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化け物と言われた者達
-
ホギャーーッ!
ホギャーッ!
小さな小屋に可愛らしい鳴き声が響く
母親「……かわいい」ゼエゼエ
乳母「ほら、元気な女の子……ヒャァッ!!」
母親「どうしたの? 何かあったの?!」
乳母「ば、化け物じゃ……化け物の子じゃ!!」ガタガタ
"
"
-
この村にはとある言い伝えがあった
「満月の夜は化け物の魂がさまよっている」
と……
なので村の住人は満月の夜を避けて
出産していた
しかし____
-
不運な事にある一家は
満月の夜に子供を出産してしまった
父親・母親はそんなの迷信だと言い
乳母もそれを信じていた
しかし
ここに人間ではないナニカを
産んでしまった
-
赤ちゃん「ホギャァ! ホギャァ!」
母親「化け物ってどーいう事なのよ!! こんなに可愛い子供が……」
赤ちゃん「ホギャァ! ホギャァ!」
乳母「き、牙に 狼のような耳が生えておる……祟りじゃ! 化け物の魂がこの子に乗り移ったのじゃ!」
母親「……っ!」
-
父親「どうした? 何かあったのか?!」
母親「あ、あなた……これを」
赤ちゃん「……ホギャァー!」
父親「こ、これは……」
父親「……悪いことは言わない 今すぐこの子を森に捨てろ」
母親「え、何て事を……」
乳母「そ、そうよ こんなうすっ気味悪い子供捨てた方が身の為よ!」
"
"
-
父親「子供を貸せ」
母親「嫌です」
父親「いいから貸せと言ってるんだ!」バッ
母親「い、いやっ!」
乳母「ま、落ち着いて二人とも! 気が動転してるから 明日ゆっくり話し合いましょ? ね?」
父親「……そうだな」
-
深夜の2時頃_____
父親「……(明日になったらアイツも落ち着くだろう)……」
母親「……(このままじゃこの子供はいずれ殺される それだけは)……」
ガバッ
父親「……何処へ行く」
母親「トイレに……」
父親「……ああ」
-
母親「……」
母親「もし殺されるなら この子と一緒に私が死んだ方が寂しくないよね」
赤ちゃん「」スピー、スピー
母親「うふふっ……可愛い」
-
ガラッ
父親「……?! おい!何処へ行くんだ! 待て!」
母親「さようなら……あなた」
父親「は、速まった真似はよせ!」
母親「……」ダッ
父親「ま、待ってくれ……」
-
母親「……」ニコッ
母親が死に場所についた
そこは村で一番高いと言われる
谷だった
父親「よせ、やめろ……」
父親「やめろーっ!!!」
母親「」バッ
子供を抱え 万年の笑みを浮かべる母親
ベチャッ
嫌な音が鳴り響く
-
父親「そ、そんな……」
母親は息絶えピクリとも動かない
父親「……っ!!」
しかしそこに
生きていた赤子がいた
いや、母親は赤子を守るように体で包んで飛び降りた
そのとき親の体がクッションになって助かったのであった
-
父親「……」ザッザッ
父親は赤子を拾い
自分の家へと帰っていく
今母親の死体を拾うと
ハイエナや狼に襲われるかもしれないからである
父親「……おまえなんか」
-
日が昇り 村で小さな会議が開かれた
ザワザワ……
ガヤガヤ……
父親「残念ながら、まだこの子は赤子だ だから誰かが乳を与えてくれないか」
昨日の母親が飛び降りた事も含め
村人はザワついていた
村人「どう見ても普通の赤子にしか見えないけどなぁ」
村人「お、俺は見たんだ 昨日の満月の夜 牙や耳が生えていた」
村人「そうだ! 赤子のフリをして俺達を食おうとしてるんだ」
-
父親「……誰でもいいからこの子を育ててくれないか」
村人「あんさん頭おかしいんじゃねえの? そいつは化け物だぞ!」
父親「……」
父親「この赤子を10になるまで育ててくれればそれなりの報酬はする だから……頼む!」
必死に頭を下げる
-
村人「自分が育てるよ」スッ
父親「!」
村人「おい、オカン何してんだよ! 俺こんな奴嫌だよ!」
村人「黙りな!」ポコッ
村人「いてっ! 何すんだよ!」
父親「なら……頼む」
村人「ああ」
-
そして7年の月日が流れた
===
==
=
村人「ほら、さっさと水汲みな! ぽけーっとするんじゃないよ!」
夜美「……はい。 おばさん」
私の名前は月風夜美
つきかぜよるみ
私は何も悪いことしてないのに
隣の子供などに
「おい! 化け物!」と呼ばれる
石を投げてきたり
水などを掛けられた事があった
-
何故?
