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男「また見てる」イケメン「その通り」じぃー

1以下、名無しが深夜にお送りします:2017/08/19(土) 22:30:30 ID:7bGVEKRA
学校 〜校外清掃中〜


男(くっそ寒い…)ブルブル…

男(けど、嘆いても仕方ないよな。こんもり枯れ葉も集めたし、後は捨てるだけ…)サッサッ

ひゅううう〜〜〜

男「あっ! かき集めた枯れ葉たちが―――」バッ


「んばっっ!!??!」バッシャアアアアア!


男「あ……」ビクゥ

「………」

男「ブフゥッ! い、いや! 今のは別に、全然わざとじゃなくってだな…」


「フフフ。君には本当、毎度毎度と驚かされてばかりだ」

イケメン「また新たな突っ込みを編み出したんだね!」ニコ


男「なに言ってんのお前?」

40以下、名無しが深夜にお送りします:2017/11/15(水) 14:49:43 ID:DReXmdjA
イケメン「へぇ、すなわち準備万端ということか、実に良い心構えだイケ友」ウム

イケ友「あぁそうだろうイケメン!? これでおれっちも優等生のお仲間入りさんだぜ!?」キラリン

イケメン(人のもの勝手に取ってる時点で優等生も何もないが、突っ込まないほうが面白くなりそう)

イケ友「──知ってっか、イケメン。図書室にはアレが出るってさ」

イケメン「アレとは?」

イケ友「アレと言えばアレに決まってるっしょ。──ユウレイだよ、ユウレイ!!」

イケメン「またそんな小学生の噂みたいなこと…」フゥ

イケ友「信用してない感じ!? マージーで出るんだってよ! 夜な夜な室内を歩き回って獲物を探し回るって話よ!」

イケメン「今は夕方だ。人気は少ないがまだ明るいうちに出られたら困るよ」スタスタ

イケ友「んもぉーう! イケメンはすぐこれだ!」

イケメン「無駄に会話する暇があるなら、同人誌の捜索に割いたほうが良いだろうに──」ガララ

イケメン「──それともなんだい? 今更面倒になって辞めたい言い訳を…どうした?」

イケ友「……で、ででっ…そ、そこ…ででででッ!!?」ブルブルブル

イケメン「? でで? 何がどうしたんだ」チラ


「………」ギョロリッッ

41以下、名無しが深夜にお送りします:2017/11/15(水) 14:59:04 ID:DReXmdjA
イケメン「」

イケ友「ひぁ…」


「……おい……」ギョロギョロギョロ

イケメン&イケ友「喋っ……うっ、ぎゃあああああああああ!!!??」


男「──ッてうるさいわッ!! 分かるだろッ! ひと目見た瞬間に俺だってさァ!?」

イケメン「はぁ…はぁ…あれ? 男くん? なの、か?」

男「わかってなかったの!?」

イケ友「び、びっくりしたぁ〜…おとこちゃんの霊かと思って心臓飛びかけた…っ」ドッドッドッ

男「勝手に人を殺すんじゃない!」

イケメン「なんだ君なら呼び掛けてくれたら良かったのに、無駄にびっくりしちゃったよ」

男「呼びかけて、叫ばれたんですけど…コッチは…」ずもももも

イケメン「せいせい。ん? 今日はどうしたんだい? 放課後は用事があるって話だったような…」

男「ここが用事先。図書室で掃除があるから手伝ってんの」クル

イケ友「はれ? 男ちゃんって図書委員会だっけか?」

42以下、名無しが深夜にお送りします:2017/11/16(木) 18:15:08 ID:TugNLXcQ
男「違うよ、ただ手伝ってるだけ。前に委員の人に色々とお世話になったから自主的にやってる」

イケ友「ほぇ〜偉いなぁおとこちゃんわ〜」

イケメン「へぇ…自分から…」

男「んだよ、コッチじっと見つめて」ジロ

イケメン「んーん何でも。というか今日の男くんは何だか冷たいな〜」ニコニコ

男「人の顔見て叫ばれたら嫌でも冷たくなるわ」スタスタ

イケ友「んでもアレは卑怯だとおれっち思いますよ? タイミング良すぎてマジビビリしちゃったし」

男「俺が悪いと言いたいのかイケ友は…! つか何、その格好は」

イケ友「気づいちゃった? 気づいちゃった系? なはは、どーよおれっち優等生しちゃってない?」

男「いや、それ同級生くんの眼鏡だよね? 後で怒られるよ、絶対に」

イケメン「………」

イケメン(彼の交友関係の幅が広がっていく。反響した波紋のように重なって、また重なって、次々に広がって…)


