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男「また見てる」イケメン「その通り」じぃー

1以下、名無しが深夜にお送りします:2017/08/19(土) 22:30:30 ID:7bGVEKRA
学校 〜校外清掃中〜


男(くっそ寒い…)ブルブル…

男(けど、嘆いても仕方ないよな。こんもり枯れ葉も集めたし、後は捨てるだけ…)サッサッ

ひゅううう〜〜〜

男「あっ! かき集めた枯れ葉たちが―――」バッ


「んばっっ!!??!」バッシャアアアアア!


男「あ……」ビクゥ

「………」

男「ブフゥッ! い、いや! 今のは別に、全然わざとじゃなくってだな…」


「フフフ。君には本当、毎度毎度と驚かされてばかりだ」

イケメン「また新たな突っ込みを編み出したんだね!」ニコ


男「なに言ってんのお前?」

2以下、名無しが深夜にお送りします:2017/08/19(土) 22:31:24 ID:7bGVEKRA
イケメン「今日とて突っ込みもまたキレが良い…」ニヨニヨ

男(面倒くさい奴にみつかった……)

イケメン「……」じぃー

男「なに、その目。ていうか、めっちゃ頭に葉っぱ乗ってるけど」サッサッ

イケメン「うむ、ありがとう」パラパラ…

男「別にいいよ礼なんて。ある意味俺のせいだし」

イケメン「いやいやお礼はきちんと言わないと――まあ、それはそれとして」ぎゅっ

男「うわっ!? きゅ、急に腕掴むなよ!?」ビクッ

イケメン「どうしてオレを誘ってくれなかったの?」ニコ

男「はっ!?」

イケメン「清掃活動だよ! やるならオレにも声を掛けてくれたっていいだろうに…!」

男「いや、誘うも何もまったく関係ない奴を…」

イケメン「すぐそれ言う! すぐ男くんはオレを蔑ろにする!」ムキーッ

男「……こいつ面倒クサ……」ボソ

イケメン「聞こえてるぞー! ……いやね、聞いてよ、オレだって別に掃除を為たいわけじゃないんだ」

3以下、名無しが深夜にお送りします:2017/08/19(土) 22:33:21 ID:7bGVEKRA
男「な、なんだよ。じゃあアレか、また俺がいるから参加したいって話か…?」チラ

イケメン「いや、別に君はまったく関係ないんだけど」キョロキョロ

男「ぐッ…だったら俺に責任あるみたいな言い方するなよ……ッ!」カァアア

イケメン「そんなコト言った? あ。居た、おーい! コッチだぞ〜〜!!」


女「――ホント飽きないわよね、アンタら。何? またホモ扱いして欲しいの?」

イケ友「なはは! ここに居たんかイケメ〜〜〜〜ン!」


男「イケ友に、女さん…」

女「……」じぃー

男「な、なにさ?」

女「い・つ・ま・で、……手を握り合ってるワケ?」

男「!? いや違ッ…コイツから握ってきたんだ! ちょ、離せコラッ、おいって!?」ぐぃー

イケ友「チッス! よお来たイケメン、人で足らなくてマジ困ってたんべ〜〜〜!」グッ

イケメン「だろうね。見たところ二学年の十数人しか来てないみたいだし」グッ

男「無視するな!」ぐぐいー

4以下、名無しが深夜にお送りします:2017/08/19(土) 22:34:43 ID:7bGVEKRA
イケ友「会長姉ちゃんも頑張って声かけてたけど、今回は時期が悪かったっしょ」ナハハ

イケメン「あの人も自分のことで大変だろうに。…まだ会長の後釜がいないそうだよ」

男「待って!? すっごい普通に世間話してるけど、そんな非力なの俺!?」グググッ

イケメン「おや?」キョトン

イケ友「あれ? 男ちゃん居たの? ちっこいからわからんかったわ」ウフフ

男「なんだことコノヤロー!!」

女「ハァ…もういいわ、時間の無駄ね。あっち掃除してるから、アタシ」スタスタスタ

男「あっ…もうもう! お前が余計なコトするからまた怒られたじゃないか!」


イケメン「作戦は成功したな…」フゥ

イケ友「あぁ、そのようだ」フッ


男「え…? どういうこと…?」ビクッ

イケ友「すまねェな男ちゃん。実は最初からずっと男ちゃんは見えていた、おれっちは嘘をついてたんだ」

男「その弁解は別にいらない…」

5以下、名無しが深夜にお送りします:2017/08/19(土) 22:37:26 ID:7bGVEKRA
イケメン「君には黙っていたが、我々はとある目標のために行動を共に為ているのだ」

