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  透 明 哀 歌

1風見音 ◆iHiBGwN/W6:2013/11/21(木) 21:35:33

君が好きだった。
僕は君が好きだった。

心の奥底に隠していた感情。

きっと伝えることは許されなかったから、だから___。
それでも僕は…?君を?


愛した。


もう、見つかりはしないでしょう。
透明な哀の歌

2風見音 ◆iHiBGwN/W6:2013/11/21(木) 21:48:30

君はひとり僕のことを待っていた。

「何?用事って」

「……」

「…どうかした?」

僕の問いかけに君は振り向きもせず、ただ黙っていた。
呼び出したのはそっちだろう、とその態度は少し気にくわなかったけど、それにはまあ…ちゃんと理由があった。

“それ”を聞かなければ良かったなんて後悔しても遅い。
いや、意味がないんだ。

「もう…やめたいの。」

君の声は微かに震えていて、でもそれは屋上特有の寒さのせいだなんて。
馬鹿だよね。

「だから…」

「えっと、何が?やめたいって?」

「だから…私は…」

「え、ちょ、だから…」




「うん。ばいばい、ありがとう。」




あまりにも唐突で、何が起こったか理解したのは僕の耳に校庭からのざわめきが響いてきてからだった。

3風見音 ◆iHiBGwN/W6:2013/11/21(木) 21:59:17

「え…なんで…?ちょ…」

君はまるで花弁が散るように綺麗に舞っていた。
そのまま鈍い音を立てて潰れ、辺りに赤い液体を撒き散らす。

「あ…か、り…?」

「あかり?」

「なんで?」

「あれ?」

「まって」

幾つかの言葉を小さく吐き出していくと、見たくもない答えが見えた。

君は

「ちが…」

朱里は

「え…」

ここから

「やだ…」

飛び降りて

「やめ…」



シんだ?



嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ!!

そんなわけないなんて…そんなわけない。

そうだよ今ここで。
君は落ちたんだ。

身体中に針が刺さった様な感触に耐えられず、僕は涙と嗚咽を撒き散らした。

4りんげんlove:2013/11/23(土) 17:44:53
風見音s

す、すごい上手いですね!!
びっくりしました。

朱里……自殺……ですか……??
そんな……。

朱里ときたら…………だれですかね??
玲音……かな??

5風見音 ◆iHiBGwN/W6:2013/12/06(金) 19:30:51
>りんげんlove さん

全然上手くないですよ〜
まだまだ修行中です…

お返事遅くなってすみません。

朱玲音ですよ^^

6風見音 ◆iHiBGwN/W6:2013/12/06(金) 19:41:55

そのあとの事は曖昧…だと思っていたけれど、意外にもはっきり覚えていて。
それは僕にとっては全然嬉しくなんてない。

ふらふらと靴箱に向かうと、何人かの女子が泣いているのが見えた。

「あ…」

涙でぐちゃぐちゃの顔のまま、声を上擦らせて僕に気付いたのは親友の寿々歌だった。
その瞳は多分、一度絶望した人間の眼と一緒なんだと思う。

「れ、お…玲音…あのっ、あか、朱里…あの…っ、」

「うん…」

僕の涙は枯れきっていて、それでもまだ溢れそうなんだから不思議だ。

泣き止まない寿々歌の背中を軽く叩きながら靴箱を開ける。


そこには、一通の手紙が入っていた。


手紙と言うよりはメモか…
カメやヘビの描かれたかわいいメモが一枚。
すぐに朱里からのものだと解った。

7風見音 ◆iHiBGwN/W6:2013/12/06(金) 19:49:32

<__玲音へ
 ごめんね。ほんとにごめん。
 私にはどうしてもここにいるのが苦痛だったの。
 大好きな玲音に迷惑かけちゃってるのがつらくて…
 でも別れたいとは言えないの。別れたくないの。
 ごめんなさい。
 あいまいに終わらせてごめん。
 でももう、ずっと私の愛は聞こえないと思う。
 朱里より__>

「…ッ」

なんで?
勝手な話しすぎるよね?
僕は、僕は、僕は…!!

「どう、したかったの…?」

言えないんじゃん。
僕は馬鹿なんだ…だからやっぱり何もできない。

そっと言葉を飲み込む音がした。

8風見音 ◆iHiBGwN/W6:2013/12/06(金) 19:52:09
今更ですが、この小説は
「透明エレジー(GUMI)」という曲をもとにしています。

あくまで自己解釈ですが。

9風見音 ◆iHiBGwN/W6:2013/12/06(金) 22:48:44

帰り道、街中にたったひとり。

勿論大勢の人がいて車が通っていて。
パチンコ屋の扉が開き、僕の耳にぐちゃぐちゃな音を響かせる。
それがとてつもなく不快で、気持ち悪い。

でも僕はひとり。

全部見えてるのに聞こえてるのに
僕は何故かひとりぼっち。

それもやっぱり気持ち悪い。

何度も朱里と帰ったこの道。
その横に寿々歌がいて、部活が休みの日は崚行もいて。



いないの?

10りんげんlove:2013/12/07(土) 13:06:57
風見音s

いやいや。上手いですよ??

朱里、本当に死んじゃったんですね......。
朱里......。
戻ってきてぇぇぇ!!!!

頑張ってください!!

11風見音 ◆iHiBGwN/W6:2013/12/07(土) 14:21:53
>りんげんlove

ありがとうございます^^
頑張ります!!

12風見音 ◆iHiBGwN/W6:2013/12/07(土) 17:52:22

家に着くとすぐにベッドに倒れ込んだ。
もう何も考えたくない。
僕は思考するのをやめる。

「ん…」

また視界がぼやける。
今日大きく空いた心の穴からぽたぽたと液体が流れ出す。
感情は混ざり、涙になった。

「あれ…」

枯れた、と思ってたんだけどな。

13風見音 ◆iHiBGwN/W6:2013/12/07(土) 18:03:44

目覚まし時計は世界でベスト3に入るくらい嫌いです。
その音で僕を現実に引き戻す。

ああ、でも早く起きなきゃ。
遅れたら崚行怒るかな…寿々歌はいつも遅いからアレだけど。
早くしないと朱里が迎えに来ちゃう。

「玲音、玲音ー?」

階段の下から母親の声が聞こえる。

「はーい…何ー?」

「…今日は休むよね?ほら、昨日のこともあるでしょう?」

「え?あ、うん…」

「連絡しとくね」

昨日のこと?
きのう?

昨日のことは忘れました?

「…?」

きっと明日のことも思い?出せ?なくて…?


「…ッ」

14りんげんlove:2013/12/08(日) 15:22:04
あ、あれ??
玲音昨日のこと覚えてないの??????????
朱里のことは??

15風見音 ◆iHiBGwN/W6:2013/12/09(月) 17:48:24
>りんげんloveさん

どうでしょうか…??
ぜひ元ネタの「透明エレジー」も聞いてみてください♪

16りんげんlove:2013/12/10(火) 18:41:55
え〜とっ、『透明エレジー』.........ですか??
わかりました!!聞いてみます♪

続き頑張ってください♪♪

17りんげんlove ◆dRNvjenHtY:2014/03/14(金) 11:12:20
風見音さん

「透明エレジー」、聞いてみましたよ♪
あれいい曲ですね、なんか気に入りました。

歌詞に昨日のことも思い出せなくて、入ってましたね!!
あれですね、小説に出てたのは...!!w

続き、書いてください!!
楽しみにしてるので、お願いします...。


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