そのうち自分では目で負えない速さで伸びていく。


イケメン「…置いて行かないでほしいな」ボソ

43以下、名無しが深夜にお送りします:2017/11/16(木) 18:35:09 ID:TugNLXcQ
男「ハァ? 何突っ立てんだよ、早く来いってイケメン」グイッ

イケメン「──……」

男「お前も図書室に用事あるんだろ? ドアの前で大声で喋ってたの聞こえてたんだぞ」くいくい

イケ友「行くぞイケメン! おれっち等は何し遂げねばならぬミッションに立ち向かわなければならぬ!」

男「ならぬ?」

イケメン「あ、いや、イケ友の言うことは気にしないで良い。勿論、掃除の邪魔にならない程度にお邪魔するよ」

男「……。普通に本借りて普通にすぐ出ていくってコトだよな?」

イケメン「そういったつもりだけど?」

男「お前が普通のこと言うとすごい意味深に感じるんだけど…」

イケメン「流石は男くん。やはりオレのことをよくわかってるな…」フムフム

男「やっぱなんかあんのかよ! ていうか少しは予想裏切ることぐらいやってみせろよ!」

イケ友「シィー! 今はもう図書室内だから静かに!」

男「しょっぱな開幕に叫び散らかしてたの誰か覚えてるよね?」

イケ友「おれっちは廊下だったからセーフ!!」ビシッ

男「全然アウトだよ!!」

44以下、名無しが深夜にお送りします:2017/11/16(木) 18:38:53 ID:/LUa2.3E
イケ友、相変わらずいいキャラしておる

45以下、名無しが深夜にお送りします:2017/11/19(日) 22:18:37 ID:uu1z.CbM
これは嫉妬するわ

46以下、名無しが深夜にお送りします:2018/01/03(水) 05:10:20 ID:L/F990cw
まつぞ

47以下、名無しが深夜にお送りします:2018/01/18(木) 21:27:15 ID:c6a7.TKU
男「ったく、もういい。コッチはやることあるんだ、用事済ませたらとっと帰れよ」フン

スタスタ

イケ友「あら〜…男ちゃんってば冷たいぜ〜…」

イケメン「いや、むしろ好都合。男くんがいないほうがコチラも動きやすいしな」

イケ友「おれっちは仲間が多いほうが好き…」

イケメン「少人数のほうがプロっぽくないか?」

イケ友「確かに!? さっそく行こうぜー!」ダダッ

イケメン(ちょろい)

〜〜〜

イケメン(五冊の同人誌が隠蔽されている、という話だったが)

イケメン(本棚から闇雲に探すのは無駄…)チラ


イケ友「おらおらーっ!! どこだお宝同人誌ィー!!」(小声)


イケメン(ローラー作戦はイケ友に任せるとして、オレは少し頭を捻ってみよう)ウーム

イケメン「…お?」

48以下、名無しが深夜にお送りします:2018/01/18(木) 21:36:16 ID:c6a7.TKU
男「………」(黙々)


イケメン(アレはもしは──表紙のカバー張り? 日焼けと痛みを防ぐための作業か、なるほど)スタスタ

イケメン「ねぇねぇ男くん?」ニコ

男「…やっぱり来たな」ハァ

イケメン「え?」

男「来ると思った、えーえー来ると思ったさ。お前なら絶対に俺のところにやってくるって」

イケメン「あ、いや、別に作業を邪魔するつもりは…」

男「嘘つくな」ジトー

イケメン(笑えるぐらいに信用性無いな、オレ…あぁ…でもえぐりこむような疑り深い目で…)ゾクゾク

男「なんなのその目…キモ…」

イケメン「あはは。大丈夫、本当に何もする気はないんだ、安心していい」ニコニコ


キャー イケメンくんじゃない、アレ? カッコイイー


男「ハァ…」チラ

男「あぁ、うん。邪魔しに来たんじゃないんだな、んでなにさ。俺になんか用?」

49以下、名無しが深夜にお送りします:2018/01/18(木) 21:45:27 ID:c6a7.TKU
イケメン「…………」じぃー

男「…早く要件を言えよ」

イケメン「ん〜…」スッ

男「なんだよ、やっぱり邪魔し───ちょ…? なんだよ急に隣りに座って…!?」ビク

イケメン「気が変わった。やはり少し君を見ていこうと思って」

男「意味がわからん…!!」

イケメン「良いじゃあないか。見た限りでは、特に重要なポジションじゃないんだろう?」

男「…見られてるとやり難いだろ」

イケメン「そう?」

男「……。あーもういい、勝手にしろ…」ボソボソ

イケメン「うん。勝手にしてる」ニコ

男「………」ビリー ビィイイ キュキュッ

イケメン「………」じぃー

男「ほんっと、変態だよな。お前って」

イケメン「だろうね、本当に」クスクス

50以下、名無しが深夜にお送りします:2018/01/18(木) 21:53:54 ID:c6a7.TKU
「あの〜……」ヒョコ

イケメン「?」

男「あ、ハイッ!? なんでしょうか?! なにか僕間違えましたかね!?」ビクゥッッッ

「あっ、違うの! そーいうのじゃなくて、えっと、その〜…」チラチラ

イケメン(僕…)

