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【俺能世界】俺が能力授けるからこの世界で戦え【新世界】Part46

49【聖剣】刃 ◆y7XUmHaaYQ:2020/07/18(土) 17:07:46 ID:sMI2JjxU
>>48
むせ返るほどの血の匂い
喘ぎ苦しみ死にゆく犠牲者の声
それを嘲笑い、肴としながら酒を煽る狂った女
只人なら駆けだし、逃げようとするであろうそれら全てを視界に入れて彼は──

「──そこまでだ」

表の喧騒とはうって変わって静まる暗い裏通りで、その声と足音はやけに響いた
それは特別荒れもせず、静謐に、その狂った所業をこれ以上続けさせはしないと鋼鉄の音色で以て告げている
闇に溶けるような黒衣の様相、それと相反するように携えられた淡く煌めく鋼の剣
この場で起きた全ての恐怖と絶望を鎧袖一触と切り裂いて、決して逃がさぬと鷹の如き鋭い目で女を射抜きながら、男はそこに立っていた

「一体幾度、貴様のその狂った所業に他者を巻き込み傷つけた?
 藻掻き苦しみ死にゆく様は、貴様にこそふさわしい」

許せぬ悪に対して嚇怒を以て発されるべき言葉は、しかし変わらず静謐で
しかし、そこに乗せられた殺意の本流が、必ず殺すと何よりも雄弁に告げていた
どうしようもない悪党を切り裂くことこそが正義の剣としての在り方を望まれた我が在り方で、為すべきことだと狂念で以て思うが故に迷い無く
女と残ったわずかな距離を、躊躇いもなしに駆ける

腕から延びる触腕こそが女の武器であるならば、近づくまではできるだろうという認識
そして、近寄れるならばあとは切り裂くだけのこと、と相手の情報を引き出そうともしない
意を読ませぬように発される膨大な殺意、迎撃タイミングがずれる様に僅かに緩急をつけた洗練された走法、僅かな所作でどこを狙うかを読ませない視線誘導にフェイント。他にも他にも──
相手を切り裂くために極めた剣の技術を総動員して、必ず殺すと駆け抜ける
そして剣の間合いまで近づくことができたなら、女を両断するために剣を薙ぐだろう


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