男「も、目標? 女さんを遠ざけてまでやりたいことなのか…?」

イケ友「モチのロンだぜ!? 野郎共にとって頑なに譲ることが出来ねえ道ってモンがあんのよさッ!」

イケメン「ああ、それはね」スッ

男「……っ」ゴクリ

イケメン「まさに男子高校生にとって夢のパンドラ……」

イケメン「──校外に捨てられた、エロい雑誌拾いだッ!!」カッッッ

〜〜〜

「校外清掃活動」

「毎年度、恒例となっている冬期に行われる環境改善週間のイベント」

「あまり盛り上がりに欠ける催しだから、いつも参加生徒が少ないのも頷けるのだけれど」


会長「今年は非常に、その集まりが悪いの。笑っちゃうぐらいに」フフッ

イケメン「へえ、それでオレをわざわざ呼び出したのは参加しろって話?」

会長「………」

会長「勿論、それなりの報酬は用意するつもりだわ」

6以下、名無しが深夜にお送りします:2017/08/19(土) 22:50:55 ID:7bGVEKRA
イケメン「結構だよ。元カレの好として出来れば話には乗ってあげたいが、何分、忙しい身でね」クル

会長「そう…」スッ

会長「どうやら、まだ男くんとの時間が大切なようね」

イケメン「……」ピタ

会長「ふふ。相変わらずね貴方。なりふり構わず突き進む悪癖は健在のよう」

イケメン「ふーん、それが? なに?」クル

会長「あら? ようやくまともに視線が合ったわ」クスクス

イケメン「…………」

会長「勘違いしないでちょうだい。過去、文化祭でやったことのような行為は望んでおりません」

会長「──一途に、そう一途に…」

会長「わたくしは、貴方に校外清掃活動へと参加してほしいだけなのよ」

イケメン「なぜ、そこまで参加して欲しいんだ?」

会長「裏文化祭、って言葉に聞き覚えがあるでしょう」

会長「表向きの一般公開とは違い、極秘裏に、各所隠蔽された店舗にて『嫌らしい同人誌』が発売される祭りのことを」

イケメン「知ってる。貴女だって主催者や、今年の責任者ともコンタクトを取ったはずでは?」

7以下、名無しが深夜にお送りします:2017/08/19(土) 23:03:22 ID:7bGVEKRA
会長「勿論、来年からはそのような催しは一切禁ずることを約束させました」

会長「──ですが、残った異物は消滅しきれない…」グッ

イケメン「ふむ。つまり?」

会長「現在、約四十冊以上もの『やらしい同人誌』が校外周辺に隠されたと報告があったわ」

イケメン「ほほう。たったの四十冊とは、なんともまあ…」

イケメン「会長。よほど手の込んだ独裁ぶりで校内に残った本を回収したようだね、まさに圧制者だ」

会長「ふん。なんとでも言いなさい」

イケメン「なるほどね。会長の魔の手から逃れた同人誌、それを校外清掃活動として回収せよと」

イケメン「なら聞きたい。どうして貴女がやらないんだ?」

会長「……その質問、わたくしによく出来たわね……」ズモモモ

イケメン「……」

イケメン「そ、そんなに生徒会長の仕事忙しいの?」

会長「いっっっそがしいわよッ! 首が回らないってレベルじゃなくボルトで締められたぐらい回らないわよ!」クッ…

イケメン「後継者育成を怠るからだよ…」セイセイ

会長「育成ってなに!? 学生よわたくし!?」

8以下、名無しが深夜にお送りします:2017/08/19(土) 23:12:29 ID:7bGVEKRA
会長「もう、いいわ! とにかく! 表立っての行動はやりずらい、時間もなければ人手も足りないの!」

会長「そういうの頼めるのって言えば貴方ぐらいしか居ないのよ…っ」

イケメン「オレか…」

会長「ねぇ…お願い、もし引き受けてくれるのなら、お、お礼として、私がなんだってしてあげるから…」チ、チラ

イケメン「別にいらないかなあ」

会長「そんなに興味惹かれない!?」

イケメン「特に…」

会長「ぐっっ! ええもお知ってるわよッ! だから違う報酬を用意しておきましたッ!」カァーッ


カララー!