男「あ……えっと、スミマセン、俺…ぁ…僕に用があるわけじゃなかったか…」ガタリ

「違う違う! そうじゃないの! ──今日のお礼を言うの、忘れてたから、言っておこうと思って」

男「え…」

「今日は本当にありがとう。人手が足りなくて参ってたんだ、みんな部活やら用事があるって集まってくれなくて…」

男「あ、いや、僕も特に用事がなかったというか…お世話になった人の為にやってるっていうか…」

「あー眼鏡部長のコト?」ニコニコ

男「ええっ!? な、なぜそれを…!?」

「そりゃわかるよー。だって眼鏡部長ったらいつも君のことばっかり話すんだもん」

男「そっ、そうなんスか、光栄ッス、アザッス」

「普段まったく喋らないのに、君のことになるとすっごくペラペラになるんだよ。私、初めて見たよ? あんな部長の顔」くすくす

51以下、名無しが深夜にお送りします:2018/01/18(木) 22:05:04 ID:c6a7.TKU
男(照れる…)

「本当にありがとう。これ終わったら先生からジュース貰えるから、楽しみにしててね」ニコ

男「はい…」

「じゃあ、引き続きよろしくお願いします」スタスタ


男「………。ハァ〜…びっくりした…」ストン

イケメン「そういう理由だったんだね」

男「まあな。まさかお礼を言われるとは思わなかったけど、あー驚いた」ビィー

イケメン「そうかな? 君はもっと色んな人から感謝されるべきだと思うけど」

男「はいはい。お前はいつだって俺に感謝、俺に感謝だよ、お礼満来だな」

イケメン「そうだね、オレは君に救われっぱなし、だからいつか、ちゃんと恩返しをしなくちゃなって思うよ」

男「んだからそれやめろって───」ピク

イケメン「うん? どうした?」

男「──なんでも、ない。気にするな」フィ

男(急に委員の人がお礼を言ってきたのって、そうか、コイツが隣りに座ってからだった)

52以下、名無しが深夜にお送りします:2018/01/18(木) 22:11:34 ID:3dihlRgo
待ってた

53以下、名無しが深夜にお送りします:2018/01/18(木) 22:19:33 ID:c6a7.TKU
男(正しくは【俺がコイツと会話をし始めてから】だ。…なんとなくわかる、俺、目がアレだから…距離置かれてたんだ…)ズーン

イケメン「……」

男(でもイケメンが喋りかけて、隣りに座ったから、平気だって大丈夫だって思われた…のかも知れん)

男(まったく分かってやってんのか、無自覚でやってのけたのか。どっちにしろアレだ、やっぱ凄いな、コイツは)チラ

イケメン「ねえ今度さ、一人称『僕』を使って突っ込んでくれない? すごい新感覚でキュンって来るかも」ワクワク

男「……だから喋らなきゃイケメンだと認めるのにな……」

イケメン「なんて?」

男「黙ってろ変態」ビッビッ


「あーーーっっ!? イケメンそりゃないべさ!? なーにサボって男ちゃんと駄弁ってるワケ!?」


イケメン「あっ」

男「コラ! イケ友! シィー! ここ図書室だぞ…!」ガタ

イケ友「おれっちだって男ちゃんと駄弁りたいぜ!? お袋との話もじっくり話し合っておきたいのに!」

イケメン「す、すまんイケ友……お袋? なんの話だ?」キョトン

男「いやいやなんでもないからっ! ──その話はイケメンの前でするなって散々言っただろイケ友…!!」ヒソヒソ

54以下、名無しが深夜にお送りします:2018/01/18(木) 22:35:44 ID:c6a7.TKU
イケ友「あっ、いっけね! ごめんちゃい男チャン!」テヘペロ

男「謝り方も喧しいな!」

イケメン「男くん。君の指摘もなかなかに声が大きいよ?」

男「ぐッ…俺だって好きで大声出してるわけじゃあ…!」

イケ友「そうだイケメン、男ちゃんはおれっちの為を思って声を張ってんだ。その想い、おれっちはとても嬉しい!!」

男「ならもっと静かに嬉しがって!?」

イケメン「男くんの言うとおりだ。お前は少し、感情的すぎて声が大きくなりすぎる。もっとスマートに繊細にやりたまえ」

イケ友「んじゃどうやってやるんだ、教えてくれよイケメン」

イケメン「うむ。こうだ」


シュタァ… ススッ… シュバァ…


イケメン「──俺はお前にいつだって感謝してるよ」ポン フゥ〜

男「いぃいぃいぃッ!?」ゾワゾワゾワーッ

イケメン「どうだ!! これがスマートな感謝の仕方だ! わかったか!?」バッッ

男「黙れ変態変態ッ! よくもまぁやってくれたなアホったれッ!」

55以下、名無しが深夜にお送りします:2018/01/18(木) 22:45:13 ID:c6a7.TKU
イケメン「あれ? 要望に準じた素晴らしい方法だったと思うんだが…?」

