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化け物と言われた者達

1 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/08/03(月) 20:51:11 yyaj3jI6
ホギャーーッ!
ホギャーッ!

小さな小屋に可愛らしい鳴き声が響く
母親「……かわいい」ゼエゼエ

乳母「ほら、元気な女の子……ヒャァッ!!」

母親「どうしたの? 何かあったの?!」

乳母「ば、化け物じゃ……化け物の子じゃ!!」ガタガタ


"
"
2 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/08/03(月) 20:54:20 yyaj3jI6
この村にはとある言い伝えがあった

「満月の夜は化け物の魂がさまよっている」
と……

なので村の住人は満月の夜を避けて
出産していた

しかし____


3 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/08/03(月) 20:59:36 yyaj3jI6
不運な事にある一家は
満月の夜に子供を出産してしまった
父親・母親はそんなの迷信だと言い
乳母もそれを信じていた

しかし
ここに人間ではないナニカを
産んでしまった


4 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/08/03(月) 21:06:14 yyaj3jI6
赤ちゃん「ホギャァ! ホギャァ!」

母親「化け物ってどーいう事なのよ!! こんなに可愛い子供が……」

赤ちゃん「ホギャァ! ホギャァ!」

乳母「き、牙に 狼のような耳が生えておる……祟りじゃ! 化け物の魂がこの子に乗り移ったのじゃ!」

母親「……っ!」


5 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/08/03(月) 22:23:56 yyaj3jI6
父親「どうした? 何かあったのか?!」

母親「あ、あなた……これを」

赤ちゃん「……ホギャァー!」

父親「こ、これは……」

父親「……悪いことは言わない 今すぐこの子を森に捨てろ」

母親「え、何て事を……」

乳母「そ、そうよ こんなうすっ気味悪い子供捨てた方が身の為よ!」


"
"
6 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/08/03(月) 22:26:09 yyaj3jI6
父親「子供を貸せ」

母親「嫌です」

父親「いいから貸せと言ってるんだ!」バッ

母親「い、いやっ!」

乳母「ま、落ち着いて二人とも! 気が動転してるから 明日ゆっくり話し合いましょ? ね?」

父親「……そうだな」


7 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/08/03(月) 22:28:22 yyaj3jI6
深夜の2時頃_____

父親「……(明日になったらアイツも落ち着くだろう)……」

母親「……(このままじゃこの子供はいずれ殺される それだけは)……」

ガバッ

父親「……何処へ行く」

母親「トイレに……」

父親「……ああ」


8 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/08/03(月) 22:30:35 yyaj3jI6
母親「……」

母親「もし殺されるなら この子と一緒に私が死んだ方が寂しくないよね」

赤ちゃん「」スピー、スピー

母親「うふふっ……可愛い」


9 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/08/04(火) 12:22:12 sHORQvE6
ガラッ

父親「……?! おい!何処へ行くんだ! 待て!」

母親「さようなら……あなた」

父親「は、速まった真似はよせ!」

母親「……」ダッ

父親「ま、待ってくれ……」


10 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/08/04(火) 12:25:28 sHORQvE6
母親「……」ニコッ

母親が死に場所についた
そこは村で一番高いと言われる
谷だった

父親「よせ、やめろ……」

父親「やめろーっ!!!」

母親「」バッ

子供を抱え 万年の笑みを浮かべる母親

ベチャッ

嫌な音が鳴り響く


11 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/08/04(火) 12:27:39 sHORQvE6
父親「そ、そんな……」

母親は息絶えピクリとも動かない

父親「……っ!!」

しかしそこに
生きていた赤子がいた
いや、母親は赤子を守るように体で包んで飛び降りた
そのとき親の体がクッションになって助かったのであった


12 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/08/04(火) 12:29:28 sHORQvE6
父親「……」ザッザッ

父親は赤子を拾い
自分の家へと帰っていく
今母親の死体を拾うと
ハイエナや狼に襲われるかもしれないからである

父親「……おまえなんか」


13 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/08/04(火) 12:32:59 sHORQvE6
日が昇り 村で小さな会議が開かれた

ザワザワ……

ガヤガヤ……

父親「残念ながら、まだこの子は赤子だ だから誰かが乳を与えてくれないか」

昨日の母親が飛び降りた事も含め
村人はザワついていた

村人「どう見ても普通の赤子にしか見えないけどなぁ」

村人「お、俺は見たんだ 昨日の満月の夜 牙や耳が生えていた」

村人「そうだ! 赤子のフリをして俺達を食おうとしてるんだ」


14 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/08/04(火) 12:35:31 sHORQvE6
父親「……誰でもいいからこの子を育ててくれないか」

村人「あんさん頭おかしいんじゃねえの? そいつは化け物だぞ!」

父親「……」

父親「この赤子を10になるまで育ててくれればそれなりの報酬はする だから……頼む!」

必死に頭を下げる


15 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/08/04(火) 12:37:41 sHORQvE6
村人「自分が育てるよ」スッ

父親「!」

村人「おい、オカン何してんだよ! 俺こんな奴嫌だよ!」

村人「黙りな!」ポコッ

村人「いてっ! 何すんだよ!」

父親「なら……頼む」

村人「ああ」


16 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/08/04(火) 12:43:02 sHORQvE6
そして7年の月日が流れた
===
==

村人「ほら、さっさと水汲みな! ぽけーっとするんじゃないよ!」

夜美「……はい。 おばさん」

私の名前は月風夜美
つきかぜよるみ
私は何も悪いことしてないのに
隣の子供などに
「おい! 化け物!」と呼ばれる
石を投げてきたり
水などを掛けられた事があった


17 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/08/04(火) 12:45:05 sHORQvE6
何故?
何故顔も知らないお母さんは私を産んだの?
ねえ、何故なの?

