/ ,' 3怨のようです - 1471168299

1：同志名無しさん：2016/08/14(日) 18:51:39 ID:6eIwdPRs0: (’e’)「10時20分、五輪中です」

/ ,' 3　ﾁｰﾝ

▼/ ,' 3「わああああああん」

母さんは父さんが死んでからすっかり元気が無くなってしまった。

▼/ ,' 3「ご飯はまだかねぇ」

/,'3 「母さん、いま準備してるよ」

母さんは認知症になってしまった。
勿論夕食はさっき食べたばかりだ。
　
そんな母さんはお墓参りに連れて行くととても喜ぶ。
普段は認知症の影響で急に怒りっぽくなったりしてしまう母さんも見るからにご機嫌になる。

墓参りに行ったことも次の日には忘れてしまうけど母がその時その時で楽しんでくれたらいい、僕はそう思っている。
2：同志名無しさん：2016/08/14(日) 18:52:17 ID:cQ7V.JYI0: /,'3 「母さん、お墓に着いたよ」

▼/ ,' 3「ホントだねぇ」

今日はお盆の真っ最中
父さんも帰って来てるだろうから何時もより丁寧にお墓周りの雑草を抜いて父さんと先祖のお墓の環境を整える。

/,'3 「母さん、準備も終わったし参ろう」

▼/ ,' 3「分かったよ」

そう言って父さんの入っているお墓の前に立ち、桶から柄杓で水を掬って……
3：同志名無しさん：2016/08/14(日) 18:53:06 ID:6eIwdPRs0: ▼/ ,。° 3「テメーくたばるの早すぎじゃーーーーー。まだまだ虐め足りんわこの野郎」ﾊﾞｯｼｬｰﾝ

思いっきりぶっ掛けた

/ ,' 3化けて出るようです

.
4：同志名無しさん：2016/08/14(日) 18:53:44 ID:6eIwdPRs0: / ,' 3 ｳﾄｳﾄ　

('A`)「あー、また荒巻じいさん寝てるよ～」

爪'ー`)y‐「もう6j……耄碌ジジイだからね」

('A`)「酷い方に言い換えんな」

爪'ー`)y‐「爺さんは何で成仏しないんだろうな～」

('A`)「ホントにな」

爪'ー`)y‐「墓参りもしょっちゅうしてくれる親族がいるわけだしな～」

('A`)「てか、タバコクセーよ」

爪'ー`)y‐ ｽｰｰｰ……ﾌﾟﾊｰ

('A`)「顔にかけんな」

爪'ー`)y‐「おっ、またバーさん来たよ」

('A`)「いいな～」
5：同志名無しさん：2016/08/14(日) 18:54:24 ID:6eIwdPRs0: ▼/ ,' 3

/ ,' 3 ｳﾄｳﾄ　

爪'ー`)y‐

('A`)

▼/ ,。° 3「テメーくたばるの早すぎじゃーーーーー。まだまだ虐め足りんわこの野郎」ﾊﾞｯｼｬｰﾝ

爪'ー`)y‐「
　　　　　えええええええ
('A`)　　　　　　　　　　　」

/ ,' 3「……」ﾎﾟﾀ……ﾎﾟﾀ……　

爪'ー`)y‐ ﾌﾟﾊｰ

('A`)

/。 °3「あのクソババア！」
6：同志名無しさん：2016/08/14(日) 18:55:04 ID:6eIwdPRs0: / ,' 3「おいそこの坊や」

爪'ー`)y‐ ｽｰ……ﾌﾟﾊｰ

('A`)

/ ,' 3「お前ら二人じゃ！」

爪'ー`)y‐「ひゃい？」

('A`)「34なのに坊やって言われた……ｳﾂﾀﾞｼﾉｳ」

爪'ー`)y‐「お前はもう死んでいる」

('A`)「うわああああああ」

/ ,' 3「うるさい黙りなさい」

爪'ー`)y‐「すみません」ｽﾊﾟｰ

('A`)「老人に煙かけんな」

/ ,' 3「単刀直入に聞くがお前ら二人は成仏したくないかな？」　

爪'ー`)y‐「そりゃできるならしたいっすよ」

('A`)「俺も」

/ ,' 3「なら儂に付いて来なさい！」
7：同志名無しさん：2016/08/14(日) 18:55:46 ID:6eIwdPRs0: 爪'ー`)y‐「こうして付いてきてしまった訳だが」

