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いつか、帰る……
124
:
同志名無しさん
:2017/08/04(金) 22:34:00 ID:nlOg8b.s0
やれやれ
俺はピクリとも出来ぬ男の鞄を探り、小壷に入っていた「治癒の軟膏」を傷口に塗りたくる
ついでにマジックで男の額に
肉
と書いてその場を後にした
125
:
同志名無しさん
:2017/08/04(金) 23:33:12 ID:uIASFY5E0
続き来た?
本気で嬉しい
126
:
同志名無しさん
:2017/08/06(日) 00:58:32 ID:9GA7rLwI0
スレタイをしっかりと実行してくれたな
127
:
同志名無しさん
:2017/08/11(金) 14:56:15 ID:s8KWJacM0
帰ってきてるやんけ!!待ってたぞ!!
128
:
同志名無しさん
:2018/09/02(日) 00:54:23 ID:s9Vydve.0
俺がなぜここで倒れているのか。それは、わからない
よたつきながら立ち上がり辺りを窺えば、眼前に天高くそびえ立つ塔
まるで塔自体が、我の他に何も無し….と語っているかのような……圧倒的存在感
まどろみ、半ば以上呆けたままの頭を振ってみるがしかし
やはり塔しか認識できぬ……
確かにそれを取り巻くだだっ広い草原には、他に何も見当たらぬのだ
129
:
同志名無しさん
:2018/09/02(日) 00:58:45 ID:s9Vydve.0
いつかの3。そして始まりとすべて
「塔」
130
:
同志名無しさん
:2018/09/02(日) 01:38:43 ID:s9Vydve.0
昔、戦があり
二人の旅人が戦に参加し、大きな功を立てた
恩賞として彼ら旅人が領主に望んだものは、僻地の極々小さな土地と、そこへの塔建設だ
誰にも邪魔をされることなく戦いの修練を積む為の塔。更なる強さを求める場
二人曰く「荒修練の場としたいゆえ、塔内で何があろうと干渉無用。危険につき余人決して近寄らせぬよう」と
領主は….二人の大功に報いるにはあまりにささやかな……望みを叶えた
131
:
同志名無しさん
:2018/09/02(日) 02:59:47 ID:s9Vydve.0
二人の旅人
一人は、異国産の長剣を携えた年若い戦士
今一人は、黒灰色の長衣を纏う、禿頭猫背の従者
二人は主従関係にあったらしい。と伝えられるが
完成した塔に入った二人を、その後見た者はおらぬ
塔内で、彼らが如何なる修行を積んだのか?はたまた他の意図があって塔に籠もったのか?
….其れは、まだ語る訳にはゆかぬ….…
132
:
同志名無しさん
:2018/09/02(日) 03:23:18 ID:s9Vydve.0
なんにせよ
領主は二人との約束を守り、領民を塔に近付かせなかった
そして数十年かが過ぎ、更なる何度かの戦によって領主がそのたび毎に代わり
しかし塔のある場所は、何の資源的価値なく軍用、農地としても役に立たない僻地であり見向きもされなかった為
塔は人知れぬ、ゆかりなき、風雨に曝された岩とレンガの積み重ねになっていった
133
:
同志名無しさん
:2018/09/03(月) 00:46:27 ID:lFx2ypjY0
私はなぜここで倒れているのでしょうか。それは、わかりません。どうでもいいのです。もう
動けそうにないですねぇ
壁にもたれかかって、しばらく経ちました
お腹が空きました….けど、懐には銅貨一枚すらありませんし、この街に知り合いはおりませんから助けなど望めません
このまま、飢え死に。ですかね……
ああ、眠くなってきました……
眠ってしまえば、楽になれますかね
134
:
同志名無しさん
:2018/09/03(月) 00:56:18 ID:lFx2ypjY0
申し訳ありませんが
私がここでみすぼらしく屍をさらし、皆様に不快な思いをさせてしまうこと、ご容赦願います
もう、本当にそれだけが、私の願いです
壁に私の腐敗臭が染みついてしまったら、それも申し訳ない。ですけれども
135
:
同志名無しさん
:2018/09/03(月) 01:17:19 ID:lFx2ypjY0
せめて心おちつかせ穏やかに逝きたいと思い、目を閉じてみましたが
たくさんの辛い思い出が闇に溢れて泣けてきます
水分も足りておりませんので、涙は出ませんが
お前は邪魔者だ
早く死ね
目障りだ
顔ない皆様に、そう言われ続けて生きてきました
皆様のおっしゃる通りだと思います
136
:
同志名無しさん
:2018/09/03(月) 01:33:21 ID:lFx2ypjY0
どなたかは存じませんが、私の傍を通り過ぎて行かれたかたがおります
私のもたれかかっている壁の近くには扉があったようです
軋みながら開く扉の音、中に入って遠ざかる足音
私は目をあけずにおりましたから、よく分かりませんでしたが….多分そうなのでしょう
よかった。私などに気を止める事がなくて
137
:
同志名無しさん
:2018/09/03(月) 02:05:59 ID:lFx2ypjY0
( ,,^Д^)「さてさて、噂は本当かな?」
安物の革鎧を纏い、腰には異様に曲がりくねった小剣を下げた男が一人、塔に入り込む
カンテラで辺りを照らし、慎重に様子を窺っている
数日前、男はこの朽ちた塔に古代の宝が隠されているという噂を耳にし
それを手に入れんとのこのこやって来たのである
塔はうすらカビ臭く埃だらけで暗い
もちろん、人など住んでいるわけもない
( ,,^Д^)「ま、宝とまではいかんでもよ?小遣い銭になるくらいのモンがありゃそれでいいがな……」
廃墟狙いのコソ泥だ
138
:
同志名無しさん
:2018/09/03(月) 02:40:25 ID:lFx2ypjY0
このコソ泥男、名を「タカラ」という
あちらこちらでセコい悪行を重ねてきたため、賞金稼ぎに追われている
辺境僻地に来たのは、そもそもは追っ手をまくためであった。塔の宝の噂はたまたま聞いた、もののついで
( ,,^Д^)「住めそうなら……しばらくここで身を隠すのも……ありっちゃありかな」
しかし実のところ
タカラを追っている賞金稼ぎ達は鼻がきき、目ざとく、執拗で
タカラが思っているより近くまで迫っている
塔のことなど何も知らない者達が集い
そして塔に飲まれていく
塔のカードは
139
:
同志名無しさん
:2018/09/03(月) 03:14:29 ID:zwEut//U0
なんだスカピン生きてたのか
あれスカピンだよなスカンピンだったか?
