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企画されたキャラを小説化してみませんか?vol.4

1しらにゅい:2014/01/27(月) 22:11:13
ここはキャラ企画つれっどにて投稿されたキャラクターを小説化しよう!というスレです
本編とはかかわりがなく、あくまでもアナザーストーリーという扱いです
時系列は本編(2002年のGW4月28日〜)よりも前の話が主になります
本編キャラの名前が名字無しカタカナの為、小説ではそれに合わせた呼び方が多いです
人様のキャラクターを借りる時は、設定を良く見て矛盾が無いように敬意を持って扱いましょう
詳しい説明などは下のURLをご覧ください
ナイアナ企画@wiki―「はじめに:企画キャラとは」
http://www22.atwiki.jp/naianakikaku/pages/1057.html


過去スレ
企画されたキャラを小説化してみませんか?
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/sports/28084/1208562457/
企画されたキャラを小説化してみませんか?vol.2
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/sports/28084/1301901588/
企画されたキャラを小説化してみませんか?vol.3
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/sports/28084/1317809300/
企画されたキャラを小説化してみませんか?vol.3.5
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/14155/1330491756/

8しらにゅい:2014/03/25(火) 11:37:48

『八十神千鶴はほっとけない』





 千鶴という人物は空気を読めない節がある。
ジャーナリストの立場を考えれば、この特性は強力な武器であり、同時に致命的な欠点でもある。
相手の迫力をものとも言わず質問を投げれば、誰も知らないネタという宝を手に入れられるが、時にはその宝を抱き墓場へ持っていかされる事態にもなってしまう。
しかし、彼女はその危険性に目を向けていない、というよりもただ、単に知らないだけだった。

 だから、おぼつかない足取りで向こうから歩いてくる夜波詠人にも、何の疑問も持たずに声をかけたのも当然の事であった。


----


「いやー、よかったね!なんでもなくて!」
「………」

 いかせのごれにある小さな診療所から千鶴が出てくると、その後ろから続いて現れた詠人へと声を掛けた。
いつものように散策をしていた彼女の目の前に現れたのは、夜波マナの急襲に失敗してしまった後の夜波詠人であった。
アカネから受けた痛みは予想以上に長引いていた為、追撃を受けぬようなるべく人と出会わずに歩いていたのだが、たまたま彼女に見つかってしまったのだ。
具合の悪そうな人を見かけたら介抱をしてあげる…なんとも献身的な精神だが、今の彼にとっては迷惑でしかならない。当然何度か断りも入れたのだが、あまりの剣幕に最終的には頷いてしまった。
幸い、診療所はウスワイヤとは関係しておらず個人で経営されている場所であった為、一般人と同様に扱われた。診察費も治療費も千鶴から提供され、その上で応急処置を施された詠人は何とも言えない表情を浮かべている。
どこの誰かも知らない人物に(半ば強引ではあるが)助けられたのだから、どう対応すればいいのか分からない。

「もう気分は平気?だいぶ落ち着いた?」
「え?え、えぇ…まぁ…」
「よかったー!ホント痛そうだったもんね。」

 特にここ、と千鶴は顎を押さえると詠人は苦笑を浮かべた。
千鶴は詠人の気も知らずに、続けて質問を投げた。

「エイト君は学生さんだっけ?不良にでも絡まれたの?」
「まぁ、そんなところです…」

 正直に話す理由もない為、適当にぼかして応える詠人に千鶴は素直に頷く。
不良にしては傷の出来方が随分綺麗だな、とただ不思議そうに思いながら。

「弱いものいじめは駄目だよ!力があるからって力で訴えちゃ駄目!」
「…そうですかね…」

 その言葉に詠人は引っかかったが、その思惑は彼女は知らない。
そして彼女の場合、暴力の他の意を含んでいたが、その意図も彼に伝わることはなかった。

「なんでもかんでも力に訴えるとね、神様が…あっ」

 ふと、突然の風で千鶴の帽子が飛んでいった。
いつもは身に付けていない、今日の気まぐれで被ったハンチング帽。
思わず手をのばすと、その指先に導かれて虚空から"木部隊"が放たれる。自然と一体である彼女らは周囲の風と共鳴して、その帽子を手にとって主の元へと運んでいった。
それは彼女にとって、とても自然な動作だった。
もちろん詠人には妖精の姿は見えなかった、が、離れた筈の帽子が彼女のもとに戻った一連の流れを目撃してしまい、思わず、