イケメン「これは? USBメモリ?」スッ

会長「私が過去にまとめた、男くんが一年生頃の写真集。そのデータファイルよ」

イケメン「引き受けます」キリ

会長「さっさと行きなさいよもおもおもおーッ!」うえーん

〜〜〜

9以下、名無しが深夜にお送りします:2017/08/19(土) 23:25:28 ID:7bGVEKRA
イケメン(ということがありました、と正直に離したら没収されるので秘密にしとこう)ウンウン

男「…エロ本探し…」

イケ友「このあたりにあるんだって! それはもう沢山! 探すっきゃないっしょ!」

イケメン「ああ。このとおり、イケ友に助力を求めたら乗り気で参加してくれた」

男「イケ友好きそうだもんね…店で買うより、お宝探し的な感じで…」

イケ友「うぉぉー! やるぜー! 超やるぜー!」

イケメン「良い気迫だ。さて勿論、君も一緒にやってくれるよね?」ニコ

男「いや全然やる気ないけど。ていうか、……それよりも」じぃー

イケメン「な、なに?」

男「お前は、なんでそうもやる気なの?」ジトー

イケメン(やばい。報酬のことゲロってしまいたい…突っ込まれたい方に傾いてしまいそう…)ゾクゾク

男「何か隠してるだろ…?」

イケメン(だがッ! オレは目先の欲に負けない! きっと、きっと手に入れてみせるんだ…ッ)スッ

ポン

イケメン「秘密? 君に隠し事なんてあるわけない。ただオレは君と一緒にやりたいんだ、エロ本が探しをね」キラキラ

10以下、名無しが深夜にお送りします:2017/08/19(土) 23:36:52 ID:7bGVEKRA
男「……」

男「べ、別にそーいうの興味なんてねーし…」テレテレ

イケメン(誤魔化しても無駄だよ。君が少しムッツリなのも、エロ本探しという青春単語に興味津々なのも知ってる)ニ"ゴリ"

男「ったく、仕方ねえな。お前がそうまで言うのならやぶさかでもないというか」

イケメン「そうなんだ〜」ほのぼの

男「その生暖かい目線はなんだよッ!」

イケ友「シッ! 騒ぐんじゃありません! 隠密行動厳守だぜ、男ちゃん!」

男「あ、すみません…」

イケメン「さて、新たな同志を得られた我々に、目標達成も容易いはず──いざッ! 出陣!」

男「お、おー…イケ友「ブッッボォオォォオオオオオオッッ!!」ダダダダ

男「イケ友が一番うるさいよ! やめて法螺貝のモノマネ!」

〜〜〜

男「つっても、そう簡単に探して見つかるモンなのか…エロ本なんて…」ガサガサ

イケメン「大丈夫。オレが仕入れた情報に間違いはないはずだ、例えばそう…」

ガサリ!

11以下、名無しが深夜にお送りします:2017/08/19(土) 23:53:48 ID:7bGVEKRA
男「む…」ピク

イケメン(会長から予測ポイントは教わった。絶対じゃなくても幾つか回ればきっと見つかるはず!)グッ

イケメン「ほら、男くん! 見てごらん! この光景を──」ガサァア!



同級生「……ぐぬぬ、ちょっとだけ…少しだけ中身を──あ…」ビクッ


イケメン「……」

男「……」

同級生「ま、待てッ! 違ッ、これは違うんだお前ら! そう! たまたまだからこれはッ!」カァァ

イケメン「たまたまエロ本を見つけたら読んだと」

同級生「よッ、読んでねーよ! ちらりと覗いただけだよ!」

男「余計な嘘は誤解を深めるよ…」

同級生「嘘じゃないって言ってるだろう!? たまたまエロ本を見つけて、ちょっと開いて読んだだけって──」

「…え、同級生が…?」ガサリ

イケ友「──同級生がエロ本拾って読んでるって!? マジで!? 何処で見つけたん!?」

12以下、名無しが深夜にお送りします:2017/08/20(日) 00:15:18 ID:4j7B9bgA
「え、金持ちで鼻持ちならない同級生がエロ本を読んで?」

「あの野郎、ウチでメイドさん囲ってるくせにエロ本読むのかよ!」

「金持ちのくせに。ああ、拾ったエロ本でしか興奮できないと、ぶっ飛んだ癖だな」


同級生「お前…ッ…お前ーッ!! ワザとか!? ワザと聞き間違えて大声出してんのか!?」ブンブンブン

イケ友「いや、おおおれっちはただ、どこでみつつつつけたかってぇ〜〜っ」ぐわんぐわん

男「だから言ったのに…」

イケメン「しかし、どれどれ。ふむ、これは本当にエロ本のようだ、実写みたいだし」ペラリ

男「よく抵抗もなく持てるな…相当汚いかもしれないのに…」

イケメン「ちゃんと手袋してるよ? 当たり前じゃないか、同級生くんじゃあるまいし」アハハー

同級生「いちいち僕をこき下ろさないと駄目なのかお前らは!?」

イケ友「おっほほー! ガチでエロ雑誌っすなぁ〜! どうよ男ちゃん、好みの娘だれ?」

男「……」

イケ友「なんで黙るん?」キョトン

男「…エロ雑誌を見て好みな娘を言いたくはないんだけど…」

13以下、名無しが深夜にお送りします:2017/08/20(日) 05:25:36 ID:eJQ1/R4M
待っていたと言わざるを得ない
おつおつ

14以下、名無しが深夜にお送りします:2017/08/20(日) 12:48:02 ID:LCjemOO6
毎度イケメンの残念度がひどいと再認識するわw

15以下、名無しが深夜にお送りします:2017/08/20(日) 14:47:24 ID:4j7B9bgA
イケ友「なんでよ? ったく気にしすぎよ男ちゃんってばさ〜っ!」ケラケラ

