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男「筋肉が主戦力となった世界」
1
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/04/21(日) 23:32:05 ID:6whs4rac
____
筋肉。
それは、人間に生まれもって付いているものであり。
人間に無くてはならないものであり。
そして、人類最強の兵器である。
____
__
2
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/04/21(日) 23:35:53 ID:6whs4rac
「試験番号0001から1000まで、入れ!!」
ザワザワ...
ザワ...
男「ついに...来たか」ドキドキ
男(筋強化細胞移植テスト...待ちに待っていた)
きょろきょろと辺りを見回す。
屈強な男から、華奢な女まで...
さまざまな人間が同じ試験着を着用して、番号で呼ばれている。
3
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/04/21(日) 23:40:35 ID:6whs4rac
これらは全て、政府の『筋強化細胞移植計画』において選抜された人間達だ。
筋強化細胞移植...
それの始まりは、10年ほど前に遡る。
さる戦争にて。
とある軍人が筋肉にて銃弾を受けきり、そして純粋な握力をもって戦車の装甲をむしりとった。
その特異な軍人の身体から少量発見された『K細胞』...それが、筋強化細胞の原型だった。
4
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/04/21(日) 23:43:33 ID:6whs4rac
それから細胞は世界全土に広まり、多種多様な研究がされた...
そしてどの国も最後に至ったのは、生きている人間への細胞移植だった。
それが成功すればまさに生物兵器とも呼べる兵隊が生まれる。
ただちに被験者が集められ、厳密な検査のもと移植が進められ...
5
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/04/21(日) 23:46:59 ID:6whs4rac
男(はれて、筋肉が世界の戦争の主戦力になったってワケだ...)
男(厳密な検査で見極めた、細胞の適応確率が高かった人間が招集されているらしいが...毎年生き残ってるのは数十人って噂だしな)ゴクリ
男(細胞が適応しきれなかった人間は、すべての筋肉が腐り落ち、死に至るって聞いた...)
男(ゾッとするな)フゥ
6
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/04/21(日) 23:53:50 ID:6whs4rac
「あー...今から、移植前に説明を行う!!」
「まず、細胞を肉体に投与した時点で全身に激しい痛みが生じるだろう!!」
「その後、筋肉の焼けるような痛みと猛烈な吐き気、言葉に出来ぬような嫌悪感も感じると思われる!!」
「その後...完全適応したものは...痛みが引き筋肉の急激な増量が始まる!」
「部分適応したものは、痛みの後筋肉の殆どが腐り落ちてしまう!が、安心して欲しい!!」
「部分適応の者には人工筋肉を移植し、対応する!!」
7
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/04/21(日) 23:57:43 ID:6whs4rac
男(完全適応か、部分適応なら生きていられるって訳か...どうか完全適応で頼むぜ)グッ
「そして最後に...適応出来なかったものや、部分適応したは良いが心筋が腐り落ちてしまったもの、それと痛みに耐えきれず気を失ったものは...そのまま骨も腐り死ぬ!!」
「どうか、諸君らが運と根性のある者であることを祈る!!」
8
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/04/21(日) 23:58:16 ID:6whs4rac
おやすみ
9
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/04/22(月) 16:43:51 ID:Y3lOAyFo
乙
つまらない
才能無いね
死ね
10
:
◆t40EAJSI/s
:2019/04/22(月) 23:28:46 ID:g8NwHF7U
____
配られた注射器を手にすると、ヒヤリと背筋が冷たくなる。
これを首から注射することで、適合者か不適合者か...
生きるか死ぬか、が決まるのだ。
男「よし...射つぞ...っ!!」プスッ
男「...っ...ぁっ!」ズズッ
内容物を注射しおえた数秒後、首を中心にじわりと痛みが広がる。
それは全身へと行き渡り、なお痛みが強まる。
そしてそれは全身がむしりとられるような、ねじきられるかのような鋭い痛みへと変わった。
11
:
◆t40EAJSI/s
:2019/04/22(月) 23:35:13 ID:g8NwHF7U
男「いっぃい...ぎぃぃぃっ...!!」ガクガク
更に内部は熱を持ち、筋肉がグツグツと湯だっていると錯覚するほどの熱さと痛みがやってくる。
男「ぁ"あああああァアぁァ"ァッッッ!!カッ...ィ"イイーッ!!!」ガリガリガリガリ
痛みから逃れようと床をかきむしる。
しかし逃れられる筈もない、固い床に痕が残るのみだ。
12
:
◆t40EAJSI/s
:2019/04/22(月) 23:40:05 ID:g8NwHF7U
その後、吐き気を催す。
男「ゥ"ぷっ...!ヴォ"ぇあっ!!ぇ"えええっ!!!!」ゲポッ
耐えきれず吐き出すと、赤黒い塊。
それが自分の口から出たものだと理解するのに、数秒を要した。
男(適応できてないっ...できてないのかっ!?嫌だッ...死にたくないっ!!)オエエエエッ
男の意思に反し、全身の筋肉は瞬く間に腐り落ち、全身の穴と言う穴から体液がずるずると流れ出る。
痛みと嫌悪感で意識が今にも飛びそうになる。
13
:
◆t40EAJSI/s
:2019/04/22(月) 23:45:21 ID:g8NwHF7U
男「死"に"ィ"ッ!!死"に"た"く"ッッナ"ヒッ!!」ガリガリ...ガリ...
床をかきむしる指にもうまく力が伝わらない。
顔をあげる筋肉すら腐り、頭は投げ出されたように床に落ちる。
力を失いごろりと転がる眼球から見えるのは、ぶよぶよとした何かが詰まった肉袋。
自分の指だ。
男(これ、おれの、ゆび...)
男(しにたく、ない...)ゲポッ
意識はそこで途切れた。
14
:
◆t40EAJSI/s
:2019/04/22(月) 23:49:05 ID:g8NwHF7U
_____
「死亡を確認...いや、脈があるぞ!」
「嘘だろ...うわっ、まじかよ」
「意識を失ったが最後、緩んだ心筋が蝕まれ死ぬって聞いたが...」
「気絶してんのに生きてる...こんなん初めてだぜ」
「とりあえず先輩に報告しないとな...ったく」
「...試験番号0008番、特異な状態での生存を確認」
____
__
15
:
◆t40EAJSI/s
:2019/04/22(月) 23:49:38 ID:g8NwHF7U
おやすみ
16
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/04/23(火) 23:59:56 ID:PoxzAShA
おつ
吹っ飛んでるかと思ったがシリアスなんだな
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