通行人 ｽﾀｽﾀｽﾀｽﾀ
少女「今日も売らなきゃ・・・」
少女「このマッチ全部売らないと帰れないもんね・・・」
ｶﾞｻｯ ｶﾞﾀｶﾞﾀ ｼｭﾙﾝ
少女「さてたすき掛けして・・・はちまきして・・・」
ﾊﾞﾝ!!ﾊﾞﾝ!!
少女「どうも老若男女の皆様！！この寒空の下、さらに下を向いて歩いておりますが！！
ささっ！！下を見るなら！！ねっ！！眼の保養にこのマッチ売りの少女を見て頂戴よ！！」
"
少女「さあ寄ってらっしゃいみてらっしゃい！！あっそこのおじさんいい男さね！！
まるで私のパパみたい！！さあさあ！！ほらお兄さんも！！はい！！」
ﾊﾞﾝ!!ﾊﾞﾝ!!
少女「はい！ここに鎮座せしは見てのとおりのマッチでございます！！ほらもっと寄って寄って！！」
ｶﾞﾔｶﾞﾔ ﾅﾝﾀﾞﾅﾝﾀﾞ
少女「女が惚れるいい男！水の滴るいい男！紫煙をまとわすいい男！」
ﾊﾞﾝﾊﾞﾝ!!!!
少女「男と女の始まりがアダムとイブならば国の始まりが大和の国！！泥棒の始まりが石川の五右衛門ならば
マッチの始まりはフランスのソーリアと来たもんだ！！さあもっと寄って！！」
ﾊﾞﾝ!!ﾊﾞﾝ!!
マッチをつくる五つの原料と語呂合わせの鳥一羽でマッチは作られております！！」
ﾊﾞﾝﾊﾞﾝﾊﾞﾝ!!!!
通行人達 ﾍｰ
少女「さあ！！マッチの基本知識を入れた所で売りましょう！！安売りだよ！！
安く売ると書いて安売り！！さあ今日はこのマッチ！！生産場所はスウェーデンの舶来の品でございます！！」
少女「まずはマッチが一箱！！コレだけじゃタバコなんて一箱もつけられない！！」
少女「そしたらマッチが二つ！！三つ！！四つ！！まだ足りない！？？お兄さん贅沢！！」
ﾓｳﾋﾄｺｴ!!
ﾊﾞﾝ!!
少女「よし！！お兄さんのいい男に免じて五つ！！六つ！！ええい！！キリが悪い！！10個！！どうだ！！！！」
ﾊﾞﾝﾊﾞﾝﾊﾞﾝ!!!!
このマッチで暖炉に火をくべて暖まってください！！・・・・と言いたいところでありますが、
家に帰れば病気のおっかさんに腹を空かせた弟達が待っております！！」
少女「マッチは安く売ってもこの可憐な美少女である私を安く売る分けにはいかない！！」
ﾊﾞﾝﾊﾞﾝ!!
ﾜﾊﾊ
少女「さあマッチ10個で1000円！！どうだ！！もう清水の舞台から飛び降りちゃう！！」
少女「15個で1000円！！どうよ！！まかった数字が2，3つどころじゃない！！
2つ仁吉が通る東海道！！3つは三三六歩で引け目がない！！」
ﾊﾞﾝﾊﾞﾝ!!!
ｶｯﾀ!!
少女「はい！！お買い上げ！！お兄さんいい男だねえ！！」
少女「もう〜！！分かりました！！もうヤケだよ！！ヤケだよこの美少女は！！」
少女「ヤケのヤンパチ日焼けのなすび！色が黒くて食いつきたいがわたしゃ入れ歯で歯が立たないと来たもんだ！！！」
少女「ねえ！そしたら5個追加の20個で1000円！！！！」ﾊﾞﾝﾊﾞﾝﾊﾞﾝ!!!!
ｶｯﾀ!! ﾁｮｳﾀﾞｲ!!
少女「お！！いい男にいい女！！ さあみんなも買ったよ！！消費税なしの1000円ぽっきりだ！！
4円5円8円もいらない！！8つ谷中の奥寺で！！竹の柱にカヤの屋根！！
信州信濃の新そばよりも私はあなたのそばがいいときた！！ささお兄さん！！
私は売れないけどマッチの炎は私のようにあったかいよぉ！！」
ﾊﾞﾝﾊﾞﾝﾊﾞﾝ!!!!
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少女「はい！！最後のマッチお買い上げ〜！！はいもうないよ！！ケツの毛までぬかれちゃぁ
私は嫁の貰い手がなくなっちゃう！！どうも！！みんなありがとうござい！！」
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少女「はぁ〜売った売った・・・テキ屋の商売も楽じゃないよ〜」ﾙﾝﾙﾝ
少女「ん？」
マッチ売りの少女「マッチは・・・。マッチはいりませんか・・・」
マッチ売りの少女「あ・・・」
少女「そんなんじゃ誰も買ってくんないよ！！」
ﾊﾞﾝﾊﾞﾝ!!
少女「さあ寄ってらっしゃい！！！！」
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マッチ売りの少女「え？・・・でも・・・」
少女「いいのいいの！あんなじゃあなた凍え死んじゃうもの！！ じゃね！！」
マッチ売りの少女「あ！あの！」
ｽｯ
マッチ売りの少女「・・・これは？」
少女「寅さんのdvdよ。これみて啖呵売の勉強しなさい」
マッチ売りの少女「あ、あなたの名前は？」
少女「私？」
マッチたたき売りの少女「 ただのしがないたたき売りよ！！」ﾊﾞﾝﾊﾞﾝ!!
fin
叩き売りの節は聞いてて心地いい
乙
乙乙
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