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( ^ω^)は職業を見つけたようです

1同志名無しさん:2013/12/31(火) 01:52:16 ID:APvuVeOw0
・ながら
・クオリティヒクス
・逃亡率高め

2同志名無しさん:2013/12/31(火) 02:05:31 ID:APvuVeOw0
【プロローグ】

『ここは、マンションの村です』

マンションだが、何故か「マンションの村」と呼ばれる此処は、とてつもなく評判が悪い。水道は無い、風呂は無い、コンロも無い、床には大量の穴。ぶっちゃけ、住むのはほぼ無理とされるゴミマンション。実質、住む人は二人しか居ない。

309号室の住人、内藤砲来存(ないとうほらいぞん)。肥満体の無職、無知が特徴。引きこもりで、一日を全てインターネッツに絶やしている。

内藤の部屋では、何時もの様にキーボードを叩く音が響いていた。しかし、PCに写るのは某大型掲示板では無く、彼が開くとは思えないサイトだった。

その名を、人は『就職サイト』と呼んだ。

〜( ^ω^)は職業を見つけたようです〜

3同志名無しさん:2013/12/31(火) 02:40:48 ID:APvuVeOw0
( ^ω^)「う〜ん、いいのねーなお…」

内藤しか居ない部屋で一人、呟く。この『お』と言うのは、父の内藤刀血(ないとうとうちゃん)の遺伝らしい。学校では何時も友達に「うるせーよww」と言われ、ある意味苛められていた。口にガムテープやホチキスをつけようとするのだから、当然そうとしか言えない。

( ^ω^)「コンビニ…ありがち過ぎてボツ…」

部屋には内藤が呟く声と、マウスの動く音しか聞こえない。一応彼はヘッドホンをしていて、そこからは「ハッピークリスマス」が流れている。クリスマスを嫌う彼が、何故こんな曲を聞いているかは、彼にもわからない。

そこで、気になるものを目にする。

( ^ω^)「…ん?」

そこには、こう書かれていた。

『魔王始めて見ませんか?
時給:5000円
住所:○○○−☆☆☆☆
椅子に座って、少しそれっぽい業務をするだけの簡単なお仕事です。書類にハンコをするだけです。四天王とかベタな感じのものも用意しています。是非、就職して下さい』

どう見ても胡散臭いもの。何だ職業魔王って。時給5000円って。物凄い高いじゃないか。内藤はここで一つ、違和感を覚えた。職業名や時給もそうだが、違う。違和感を覚えたのは、住所だ。

(;^ω^)「これ…310号室の住所じゃないかお!?」

そう、内藤の居る号室のすぐ隣、310号室。彼処には誰も住んで居なかった筈だ。ここに住むのは、308号室に住む鬱田という男と内藤だけだ。

(;^ω^)「まあ…取り合えず行ってみるかお…」

内藤は席を立つと、木の床に所々ある穴を交わしながら、玄関に行く。そこで靴を掃き、靴紐を結ぶ。そしてドアを開けると、隣にある『310号室』と書かれたドアの前に立つ。

(;^ω^)「覚悟を決めるお…それ」

ドアノブを回すとガチャリ、と音がする。鍵が開いている、大家が鍵を持っている筈なのに、何故だろうか?と違和感を感じつつ、扉を開く。其処には、紫色の渦のような者が広がっていた。

(;^ω^)「なんだおこれ…?まあいいお、取り合えず行くお…」

そう言うと、内藤は渦に吸い込まれる様に入って行った。

4同志名無しさん:2013/12/31(火) 11:22:39 ID:HSoHiwJg0
予防線張ってるけど本当に下手だな

5同志名無しさん:2014/01/02(木) 16:46:12 ID:uC4c16QQ0
句読点多すぎやしませんか

6同志名無しさん:2014/01/04(土) 20:24:56 ID:zAdBGKCk0
>>4
>>5
逃亡を決めました

7同志名無しさん:2014/01/04(土) 20:36:37 ID:P8EkCnVA0
乙!面白かったわ

8乗っとりますが構いませんねッ!!?:2014/06/02(月) 01:55:24 ID:WN.Xqm720
【ようこそ此処は魔王城】

禍々しい紫の空!
重々しい空気!
何か湾曲してる朽ちた木々たち!