男「そ、そうかな…」

イケ友「べつに誰も男ちゃんを馬鹿にしないって。気軽にぶっちゃければいいだけのハナシ」

男「そっか…」テレ

イケ友「んじゃまずはおれっちな。ほれ、この娘とか超好み」ニッ

男「じゃ、じゃあ俺はその娘がちょっといいかも…」スッ…


イケメン「どれどれ? うーん、君にはちょっと重すぎるんじゃないかな? 物理的な意味で」ずぃ

同級生「は? この脳みそ空っぽそうなのが良いわけ? もっとオーラルに言ってよ、伝わらないから」ずぃ

イケ友「身長的にはアリか? いやなあ、男ちゃんはもっとキレイ系のほうがぴったしくるんだよな〜」


男「待って。周りが親身すぎて逆に話しづらい」

同級生「っていうかオイッ! 結局はお前らも同じ穴のムジナじゃないか!」

イケ友「言ってなかったっけ?」キョトン

同級生「言ってないわ! ハハッ! この庶民共! エロ本一冊もろくに買えない残念階級めッ!」

16以下、名無しが深夜にお送りします:2017/08/20(日) 15:05:30 ID:4j7B9bgA
男「立場的に一緒だよ俺ら…」ボソリ

同級生「やかましいッ!」カァァ

イケメン「仕方ない。こうなってしまえば彼にも協力を願うしか無いだろう」

イケ友「ほぇ? でももうエロ雑誌は見つけたぜ?」

イケメン「──俺が掴んだ情報では、あと十冊以上のエロ本があるそうだ」

イケ友「なぬッ!? そりゃおれっち達が総取りしなきゃ始まんねーな!!」キラキラキラ

男(元より何が始まっていたのだろう……)

同級生「ハァ? 君ら暇なんだな、ほんとアホらしい。高校生にもなってエロ本探しとか、超笑える」

イケ友「そういやなんで同級生は清掃活動に参加してんの?」キョトン

イケメン「今日提出だった、数学の課題を忘れたからだよ。しかも三回目らしい」

イケ友「アハハー! 馬鹿だな同級生、まったく高校生にもなってよ〜!」ゲラゲラ

同級生「う、うるさいぞ馬鹿どもッ!!」カァァ

男「と、とにかく! なんだ、エロ本探しはまだ続けるってことなのか…?」

イケメン「勿論。……確かな手がかりを掴むまでは諦めきれないからね……」ニヤリ

男(絶対になんか企んでるなコイツ)

17以下、名無しが深夜にお送りします:2017/08/20(日) 15:20:41 ID:4j7B9bgA
〜〜〜

イケメン「さて。次はこの辺が怪しいとの噂を耳にしたんだ、探してみようじゃあないか」

イケ友「ほほ〜! いっちょやったるわ! おりゃーっ!」ガササーッ

同級生「ていうか、コイツはどうしてやたらめったにエロ本落ち場に情強なんだよ」

男「変態だからじゃない?」

イケメン「情報通と呼びたまえ!」

イケ友「おぉ…?」スッ

男「ん? なにか見つけたのかイケ友?」ガサリ

イケ友「まあ、見つけたって言えば見つけた、と思うんだけど……」

ガサリ

イケ友「これどっかで見覚えがある感じなんだよな……」

男「どれどれ」スッ


『君とオレとの突っ込みランデブゥ〜噂の彼はドMのツッコミ待ち!?〜』


男「俺もなんだか既視感が物凄く湧いていくるタイトルだ…」ぞわぞわ

18以下、名無しが深夜にお送りします:2017/08/20(日) 19:25:01 ID:4j7B9bgA
イケ友「ちょっち読んでみっかね」スッ

男「待ってッ!? 読んだらヤバイ感じ出てるじゃん…! 表紙の絵的な意味で…!」

イケ友「そお? 凄い綺麗な絵だと…」

男「表紙が男同士が裸で抱き合ってる時点でアウトだよね…!?」

イケ友「えッ!? これ男同士なん!? 確かに胸がねぇーようにも見えるかも…?」

男(ダメだ。この手の話題でイケ友とは分かち合えない、誰か他に…)キョロキョロ


女「──ってココに居た! ちょっと、あんた掃除サボってなにやってるワケ!?」ガサリ


男(一番きちゃだめな人来た〜〜〜…)