140
:
同志名無しさん
:2018/09/03(月) 03:21:04 ID:lFx2ypjY0
俺達は何とか骸骨共を片付け、安堵から大きくため息をつく
( ・∀・)「ふぅ、此度の敵は数がいたが……魔術?妖術?の威力まっこと恐るべし。見かけはともかくも心強いものよ」
その台詞だけを聞けば、まるでヤメーテの術にジエンが感心したように聞こえはするが
無表情で骸骨共からの戦利品を物色している態度を見るに、明らかに本心からの言葉ではない。口だけだ
まあそれも、ヤメーテの側に多大な問題があるので仕方なしではある
苦笑しつつ、俺も戦利品回収の業務にかかる
そしてその品の中に、不気味な札の貼られた刀を見つける
刀身に、直にベタ貼りされた札
これも、この地方特有の妖術に関わるものなのか?
そうでなければおかしい。札が戦いの邪魔になるはずだ
あるいはカーチャンならば鑑定は出来ようか……?
141
:
同志名無しさん
:2018/09/03(月) 03:48:05 ID:lFx2ypjY0
俺の肩からひとしずくの血が刀身に垂れる
( ・∀・)「貴公、いいから傷の手当てしながら少し休んでおれ。戦利品回収は拙者が引き受けよう」
ジエンの言葉に甘えるとしよう。また俺はジエンの頼もしさに甘えるしかないのかと、少なからず自己嫌悪を覚える
水浴びをしている最中であろうしぃのこともあり、今の俺達は隙だらけだ。と感じもした
ヤメーテに周囲の警戒をさせるべく、声をかけようと……し、たが
142
:
同志名無しさん
:2018/09/03(月) 04:06:54 ID:lFx2ypjY0
ヤメーテは、俺の手元を、いや、手元の刀を、でもなく
刀に貼られた札を見て、突然絶叫をあげた
彡;(゚)(゚)「ぎいやあぁあぁあアアぁああ!」
な、なんだというのだ!?
彡;(゚)(゚)「あ、アカン!あんさん!そら、そらアカンで!!何でそんなモンが!」
??
彡;(゚)(゚)「そのカードはアカンやつや!!メッチャヤバイやつやで!はよ捨ててや!」
カード???刀に貼ってあるこの札のことか???
彡;(゚)(゚)「それは、ネク……黒い」
143
:
同志名無しさん
:2018/09/03(月) 14:59:34 ID:lFx2ypjY0
夫が、古代の宝が隠されているという塔へ向かってもう十日になる
私は夫の捜索願いを出した
街で数名規模の捜索小隊が編成され、夫を連れ戻すべく塔へと進軍していく
私は大袈裟に泣き芝居をしてみせたりなどし、夫を思うあまり心が弱っている。と街人に印象づけて家に閉じこもった
ζ(゚ー゚*ζ「これでよし。と」
私はあの塔に宝があるのかは知らない。おそらく無いと思っているが、夫には街で聞いた宝の噂をそのまま伝えた
私が知っているのは
塔には邪悪な人食い妖怪が複数棲んでいることと
それらは、少なくとも数年おきには食事を採らねばその身が朽ちてしまうこと
ζ(゚ー゚*ζ「後はもう暫く待ってみて……かな?」
夫も捜索隊も戻らなければ……
144
:
同志名無しさん
:2018/09/03(月) 15:04:00 ID:lFx2ypjY0
ζ(゚ー゚*ζ「お家に」
145
:
同志名無しさん
:2018/09/03(月) 15:05:32 ID:lFx2ypjY0
いつか、帰る……
146
:
同志名無しさん
:2018/09/03(月) 15:11:22 ID:lFx2ypjY0
ζ(゚ー゚*ζ「うふふ……ああ、早く帰りたいなぁ」
147
:
同志名無しさん
:2018/09/03(月) 15:20:45 ID:lFx2ypjY0
半月後のある夜
不意に私の寝室の扉が開かれた
ζ(゚ー゚;ζ「 」
骸骨は「ただいま」と言った
148
:
同志名無しさん
:2018/09/04(火) 12:06:09 ID:xOW5glfg0
おつ!いいはなしだった!きえろ!
149
:
同志名無しさん
:2018/09/04(火) 23:59:22 ID:5iBEY4lM0
怖い話だったんだな
150
:
同志名無しさん
:2019/01/31(木) 15:18:44 ID:kpknfJb.0
忘れた頃にちゃんと更新してくれるから嬉しい
次回も楽しみにしてる
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