男「何処がだよ! まったくだよ!」

イケ友「ま、まさか…そんな方法があったなんて…」わなわな…

男「この流れそろそろ終わってくんない!? つかやっぱりテメーら邪魔しにきたんじゃないか!」

イケメン「こうなってしまえばやむなし。イケ友、オレたちは降伏して静かにこの場を去ろうではないか」

イケ友「やぶさかでなしですな!」ウム

男「あ…! オイ…!」


イケメン「──じゃ、頑張ってね」フリフリ

イケ友「また明日帰ろうぜ〜」フリフリ


男「……っ」ストン

男(あぁもうかき乱すだけかき乱して、去るのは一瞬)チラ


くすくす ねー いまの凄かったね〜 くすくす


男(笑われてる…そりゃ丸聞こえだよな、というか面白かったのか今の会話って…)カァァ

56以下、名無しが深夜にお送りします:2018/01/19(金) 23:05:30 ID:lucGsvws
イケメンまじ変態

57以下、名無しが深夜にお送りします:2018/01/20(土) 18:27:55 ID:EDIO.THY
男(にしてもイケメンたちは図書室に何のようがあって来たんだろ…)


イケ友「色々と見回ってみたけど、こりゃ埒が明かんぜ。数日にワケて探すハメになりそう」

イケメン「いや、実は隠蔽同人誌についてはおおよその検討がついている」ソッ…

イケ友「マジで? どこどこ?」ソッ…

イケメン「アレだ、委員達が座っている横の未防止の本の山だ」

イケメン「隠蔽行為が一ヶ月以内に行われた話なら、新刊で偽装された可能性が高い」

イケメン「──古い本は既に防止済み、なら、あの本の山の中にあるのだろう」

イケ友「…そりゃヤバくね? バレるのも時間の問題だぜ?」

イケメン「オレとしてはバレても全くかまわないんだが…」

イケ友「うーん、まあ会長姉ちゃん直々の頼み事だし、おれっちは家族は大切にする男だ」ウム

イケメン「ああ、報酬も貰ったしな。何より、発覚から遡られて報酬の件が男くんに知られるのはまずい…」

イケ友「なにがまずいん?」

イケメン「男くんの信頼をこれ以上落とすハメになる」

イケ友「もうすでに結構下がっちゃってんのか…」

イケメン「イケ友。ここからはオレだけでも動ける、…怖じ気付いたなら帰ってもいいぞ」

58以下、名無しが深夜にお送りします:2018/01/20(土) 18:46:30 ID:EDIO.THY
イケ友「ヘッ! バカ言えってイケメン! …おれっちは死ぬ時も一緒だぜい?」ヘヘッ

イケメン「その言葉を聞けて嬉しいよ、オレは。──では作戦内容を伝える、心して聞いてくれ」

〜〜〜

男(あ。テープが切れた、えっと、どこにストック置いてあったっけ)キョロキョロ

男「……あ、あのぉ〜…テープの換えって、へへっ…どこ、ありますかねェ…?」ニ、ニヘラァ


「ヒッ」

「うわあ!? ──あ、あっ、うん! それならコッチにある、から…うん…そっち…!」


男「ありッ、ありがとうございます」クル

男(良いんだ、うん。俺が悪かったよ、どう考えても聞き方おかしかったし、ぜんぜん平気だし)トボトボ


「──って、てててッ! おわーッッ!!?」ズンドコゴッシャーンン!!


男「え…?」

イケ友「痛つつ…ゲェー!? し、しまったぜぇ!? 転んで本の山崩しちまったよォー?!」ガビーン

男「ちょ、イケ友!? なにやってんだ…!?」

59以下、名無しが深夜にお送りします:2018/01/20(土) 18:55:06 ID:EDIO.THY
男(先に帰ってたと思ったら一体なにをして───)タタッ