女「真面目にやりなさいよ! こっちだってやりたくもない掃除をやってるんだから、って」チラ

女「その本…」

男「いやいやいやッ!? 違うよ!? これは偶然見つけただけであって!?」ダラダラダラ

女「お姉ちゃんの本じゃない。どうしたのそれ、どこで見つけたの?」

男「え…? お姉さんの、本なのか…?」

女「そうよ。へェ〜懐かしいじゃない、随分前にこんな奴書いてたっけ〜」パラリパラリ

19以下、名無しが深夜にお送りします:2017/08/20(日) 20:09:36 ID:4j7B9bgA
男(そういう系を普通に読めるこの人は何者なのだろう…)

女「あ。この辺ベタ塗り忘れてるじゃない。ばかねお姉ちゃんってば、くすくす」(素)

イケメン「お前は…エロ本読んで何楽しそうに語ってるんだ…」ガサリ

女「へ? あっ……ばッ! バカね! 違うわよコレは!? エロ本じゃないし、全然違うし!!」

男(まったく同級生君と同じ反応…)

イケ友「でも表紙は裸っしょ?」

イケメン「エロ本じゃなかったらなんだって言うんだ」

女「こ、これは…ッ…そう、そうよ純文学よ!!」

男(純文学はどうなんだろう!?)ダラダラダラ

イケメン「見るからにエロ本にしか見えないが…」じぃー

イケ友「ほぇーそんなんあるんけ? 読んでみてよ、女っち」ホレホレ

女「えぇっ!? よ、読むの…? あたしが…? そんなの、だって…」チラ

男「……」フィ

女(たっ、助けなさいよ!? 無視するな!!)

男(無理だよ無理無理無理……)ブンブン

20以下、名無しが深夜にお送りします:2017/08/20(日) 20:48:09 ID:4j7B9bgA
女「ぐッ…! 良いわよ! だったら読んでやったるわ! ほれぼれと心に刻みなさいよ!」カァァ

男(なんでこうも諦め悪い人ばっかりなんだ…)

女「モゴモゴ…『そんなに怖がらなくていい。ただオレは君と一緒にいたいだけ』…もにょみにょ…」

イケメン「声が小さいぞー」やいの

イケ友「やる気あんのか女っちー」やいの

女「うるっっさいわねッ!? そーまで言うならやったるわよバーカ! ヒュウウウウ───」スゥウウウ

男「ちょ、待っ…! それ先人と同じ過ちを…!?」バッ


女「ウウウウ、ヴぇッ!?」ズコッ!


女「…………………………」しーん

イケメン「今…」

イケ友「本から出たモジャっとした黒い物体を、女っち吸いこ…」

男「もしかしてゴ…」

女「…………………誰か嘘だといいなさいよ」

イケメン「いや、絶対に今、ゴ…」

21以下、名無しが深夜にお送りします:2017/08/20(日) 21:02:16 ID:4j7B9bgA
女「嘘よウソウソウソッ! 絶ッ対にあり得ないから! そんな現実ってあり得ると思う!?」ブンブンブン

イケメン「す、すまない…ちょっと近寄らないでもらえると嬉しい…」スッ

女「唐突に距離を取り始めるのやめて!?」

イケ友「いや、流石っすわ、女っちともあればGすら胃の中にポンポン収めちまうのね…」

女「いつアンタの中でアタシの株があがってたワケ!? そんなリスペクトいらないんだけど!?」

男「いいツッコミしてるトコロ申し訳ないが…! まずは病院だと思う! 正直な話ガチでヤバイと思うから!」

女「びょ、病院…? やだ、そんなの、ヤダーッ! 笑われるじゃない! 虫食った女としてニュースに取り上げられるじゃない!」

イケメン「まあまあ。旅の恥はかき捨てとも言うじゃないか」ススス…

女「もっともらしいこといって一番距離取ってんじゃないアンタ!!」

同級生「おい、なにを一々と騒ぐことが起こるんだよ。そう騒いでると教師に見つかるぞ」ガサガサ

男「ど、同級生くん! ヤバイんだ、とにかく状況的に今まで一番アウトな事が起こってしまった!」

同級生「は、はあ? 君たちにの騒動でアウトじゃなかった事なんて無かっただろうに」

イケメン「実はね、女がさっき虫を食ったんだ」

イケ友「しかもG」

同級生「なんでそんなこと起こるの!?」

22以下、名無しが深夜にお送りします:2017/08/20(日) 21:16:05 ID:4j7B9bgA
男「詳しい説明は後で! と、とにかく女さんを病院に運ばないと──」


女「そんな態度するならアンタも同じような目にッ、合わせてッ、やる、わよ…ッ…!?」ググググ

イケメン「ヒィッ!? おまっ、本を顔に近づけるなッ…本当にやめっ…ちょッ…力強っ…!?」グギギギ


男「──無理矢理にでも連れて行こう!! 犠牲者が増える前に!!」

イケ友「力仕事ならおれっちの出番だぜ。おっしゃー! いくべ女っち!」ダダー!