9しらにゅい:2014/03/25(火) 11:38:32

「怖い目をするんだね。」
「!」

 千鶴はそう言うと、帽子をかぶり直し、優しい目で詠人を見つめた。
彼女は、あ、と声を上げた後、続けてこう問い掛ける。

「エイトくんも能力者嫌いさんかな?」
「…は、」
「んー、いかせのごれって割とそういう人よく見かけるんだよね…そうそう、キミと似たような人に前出会ったんだ、お友達になろうって言ったんだけど返事はもらえてなくて…パニ・シーって言うんだけど、知ってる?」

 思わず詠人は黙ってしまった。
仲が良いわけではないが知らないわけでもなかった。だが、あの異端な存在を彼女が知っている事に驚き、そして恐れた。
何故知っているのか、それだけが詠人の思考を縛り付けた。

「人じゃないヒトって、嫌い?みんな違いなんてないと思うんだけどなぁ。」
「……変な、人ですね…初対面なのに、見透かしたようにそんなことを言って。」
「あはは、よく言われる。けど、気になるなら当然でしょ?」
「………」

 詠人の警戒は解けず、彼は思わず腕を押さえた。
ピリピリとした空気に、少しばかりの殺気を感じて彼女の神衛隊が警鐘を発する。
千鶴はその音を聞いたが、その場に出す事をしなかった。出す必要が、ないからだ。
千鶴は微笑んで、また問い掛けた。

「あのさ、エイトくんって友達いない?」
「………」

 ちゅんちゅん、と雀が西から東へと飛んでいき、どこからか子供の声が聞こえてくる。
とても意外性に富んだ質問だ、その上人によっては失礼に値するような問い掛けでもある。
しかし、素直に答えられないのもまた事実であった。
千鶴は手を差し伸べて、こう言った。

「ね、私と友達になろう?いいでしょ?」
「…は?いや、待ってください、なんでそうなるんですか?」
「だって、私エイトくんがどうしてそんな悲しい目をするか知りたいもの。」
「え?」
「エイトくんさ、あの時すごい怖い顔してたけど、眼はすごく悲しそうだった。キミは怒りだけが全てじゃなくて、何かしら悲しい出来事があったんだと思う。」

 けどね、と千鶴は続ける。

「そうじゃないんだ、キミはその一面だけにしか目を向ける事が出来ない。
私も、キミがその一面だけしか見ている事しか知る事が出来ない。私は、キミが何故そんな思いを抱くのか知りたい。だから、その為にお友達になりたいの。」
「………」

 詠人は差し出された手をしばらく見つめていたが、手に取る事は出来なかった。

「…要は、自分がただ知りたいだけじゃないですか。助けてくれた事には感謝しますが…その誘いは、断ります。」

 そう言って詠人は千鶴の横を通り過ぎて、去って行ってしまった。
その時、千鶴は彼の背に何も言葉を掛けることはなかったのだった。

 それが、千鶴と詠人の初めての出会いだった。
詠人にとってその日以降、彼女と出会う事はもう無いと思っていたのだが…

「あ、エイトくん!」

 と、下校途中や仇を探している最中に何故かよく声を掛けられるのであった。
千鶴はこの前の出来事なんてまるでなかったかのように、また友達になろうと申し出るが詠人は断った。
彼が逃げても、彼女は追い掛けてくる。どんな言葉をかけても、決して諦めることはなかった。
そのやり取りが、つい先日であった。

10しらにゅい:2014/03/25(火) 11:39:31
----


「っげほ…げほ…!」


 詠人は起き上がりながら、自分を吹き飛ばした相手を睨んだ。
その人物はあの時と同じように帽子を被っており、周りに何かを漂わせている。
詠人はその時、初めて妖精の姿を捉えたのだった。

「…っなんだよ、やっぱり……敵じゃないか…!」

 視線の先には、千鶴が立っていた。
夜波マナの正面に立っている彼女は詠人と対峙している。その表情はいつも彼に見せていた笑顔ではなく、無表情だった。
詠人を背にしてマナに向き直ると、千鶴は笑った。

「初めまして、エイトくんの妹さん?」
「え、…」
「私はチヅル、いかせのごれでジャーナリストやってるの。えーっと、その白い子は…」
「なんで邪魔をするんだ?!アンタもそのまがい物の仲間だったのか!?」

 マイペースにシュロに自己紹介をしようとする千鶴に詠人は叫んだ。
千鶴は再度振り向くと、詠人にこう答えた。

「違うよ?だってエイト君の妹さんと出会ったのが今が初めてだもの。邪魔をする理由なんてないわ。」
「なら!」
「私はさ、兄妹喧嘩に口を出すつもりはないよ。当人同士の問題に他人が口を出す事自体、そもそも間違ってる。けど…」