「わっ、大丈夫? 怪我とか…」タタッ

「イケ友マジでおっちょこちょいすぎでしょー」タタッ

イケ友「ま、まさかなにもないトコロで転ぶとはな〜このおれっちがな〜」

「プッ! 何その棒読み、恥ずかしがってんの?」

「アハハ〜! らしくな〜い!」


ワイワイ ガヤガヤ


男「うっ…」タジ…

男(お、俺は黙って崩れた本の山を片付けておこう…)クル


イケメン「──大丈夫?」

「へぇっ!? あ、ハイッ!? だだだだいじょうれふ!?」

イケメン「結構くずれたね。アイツにはよく言い聞かせておくから、怒らないでやってほしい」ニコ

「はひ! わかりまひた!」カァァ

60以下、名無しが深夜にお送りします:2018/01/20(土) 19:02:54 ID:EDIO.THY
「わ、私も手伝おうっと〜…」ガタリ

「あたしも〜…」ガタ


がやがや わいわい


男「………………!」ハッ

男(し、しまった! 怖じ気ついてたら出遅れた! 一人、木偶の坊化している…!?)バッバッ

イケメン「いいよいいよ。友達がやったことだからオレが責任もって──」チラ


イケメン(くくく。作戦通りだ、君ならきっと率先してイケ友や崩れた本の元へ駆けつけるだろう)

イケメン(だがしかし! 委員はすべて女子! …集ってしまうと君は躊躇うと予想した)

男「………」オロオロ

イケメン(そして、この隙に…)チラ


イケ友「………」コク


イケメン(偽造された同人誌を探す。たまたま借りたかった本だと捏造すれば回収は簡単だ)キョロキョロ

イケ友「おあーっ!? こりゃまさか前から借りたかった『男なら誰でも作れる男料理本』ってやつじゃあねーですかねェ!?」

61以下、名無しが深夜にお送りします:2018/01/20(土) 19:16:40 ID:EDIO.THY
イケメン(来た! まずは一冊目…!)グッ

「へえ? 借りたかったら借りてってもいいけど?」

イケ友「マジで? うむむ。これで弟も喜ぶだろうよ、えっへへ。あんがとな〜」ニヘラ

イケメン(オレの方もすかさず探し当てなければ…どこだ、どこにある…これとかはどうだ…?)ヒョイ

パラリ 

イケメン「! おっとと、コレもしかしてペット紹介雑誌かな? 実は前から気になってたんだが…」

「あ…ど、どうぞ! 未防止ですけど、雑誌系統なら大丈夫なので…!」

イケメン「ありがとう」ニヤリ

イケメン(来た! これで二冊目、あと三冊! コツを掴めば簡単に見つけ出せられるぞ!)


男「…………」ぽつーん


イケメン(…ごめんよ、男くん。辛い立場に追いやったことは否めない、けれどオレ達は本気なんだ)

イケ友「つーかそれも借りたかったやつじゃね? おっほー! ここスゲーな! なぁなぁイケメン!」

イケメン(三冊目──おっとこれもそうか? ビンゴ! 今回の謝罪は先進誠意込めて後日、やらせてもらう)

イケメン(さあ、残り一冊! 見つけさえすれば男くんは救われる!)バッ

62以下、名無しが深夜にお送りします:2018/01/20(土) 19:30:07 ID:EDIO.THY
イケメン(待っててくれ男くん! この件が済んだからすぐさま君の元へ───)バッ

イケメン「──………」ピタ



男「あのっ!」ヒョイ

「あ…」スッ

男「お、おれっ! 俺も手伝い、ます! 見てるだけなのも、アレなんで!」ガクガクガク

「で、でも…」

男「平気ッス! 大丈夫ッス! あの、俺も、アイツらと…と、友達ィッ! なんでねッ!?」

「……。そっか、うん、ありがとう」ニコ



イケメン「……………」

イケ友(い、イケメン! このままじゃマズイやも! 残り一冊がまったくどこあっか分からん…ってか)ヒソヒソ

イケメン「……………」だばぁーー

イケ友「なんで静かに号泣してるん……?」

イケメン「信じられない。おとこくんが、オレのこと友達って、いや違う、あんな緊張しているのに彼は一人で前に…」サラサラ…

63以下、名無しが深夜にお送りします:2018/01/20(土) 19:41:06 ID:EDIO.THY
イケ友「そ、そうなんか…でも泣いてる場合じゃなっしょ? このままじゃ男ちゃんにバレちまうぜ…?」ヒソヒソ

イケメン「良い。バレてもいい」フルフル

イケ友「…ちょっとイケメンさん?」

イケメン「このまま彼の勇姿を見届けたい。だって後悔しそうだ、なにより見なかったことを一番に…」ブルブル

イケ友「…………。うん! ちょっと強引に行く、イケメン」グゥインッッ

イケメン「男くん頑張ったね──おごぇっ!?」

イケ友(手短に言う。見つけなきゃ結局は後悔する、そう言ったのは誰だった?)

イケメン(オレです…)グスッ

イケ友(なら冷静になってちょ。もう残り一冊だ、見つけるのはカンタン。余所見してる隙なし、わかったか?)

イケメン(はい…)コクコク…

イケ友(よっしゃ。つか、なんで敬語なん?)