('A`)「本当に俺ら成仏できるの？」

爪'ー`)y‐「さぁ？」

/ ,' 3「ここじゃ」

('A`)「どこじゃ？」

/ ,' 3「儂の家じゃ」

爪'ー`)y‐「で、どうやって成仏するんですか？」

/ ,' 3「バーさんに気が済むまでイタズラを繰り返せば成仏できる筈じゃ」

('A`)「えー」

爪'ー`)y‐「絶対無理っしょ」

/ ,' 3「閻魔に聞いたから正確な情報じゃ」

('A`)「まじか！」

爪'ー`)y‐「閻魔なら信じられる！よっしゃーこれで極楽浄土に行けるぜ」

/ ,' 3「まずはファーストステップ、この家にいる動物に憑依するんじゃ」

('A`)「そうか！このままの姿だとイタズラしようにもすり抜けちゃうしな」

爪'ー`)y‐「そうと決まれば行くぜ！」
8：同志名無しさん：2016/08/14(日) 18:56:12 ID:6eIwdPRs0: / ,' 3「ニャーニャー」

('A`)「チューチュー」

/ ,' 3「ニャーニャー」

('A`)「チューチュー」

/ ,' 3「ニャー！！！！」ﾄﾞﾀﾊﾞﾀﾄﾞﾀﾊﾞﾀ

('A`)「チュー！！！！！」ﾄﾞﾀﾊﾞﾀﾄﾞﾀﾊﾞﾀ

/ ,' 3「ニャー！！！！」ﾄﾞﾀﾊﾞﾀﾄﾞﾀﾊﾞﾀ

('A`)「チュー！！！！！」ﾄﾞﾀﾊﾞﾀﾄﾞﾀﾊﾞﾀ

爪'ー`)「そこまで！」

/ ,' 3「ハッ」

('A`)「怖かった」

/ ,' 3「猫の本能でつい……」

爪'ー`)「猫とネズミになっちゃったのがダメだったみたいだネ」
9：同志名無しさん：2016/08/14(日) 18:56:40 ID:6eIwdPRs0: ('A`)「檻の中のキツネに憑依した人には言われたくないです」

爪'ー`)「え？マジ？」

/ ,' 3「マジじゃよ」

爪'ー`)「えっ？えっ？？？」ｶﾞｼｬﾝｶﾞｼｬﾝ

爪'ー`)「どうしよう出れない」

('A`)「お大事に」

/ ,' 3「一度憑依したら3日くらい出られないみたいじゃよ」

爪'ー`)「うわああああああああああああ」

ﾌﾞﾛﾛﾛﾛﾛ

/ ,' 3「おや？帰って来たようじゃ」

('A`)「じゃあ行きましょうか」

/ ,' 3「そうじゃな」

爪'ー`)「わ～ん、ニコチンが欲しいよ～」
10：同志名無しさん：2016/08/14(日) 18:57:01 ID:6eIwdPRs0: / ,' 3「よし、始めるんじゃ」

('A`)「あの、僕は何をすればいいんでしょうか？」

/ ,' 3「何でもかんでも聞いてないでちょっとは自分で考えんか！」

('A`)「そんな貴婦人な」

/ ,' 3「裸婦人じゃよ」

▼/ ,' 3「理不尽じゃ」

('A`)「そうそう、理不尽……っておい！」

/ ,' 3「どうするんじゃ……聴こえているって事は儂のイタズラもバレてしまったんじゃ」

('A`)「あ、テレビで理不尽ギャグやってます」

/ ,' 3「紛らわしいわ、このクソババア」

('A`)「そうっすね～」

/ ,' 3「それでイタズラじゃが、考えたイタズラは2つじゃ」

/ ,' 3「1つ目は……」

('A`)

/ ,' 3「1つ目は……」

('A`)

/ ,' 3「1つ目は……」

(#'A`)「早く言えやああああああ」

/ ,' 3「老人を敬わんかあああああ」
11：同志名無しさん：2016/08/14(日) 18:57:23 ID:6eIwdPRs0: ('A`)「で、1つ目は？」

/ ,' 3「毎日机にババア口臭いって書いたメモを置くんじゃ」

('A`)「なるほど」

/ ,' 3「2つ目は夜くらいになったら時計の針を1時間変えるんじゃ」

('A`)「何か全部地味ですね」

/ ,' 3「地味とか言うんじゃないわい！こっちは三日未満考えたじゃぞ！」

('A`)「そこは三日三晩考えろよ」

/ ,' 3「とにかく始めるぞい」

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12：同志名無しさん：2016/08/14(日) 18:57:44 ID:6eIwdPRs0: 結果を言えばどちらも効果は無かった。

('A`)「うわああああああ、ネズミの手じゃ文字なんて書けねーーーー」

/ ,' 3「お茶が美味いわい」

('A`)「そうだ！パソコンで書いて印刷しよう」

/ ,' 3「キャットフードウマウマ」

('A`)「パスワード無しとかセキュリティざるすぎーーわ」

/ ,' 3「扇風機涼しすぎじゃー」

('A`)「完成！やっぱり俺は有能だな」

/ ,' 3「zZＺ」

婆さんは紙を見る度に歯を磨いた
13：同志名無しさん：2016/08/14(日) 18:58:07 ID:6eIwdPRs0: ('A`)「家具の上を乗り移って時計の所まで行くとかマリオみたいだぜ」