女「あん!?」ギラァッ

イケ友「へっ! おれっちはイケメンとは一味違うぜ、心して勝負するんだな!」

女「どーでもいいわよ! コイツのように、あたしと同じような立場になりゃすればどうだっていいのよ!」ビシィイ

イケメン「」チーン


男「やけっぱち過ぎる……」

同級生「このバカを早く止めてやれ……」


イケ友「ふふん。いい覚悟だ、それにおれっちも覚悟は決まったァー! 実は日頃の発破ぶりに感心してたおれっち! いざ勝負ゥー!」グァアア!!

女「…………」スッ

23以下、名無しが深夜にお送りします:2017/08/20(日) 21:24:49 ID:4j7B9bgA
男(飛び出してきたイケ友に対し、女さんは冷静に本を取り出した…? 一体何を…)

女「……」パカリ


イケ友「おおおおおお!! ──え、なんで男同士でちんこ入れあってんの?」

女「ふんぬぅううーーーーッッ!!」ブン どっぱぁああああんっ!!!


男(勢い良く顔面にイッたーーーー!!!??)

ドサリ

イケ友「」チーン

男「い、イケ友ーーー!? まさかお前までやられてしまうなんて、こうなったら誰が皆を救えるんだ…っ」ワッ

同級生「いや男くんッ!? そんなノリで済ます場面なのか今!?」

女「次はあんた達の番よ……」ユラリ…

同級生「ひぃいいいっ!? 普通に考えて駄目だろう!? お前病院に行けよー!? なんで犠牲者増やすんだよ!?」

女「? あたしが不幸な目にあってるからよ…?」

同級生「サイコパスかよ! 思考回路がてんでおかしいよお前!?」

男「………」スッ

24以下、名無しが深夜にお送りします:2017/08/20(日) 21:31:45 ID:4j7B9bgA
同級生「お、男くん…?」

男「ここは俺がどうにかしようと思う」

同級生「なっ、出来るわけがない! 君のようなちっぽけで非力な人間が…! あのトチ狂ったバケモノに…!」

女「誰がバケモノよ!!」

男「良いんだ。正直な話、こういう状況は慣れっこだから。対処法も何となく分かる」

同級生「ほ、本当に…?」ブルブル

男「ああ、本当だ。俺に任せて大丈夫。君には指一つとして触れさせやしないって約束する」

同級生「………」きゅーん

女「なにイチャイチャしてんのよキモチワルイ! ええ、そう! だったらその余裕綽々の顔にぶつけてやるわ!」ダダッ

同級生「ひぃいいっ!」バッッ

男「……すぅ……」


男「不良くぅーーーーーーーーーーん!!!!!」


──ダダダ──

女「……!? こ、この重圧感のある足音は…!?」バッ

25以下、名無しが深夜にお送りします:2017/08/20(日) 21:40:04 ID:oyZHy7Ew
男「…来てくれると思ったよ」


「ああ。お前からのお呼びなら何処へども」


不良「──待たせたな、何秒だ?」ズッシャアア

男「ごめん。そういうの測ってない」

不良「次から頼むぞ」

男「これからもやらないと思う…」

同級生「な、ななっ、どうしてコイツが……!? 都合よく現れて、しかも君の助けで…!?」

男「同級生くん。そういうのなんだよ、今の感じって」ニコリ

同級生「なんだいその悟りきった表情は!? この半年間でなにがあったの!?」

不良「ふむ。状況はイマイチ掴めないが…」

不良「…お前か、男の幸せを邪魔する存在は」スッ

女「チッ、面倒くさいやつが現れたわね。──けれどどうだっていい、邪魔するなら処理するだけよ」ジャリッ

不良「………」スッ

男「ふ、不良くん! 暴力は駄目だよ! とにかく穏便に女さんを沈静化させるんだ…!」

26以下、名無しが深夜にお送りします:2017/08/20(日) 21:47:28 ID:oyZHy7Ew
不良「わかった」コクリ

同級生「だ、だが野生動物みたいなオーラ醸し出す馬鹿に穏便に済ませるなんて無理だろ…!?」

女「ぐへへ…」じりじり

男「大丈夫! きっと不良くんなら成し遂げてみせる! だって彼は見た目は怖いけど、すごく優しい人なんだってことはッ!」バッ


不良「フンッッ!!」ボッッッ!!