村人「何しとるんだい! 早く運びな! 飯抜きにするよ!」

夜美「は、はい!」ダッ


18 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/08/04(火) 12:47:33 sHORQvE6
村人「今夜は満月だねぇ」

夜美「……!」

私は満月が近くなるとうずうずする
いや、毎日夜になったらうずうずしていた
たまにはしっぽが生えてきたり
獣の耳が頭の上から生えてきた
それで毎回化け物呼ばわり

だから私は満月が怖かった


19 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/08/04(火) 12:51:00 sHORQvE6
ガラッ!
村人「て、てえへんだ!」

夜美「!」

村人「なんだい 一体」

村人「俺達の仲間が……化け物に喰われた!」

村人「なんだって! そりゃあ!」

夜美「えっ?!」

村人「夜美 行くよ さっさと靴をはきな……トロいねぇアンタは」

夜美「す、すいません……」


20 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/08/04(火) 12:54:05 sHORQvE6
ガヤガヤ……
ワイワイ……

村人「よっと」

村人「今回話し合うのは 夜美の処分じゃ」

夜美「え?! 私 関係ないじゃないですか!」

村人「化け物が近くにいるなんてもう嫌だ! 今すぐ処刑すべき!」

村人「でもまだ子供だぞ……人を襲えないじゃないか」

村人「大人になったら絶対我々を襲うに決まってる!」

夜美「……」


21 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/08/04(火) 12:55:30 sHORQvE6
村人「まて、この子の処分は 多数決で決めようではないか」

村人「うむ……それも悪くない」

投票
=======


22 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/08/04(火) 12:58:01 sHORQvE6
村人「投票結果……72人が生きらせる 183人が 処刑じゃ」

村人「やった! これで化け物が消える!」

夜美「……そんな」

大多数が私の事を嫌いだって言うの?
やっぱり私は
いくら頑張って生きても
{化け物}なの?


23 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/08/04(火) 13:01:37 sHORQvE6
夜美「いや、離して!」

私はまだ死にたくない!!

村人「押さえつけろ! まだ子供だ! 大人が何人か押さえればいける!」

夜美「離して! 離してよぉ!!」ギリッ

ガタッ
ドン!!

ドアがいきなり破壊される
そこに居たのは
普通の男の子であった


24 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/08/04(火) 13:03:58 sHORQvE6
??「……」ニコォ

村人「だ、誰だおんめぇ」

??「その子を放せ」

村人「こ、こいつも化け物か?!」

??「そうだよ」

村人「こ、殺せ! 押さえつけてこの子供と一緒に処刑しろ!」

??「物分かりが悪いなぁ……」


25 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/08/04(火) 13:06:34 sHORQvE6
村人「捕まえろー!」

??「……」

ブチッ

飛び散る血しぶき
人間の足がぼとっと
落ちていった


26 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/08/04(火) 13:15:18 sHORQvE6
4:00くらいから
再開します


27 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/08/04(火) 16:07:05 sHORQvE6
村人「う、うあああああ!!」

??「あ、やっちまったze☆」

夜美「……ひっ!」

??「何ポケーとしてんの? 早く来いよ 殺されるぞここにいたら」

夜美「は、はい!」ダッ

村人「あ、逃がすな!」

村人「足がぁ……足がぁ!!」


28 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/08/04(火) 16:09:20 sHORQvE6
村の北のはずれにある森
そこまで私は 自分を救ってくれた誰かと
逃げていた

??「ふぅー……おつかれ」

夜美「あ、どうも」

??「それより、君の種族は何なの?」

夜美「へ?」

意味が分からない
何を言ってるのやら

??「ほら、能力だよ能力」


29 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/08/04(火) 16:15:05 sHORQvE6
??「だーかーらー種族だよ」

夜美「……?」

??「ああ、もうしょうがないなぁ……はい」

ドサッ

夜美「え? 何この本」

??「簡単に説明すると……化け物、いや 妖怪百科事典かな」

夜美「妖怪百科事典?」

??「ああ、もう…… いいから開いてみな」

少しカビ臭い本を私は開く事に……
そこには


30 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/08/04(火) 16:26:11 sHORQvE6
夜美「吸血鬼に……狼男に……オイテケ……人狼?」