イケメン(イケ友から本気目で怒られるの初めてだから…)

イケ友(そりゃ昔より今のイケメンの方が危なっかしいからなぁ)

イケメン「え?」

イケ友「いっけね。そーこーしてるウチに男ちゃんが拾い終わっちまう──男ちゃーん! あんがとー!」タタッ

64以下、名無しが深夜にお送りします:2018/01/20(土) 20:28:43 ID:SQZCgsGc
おつ
男頑張った

65以下、名無しが深夜にお送りします:2018/01/22(月) 08:40:29 ID:4TJgJIRE
イケ友はいい奴だなあw

66以下、名無しが深夜にお送りします:2018/02/21(水) 22:01:43 ID:jBxcMPCs
男「い、いや俺は当たり前のことをしたまでで…」カァァ

イケ友「それが嬉しいんだってのー! このこの〜!」うりうり

イケメン「…………」

イケ友「それにほら、イケメンも嬉しがってたぜ?」チラ

イケメン「!」

男「んぐっ……コイツは俺が何したって喜ぶ変態なんだよ、そういう奴なの」

イケメン「ふふ。ああ、そうともさ! 君が動いてくれるだけでもオレは歓喜するね!」

男「ああ…お前が普段、俺のことをどう見てるかより詳細にわかる発言だなァ…!」

イケメン「褒めてるんだよ?」

男「もっと普通に褒めろ! つか、今ってとくに褒められる場面でもないだろ!?」

イケ友「くっく、さて、おれっち等はもう一冊ぐらい借りていきたい気分なんだよなぁ〜〜」キョロキョロ

男「まだ? けっこう借りていくんだな」

イケメン「今日は久しぶりに図書室に訪れたから、これを機に色々と借りようと思って」キョロキョロ

イケメン(グッジョブだ、イケ友。これでより隠蔽同人誌を探しやすい状況になった!)

イケ友「コツがあるんよなぁ〜『これだァ!』って直感するイメージっていうやつ?」

67以下、名無しが深夜にお送りします:2018/02/21(水) 22:03:07 ID:jBxcMPCs
イケメン(まさしく、隠された同人誌はもはや我々にとって見れさえすれば分かる!)ぴくん!

イケメン「これだー!」
イケ友「これっしょー!」

男「ん? どれ?」

イケメン「このビシビシと感性に訴えかけてくる表紙と色合い。まさしく間違いな──」

イケ友「……………」ダラダラダラ

イケメン「あれ? ど、どうしたイケ友? いきなり固まって…」 

イケ友「ん〜…っと、まぁその、アレは…本当に、そーいったモンだとイケメン、思う?」スッ

イケメン(どうしたんだ急に? 互いにコレだと思ったのなら…)チラ


『おことのからだエゴ・サーチ!《かき分けるヒミツ☆教えてムーチョ》』


イケメン(なんだッ…この、隠蔽同人誌より切れ味ある表紙っぽいのは──ッ!!)

男「二人して固まって何やってんだ? どの本を借りたい感じ?」

イケメン「えと…そのぉ…」モジモジ

イケ友「やっぱ…そんなに、かなって…」チョンチョン

男「いや二人で『これだー!』言ってたじゃん、確かこの辺を指差して…」

68以下、名無しが深夜にお送りします:2018/02/21(水) 22:03:39 ID:jBxcMPCs
イケメン「いいんだよぉ?! 男くんはオレたちなんかにかまってないでェ!?」ババッ

イケ友「そーそー!? 勝手におれらで見繕って借りちゃうからさー!?」

男「む。臨時だとしても図書委員としての権限もってるんだからな? 一応、貸出許可も出せるし」(使命感)

イケメン(い、何時になくやる気に満ちている…くそぅ、裏文化祭共め…なんて本に偽造したんだ…)

イケ友「どうにかして手に入れて──んぁ? ちょい待ち、気になることがあるんだけどさ?」

男「うん?」

イケ友「あの本のこと」ズビシッ

イケメン(直接言いに入った!?)

男「どの本? えっと『おとこのからだエゴ』……なんで今その本、気にする?」ジトーーーーー

イケ友「うぐッ、いやね? おれっち気になるんですよ、どうしてアレだけカバーしてねーのかなって」

「──キミたち、図書室のユウレイの話しってる?」

イケ友「お?」

イケメン「え? 幽霊?」

「そう。割りとこの学校じゃポピュラーな怪談話だけど、その本、実はマジモノなんだ」

男「と、図書委員副会長…!? あれって実話だったんですか!?」

69以下、名無しが深夜にお送りします:2018/02/21(水) 22:08:51 ID:jBxcMPCs
「ええ。マジモンなのです」コクコク

イケメン「え、えと……つまいどういうことなのかな……?」

男「お前らが廊下で話してたやつだよ。過去に、漫画家を目指していた生徒が参考資料として本を借りようとしたんだ」

けれど題名があれで、表紙もアレときたもんだから、恥ずかしくて中々手に取れなかったらしい。

そのせいなのか分からないが、男の体がへんだと指摘され漫画家を断念。

そして残ったのは生霊めいた生徒のアノ本に対する執着心だけが残った……

男「つまり、あの本を借りようとすると幽霊が現れて脅してくるらしい」

「『それを借りるな。持っていくな』ってね」

イケ友「ひぇぇ…マジかよ…くわばらくわばら…」ナムナム

イケメン(すごくどうでもいい…)

