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アルミン「変わらないモノ」

1 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/02/25(火) 01:29:58 acmY2uaQ

「ほら、アルミン。行くぞ」



エレンは変わらない

自分の気持ちに素直で、ちょっと喧嘩っ早くて、諦めることが嫌いで、僕の道標となってくれる存在

昔から何一つ変わらない、僕の親友


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2 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/02/25(火) 01:31:11 acmY2uaQ

「アルミン、あまり無茶はしないでついてきて」



ミカサも変わらない

優しくて、常に僕達を守ってくれて、強い…たまに暴走しちゃうとこも変わってないけど

あっ、でも変わったところもある

とっても綺麗になった


「…おい、ミカサ。手を抜かずに先に行けよ」


「手を抜いてるつもりはない。エレンと違ってちゃんとペース配分を考えてる」


「なっ!俺だってそれぐらい考えて走ってるよ!!」



そうそう、エレンは鈍感なところもまったく変わってない


3 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/02/25(火) 01:32:42 acmY2uaQ

でも…それ以上に変わってないモノがある



「はぁ…はぁ…」




…僕は変わらず弱いままだ


4 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/02/25(火) 01:33:15 acmY2uaQ

「アルミン、大丈夫か?」


「だ…大丈夫だから先に行ってて…」


「…わかった。エレン、行きましょう」


「おう。無茶だけはすんなよ」


「うん……」



そう…僕達の関係は何一つ変わってない

エレンはひたすら前に進む

ミカサはエレンの横を並んで進む

そして僕は…後ろから二人の背中を追いかける

変えたくても変えられない…僕も君達と並んで進みたいのに…


5 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/02/25(火) 01:34:09 acmY2uaQ

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「なぁ、アルミン。お前…兵団の希望はどうするんだ?」


「……僕は調査兵団に入る!」


「本気で言ってんのか?」



僕が劣等生なのは重々わかってる

エレンの言うとおり、技巧科に進んだほうがいいのもわかってる

でも…それでも僕は…君の、君達の後ろを追いかけたいんだ

三人で同じ道を進みたいんだ

だから…



「…死んでも足手まといにはならないよ!」


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6 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/02/25(火) 01:35:01 acmY2uaQ

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「アルミン、ちょっとここで休んでろ。俺はジャンと話してくる」



死んでも足手まといにならない…そう決意したのに…僕は何一つ変えることが出来なかった

足手まとい…役立たず…エレンにとって僕は、守られる存在でしかなかった

僕が弱いから…僕が臆病者だったから…エレンが…エレンが!!

僕がエレンの代わりに死ねば良かったんだ!!



「アルミン…ケガは無い?大丈夫なの?」



ミカサ……

僕は君に優しくされる価値なんて無い…


7 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/02/25(火) 01:36:07 acmY2uaQ

「エレンはどこ?」



言わなくちゃ…

僕がエレンを…ミカサの生きる理由を、灯火を、消してしまったって…


「僕達…訓練兵34班……トーマス・ワグナー、ナック・ティアス、ミリウス・ゼルムスキー、ミーナ・カロライナ、エレン・イェーガー…以上5名は自分の使命を全うし…壮絶な戦死を遂げました…」



僕が変わらなかったから…



「ごめんミカサ……エレンは僕の身代わりに…」



変わらずに弱いままだったから…



「僕は…何も……出来なかった」


8 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/02/25(火) 01:37:20 acmY2uaQ

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巨人が巨人を殺した!?あの巨人は一体…



「とにかく本部に急ぐぞ!みんなが戦ってる!!」


「待ってくれ!ミカサのガスが空っぽなんだ!!」


「オイ!マジかよ!?どうすんだお前がいなくて!?」



……やることは決まってるよ



「急いでこれと交換するんだ!」


「アルミン!?」


9 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/02/25(火) 01:38:23 acmY2uaQ

みんなを助ける為には僕なんかよりもミカサの力が必要なんだ

それに…エレン、君みたいにカッコよく守れないけど…僕の命に代えても君の家族だけは守ってみせるよ



「よし!機動装置はまだ行けるぞ!!刃も全部足した!!ただ…これだけはここに置いてってくれ…やっぱり生きたまま食われることだけは避けたいんだ」



エレン…もうすぐ僕もそっちに行くよ…

え?刃を捨てられちゃった…



「アルミン!ここに置いていったりはしない」



やめてくれ…僕はこれ以上、友達を死なせたくないんだ…


10 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/02/25(火) 01:39:05 acmY2uaQ

エレン…どうすればいい?

……そうだね、君がこの場面でどうするかはわからないけど、一つだけわかることがある

君は絶対に僕みたいに諦めたりはしない

僕もそうするよ、エレン…

絶対に諦めない…ミカサ達を死なせない!



「き…聞いてくれ!!提案があるんだ!!」


11 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/02/25(火) 01:40:35 acmY2uaQ

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「…ありがとな、アルミン。お前の説得のおかげでまたこうして生き延びることが出来た」


「礼を言うのは僕の方だよ、エレン…」



ずっと変わろうと思ってた

少しでも君達に追いつこうとしていた

でも…僕が間違ってた



『俺はどっちでもお前の意見を尊重する』


『アルミン…考えがあるのなら私もそれを信じる』



僕を信頼してくれた…僕も一緒に並んで進んでいると気づかせてくれた


12 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/02/25(火) 01:41:14 acmY2uaQ

「エレン…僕はもう諦めたりしない」


「ああ…」


「僕はエレンやミカサをいっぱい頼るから、エレン達も僕を頼ってくれ」


「ああ、昔も今も変わらず頼りにしてるぞ」



そう…もう僕は変わらない

変わりやすい残酷なこの世界であっても、僕達の関係は変わらせない

どんなことがあっても、ずっとこのまま…

この変わらないモノを守り続ける



Fin


13 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/02/25(火) 02:58:16 1wWVRvi.
乙!


14 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/02/25(火) 07:47:24 nRWnflU6



15 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/02/25(火) 10:47:19 a/MD/uQE
乙 まあまあだったよ
最近こういう読みやすい短編も減ってきたよな


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