(ill^ω^)「まさに魔界って場所だおね……素敵すぎて吐きそうだお」


そんな世界が終わったかの様な割れた地面を、内藤はゲロを吐くような、もといゲロを吐きながら、遠くにそびえる魔王城らしき場所に向かって歩みを進めていた。

まさかゲームによくある紫の渦巻く場所ににインしたら、ラピュタ宜しく空から地面に頭から激突するなんて、誰が予想しただろうか。

内藤の身体に何故か傷こそ無いものの、HPバーが存在するなら瀕死寸前なんだろうと思えるほどに気分が悪く、歩く足もおぼつかない。

何度か帰ろうとも思ったが、空から降ってきたため地上の何処を歩こうが帰れる気がしない。
それなら顔を上げた先に見える魔王城のような城に向かい、帰る方法を聞くのが正解ではないかと思ったのだ。


(ill^ω^)「しっかし面接受けに来て物理的に落とされたのは、世界で僕が初めてかも知れないお……」

.

9ながらですよ!?飽きたら逃亡しますからね!?:2014/06/02(月) 02:13:38 ID:9CO10g8M0

そんなことをブツブツと呟いてはゲロを吐き、フラフラと目的地を目指す内藤。
だが目的地は未だ遠く、危なげで細く長く険しくの小高な場所に見えるのみ。先ほどよりは幾分大きく見えるようになってはきたが、おそらく車を使っても30分は掛かるであろう距離にある。


(ill^ω^)「……もう……無理……」


健闘も虚しく、ついにHPバーが切れたようだ。力なくその場に倒れる内藤。朦朧とする意識の中で浮かんだのは、あぁ、力なく倒れるってこんな意味なんだなと下らない事を考える反面、もう一度カーチャンの顔を見たかったなと思う心、それと金髪の巻き髪が写った目であった。


(ill ω )「ん……金髪……?」


──────
───


10同志名無しさん:2014/06/02(月) 02:51:35 ID:iOSBqY8U0
てす

11同志名無しさん:2014/06/02(月) 03:20:29 ID:rJRcwKEU0

( *顬懿顗法孱擅絓絁帖弔鵝帖帖*

( ^ω^)「おっ?」


あの後死んだかと思われた内藤であったが、ふと気がつくと暖かなベッドの上でスヤスヤと眠っていた。
先ほどまでの具合の悪さはどこへやら、随分とスッキリとしている。


( ^ω^)「ここはアパート……じゃないおね」


内藤は辺りを見回して見ると、いつもの部屋ではないと分かる。
現在寝ていたダブルベッドもさることながら、壁には草原と海岸を描いた絵画があり、
床には赤色の生地に金の刺繍で描かれたエストニックな模様の絨毯、大きな両開きの扉の近くにはカフェテーブルとティーセット。

ソファーが2つ向かい合うように配置されており、間にはガラスのローテーブル。
壁際には沢山の本が詰まった本棚とデスクテーブルには肘の高さまで積まれた書類、とどれも日常では見かけない物ばかりが並んでいる。

そして、自身の服も変わっていることに気がついた。
此処に来る前はユニクロの青いセーターと中には灰色の長袖シャツ、黒のチノパンというユニクロ尽くしのユニクロマンであったが、
現在着ている服装は白のYシャツに中に白い半袖シャツを着て、リクルート風味の黒のパンツを纏い、さながら就活に来たかの様な清楚な格好をしている。


( ^ω^)「一体誰が……」

コンコン!

「入るわよ!」

(;^ω^)そ「ふ、ふぁい!」


突然両開きの扉から聞こえたノックと声に肩を震わせ、情けない声で返す内藤。
慌てて身なりを整えながらベッドに腰かけ、声の主を待つ。

12顔崩れた:2014/06/02(月) 03:22:22 ID:rJRcwKEU0

( -ω-)「Zzz……」

( ^ω^)「おっ?」


あの後死んだかと思われた内藤であったが、ふと気がつくと暖かなベッドの上でスヤスヤと眠っていた。
先ほどまでの具合の悪さはどこへやら、随分とスッキリとしている。


( ^ω^)「ここはアパート……じゃないおね」


内藤は辺りを見回して見ると、いつもの部屋ではないと分かる。
現在寝ていたダブルベッドもさることながら、壁には草原と海岸を描いた絵画があり、
床には赤色の生地に金の刺繍で描かれたエストニックな模様の絨毯、大きな両開きの扉の近くにはカフェテーブルとティーセット。

ソファーが2つ向かい合うように配置されており、間にはガラスのローテーブル。
壁際には沢山の本が詰まった本棚とデスクテーブルには肘の高さまで積まれた書類、とどれも日常では見かけない物ばかりが並んでいる。

そして、自身の服も変わっていることに気がついた。
此処に来る前はユニクロの青いセーターと中には灰色の長袖シャツ、黒のチノパンというユニクロ尽くしのユニクロマンであったが、
現在着ている服装は白のYシャツに中に白い半袖シャツを着て、リクルート風味の黒のパンツを纏い、さながら就活に来たかの様な清楚な格好をしている。


( ^ω^)「一体誰が……」

コンコン!