イケメン(し、しかしッ! そうまでピンポイントにアノ本だと言うのなら──少し不可解な点が…)

イケ友「ど、どうするよイケメン? こうなったらアレだけ後に取りに行くってのもアリじゃ…」

イケメン「………」

イケ友「イケメン? どうしたん?」

イケメン「──やはり何処か、おかしい。オレたちはもしや、最初から思い違いをしていたんじゃ…」

70以下、名無しが深夜にお送りします:2018/02/21(水) 23:02:24 ID:jBxcMPCs
イケメン(隠蔽行為が一ヶ月以内だからこそ、新刊で偽造の可能性が高かったハズだ)

イケメン(しかし『おことのからだエゴ・サーチ!《かき分けるヒミツ☆教えてムーチョ》』は噂違わぬ古本…!)

イケメン(アレが隠蔽同人誌だと確信している今、最初に前提にした条件が狂ってしまうことになる!)

男「おい。結局は借りていくのか、いかないのかハッキリしろって」

「…………」

イケメン(これは…)チ、チラ

「…………」ニコ

イケメン(これはもしや──我々はすでに踏み込んでしまっていたのでは……?)


「クスクス ねー見た?」

「見た見た。やっぱ生の生はちがうねーw」

「っはー…しんどい…」


イケメン(この人たち全員!! うっ、裏文化祭実行委員たちなのか────!!!)ズガァーーーン!

「イケメンくん」スッ

イケメン「ひぁいッ!?」ビックーン

71以下、名無しが深夜にお送りします:2018/02/21(水) 23:16:28 ID:jBxcMPCs
「その本は【私たち】でも安易には貸出できない、けっこうレアなものなんだ」ニコニコ

イケメン(この物言い、まさか勘付かれたのか!?)

「君たちがどういう理由で本を借りに来たのか、ってこともなんとなーく理解しているつもり」チラ

イケメン「ご、ごくん…は、ははっ…その言い方だと、なにか脅されてる気がするんだが…?」

「そうかな? 私たちは穏便にことを済ませたいだけなんだよ」ニコ

イケメン「いや、オレたちこそ穏便にことを済ませようとしている…かの有名な生徒会長様がでる前に…」


「忘れてるようだけど、本の貸出には表紙裏に付けられた貸出カードに記入することが必須」

「じゃあやる気になってる彼に貸出仕事を任せるつもりだけれど、うん? どうする?」


イケメン「……………」ダラダラダラ

男「? さっきからヒソヒソ話して…」

「あ。もう借りていくからしいから男くん、受付任せちゃってもいいかな?」

男「え? は、はい! 任せて下さい…!」

イケメン(既に会長の指令は内部告発で本元にリークされていた、会長め、信頼度低すぎだろう…っ)

イケメン(──わざとだったんだ、オレたちに隠蔽同人紙をみつけさせ、男くんを手伝わせたのは──!)

72以下、名無しが深夜にお送りします:2018/02/21(水) 23:30:47 ID:jBxcMPCs
イケメン(今日という、今を作り上げる為に! なんたる手腕と一枚岩加減! …敵わない、が)チラ

男「じゃあイケメンとイケ友。それこっちに貸してくれ」

イケ友「えっ!? ……あっ!? やっべ!? そーいう感じだったっけ!?」

男「そういう感じ?」キョトン

イケメン「……。ひとつ最後に問いたい、是非とも本音で答えて欲しい」

「ええ」

イケメン「男くんを委員の仕事に誘ったのは、本当にそのためだけの理由だったのか?」

男「ハァ? きゅ、急に何を聞いてんだお前……!」

イケメン「答えてくれ」

男「え…ど、どうしたんだよ…? ふ、副委員長も……」オロオロ

「それを聞いてどうするの?」

イケメン「答え次第じゃあ、そうだね、オレ個人の意見で言えば───悲しいかな、それにちょっと怒るかも知れない」

「…………」

イケメン「どうなんだい?」

「……。男くん」

73以下、名無しが深夜にお送りします:2018/02/21(水) 23:39:34 ID:jBxcMPCs
男「はい…?」

「今日は手伝ってくれて本当にありがとう。男手ひとつあるだけで、やっぱり効率は段違いだったよ」

男「俺に出来たことなんて、そんなには…」

「ううん。君がここにいるだけで、みんなが助かったんだ。だって───」チラ

「──きみは眼鏡先輩の期待以上の仕事をこなしてくれたから、十分なんだよ」

男「えっ!!? あの人の期待以上だなんて……そんな…っ」テレテレ

イケメン(そっか、残念だよ。それが君の答えか)

