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企画されたキャラを小説化してみませんか?vol.4

1しらにゅい:2014/01/27(月) 22:11:13
ここはキャラ企画つれっどにて投稿されたキャラクターを小説化しよう!というスレです
本編とはかかわりがなく、あくまでもアナザーストーリーという扱いです
時系列は本編(2002年のGW4月28日〜)よりも前の話が主になります
本編キャラの名前が名字無しカタカナの為、小説ではそれに合わせた呼び方が多いです
人様のキャラクターを借りる時は、設定を良く見て矛盾が無いように敬意を持って扱いましょう
詳しい説明などは下のURLをご覧ください
ナイアナ企画@wiki―「はじめに:企画キャラとは」
http://www22.atwiki.jp/naianakikaku/pages/1057.html


過去スレ
企画されたキャラを小説化してみませんか?
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/sports/28084/1208562457/
企画されたキャラを小説化してみませんか?vol.2
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/sports/28084/1301901588/
企画されたキャラを小説化してみませんか?vol.3
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/sports/28084/1317809300/
企画されたキャラを小説化してみませんか?vol.3.5
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/14155/1330491756/

6スゴロク:2014/03/20(木) 00:04:40
「シュロ」「アズール」をお借りしています。



――――いつからそういう風に思うようになったのか、覚えていない。
気づけばただ一つ、「あれ」を殺さなければならない、そんな意識だけが根付いていた。

妹の姿を奪った、あのまがい物を殺さなければ、いつまでたっても妹はこの世界から解放されない。
いい加減、休ませなければならない。

そのためにも、あれは殺さなければ。

そんなことを考え続けながら、彼はそこに現れた。





「……来たわね」
「? どないしましてん、マナさん」

某日、白波家。アカネが仕事(何の仕事かは知らない)に出ており、娘二人とアズールが留守番をしている中、神経衰弱に苦戦していたマナがふと顔を上げて言った。
人化状態のアズールが首をかしげる。

「表。詠人が来てる」
「え?」
「詠人はんって……いつぞやここを襲ってきたあの兄さんでっか!?」
「マナちゃんのお兄さん、だったよね……」
「今は違う。向こうは私をまがい物呼ばわりしてるし、私ももう彼を兄とは思ってない」

私の家族はここにいるもの、と言い置いて、マナは立ち上がるとすたすた玄関へ向かう。
その刹那、ちらりと電話に目を向けてから。

「破らなくても、こっちから出ていくわ」

そして、何でもないようにがちゃりと扉を開け、

「……随分拙速ね」
「黙れ、まがい物が!」

既に「ハングイーター」を発動していた詠人の一撃を波動化してかわし、屋根の上から見下ろす。
そこにはもはや、血を分けた兄妹の絆はない。あるのはただ、敵意のみ。

「今度こそ、お前を殺す……そうして、マナをこの世界から解放させてもらう!」
「…………」

血を吐くような叫びに、マナは応えない。今の詠人には何を言っても無駄だ。
原因も理由もわからないが、今の彼は自分を殺すことに文字通り取り付かれている。
その事実があれば十分だ。

「……アズール」
「はいな!」

玄関から飛び出して来たアズールを追って、ランカも出て来る。

「マナちゃん!」
「お姉ちゃん、中に入ってて。詠人とは私達が戦う」
「その口を閉じろ、まがい物……その顔で、その声で僕に話しかけるな!」
「……ほんま、何があったんでっしゃろ? シドウはんがお帰りになる前は、まともでしたが」

首をかしげるアズールに、マナは冷たく返す。

「さあ。ここまで来たらもう興味もないわ」
「ほな……どうするんで?」
「叩き潰すわ。……“シーリングウェーブ”」

右手を差し上げて指を鳴らす。途端、周囲から一切の気配が消えた。

「!? これは……」
「私の特殊能力は波動を操り、また自らをも波動に変じる力。波と名のつくものは、全て私の思うが儘。電波だろうと、磁力波だろうと」

つまり、

「……超音波も同じことよ」

“シーリングウェーブ”は、マナを中心とした一定範囲に、可聴域を超えた超音波を放射する技だ。
無論、特殊能力による音波がただの音波であるはずもない。

「この音波には、私の意思が乗っている。この範囲内にいて特殊能力を持たない者は、例外なく昏倒する。そして、外から入ろうとしても、強烈な不快感によって遠ざかることになる」
「まるで結界でんな……」
「似たようなものよ」

さらりと返し、

「さあ、始めるわよ。あなたが生きていると、誰も安心できないから」
「……マスターのためにも、ウチも力を貸しますさかい」
「何でもいい……僕はただ、お前を殺すだけだ!」

