[
板情報
|
カテゴリランキング
]
したらばTOP
■掲示板に戻る■
全部
1-100
最新50
| |
企画されたキャラを小説化してみませんか?vol.4
43
:
スゴロク
:2014/06/20(金) 10:36:17
スザクの能力についての話。単発です。
「……うーん」
その日、スザクはウスワイヤの訓練施設で一人頭を抱えていた。
周囲には破壊されたターゲットの残骸が散らばっているが、それが床といわず壁といわずそこら中にめり込み、あるいは突き刺さっている辺り、彼女が行っていた戦闘訓練の凄まじさを物語っている。
ここまで出来れば十分に一線級なのだが、彼女が悩んでいるのはそこではない。
「やっぱり、維持が難しいなぁ、朱羽剣」
カチナとの戦いで限りなく死に近づいた結果、元々持っていた特殊能力が変化した「焔天朱鳥」。それに伴い幻龍剣から進化した新たな武器・朱羽剣についてだった。
何を悩んでいるのかというと、この武器、形状の維持が難しい。
初めて使ったときは柄の部分がクチバシに変わっただけだったが、2度目の時は黒い蛇腹剣になっていた。3度目の今回は、なぜか真紅の刀身を伸ばした片手持ちの直剣。
しかも短時間しか持たず、形状の指定も出来ない。
強力ではあるが、なかなかに使いにくい武器だった。とはいえ、これを使いこなせなくては新たな能力を制御するのは難しい。辛うじて翼を構成しての飛行は会得したが、実際にはかなり使いどころを選ぶ能力だった。いまや名ばかりとはいえウスワイヤに属している以上、おおっぴらに能力を使うわけにも行かない。
「本当にコレ、どうやって使うんだ? 出し方としまい方はわかるけど」
軽く手を振ると、剣は赤い光になって消えた。多分ここにヒントがあるのだろう、とは思うが皆目見当がつかない。一度シノに聞いてみたこともあるが、前例がなさ過ぎて推測も困難だといわれた。
とどのつまり、現在スザクがここで訓練をしているのはそこに起因する。つまり、
「お疲れっス、スザク」
「シノさん」
外で訓練の様子を最初から最後まで見届けていたシノに、この力に関する解析をしてもらうためである。
「知識の悪夢」を持つ彼女の力は、いわば完全記憶だ。彼女はこれを使いこなすために、常日頃から「わかる」ための努力を重ねている。現状のアースセイバーでは、彼女以上の知識人はまずいないと言ってよかった。
「それで、どうでしたか?」
「んー、そうっスね……」
スザクの訓練の光景をつぶさに記憶したシノは、早速それを引き出して鍛えに鍛えた理解力と思考回路で分析を試みる。
「……アタシの考えだと、『焔天光』って言ったっスか? アレがキモっスね」
「焔天光が?」
「そうっス。あの剣は、多分あの光で構成された、いわばオプションっスね」
「……翼や盾と同じで、剣も焔天光から構成されたってことですか?」
頷くシノ。
「多分、スザクが本能的にイメージしてる、その時々で必要な剣の形を、そのまんまトレースしてるんスよ。はっきり意識したわけじゃないから、長時間維持することは出来ない」
「僕のイメージを……『偽』の時はそんなことなかったのに」
「大本の『龍義真精・偽』からして、ケイイチ君のアレとは全然違ってたっスからねぇ。ましてやそれが進化したとなると、どこまで行っても仮説の域を出ないっスよ」
デッド・エボリュート。スザク以前にはただ一人、都シスイだけが覚醒している、いわば「特殊能力のナイトメアアナボリズム」。アナボリズムの根源自体未だ不明瞭だというのに、その詳細がわかるはずもない。
「でも、シスイは思いっきり使いこなしてるんですよね……僕はそこが悔しい」
「アタシも一度見せてもらったっスけど、アレはスザクのと違ってスイッチが利く上に、元々の能力をそのまんま強化した力みたいっスからね。ノウハウは同じだし」
「むー……負けてられない」
ぐ、と拳を握り、一人対抗意識を燃やすスザクであった。
その頃、彼女の心の底。
「……よかれと思って構成の手助けしたけど……邪魔だったかしら?」
主人格・綾音は一人、ありもしない冷や汗を流していた。
朱雀、麒麟に対抗する
(片やのんびり、片や緊迫)
(この温度差は、何だろう)
十字メシアさんより「シノ」をお借りしました。
新着レスの表示
名前:
E-mail
(省略可)
:
※書き込む際の注意事項は
こちら
※画像アップローダーは
こちら
(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)
スマートフォン版
掲示板管理者へ連絡
無料レンタル掲示板