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【俺能世界】俺が能力授けるからこの世界で戦え【新世界】Part46

42【聖剣】刃 ◆y7XUmHaaYQ:2020/07/17(金) 21:12:47 ID:XScESxUU
>>41
未だなにがしかを話そうとする女へと一切合切を無視した一振りを放つ
──今度は確実に切り裂いた
それも感触からして、致命的と言っていい深さで
より確実なものとするためにもう一太刀、といきたいが万が一ということもある
手負いの獣に対する用心はしてしかるべきだろう
油断なく崩れ落ちた女を見据え、僅かに瞠目する
まるで傷口を広げるかのように、自身の大鎌を何度もその身に突き立てている

「…………!」

しかしその傷に対して起こっている事象はまるで正反対のもので
確かな致命傷だったはずのそれが、大鎌を突き立てるという自身をより傷つける行為によってまるで事象を反転させるかのように修復されている
信じがたい光景だが、つまりそれが女の″能力″ということなのだろう
そしてそれは、先の言動が真実偽りのない言葉だったということを裏付けることでもあって

「──なるほど、誤っていたのは俺の方か」

この状況でもまだ自分をだますために、この行動をとっているかもしれない
などというのは、己の過ちを認めぬ醜い自己弁護だろう
真実敵対するものならば黙って自信を癒してから斬りかかってくればいいのだから
今回のこれは自分が勝手な判断で取り返しのつかないミスをしたという事実を認めることにもはや否応もない
ならばこそ、相応の罰を以て詫びねばならないだろう

「すまなかった、全ては俺の早とちりが原因だ
 どうかこれで許してほしい」

真実そう思っているのかと疑いたくなるほどに変わらぬ調子で告げた直後、己の持っている大剣で以て躊躇なく自身の腹を貫いた
喉から込みあがってくる血、全身を襲う激痛、足元がふらつき倒れてしまいそうになる体を強靭な意志で抑え込む
己が殺してしまうかもしれなかった相手を前に、同情を引くかのように地に倒れ、休むことなど許されない
堪え切れなかった血を一滴口元から垂らしながら、表情一つ変えずに彼は剣を抜かずに続ける

「俺に償えることがあるならばなんなりと言ってくれ
 できる限り応えて見せる」

告げられた言葉は変わらず平坦ではあるが、現状と合わせればその言葉に嘘はないと分かるだろう
どう考えても異常な行動の数々は明らかな狂人のそれだがしかし、切り裂くことしか知らぬ刀剣は、傷つき傷つけることでしか謝罪の方法を知らないのだ
仮に死ねといわれたならば、是非もなし
彼は動揺すらせずに、心は砂漠の様に凪いだまま、即座にそれを実行して見せるだろう


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