女「おごぇッッ!!?」ドボッ!!


男&同級生「えぇッーーー!!!?」

女「……うっ……」パタリ

不良「ふむ。いい反応だった、これで…」チラ

同級生「暴力生徒…」ブルブル

不良「え? いや、待て」チラ

男「人殺し…」ブルブルブル

不良「違う。待ってくれ」

女「おぇっぷ!」ケロケロ…

27以下、名無しが深夜にお送りします:2017/08/20(日) 21:58:01 ID:oyZHy7Ew
男「あ…女さんが…」

同級生「! だ、出したぞ黒い物体! こ、これは…!?」

不良「なにやらビニール性の袋のようだな。それを誤って飲み込んだんだろう」

不良「……。ちゃんと教えてやれ、お腹空いてもビニールは食えないと」コクコク

男「あ、うん。ありがとう、でもごめん、いきなり腹部を殴るから殺意があったのかと…」

不良「そこまで疑われるのは少し不本意だ」

同級生「にしてもキレイに吐き出させたな…」

不良「弟が誤飲した時があってな。掃除機も間に合わなくて、以前に試したことがあった」

同級生「つか。あんたはテンプレツインテールが飲み込んでたって端から知ってたのか…?」

不良「? そういう流れじゃないのか?」

同級生「いったいなんの流れを把握してるんだお前ら!?」

男「と、ともかく一件落着だよ…」スッ

女「うぅっ…」

男「女さん、女さん、大丈夫? もう平気だよ、飲み込んだものは吐き出せたし、Gでもなかったよ」ホロリ

女「……今話しかけないで、状況わかるけど、そーいうの聞ける状態じゃない………」ズーン

28以下、名無しが深夜にお送りします:2017/08/20(日) 22:06:13 ID:oyZHy7Ew
男「そうだね…」グスン

同級生「はぁー……ほんっと、あれだわ、君らと関わると忙しなくて寿命縮むよ、ほんっと」ハァー…

不良「それで、ここで何をしてたんだ?」

同級生「……。もういい、僕帰る…」トボトボ

イケ友「うぐ! ハッ!? ここは…それに、おれっちは…負け、たのか…!?」ハッ

イケメン「どうやらそのようだ…」

男「イケ友に、イケメンも…」

不良「ど、どうしたんだ二人共?」

イケ友「……。なんかチンコの記憶しかねーな」

イケメン「オレもだ…」

不良「エッ!」バッ

男「うん、見せてないよ? 普通に考えて俺が見せるわけないよね?」

不良「お、お前のちんこが大きから驚いて気絶なのかと…」

男「どういう状況なのそれ!?」

女「ちんこちんこうるさいんだけどさっきから!?」

29以下、名無しが深夜にお送りします:2017/08/20(日) 22:09:54 ID:oyZHy7Ew
〜〜〜

不良「気をつけて帰れよー」

イケ友「イケメンも男ちゃんも寄り道すんなよ〜」


イケメン「ああ、君たちも帰ってちゃんと風呂にはいるように! 清潔が一番だ!」フリフリ

男「じゃ、じゃあまた明日…!」フリフリ


不良「また明日な!」

イケ友「おう! また明日!」

スタスタ

イケメン「……。さて、オレらも帰ろうか」ニコ

男「ん」コク

スタスタ

イケメン「いやはや。またまた大騒動になってしまったね、君と過ごすと飽きない日々だ」ニコニコ

男「大抵が周りが凄いんだけどね…俺はまったく関係ないし…」

イケメン「またまた。君がいるからこそ、みんながのびのびと自分らしさを出し切れるんだよ?」

30以下、名無しが深夜にお送りします:2017/08/20(日) 22:18:28 ID:oyZHy7Ew
男「俺に責任転嫁してるだけじゃんそれ…」

イケメン「酷いことをいうなぁ」スタスタ

クル

イケメン「その隣に、オレも一緒にいるんだけど?」ニッ

男「………」ぽけー

イケメン「一人だけで責任なんてもったいないこと、させるわけがない。オレも同じ責任を追わせてくれよ」

男「…ハッ、言うだけ簡単だよな」

イケメン「その通り。だから有言実行、君には充実した青春ライフを過ごさせると決めているんだから」

男「えーえー、楽しみにさせてもらいますとも。こっちに迷惑掛からん程度によろしくお願いますよ」

スタスタスタ

男「だから…」ピタ

イケメン「うん?」


男「また、見てればいいじゃん、俺のこと」

イケメン「ああ。お言葉に甘えさせて貰おうと思うよ」ニコ

31以下、名無しが深夜にお送りします:2017/08/20(日) 22:20:21 ID:oyZHy7Ew
第三十一話『俺の突っ込みはいつもの仲で』



気まぐれに更新
よろしくおねがいします ではではノシ




↓過去作

男「見られてない?」イケメン「…」じぃー
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read_archive.cgi/internet/14562/1397382696/

