています。」ニッ
クボ「は?」
ヒサ「…成程ね…。」
サイバンチョ「つまり、どういうことや?」
フクジ(こんなことをただ単に言ったら否定されていたはず…しかし、)
フクジ(ここまで審議を煮詰めた今だからこそ、堂々と言える!)
フクジ「今回の戦犯は風越女子全員だと思っています。」
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クボ「………フッフッフッ………」
クボ「アッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハ!」バンバン
クボ「言うに事欠いてそれかよ!福路ィィッ!あれだろ?チーム戦なんだから、負けたことはチーム全体の責任って言いたいんだろ?」
フクジ「そんなことを言っているのではありません!」
クボ「な、何…?」
フクジ(さあ、これが最後の証拠品よ!)
フクジ「こちらの資料をご覧ください。」
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サイバンチョ「えーと、これは…清澄と鶴賀の1,2回戦の牌譜か。」ヘエー
クボ「これがどうしたんだ?」
フクジ「そう、これは清澄と鶴賀の1,2回戦の牌譜です。風越女子のレギュラー以外の部員が作ってくれました。」
ヒサ「へえ、凄いわねえ。流石、名門ね。」
サイバンチョ「せやせや。それでこそ名門や。」ウンウン
フクジ「そうですね。しかし、問題はこれをいつ私が受け取ったか?」
クボ「あっ…!」
-
サイバンチョ「?…そんなん、試合前に決まっとるやん。そこで受け取らずにどないせえっちゅうねん。」
フクジ「裁判長。私はこれを試合中に受け取りました。」
サイバンチョ「なんやて!信じられへん!せっかく作ったのにもったいないやん!」
フクジ「奇しくも、今回戦犯候補とされている華菜と文堂さんの相手の異常さを私はその牌譜を見てわかっていました。」
フクジ「しかし、その時には2人は対局中であり、伝えることができませんでした。」
フクジ「宮永さんの方はともかく、竹井さんの方は対策を取れていたでしょう…。」
フクジ「そうなると、結果も変わっていたかもしれません…」
ヒサ「私にとっては幸いね。おかげで点棒たくさん取れちゃった。」ニッ
-
サイバンチョ「…信じられへん。名門やのに。」アゼン
フクジ「…名門故の驕り…なのかもしれませんね…。決勝での仮想敵である龍門渕の牌譜はたくさんありました。」
フクジ「私たちはそこで満足していたのかもしれません。」
フクジ「しかし、実際の試合では私たちの勝敗に清澄と鶴賀は大きくかかわってきました。」
フクジ「データはあったのに私たちはそれを吟味し情報を共有していなかった。」
フクジ「以上が私の主張の根拠です。」
サイバンチョ「…検事側は何か反論はありますか?」
クボ「………ねえよ。」チッ
-
サイバンチョ「さて、池田華菜さん。」
サイバンチョ「弁護側の主張により、あなたも戦犯の1人ではありますが、」
サイバンチョ「個人を特定するものではないということになりました。よって、判決を言い渡します。」
無 罪
サイバンチョ「では、これにて閉廷やっ!」
コ ン ッ !
-
やっぱり福路美穂子さんはぐう聖じゃないか
キャップも見習って、どうぞ
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同日 某時刻 長野裁判所 第1控室
イケダ「キャプテーン!」
フクジ「ごめんね、華菜。結局戦犯で…。」
イケダ「そんなことより、キャプテンが戦犯扱いの方が嫌だし。」ウルウル
ヒサ「まあ、福路さんらしい結論だったわね。」
ブンドウ「キャプテン!」オロオロ
フクジ「文堂さん…」
ブンドウ「すみません。私、激昂していた時に滅茶苦茶失礼なことを言っていたみたいで…」ペコペコ
フクジ「え?」
ブンドウ「あ、清澄の方もすみませんでした。それに、池田先輩も。」ペコペコ
ヒサ「…もしかして、その時の記憶が無いの?」
ブンドウ「は、はい…。あの時は頭の中がぐちゃぐちゃになって…」
ヒサ「…そこまで追い詰められていたのね…」フム…
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深堀純代(以下、フカボリ)「まあ、思い出さない方がいいよ。」
吉留未春(以下、ヨシトメ)「キャプテンにはそんなでもなかったんだけどね、」
ヒサ「私、ムーミンだのたらしだの言われたわ。」フフフ
ブンドウ「む、ムーミン?何でムーミンなんですか?」
ヒサ「…それ、私が聞きたいんだけど…」アセダラー
クボ「福路。」
フクジ「!…久保コーチ。」
-
クボ「…決勝戦の最多得点プレイヤーであるお前が戦犯ってのはおかしい気がするが、」
クボ「お前がそれでいいってんなら、そういう扱いにする。」
クボ「お前の全国戦がまだある中で申し訳ないが、近いうちに全員で後援会に謝意を伝える。」
クボ「そこから風越の再スタートだ。…それでいいか?」
フクジ「はい。わかりました。」コクリ
クボ「池田。」
イケダ「は、はい。」チョクリツフドウ
クボ「…次の対戦では、お前の活躍に期待している。」