 千鶴は、ちらり、と戸惑うマナの表情を見る。

「何も知らないで、妹の存在を消そうとする事は理解出来ない。」
「ソレはあの日!妹の存在を喰らって、マナに成り替わった…!妹じゃない、大事な存在を奪った能力そのものだ!!」
「だから?」

 詠人以上の声の強さで、千鶴は制した。

「エイト君がこの子を妹と認めない理由は、その時見たものだけで全てなの?肉体がなければ妹と認めないの?血縁がなければ妹と認めないの?声は?姿は?好きなモノは?嫌いなモノは?この子自身の中身も、考えも、想いも、何も理解していなくせにまがい物だって決め付けて消そうとするの?」
「黙れ!!僕らの何を知っている!?」
「それは、エイトくんも一緒でしょ?」
「っ!」

 思わず、言葉が詰まってしまった。
千鶴は、もう一度マナへと向き直り、しゃがんで頬を触る。突然頬を触られて、少しだけマナの身体が震えた。千鶴の手は通り抜ける事は無く、確かにその掌に頬が触れた。そして、マナから離れると詠人の傍に寄り、彼女と同様に身体へ触れた。彼はその手を振り払った。

「やめ、っ」
「エイトくん、言ったよね?私。キミの事を知らないからキミの一面しか見る事が出来ない。きっと、あの時出会わないで今出会ったら、エイトくんは酷い事をしようとする人にしか見えてないと思う。けど、キミを少しずつ理解していって、やっぱりその憎しみには悲しい出来事があったんだ、って知る事が出来た。」
「………」

 千鶴は穏やかな声色で告げる。
彼女は今までの詠人とマナの攻防を知らないし、マナを庇う考えも無かった。もし千鶴が満足するほど今の状況を理解していれば、詠人の振り落とされる腕を払おうなんて思っていなかっただろう。
ただ、彼女の中にある正義がそれを許さなかったのだ。お互いの全てを知らないまま、取り返しの付かない事態になる事を。

「ねぇ、エイトくんは妹であったマナちゃんの何を知っているのかな?何をもって、妹と認めていたのかな?そして、あの子をまがい物だっていうけどそれだけで判断していいのかな?生まれ変わっただとか生き残れただとか、そういう考えには至らなかったのかな?
もう一度よく考えてみて、もっとよく、彼女の事を知ってあげて。それを知った上でやっぱりまがい物だって言うなら、私は止めないよ。さっきも言ったけど、兄妹喧嘩に口を出さないから。」
「っ待てよ、あんた何言って!」
「びっちゃん、」

 千鶴がシュロ達へ手を伸ばすと、指先から"木部隊"が放たれるのを詠人は目撃した。その妖精たちが彼女達の足元へとそれぞれ潜り込むと、突然、蔦のようなものが生え、それぞれ彼女達を取り囲んだ。

「なんやこれ!?」
「っマナちゃん!!」
「敵かよ…!」

 シュロは振り解こうとするが上手く力が入らない。実質、この場で動けるのは詠人とマナ、そして千鶴の三人だけとなってしまった。詠人は千鶴を見ると、彼女は笑った。

「さ、話してごらん?本当に妹なのか、って。」
「………」

 詠人は立ち上がり、千鶴の横を通り過ぎた。
その瞬間、彼女はこう言った。

「私、エイトくんの事信じてるからね。」

 それがどのような意図なのか、彼にしか分からなかった。

11しらにゅい:2014/03/25(火) 11:47:39
>>8-10 お借りしたのは夜波 詠人、夜波 マナ、ブランカ・白波、名前のみで白波 アカネ(スゴロクさん)
シュロ(紅麗さん)、アズール((六x・)さん)でした!
こちらからは千鶴です。

前半の時系列は「白波一家、それぞれの動向」直後で後半は「ほつれる因縁の糸車」直後になります。
この後書きやすいように千鶴の行動に補足を付けておきますね!

詠人君がマナちゃんを「まがい物」と判断し再度攻撃
→千鶴は詠人君を手伝ったりはしません。ただ戦いが終わるのを傍観しています。
自分が攻撃される事があれば彼女の妖精たちが応戦します。
蔦について
→なんでもないただの植物の蔦なので必要に応じて振り解いて貰っても問題無いです。
シュロちゃんの力で破るもよし、アズールちゃんの炎で焼くもよし。

他に何か不明点また時系列おかしいんじゃない?がありましたら雑用スレまでどうぞー!
前から詠人君と交流したかったので叶ってよかった…!


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