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モバP「言葉が重くなる病気?」
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医者「ええ、大変に残念ですが」
P「えっと、つまりどういう事でしょうか?」
医者「その名の通り、重くなります」
P「はあ」
医者「まだ症状は出ていませんが、恐らく明日には発症してしまうかと」
P「えっと、治す方法は?」
医者「一日経てば自然と治癒します、ですが本当にその間は言葉が重くなってしまいますので
おまけに自覚症状がありませんので、治るまで自分がおかしい事にも気づけません」
P「わ、分かりました……」
医者「段々と自我も薄れていきますので、思わぬ行動を取ることになるかもしれませんので。
お気を付けて」
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"
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P「と、言われてもなあ。結局、朝になっても何ともないから事務所に来ちゃったけど」
ちひろ「あ、おはようございます。健康診断に引っ掛かったって聞きましたけど大丈夫でした?」
P「……ああ、いいんだ。何も心配するな、少し奇病を患っただけの話」
(いや、何か変な病名を言われたんすけど)
ちひろ「え、あのプロデューサーさん」
P「いい、悔いはない。気にするな、最後まで笑顔でいようとは思うから」
(はは、何か笑える話なんですけど。後で話すんで)
ちひろ「プロデューサーさんもしかして……」
P「いやいい、本当にいいんだ」
(まあ、何でもなかったって話なんだけど)
-
凛「おはよ」
P「今日は会えたか」
(おはよ)
凛「今日は? 昨日はお休みって聞いてたけど、もしかして明日も休み?」
P「いや、少しでも長く凛の顔を見たいからな」
(凛をトップアイドルにするって約束したろ? まだまだ休んでる場合じゃないって)
凛「何? その言い方、変だよ?」
P「そうか、分かるか?」
(え、そうかな?)
凛「何かあったの?」
ちひろ「実は昨日、プロデューサーさん健康診断に引っ掛かったみたいなの」
凛「本当!? 大丈夫?」
P「原因不明の奇病を患っただけのこと、業務に支障はない」
(何か変な病気になったって言われたんだけど、全く自覚ないんだよなあ)
-
凛「原因不明!?」
ちひろ「……やっぱり」
P「お前達は何も気にするな、これは俺の問題だ」
(いや、何か別に害があるとかって訳じゃないから)
凛「そんなに重いの?」
P「……いや」
(大した事ないって)
凛「そっか、言ってくれないんだ」
ちひろ「凛ちゃん……」
凛「レッスン行ってくる、今日は終わるまでいてくれる?」
P「お前が望む願いは、必ず叶えてみせる」
(そのつもりだよ)
凛「……行ってくる、待っててね」
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ちひろ「プロデューサーさん、休まなくて大丈夫ですか? 代われる仕事ならやりますから
P「いえ、この体の動く内にしておかないと……きっと最期に後悔すると思うんだ」
(やれる内にやっておかないと、後で痛い目に合いますから)
ちひろ「そう、ですか。私も頑張りますから、何かあったらすぐに言って下さいね」
P「ありがとう、ちひろ」
(ちひろさんあざーっす)
ありす「おはようございます」
P「ありすか、顔を見れて嬉しいよ」
(ありす、おはよ)
ありす「え、そうですか?」
P「ああ、俺の大切なアイドルだからな」
(もちろん)
ありす「俺の……へへ」
P「共に歩く準備はできてるな?」
(今日は現場まで一緒だな)
ありす「はい、行きましょう」
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"
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P「おや、秋の贈り物かな?」
(髪に葉っぱが付いてるぞ)
ありす「あ、ありがとうございます」
P「あまりに綺麗だから女神様かと思ったよ」
(小さな妖精みたいだな)
ありす「そんな、言い過ぎです」
P「俺にはもうお前しか見えない」
(いや、何か引き込まれるような感じがしてさ)
ありす「え、えへへ。それなら仕方ないですね」
P「さあ、行こう。俺とありすの約束の地へ」
(約束の時間までもうすぐだ、ほら行くぞ)
ありす「はい、どこまでも一緒です。Pさん!」
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P「何故だろう、妙にありすがご機嫌だった。別に何もおかしくないよな?」
千枝「あ、Pさん。お疲れ様です」
P「これも運命かな」
(おお、偶然だな)
千枝「運命ですか?」
P「俺と千枝はここで会う運命だったんだよ」
(そ、偶然)
千枝「そうだったら……嬉しいです」
P「その衣装は俺との結婚式の為かな?」
(その手に持ってる衣装はどうしたんだ?)
千枝「けっ、結婚!?」
P「千枝は俺の理想のお嫁さんだからな」
(結婚? 千枝ならいいお嫁さんになりそうだけど)
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千枝「本当ですか?」
P「俺は嘘は言わない、な?」
(本当だって)
千枝「千枝、頑張りますから」
P「千枝の事なら何でも応援するからな」
(何かよく分からないけど、まあ頑張れ)
千枝「それで相談なんですけど、どっちの衣装のほうが似合ってますか?