「うん! これからも暇があったらでいいから、手伝ってもらってもいいかな?」

男「ウッス…」


ぱしっ


イケメン「え…」

「今日はコレだけでいいの? それともあの曰く付きの本、借りていっちゃう?」

イケメン「な、なぜ…?」

「私は図書委員会の副委員長。貸出受付係は、当然の仕事でしょう?」ニコ

74以下、名無しが深夜にお送りします:2018/02/21(水) 23:43:58 ID:jBxcMPCs
イケ友「ホッ……」フゥ〜

イケメン「だって君はああも言ってきたじゃないか…?」

「もちろん、そのつもりだった。この場にいる全員がね、ずっと君たちを待ち構えてた」

イケメン「……」ビクッ


「………」じぃー

「……」

「………」


イケメン(改めて思えば、本当にココは敵地なんだよな…)ゴクリ

「あの独裁ぶりで刈り取る圧制者。恨んでることも多いし、楽しんでる子もいると思う」

「──でも」

イケメン(でも?)


「男くんが、困ってるの見たくないって思っちゃったから」ニコ


イケメン「! ……ありがとう、いや、感謝するのはおかしいかもしれないが」

75以下、名無しが深夜にお送りします:2018/02/21(水) 23:52:57 ID:X/hsPAkA
「いいんだよ。これからもわたしたち裏祭は極秘裏に続けていくし、受け継がれるほど歴史が伸びると思う」サラサラサラ…

イケメン(しかし今回を見逃すのなら歴史は更に…)

「でも、わたしたちは負けないよ。だから心してかかってきてね、イケメンくん」

イケメン「……。はい、肝に銘じます」ペコリ

「うん!」

男(この二人、いつの間にこんな仲良くなったのだろう……?)

「じゃあ貸出記入おしまいっと、男くん。今日はもういいよ、後はわたしたちで終わらせちゃうから」

男「いいんですか…?」

「うん、お友達と一緒に帰っていいよ」

男「……トモダチ……」

イケ友「ッハァ〜! 一時はどうなるかと思ったが、よっしゃー! 男ちゃん帰ろうぜー!」

男「お、おう」

イケメン「……………」

男「おーい、イケメン。お前もほら、えっと、もう帰ろう? 副委員長も良いって言ってくれたし…」クイクイ

イケメン「……求められているんだ、ならば感謝の意として送らなければだろう」

76以下、名無しが深夜にお送りします:2018/02/22(木) 00:00:47 ID:h0UdpRgY
男「へ? なにが?」キョトン

イケメン「男くん。ちょっとこっち向いて」ぐいっ

男「なっ、なんだよ? もう帰るってのにまだ何かある──」グル

イケメン「…………」スッ ギュウウウ

男「──ハァッッ!? おまっ!? なにやっ……!?」かぁあああ

イケメン「幽霊こわい…」キリッ

男「キメ顔でなに意味不明なこと言ってんの!?」

イケ友「なんなんイキナリそんなノリは!? ……え、居るの……幽霊そこ、いるの……?」ブルルゥ!

イケ友「男チャンたっけてやぁ!」ガバァッ

イケメン「ぐぉっ!?」

男「なんでイケ友までやるんだよぉー!?」

イケ友「だって男ちゃんの眼力なら勝っちまう可能性アリっしょ!?」

男「ないよッ! そこまで凄くないよ俺!」

男(こ、こんなバカ二人のノリを大衆の面前で…! あれだけ感謝してくれたのに! 迷惑がれちゃうだろ…!!)バッ

77以下、名無しが深夜にお送りします:2018/02/22(木) 00:05:31 ID:h0UdpRgY
「キャーッ!! まさに想像以上、本当に男くんってば期待以上だった! また来てね!?」キャーッ

男(……えぇ……)



【副委員長のそれは今日一番のいい笑顔の感謝だった】


第三十二話『俺はちゃんと仕事をしていたでしょうか、という突っ込みはできない』


遅くなってすんませんんんんんn
がんまります

78以下、名無しが深夜にお送りします:2018/02/22(木) 19:33:16 ID:/NGWXi5c
おつおつ
高度な心理戦であった

79以下、名無しが深夜にお送りします:2018/02/23(金) 15:38:10 ID:xTr33GY.
期待以上の仕事をしたなあ…



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