何故顔も知らないお母さんは私を産んだの?
ねえ、何故なの?
村人「何しとるんだい! 早く運びな! 飯抜きにするよ!」
夜美「は、はい!」ダッ
-
村人「今夜は満月だねぇ」
夜美「……!」
私は満月が近くなるとうずうずする
いや、毎日夜になったらうずうずしていた
たまにはしっぽが生えてきたり
獣の耳が頭の上から生えてきた
それで毎回化け物呼ばわり
だから私は満月が怖かった
-
ガラッ!
村人「て、てえへんだ!」
夜美「!」
村人「なんだい 一体」
村人「俺達の仲間が……化け物に喰われた!」
村人「なんだって! そりゃあ!」
夜美「えっ?!」
村人「夜美 行くよ さっさと靴をはきな……トロいねぇアンタは」
夜美「す、すいません……」
-
ガヤガヤ……
ワイワイ……
村人「よっと」
村人「今回話し合うのは 夜美の処分じゃ」
夜美「え?! 私 関係ないじゃないですか!」
村人「化け物が近くにいるなんてもう嫌だ! 今すぐ処刑すべき!」
村人「でもまだ子供だぞ……人を襲えないじゃないか」
村人「大人になったら絶対我々を襲うに決まってる!」
夜美「……」
-
村人「まて、この子の処分は 多数決で決めようではないか」
村人「うむ……それも悪くない」
投票
=======
-
村人「投票結果……72人が生きらせる 183人が 処刑じゃ」
村人「やった! これで化け物が消える!」
夜美「……そんな」
大多数が私の事を嫌いだって言うの?
やっぱり私は
いくら頑張って生きても
{化け物}なの?
-
夜美「いや、離して!」
私はまだ死にたくない!!
村人「押さえつけろ! まだ子供だ! 大人が何人か押さえればいける!」
夜美「離して! 離してよぉ!!」ギリッ
ガタッ
ドン!!
ドアがいきなり破壊される
そこに居たのは
普通の男の子であった
-
??「……」ニコォ
村人「だ、誰だおんめぇ」
??「その子を放せ」
村人「こ、こいつも化け物か?!」
??「そうだよ」
村人「こ、殺せ! 押さえつけてこの子供と一緒に処刑しろ!」
??「物分かりが悪いなぁ……」
-
村人「捕まえろー!」
??「……」
ブチッ
飛び散る血しぶき
人間の足がぼとっと
落ちていった
-
4:00くらいから
再開します
-
村人「う、うあああああ!!」
??「あ、やっちまったze☆」
夜美「……ひっ!」
??「何ポケーとしてんの? 早く来いよ 殺されるぞここにいたら」
夜美「は、はい!」ダッ
村人「あ、逃がすな!」
村人「足がぁ……足がぁ!!」
-
村の北のはずれにある森
そこまで私は 自分を救ってくれた誰かと
逃げていた
??「ふぅー……おつかれ」
夜美「あ、どうも」
??「それより、君の種族は何なの?」
夜美「へ?」
意味が分からない
何を言ってるのやら
??「ほら、能力だよ能力」
-
??「だーかーらー種族だよ」
夜美「……?」
??「ああ、もうしょうがないなぁ……はい」
ドサッ
夜美「え? 何この本」
??「簡単に説明すると……化け物、いや 妖怪百科事典かな」
夜美「妖怪百科事典?」
??「ああ、もう…… いいから開いてみな」
少しカビ臭い本を私は開く事に……
そこには
-
夜美「吸血鬼に……狼男に……オイテケ……人狼?」
??「俺は狼男だよ」
夜美「さっぱり」
??「……」
ザッ
???「やっぱ一から説明する必要がありそうだなこりゃ」
-
??「あ、来てたの?!」
???「来てたのじゃねーよ白玉 お前……今日村人にケガさせたろ」
白玉「あ、あれは事故というか……」
???「言い訳は聞かん 3日間 飯抜き 自分で探せ」
白玉「ええええええ?!」
-
キャラ紹介
はくれん たまず
「白冷 玉頭」
性格は温厚
種族は狼男