次のライブで着る衣装の候補なんです」
P「これを着ろ」
(うーん、俺はこっちかな)
千枝「こっちですか?」
P「俺の色に染まってくれるのなら」
(俺の好みはな)
千枝「Pさんの色……分かりましたこっちにします!」
P「俺を満足させてくれたら、いいものをあげるよ。千枝の望むものなら何でも」
(成功したら何かご褒美あげないとな)
千枝「絶対、Pさんの期待に応えますから」
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P「お、おお。何か凄い気合だったけど。それにしても寒いな、何で冷房なんて付けてるんだ寒くて震えるって」
美波「あ、Pさんお疲れ様です」
P「美波か……」
(お疲れ、それにしても寒くないか?)
美波「Pさん、どうしたんですか? 震えてますよ」
P「俺を、温めてくれないか?」
(そこに上着あるから取ってくれないか?)
美波「はい?」
P「やっぱりお前は使えないな」
(あ、駄目か。アイドルをそんな風に使ったら駄目だよな)
美波「」
P「何も言う事がないか」
(あれ、何で黙っちゃったんだ?)
-
美波「これで……いいで……すか?」
P「止めろ、何をしているか分かっているのか?」
(おい! アイドルがそんな風に抱き付くなって!)
美波「分かってます、Pさんが最初に言ったんじゃないですか」
P「俺は温めてくれとは言ったが」
(俺は上着を取ってくれって言っただけで)
美波「まだ、足りないんですか?」
P「もういい、それがお前の限界だ」
(いやもう充分だって!)
美波「そんな事を言うんですか、でしたら」
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P「お前に覚悟などある訳ない」
(どうした? そんな意を決したような顔して)
美波「こ、これで……満足ですか? 体温、感じてくれてますか?」
P「」
美波「何か言って下さい、私だけこんな事させて……狡いです」
凛「プロデューサーまだいる!? 今日は私がついて……」
美波「あ」
凛「へえ……ふうん……そう」
千枝「Pさん着てきました! どうで……しょう……かあ?」
ありす「Pさん仕事終わりました、今日はよくできましたので……」
P「これは美波の俺に対する意志だ」
(違う! これは美波が勝手に!!)
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凛「意志って、そういう関係だったの?」
美波「いえ、そのPさんが震えてて」
千枝「少し寒いですもんね」
ありす「だからと言ってそれはやり過ぎです」
P「急に……誰かの温もりが欲しくなってな。求めてしまったんだ、この子に」
(俺は上着を取ってもらおうとしただけで! 美波に頼んだだけなんだよ!)
凛「それならそうと言ってよ、やっぱり無理してたんだね」
美波「無理?」
凛「病気みたいなんだ、プロデューサー」
美波「そんな! 本当なんですか!?」
P「原因不明の、奇病だそうだ」
(変な病気なんだけどな)
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美波「原因不明……」
千枝「治す方法はないんですか?」
P「今日、一夜を明かせば」
(一日経てば治るそうなんだが)
凛「一夜を明かすって」
ありす「つまり」
千枝「そういう事ですね」
美波「じゃあ今日はずっとこんなに震えたままなんですか?」
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P「お前たちの温もりさえあれば、問題ないさ」
(いや、これは暖を取れば済む話だから)
凛「覚悟を決めるしかないね」
千枝「Pさんを治す為です」
ありす「待って下さいって言ったのにせっかちなんですから」
美波「仕方ありません、今日はもう離しませんから」
――
―
P「あれ? 事務所に来てからの記憶があんまりないな……ってか何で裸!? 一体どうなって」
凛「すう……」
千枝「P……さん」
ありす「ふわ……もっと……」
美波「あ……起きたんですか?」
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P「えっと、ここどこだ?」
美波「仮眠室ですよ」
P「……何で裸?」
美波「私の温もりが欲しいって、言われてしまいましたから」
P「いや、待て何のことだかさっぱり!」
早苗「なーに? 誰かいるのー?」
P「まずい」
早苗「……うん、返答次第では考える。何をしてるの?」
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P「食べちゃった」
(待って下さい! 俺は何もしてませんって!!)
早苗「うん、分かった」
P「NOOOOOOOOOOOOOOOOOOO!!」
医者「うん? あの患者、まだ病気を持っているな」
看護婦「何の病気ですか?」
医者「うん、まあ強いて名づけるなら」
「言葉が軽くなる病気、かな」
終焉の扉は今開かれん!!
(終わり)
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精神的にも肉体的にもグサッと逝きそうな病気だな
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面白かった
乙
"
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