7スゴロク:2014/03/20(木) 00:05:50
始まった戦いは、一進一退の攻防で推移していた。

「うおおおお!!」
「遅いでっせ!」

スピードもパワーも段違いの詠人の攻撃は、マナの命を刈り取らんと唸りを上げる。しかし、元々防御に特化した能力を持つマナは、それをひらりひらりと躱し続け、出来た隙にアズールが狐火を叩き込む。

「えぇい、鬱陶しい! 邪魔をするな!」
「そう言われて、ハイそうでっかと退くアホがどこにおりますかいな!」

狐火を連射、これを詠人は大きく跳び退って躱す。しかしその先には、

「ふぐっ!?」
「……ドジ」

マナの波動が溶け込んで彼女の一部となった、瓦の一枚が浮いていた。彼女の「ウェーブリンク」は、波動を操る能力だ。本来、この能力そのものに攻撃性はない。だが彼女は、試行錯誤の末、“波動化”を応用して、周囲の物体を念力のように操る技を身につけている。この状態だと、本体は姿と意識だけが残った幽霊状態になる。

「この、なめるなッ!」

次々と襲い来る瓦を、詠人は片っ端から牙だらけの両腕で粉砕する。刹那、

「!! ぐわぁっ!!?」

無造作に打ち砕いた一枚が、大爆発を起こした。完全に油断していた詠人は爆風をもろに受け、もんどりうって転がる。

「な、何や!?」
「……間に合ってくれたわね、シュロ」

視線を向けた先。
白黒のチャイナ服と白のズボン、両腕にアームウォーマーをつけた白髪の少女。

「マナちゃんから連絡があって来てみりゃ……てめえかよ、夜波 詠人!」
「何だ、お前は……!?」

シュロが詠人を知っているのは、「警戒対象」としてスザクから話を聞いていたからだ。

「あのまがい物の仲間か! なら、容赦はしない!」
「その口閉じろ! てめえなんぞにあたしがやられるかよッ!!」

そこからは、シュロのターンだった。特殊能力「ブレイブフィスト」で造られた砲台から、爆弾化した鉄くずが嵐のような勢いで襲い掛かり、詠人は完全に防戦一方になっている。
彼の「ハングイーター」は直接能力者に接触しないと効果がないため、シュロのような遠隔型の能力持ちとは相性が悪かった。

「この……いい加減にッ!」
「いい加減にするのはてめーだァッ!!」

怒りの叫びと共に砲台がナックルダスターへと変化し、一気に間合いを詰めたシュロの鉄拳が襲い掛かる。
が、マナが叫ぶ。

「! ダメ、近寄ったら……!!」
「な!」
「……もらった、ぞ」

遅かった。詠人は繰り出された鉄拳を牙だらけの右腕で受け止めていた。瞬間、シュロの腕を覆うナックルダスターが分解、鉄くずに戻って落ちる。

「喰らえッ!!」

次の瞬間には、その鉄くずがシュロ目がけて凄まじい勢いで射出されていた。
直前に危機を察したマナが波動障壁を展開していたが、それで威力を減殺されつつも鉄くずの弾丸はシュロを至近距離から捉え、

「うわあああッ!!」
「シュロ!」
「シュロはんッ!?」

大爆発を起こして彼女を吹き飛ばしていた。詠人の「ハングイーター」は、能力をコピー・使用する特殊能力だ。これを喰らうと、現在発動している能力が未発動にリセットされるため、「喰らう」とも表現される。
吹き飛んで蹲るシュロに、詠人は笑んだまま言う。

「どうだ? 自分の能力を喰らった感想は?」
「ぐ……」
「シュロッ!」

友人の危機に、思わず屋根から飛び降りて駆け寄るマナ。
だが、それが悪手だったことに一瞬遅れて気づいた。その時には、

「終わりだ、まがい物ッ!」
「! クッ……」
「マナちゃんッ!!」

家の前から響くランカの絶叫を置いて、詠人の腕がマナ目がけて振り落とされていた。そして、

「ぐおわああッ!!?」

横合いから突然襲ってきた「何か」が、彼を先程のシュロのように吹き飛ばして転がしていた。

「が、う、な、何、が……!?」

事態が把握できないのはマナも同じだった。咄嗟、瓦にかけていたリンクを解除し、それを“シーリングウェーブ”に同調させて探査する。
と、

「!」

感覚が人影を捉えた。詠人に攻撃を加えた、誰かを。
それは――――。




ほつれる因縁の糸車


(現れたのは……?)


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