クボ「いつかはわからないが、次の対戦に備えてしっかりと麻雀に励め。」
イケダ「はい、わかりました。」コクリ
クボ「では、失礼する。」スタスタ…
-
ヒサ「…あの人もなんだかんだで風越のことを考えてるのね。」ヘェ
フクジ「竹井さん。次は負けませんよ。」ニヤリ
ヒサ「ふふっ。次が楽しみね。」ニッコリ
フクジ「さーて、審議も無事に終了したことだし、今日はみんなで一緒に私の家で食べましょう。」
ヨシトメ「え、いいんですか!?」
イケダ「やったし。」グッ
フカボリ「キャプテンの料理、美味しいですもんね。」
ブンドウ「疲れた体が癒されますね。」
ヒサ「福路さん。私もいいの?」
フクジ「勿論です。」ニッコリ
ヒサ「じゃあさ、清澄のメンバーもよんでいい?」
フクジ「はい、大丈夫ですよ。賑やかになりますね。」フフフ
モモ「あ、じゃあ鶴賀もいいっすか?」
一同「!?」ギョッ
-
ヒサ「あ、あなたは確か…東横さん!いつの間に…」アセダラー
モモ「自分はずっと居たっすよ。やっぱり勝利の雰囲気はいいっすね。」
モモ「福路さん。鶴賀も参加したいっす。先輩も喜ぶっす。よろしくっす。」ワクワク
フクジ「え…えっと………」アセアセ
ハギヨシ「では、龍門渕も参加してよろしいですか?」ニヤッ
一同「!?」ギョッ
ヒサ「は、萩原さんまで…」アセダラー
ハギヨシ「何やら楽しそうな雰囲気につられて、話を聞いてしまいました。」ニッコリ
ハギヨシ「これに参加できることは透華様や衣様も喜ばれると思います。」ニコニコ
フクジ「あ、いや…あの、全員は、入りきらない…」アセアセ
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フクジ「あ、あの。一言言わせてほしいんですけど!」
イケダ「あ、キャプテン!もしかして、あれですか!?」ニッ
ヒサ「あれか。私も一緒に言いたいわ。」ニッ
モモ「私も一緒に言うっす。」ニッ
ハギヨシ「では、私もご一緒させていただきます。」ニッ
フクジ「せーの、」
異 議 あ り !
カン!
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以上で終了です。
見てくれている方は長い時間ありがとうございました。
また、何か思いついたときはSSを書きたいと思うので、その時はよろしくお願いします。
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>>180
本ッ当に!乙やで!!本当にすごいわ…(感動)
手に汗握る展開多くてワクワクしたで!!
次回作あればまた見るやで〜!
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今更ながら参考画像:
・ナルホドポーズ
http://app.famitsu.com/wp-content/uploads/2012/01/0126.jpg
・アセダラー
http://service.smt.docomo.ne.jp/portal/pickup/img/game_087_ip6_ph03.jpg
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あと、得点収支はこのサイトを参考にしました。
良く出来ているので凄いなと思いました。
あれ? なんか、NGワードがあるらしく貼り付けられないので、
気になる方は『咲 県予選決勝 得点収支』でググってください。
多分一番上に出ると思います。
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>>181 ありがとうございます。
初SSだったんで、褒められるのは嬉しいです。
今度は短いのを書きたいですね。
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おつやでー
ナルホドくんを
「何という説得力だ!身に覚えがないにも関わらず、あと
一瞬身を引くのが遅ければ、自白させられていた……!」
と評する格闘家もいるからどうなることかと思ったけど
ぐう聖福路美穂子さんでよかったと思いました(CAPCOM)
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お疲れ様です
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ついにこの名作がAILE君にも認められたんすね〜
おめでとナス!
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人気店
http://url.cn/KA53hZ
http://url.cn/QwvC9u
http://url.cn/RCAHhg
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>>188
アナスイくんも嬉しそうやな
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