【　　　りんげんlove　-短編小説-　　　】

42：りんげんlove ◆dRNvjenHtY：2014/11/17(月) 22:06:13: 【　凜とした君と元気な君　】

「凜!!...ってさ、なんかこう...かっこいいよね」

僕がそう言ってみると、案の定凜は首をかしげる。
なんか頭に浮かんだんだもん。
"凜はかっこいい"って。

「いや、何と言うか...。ほら、凜ってなんでも出来るじゃん?」
この空気を変えたくて咄嗟に出た言葉。
確かに凜は歌も上手いし、優しいし、可愛いし、面白いし...。
どんなに考えても欠点なんて見つからない。

「私なんか全然だよー」
凜は照れたように笑う。
「そんなことないでしょ」
と行ってみると、凜はいつもの笑顔で言った。

「でも私は元ちゃんが羨ましいな」

僕は耳を疑った。
聞き間違いだと思った。
凜が僕のことを羨ましいと思うことがあるなんて、考えたこともなかった。

「だってさ、元ちゃんはいつも元気だし明るいし...。
辛いことだって吹き飛ばしてくれる、素敵な笑顔を私にくれるでしょ?」

凜がそう言うのと同時に柔らかな風が吹いた。
凜の髪の毛がふわりと揺れて、その奥に凜の優しい笑顔が見えた。

「...やっぱり、かっこいいや...」

...僕には、その時の凜がすごく綺麗に、逞しく見えたんだ。

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