……
……
ザクッ…… ザクッ……
烈「ここは……」
"
烈（そうか……）
烈（私は宮本武蔵氏との比武に挑み──）
烈（氏の刃を受け──）
烈（死んだのだな……）
烈（……あろうはずがない）
烈（比武の結果、重傷を負う、肉体の一部を失う、時には死する）
烈（武術家にとっては至極、当然のこと。覚悟していなければならないこと）
烈（悔いなど、あろうはずがない）
烈（あの宮本武蔵、必殺の刃を受けてなお）
烈（次に活かせる、などと思ってしまったことが、悔いといえば悔い、か）
烈（すまぬ……武蔵ッ）
ザクッ…… ザクッ……
烈「！」
「烈永周よ……」
烈「…………」
"
「すでに察していることだろう」
「ここは……死人（しびと）のみがたどり着ける領域」
烈「…………」
烈「はい……心得ております」
「一つは、永遠の安息の地にて、その魂を安らげる道」
「そしてもう一つは──」
「“試練”というにはあまりにも理不尽で過酷な“試練”が待ち受ける道」
「さて、いずれの道を歩む」
烈「心は決まっております」
烈「どうか私に……試練をッ！ 試練をお与え下さい！」
「…………」
「しかしながら、これだけはいわせてもらおう」
「安息の地といっても、決して武術とは無縁の平穏無事な世界というワケではない」
「自己鍛錬や、あるいは他の魂との切磋琢磨に励むことも充分可能」
「それでも……ゆくというのか？」
烈「しかし、それを甘んじて受けてしまうこと──」
烈「それすなわち、私が私を否定することになってしまうのです」
烈「そしてそれは──」
烈「私が知るあらゆる苦痛にも勝る、苦痛となるでしょう」
烈「どうか……試練をッ」
「……後戻りはできんぞ」
烈「一向に構いません」
「烈永周……いや……烈士、烈海王よ」
烈「謝々ッ！」
ザクッ…… ザクッ……
─ 完 ─
どうしても書きたくなってしまいました
今週の烈に関しては色々意見が飛び交ってますが
だれがなんといおうと私は悲しいし
実は死んでないオチ、クローンだろうがドラゴンボールだろうが生き返るオチがきたら
手放しで喜んでしまうでしょう
キャラをよくつかんでいるね！