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− 短編小説集 −

1風見音:2013/12/19(木) 21:18:40

オリジナル解釈小説(透明哀歌)
の方に詰まってしまったのでこっちでぼちぼち書いたりしながらそのうち同時進行させたいと思います。

主にオリジナルストーリー、VOCALOID楽曲の解釈などの天てれ小説を書いていきます。
リクエスト等ありましたら気軽に言ってください。亀更新ですが。

よろしくお願いします。

2風見音:2013/12/19(木) 21:41:49
優しい人になりたい #1


「また?」

いい加減にしたら、と何度言えば気が済むのだろう。
僕の言葉なんて君には関係ないのかな。

「痛いよ、ほら」

「やめてよ」

「シャツの下とかもっと酷いから」

「わかったって」

外されていくボタンに合わせて線状の傷が現れる。
筋肉質だけど細くて白い肌に浮かぶ、赤茶色の痂や真っ青な痣。
痛い、痛々しい。

「ほんっと最悪。なんなんだろうな」

「そうだね」

「もうちょっと心配してよ」

「…救急箱取ってくる」

自分は報われない。
そんな彼の不幸の自慢が大嫌いだった。

「じゃあ包帯巻くから」

「ああ玲音、ありがと。」

「ん…」

そしてそんな彼が大嫌いだった。
優しくて格好良くてなんでも出来て…
でも大嫌いだった。

「もう怪我して帰ってくんの本当にやめてね」

「…さぁ?わかんないけど」

「ふざけないで、バカ崚行」

「うるさいなわかったっつの」

それでもまた傷だらけで帰ってくるんだから、きっともう放っておいたほうがいいんだろう。
呆れるをとうに通り越したこの感情を、聡い彼なら気付いているんだろうけど。

崚行は僕の幼馴染み。
中学までずっと一緒にいて、高校も結局同じところへ。
今はその高校の二年生からあと少しで最高学年へと向かおうとしている12月。

周りに笑われるくらいいつも隣にいて、所謂親友と呼ばれるものだった。
だけど僕は知っていた。
誰も知らない崚行の残念な“癖”。

彼は自分を痛めつけて哀れまれることが大好きだった。
不幸の自慢が大好きだった。

「意味わかんない」


だけど本当に飛び降りたと聞いたとき、いつものように感情をイヤフォンで塞ぎ込むことができなかった。

3りんげんlove ◆dRNvjenHtY:2014/03/14(金) 11:05:58
風見音さん♪

覚えてますか??りんげんloveです♪
前「透明哀歌」にコメントした。

お久しぶりです。
元気ですか??また小説書いてくれませんか??
私あなたの小説大好きなんです。
この雰囲気がたまらなく好きでして...。

もしよろしければ私の行っている掲示板に来て、そっちで書いてみては...??
この掲示板、URL貼れないんですね...。
TTK掲示板ってところです。もしよろしければ探してみてください♪


優しい人になりたい #1

これ、すごい気になりました。
どんどん引き込まれていく感覚で、最後の一文がもうたまらなくてw

そんな小説、もっと読みたいです!!
風見音さんの小説がもっともっと読みたいです♪

4風見音:2014/06/19(木) 00:50:16
優しい人になりたい #2


「飛び降りた…って、」

「や、うちも…まだよくわからへんくて…で、でも、崚行…が、あ…うぁっ…」

「…無理、しなくていいよ」

彼に長い間片想いを続けていた彼女は、膝を震わせて嗚咽を漏らしながらその言葉を告げた。

彼が__崚行が飛び降りた、と。

「寿々歌、大丈夫?落ち着いて…」

「…ごめん、あ、ああああ…ちょっと、む、無理…やわ…」

いつもふわりと笑う寿々歌の笑顔は、完全に消え去っている。
残っているのはもう、もう…なんだろう。

「わかんないな…」

「…ぇ…?」

「何でもないよ」

僕はただ、泣くことも喚くことも出来なかった。
優しい人にならなくちゃいけないのに。僕は、僕は。

5モえ:2015/02/22(日) 20:40:45
見てて楽しいです♪


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