男「見てるよな」イケメン「もちろん」じぃー
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/14562/1433912208/

32以下、名無しが深夜にお送りします:2017/08/21(月) 13:20:11 ID:HUCg.M2s
ものそいカオスだったw
てか汚れ役は女担当なのか



33以下、名無しが深夜にお送りします:2017/08/31(木) 09:42:36 ID:sR46Jqoc
おつおつ
今までのに引き続き面白い

34以下、名無しが深夜にお送りします:2017/09/20(水) 23:33:11 ID:egadwnh.
まつよ

35以下、名無しが深夜にお送りします:2017/10/09(月) 02:23:31 ID:L3TWQrRQ
まつ

36以下、名無しが深夜にお送りします:2017/11/06(月) 19:55:01 ID:oe.CZYEs
こっちもまってる

37以下、名無しが深夜にお送りします:2017/11/15(水) 14:00:37 ID:DReXmdjA
生徒会室


会長「校外清掃活動での成果、実にお見事だったわ」

会長「多くの悪しき書物を焼却できました。──だからこそ、その手腕を活かして挑んでもらいたい」スッ

会長「次なるミッション要請はコレよッ!!」バーン!


会長「『図書室ブラフカバー同人誌』!!」


イケメン「……」

イケ友「お〜…会長ねえちゃんノリノリ…」

会長「先日、生徒会役員の一人から『図書室にカバーを偽造し同人誌を保管している』とのリークがあったわ」スッ…

イケメン「つまり?」

会長「図書委員会に手引するものが居る、と見て間違いないようね」

イケ友「ほうほう」

会長「しかしことを大事にしては本末転倒。また新たな保管場所に移されてはイタチごっこの繰り返し」フフッ

イケメン(思うに彼女、ちょっとこの流れを楽しんでないか…?)ヒソヒソ

イケ友(姉ちゃんスパイものの映画とか超すきだし…)ヒソヒソ

38以下、名無しが深夜にお送りします:2017/11/15(水) 14:16:20 ID:DReXmdjA
会長「なので! 今回も貴方に助力を願おうってわけなのよ、どう? やってくれるかしら?」ババッ

イケメン「うん。で、報酬は?」

イケ友「そのエロ同人誌はおれっち貰っちゃって良いんだよな!?」ニコニコ

会長「……。その乗り気、実に良し!!」

イケメン(変なノリで返された…)

会長「もう、つべこべ突っ込むのは諦めました。貴方達に頼んだ時点でこうなるのは分かってるの」

イケメン「そっか。貴女も色々と変わったようだね、うん、じゃあ報酬の話に移ってくれ」

会長「そう淡々と流されたら流石に傷つくのだけど!?」

イケ友「んふふ! 何やら姉ちゃんとイケメンが企んでると思いきや、すっげー楽しいことしてるじゃんかっ」

イケ友「おれっちらに任せとけって! コウミョーにエロ同人誌を回収してみせっからさ!」

会長「フン。良いでしょう、ならば今日の放課後にミッション開始よ」

イケメン「今回も貴女はまた首が回らない状態かい?」

会長「…だからちゃんと報酬も用意してます、ほらコレよ」カララー

イケメン「どうも」パシッ

イケ友「? なんなんソレ?」きょとん

39以下、名無しが深夜にお送りします:2017/11/15(水) 14:26:18 ID:DReXmdjA
イケメン「さあ? オレはよく知らないな、貰えるから貰ってるだけで特に中身ついては」ニコ

イケ友「そうなんかー」

会長(よくもまあそんな良い顔でウソをつけるわね…)

イケメン「さて。我々も心を鬼にして掛かろうじゃあないか、悪しき圧政の末端となり国民たちを脅かそう!」

イケ友「ぐへへ! やっちまおうぜ!」

えいえいおーっ!

会長(楽しそう…)


〜〜〜〜


イケメン「──とまあ、図書室に訪れたのは良いものの」

イケ友「………」ニッコニコ

イケメン「まずは言っておきたい。その髪型、なんなんだ?」

イケ友「そりゃ初図書室となればキッチリ七三分け目の優等生ヘアーで神キメっしょ! どうよっ?」キッチリー

イケメン「メガネはどこから?」

イケ友「同級生のカバンからハイシャクしてきた、アイツ眼が悪いのな〜〜」


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