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【俺能世界】俺が能力授けるからこの世界で戦え【新世界】Part46

48【マニュピレイズ】:2020/07/18(土) 15:15:43 ID:bwL13Xa2
眠りに落ちた夜の街、豪奢なネオンが形作った陰に芽吹いた暗夜の標は、時として清廉とは縁遠き悪辣を招く。
幽き暗月だけが見下ろした深閑の裏通り、滴る水音に続いた憫笑が沈黙を掠めて波立たせた。

「くふぅっ………く……くふふ………」

驚愕と恐怖に満ち満ちた男の首を、胸を、腹を
、白衣の裾から伸びる銀の光沢を湛えた触腕めいた刃か連なり、貫いて。
嗚呼 嗚呼 力なくくずおれるその所作のなんと官能的な事だろう。無駄だと言うのに、溢れ失われ行く命の源泉を押し止めようと必死にもがく姿は軽蔑と憐憫を通り越して愉快ですらあった。

「無駄です、無駄あぁっ!………へ、えへへ、だってほらぁ、そんなにたくさん血が出てるのに…………助かるわけ無いじゃないですかぁ
くふ………ばぁーかっ♪しんじゃえっ!そのまましんじゃえよぉっ、惨めったらしく足元にすがってぇっ、アンタがバカにした"ガキ"に笑われながらさあっ!?」

鮮血に溺れて尚も生を渇望した男の手を踏み付けて女は狂う。色素の抜け落ちた白い長髪、白い肌、ああまだ齢二十に至ったばかりだろうに、今しがた潰えたいのちを見送ったその紅玉は、麗しき顔立ちは、紛う事なき愉悦に満ちて。
殺してやった、切り刻んでやった、あの汚らわしい男の四肢を壊してやった、やつの尊厳さえも踏みつけにして。
ガキとこの私をせせら笑ったあの顔が、隠し切れぬ怯懦を呈した姿を見て幾度私は絶頂を迎えたのか分からない、ああ今だって、今際の際に産み落とされた諦念とそれに至るまでの道程を想起するだけで思わず熱い息が零れ落ちると言うのに。

血腥の風が囀って、眉を潜めたくなるような匂いが鼻腔を犯す。けれど悪い気はしなかった、否応のない暴虐と暴力が遺したその代え難き痕跡こそが、味わう酒をより甘く芳醇なものにしてくれるから。

「くふ………あぁ、バラバラになったアンタはとても素敵に見えますよぉっ…………
ねぇねぇ、死ぬってぇどんな心地なんでしょうねぇっ。くふふ………」

夜光に煌めいた銀の軌跡が、手にしたワインボトルの首を落とす。
緩くたおやかな口付けを落として刹那、やおらに傾け苦く蕩けるような甘露を食んだ。


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