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男「お願いだ、信じてくれ」白蓮「あらあら」
577
:
ぬえ
◆ufIVXIVlPg
:2021/08/14(土) 22:46:41 ID:h8lyBTUU
初めてレミリアが墜落した。
鋭い風の刃をその身に受け、血を流しながら、真っ逆さまに地面へと落ちていく。
全身の切り傷から血が流れる。血液を奪って生きる自分から血液を失うのはいつぶりだっただろうか。思い返してみるがすぐには思いつかなかった。全身から流れる血液がレミリアから思考力を奪っていたからだ。
傷は深くないとはいえ、受けた傷の数が多い。深手ではないので幸い命に別状はないだろう。
だから追撃をされても反撃はできる。傷はすぐふさがるだろうし、好みではないが天狗から吸血擦れば回復も容易い。
レミリア(だけど、あぁ、そうよね。調子にのるのが私の悪い癖だったと、知っていたのに、やってしまったわ)
視界の端を駆けていく黒い羽根。
天狗達にとってレミリアを倒す事は絶対条件ではない。自分たちの落とし前さえつけることができれば天狗達の目標は果たされる。
そうなれば死んでいった者たちも無駄死にではない。死して蔑まれることもないだろう。
レミリアを無視して奥へと飛んでいくその数は数えるのが困難なほどであり、舞い散る羽根が黒い豪雨のように降り注ぐ。
レミリア(―――油断さえ、していなければ)
レミリアの体が地面へ叩き付けられた。
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