-
ちなみにみんなからは白玉と呼ばれてます
=
白玉「詳しいことはそこのおっちゃんに聞いて」
夜美「は、はあ……」
???「満月の夜に化け物の魂が浮かんでいるってのは知ってるか?」
夜美「はい」
???「何故満月の夜だけだと思う?」
夜美「さあ」
???「それはな、この村を囲ってる鳥居にあるんだ」
-
村には村を囲っているような
4つの鳥居があり
北・東・西・南と
分かれている
村を出ようと思うと
必ず「鳥居」から出なければ
村から出れないという
謎の結界が村を囲っている
-
今日はここまで
=
しかし 一度村を出たら
{二度と}村に戻ることは出来ない
理由は不明
-
期待
-
???「この村にある4つの鳥居はな{地獄}{天国}{異世界}{森}に通じているんだ」
夜美「……それで化け、妖怪とはどんな関係があるんですか?」
???「その鳥居はな、満月の時のみ全ての鳥居が{地獄}に変わるんだ」
夜美「えっ……」
???「ここまでは俺の推測だが……地獄から出る悪霊な{何か}が生まれた赤子にとりつく……という所かな」
-
???「そこから妖怪になる……かな」
夜美「そんな事が有り得るなんて……」
???「実質、俺達がそうじゃないか 満月の夜産み落とされ化け物呼ばわり」
夜美「私あの鳥居を1回出た事があるんですけど、地獄とかそんな感じ?は無かったですよ」
???「それは時間帯と場所だな」
-
夜美「え?え?」
???「時間は夜でないとあの鳥居は効果を発揮しない それに鳥居が見える場所だと効果を発揮しない」
夜美「何故、その鳥居はここにあるんですか? それが無かったら私はこんな姿にならなかったのに!」
???「鳥居の事をこの村で一番知ってる俺だってそこまでは解らない」
夜美「……」
-
???「ただ、鳥居の作った人物は……人間でも化け物でもない 」
???「神なのかもしれない」
夜美「へぇ〜え(あれ?話ズレてきたね?)」
-
夜美「あ、あのすいません 私の妖怪の種類は?」
???「ん〜 俺が見たところ白玉と似てるなぁ……多分、{人狼}だと思う」
夜美「……人狼?」
???「ああ。 夜になったら まあ、うん」
夜美「あ、そうなんですか」
-
夜美「これからどうしよ……」
???「俺達の仲間になんねえか?」
夜美「えっ?!」ピクッ
???「食料の心配は無いし たまには……いや、やめとく 教えない」
夜美「え?何それ?」
???「……」ピュッピュピュ〜
夜美「教えろよテメエ」イラッ
???「仲間になる?」
夜美「もう……いいよ」
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彪支眼「じゃあ、仲間になった所で自己紹介だ俺の名前は彪支眼京核」
彪支眼「略して怪しめのオジサンだ」
夜美「」ブッ
彪支眼「じゃあ、ついてきて」
夜美「はーい(隠し部屋? いや、洞穴……木の上とかもいいね)」
-
あやしめ きょうかく
「彪支眼 京核」
年齢は32くらい
左目が塞がっているため
ちょっとイカツい印象だが
性格は結構温厚
ただ、自分の{大切な物}を傷付けたり 壊したりすると
たちまち怒りの形相へと変身する
妖怪の種類は未だ不明
-
今日はここまでです
=
南の鳥居付近にて……
彪支眼「おーい、今帰ったぞ〜」
白玉「おかえり〜オッサン」
??「おかえり〜」
彪支眼「白玉……オッサンは止めろと言っただろう」
白玉「うぇいwww無理www」
夜美「……なにここ」
普通の民家じゃねーか!
必死に妄想や想像を膨らませた私がバカだったよ
"
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