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川 ゚ -゚)は探しているようです

141同志名無しさん:2014/03/13(木) 22:08:42 ID:s7Hwe/XI0

 地面に転がったドクオは、背中に受けた衝撃の激痛に悶えていた。
 霞む視界に、間近にまで接近した近衛騎兵隊の姿が映りこんでいた。

 先頭を行く、タンブルストン。

 普段はめったに表情を変えない彼も、
 この時ばかりはさすがに驚きを浮かべて、地面に横たわるドクオに視線を向けていた。

 騎兵隊は疾走の速度を緩めなかった。

 林の中の狭い未舗装路を、ドクオは、塞ぐようにして倒れている。
 タンブルストンの馬は、その障害物を踏みつけにすることを嫌った。
 そして、それを飛び越えようとして、大きくジャンプした。


 ドクオは地面に横たわったまま、息の出来ないほどの苦痛に歯ぎしりしながら、
 ベルトに挟んだピストルに手をかけ、引き抜くことなく、銃口だけを真上に向けて、引き金を引いた。

 銃声が鳴り、光のさえぎられた馬体の下を、発射炎が一瞬明るく照らし出した。
 柔らかい鉛の弾丸は、ドクオを飛び越えようとするタンブルストンの馬の腹に、まともに命中した。

 悲痛な馬のいななきが響き渡り、
 弾丸を腹にくらった馬は、全力疾走の勢いのまま前に一回転して、
 それから、地面をすべりつつ、横倒しに倒れた。

 馬上のタンブルストンの体は宙に浮き、道の先、潅木の茂みに放り出された。


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