??「俺は狼男だよ」

夜美「さっぱり」

??「……」

ザッ

???「やっぱ一から説明する必要がありそうだなこりゃ」


31 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/08/04(火) 16:38:16 sHORQvE6
??「あ、来てたの?!」

???「来てたのじゃねーよ白玉 お前……今日村人にケガさせたろ」

白玉「あ、あれは事故というか……」

???「言い訳は聞かん 3日間 飯抜き 自分で探せ」

白玉「ええええええ?!」


32 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/08/04(火) 16:40:07 sHORQvE6
キャラ紹介
はくれん たまず
「白冷 玉頭」

性格は温厚
種族は狼男


33 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/08/04(火) 16:45:12 sHORQvE6
ちなみにみんなからは白玉と呼ばれてます

白玉「詳しいことはそこのおっちゃんに聞いて」

夜美「は、はあ……」

???「満月の夜に化け物の魂が浮かんでいるってのは知ってるか?」

夜美「はい」

???「何故満月の夜だけだと思う?」

夜美「さあ」

???「それはな、この村を囲ってる鳥居にあるんだ」


34 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/08/04(火) 16:49:04 sHORQvE6
村には村を囲っているような
4つの鳥居があり
北・東・西・南と
分かれている
村を出ようと思うと
必ず「鳥居」から出なければ
村から出れないという
謎の結界が村を囲っている


35 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/08/04(火) 17:01:21 sHORQvE6
今日はここまで

しかし 一度村を出たら
{二度と}村に戻ることは出来ない
理由は不明


36 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/08/05(水) 00:48:34 I7ShVAG.
期待


37 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/08/05(水) 18:26:29 ek05ShJs
???「この村にある4つの鳥居はな{地獄}{天国}{異世界}{森}に通じているんだ」

夜美「……それで化け、妖怪とはどんな関係があるんですか?」

???「その鳥居はな、満月の時のみ全ての鳥居が{地獄}に変わるんだ」

夜美「えっ……」

???「ここまでは俺の推測だが……地獄から出る悪霊な{何か}が生まれた赤子にとりつく……という所かな」


38 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/08/05(水) 18:32:26 ek05ShJs
???「そこから妖怪になる……かな」

夜美「そんな事が有り得るなんて……」

???「実質、俺達がそうじゃないか 満月の夜産み落とされ化け物呼ばわり」

夜美「私あの鳥居を1回出た事があるんですけど、地獄とかそんな感じ?は無かったですよ」

???「それは時間帯と場所だな」


39 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/08/05(水) 18:36:05 ek05ShJs
夜美「え?え?」

???「時間は夜でないとあの鳥居は効果を発揮しない それに鳥居が見える場所だと効果を発揮しない」

夜美「何故、その鳥居はここにあるんですか? それが無かったら私はこんな姿にならなかったのに!」

???「鳥居の事をこの村で一番知ってる俺だってそこまでは解らない」

夜美「……」


40 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/08/05(水) 18:39:50 ek05ShJs
???「ただ、鳥居の作った人物は……人間でも化け物でもない 」

???「神なのかもしれない」

夜美「へぇ〜え(あれ?話ズレてきたね?)」


41 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/08/05(水) 18:46:38 ek05ShJs
夜美「あ、あのすいません 私の妖怪の種類は?」

???「ん〜 俺が見たところ白玉と似てるなぁ……多分、{人狼}だと思う」

夜美「……人狼?」

???「ああ。 夜になったら まあ、うん」

夜美「あ、そうなんですか」


42 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/08/05(水) 18:51:58 ek05ShJs
夜美「これからどうしよ……」

???「俺達の仲間になんねえか?」

夜美「えっ?!」ピクッ

???「食料の心配は無いし たまには……いや、やめとく 教えない」

夜美「え?何それ?」

???「……」ピュッピュピュ〜

夜美「教えろよテメエ」イラッ

???「仲間になる?」

夜美「もう……いいよ」


43 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/08/05(水) 18:58:36 ek05ShJs
彪支眼「じゃあ、仲間になった所で自己紹介だ俺の名前は彪支眼京核」

彪支眼「略して怪しめのオジサンだ」

夜美「」ブッ

彪支眼「じゃあ、ついてきて」

夜美「はーい(隠し部屋? いや、洞穴……木の上とかもいいね)」


44 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/08/05(水) 19:01:40 ek05ShJs
あやしめ きょうかく
「彪支眼 京核」

年齢は32くらい
左目が塞がっているため
ちょっとイカツい印象だが
性格は結構温厚
ただ、自分の{大切な物}を傷付けたり 壊したりすると
たちまち怒りの形相へと変身する
妖怪の種類は未だ不明


45 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/08/05(水) 19:06:11 ek05ShJs
今日はここまでです

南の鳥居付近にて……

彪支眼「おーい、今帰ったぞ〜」

白玉「おかえり〜オッサン」

??「おかえり〜」

彪支眼「白玉……オッサンは止めろと言っただろう」

白玉「うぇいwww無理www」

夜美「……なにここ」

普通の民家じゃねーか!
必死に妄想や想像を膨らませた私がバカだったよ


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