「入るわよ!」

(;^ω^)そ「ふ、ふぁい!」


突然両開きの扉から聞こえたノックと声に肩を震わせ、情けない声で返す内藤。
慌てて身なりを整えながらベッドに腰かけ、声の主を待つ。

13同志名無しさん:2014/06/02(月) 04:00:06 ID:Gfpj4ZcI0

ξ ゚⊿゚)ξ「あら、やっとお目覚め?」

( ゚ω゚)


その時、内藤に可愛い!という電流走る!
澄んだ蒼の瞳、顕著な体つき、程よくフリルがちりばめられたミニスカドレス!そして金髪の巻き髪!
内藤はロリのジャンルにあまり興味を持たないタイプだったが、これには流石にノックアウト。
強烈に頭を撫でてやりたくなる衝動に狩られたが、一つ引っ掛かるものを覚える。


金髪の巻き髪。


(;^ω^)「あ、あのぉお嬢ちゃん?もしかして君は僕が倒れてたの見たのかお?」

ξ ゚⊿゚)ξ「ええ、ていうかこの魔王城まで連れてきたのもアタシよ?」

ξ ゚⊿゚)ξ「それとアタシはお嬢ちゃんじゃなくてツン、ツン=カデローレよ。これでも500は生きてるからね」

( ゚ω゚)「え!ロリババアかお!」

ξ ゚⊿゚)ξイラッ


最高だ、是非とも頭を撫でさせて!と言葉を最後まで話す前に、一瞬で詰め寄ったツンの鉄拳が右の頬にめり込み、内藤はド派手に吹っ飛んだ。

14同志名無しさん:2014/06/03(火) 09:59:45 ID:hinvBhjg0

(( ξ ゚⊿゚)ξ「で、貴方が求人を見て此処に来た方ね……名前は?」

(((ill^ω^)「内藤砲来存ですお」


再び気分を損ねつつ、内藤は先ほど寝ていた部屋を抜け、ツンと言う女性と共に赤い絨毯が敷かれた廊下を歩いていた。
どうやら別の部屋にて面接があるらしい。


ξ ゚⊿゚)ξ「砲来存……変な名前ね」

( ^ω^)「それは自分でも十分承知しておりますお」


そんな風にツンに質問を返しつつ、内藤は目で廊下を見回しながら歩いていた。
寝室らしき場所でツンに聞いた時に分かったのだが、一応ここは魔王城で合っているようだ。

だが外の禍々しさとは違い、魔王城というよりは最初の町で勇者が旅立つ時にありがちなお城と言うのが正しいほどに清潔で、魔物とはエンカウントしそうに無いくらいに威厳のある佇まいをしている。

15同志名無しさん:2014/06/03(火) 12:53:28 ID:BSDxlSgs0
先を歩いていたツンだったが、一つの大きな扉の前で歩みを止め、内藤へと向き直る。


ξ ゚⊿゚)ξ「ここが面接会場よ」


廊下を歩いていた時も何個か扉があったし、内藤にとってはどれも十分過ぎる程に大きかったが、目の前にある扉は実に高さ5〜6メートルはあろうかというほどに巨大だ。
まさか王室じゃ無いだろうな、と内藤は思いつつ、身なりを改めて直してみる。


ξ ゚⊿゚)ξ「それじゃ今からここで面接だから、私がノックしたら一声掛けてから一緒に入りましょ」

(;^ω^)「分かったお」


異世界だろうが面接となると生きた心地がしない。
更に言うと、中小企業のアルバイト面接しか受けたことがないから尚更だ。
ブツブツと一人質疑応答を繰り返しつつ、ツンがノックするのを待つ。

16同志名無しさん:2014/06/04(水) 09:41:21 ID:KrbNfeqY0

コンコン。

静かな城内に響くノックの音。
そして少し間をおいて、ツンの一声。


ξ ゚⊿゚)ξ「失礼致します」


ゆっくりと、扉が開かれていく。
まず廊下のそれよりも豪華な絨毯が見えた後、


(; ゚ω゚)「ひっ……!」


薄暗い部屋から光る、思わず逃げたくなるほどの、
異形の姿、魔物達の沢山の目が、
奥に見える玉座まで列を成していた。


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