/ ,' 3「テレビオモロ～」

('A`)「ま、憑依中に死んだら地獄行き確定だしマリオより緊張感高いけどNA☆」

/ ,' 3「円山応挙の絵とな……」

('A`)「よし！時計に着いたぞ」

/ ,' 3「これは絶対に偽物じゃな」

('A`)「落ちない様に慎重に慎重に……」

/ ,' 3「1千万！！！！なんと本物じゃったか……」

('A`)「よし1時間早めたぞ！」

▼/ ,' 3「おや、もうこんな時間」

婆さんは1時間早く寝た
14：同志名無しさん：2016/08/14(日) 18:58:33 ID:6eIwdPRs0: 途中からフォックスも犬に憑依して俺達に加勢した

('A`)「今日も時計の針を早めるぜー」

/ ,' 3「このポイントが丁度エアコンが当たって気持ちいいんじゃ」

爪'ー`)「ホントッスね～」

('A`)「やべー、落ちる落ちる」

/ ,' 3「テレビもバッチリ見えるしの」

爪'ー`)「ホントッスね～」

('A`)「ふい～、今日もなんとか1時間早めたぜ～」

/ ,' 3「おしっこしたくなったわい」

爪'ー`)「ホントッスね～」

みんなで力を合わせて頑張っt……

爪'ー`（⊂('A`#)「って、俺しか頑張ってね～だろオラ」

爪'ー`(#)「暴力反対！」

/ ,' 3「ネズミになったのが失敗だったって訳じゃな」

('A`)「というか爺さん、アンタは本当に早苗さんにイタズラする気があったのか？」

/ ,' 3「どういうことじゃ？」

('A`)「あのイタズラじゃ婆さんは健康になっていくばかりだ」

/ ,' 3「そうか、そうじゃったか……」
15：同志名無しさん：2016/08/14(日) 18:58:54 ID:6eIwdPRs0: / ,' 3「少し昔話をしようか」

爪'ー`)「いいとも」

/ ,' 3「儂とクソババアは全く馬が合わないにも関わらず親の都合で結婚させられたんじゃ」

/ ,' 3「結局結婚しても仲良くする事はできず、あのクソババアこと早苗とは飲みかけのコップにゴキブリを入れ合う関係を死ぬまで続けて来たんじゃ」

(;'A`)「どんな関係だよ」

/ ,' 3「それでな、向こうのイタズラに仕返しできんまま死んでしまった事が成仏出来ない理由だと考えた儂は成仏する為にはイタズラをするべきだと思い付いたのじゃ」

爪'ー`)「え？閻魔は？」

/ ,' 3「そう思ってたんじゃがどうやら儂は思い違いをしていたみたいじゃな……」

/ ,' 3「どうやら儂は早苗に感謝を伝えたかったようじゃ」

(;A;)「イイハナシダナー」

爪;ー;)「ホントッスね～」

/ ,' 3「ドクオ君、頼みがある」

(;A;)「はい、何でしょう？」

/ ,' 3「婆さんに伝えておいてくれんかのぅ」
16：同志名無しさん：2016/08/14(日) 18:59:17 ID:6eIwdPRs0: / ,' 3「『なんだかんだ暇しない人生じゃった。あばよクソババア』とな……」

そう言って爺さんは猫から浮かび上がり光の粒となって消えて行った
爺さんが抜け出した猫はニャーと一泣きして庭へと出ていった

(;A;)「絶対に伝えます！」

爪;ー;)「爺さんアンタ凄くかっこよかったぜ」

(;A;)「イイハナシダナー」

爪;ー;)「爺さん成仏できて良かったな～」

('A`)「成仏？」

爪'ー`)「ん？変な事言ったか？」

('A`)「俺らは？」

爪'ー`)「あっ」

('A`)「閻魔……」

爪'ー`)「ああ……」

('A`)「よく考えたら現世に残った魂が閻魔に会えるわけなくね」

爪'ー`)「そういえば俺も会ったこと無いわ」

('A`)「ああ……」

爪'ー`)「ああ……」

(#'A`)「あの野郎騙しやがったなああああ」

爪#'ー`)「絶対に成仏してあの爺さんを絞めてやろうぜ」

('A`)「殺ってやるぜ！」

爪'ー`)「うおおおおおおお！」
17：同志名無しさん：2016/08/14(日) 18:59:42 ID:6eIwdPRs0: オレたちはようやくのほりはじめたばかりだからな
このはてしなく遠い浄土への道をよ……

ご愛読ありがとうございました。

模擬健一郎先生の次回作にご期待下さい。
18：同志名無しさん：2016/08/14(日) 19:00:12 ID:6eIwdPRs0: >>3
タイトル間違えましたねすみません
19：同志名無しさん：2016/08/14(日) 20:49:12 ID:A.SGx1WY0: 乙！