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独り言 その3

107('A`)@15周年:2025/06/09(月) 23:47:04 ID:DTORNfkU0
遠い昔につかわれなくなったベッドから落ちて乱れた寝具の上に、うずくまって坐りこんでいるのは、蛙でも人間でもない、なめし革のような肌をしたばけものじみた生物で、腹いっぱいの食事をしたものか、両棲類じみた顎から水かきのついた指に、赤い血をしたたらせていた──このばけものじみた生物は、蛙を思わせる獣的な体から長くたくましい腕がのび、しだいに先細りになって人間の手になっているのだが、ただ指のあいだには水かきがあって……
アブナーがそうした姿を目にしたのは、一瞬のことにすぎなかった。
たちまちそいつは狂乱したうなりをあげ──「ええ や や や やあはあ んぐああ ふゆう ふゆう」と叫ぶと──見あげるような巨体を起こし、アブナーにとびかかってきた。
アブナーの動きは、押しつぶされるという恐怖から生まれた即座のものだった。とびかかってくるばけものにむかって、灯油のいっぱいはいったランプをありったけの力で投げつけた。
ばけものは炎につつまれた。背後の寝具や部屋の床から炎が燃えあがってるのも気にせず、立ちどまって、燃えあがる体をかきむしりはじめるとともに、その声が低いうなりから甲高い泣き声に変化した。

ママ、ママ……ママア、ママア、ママー


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