[
板情報
|
カテゴリランキング
]
したらばTOP
■掲示板に戻る■
全部
1-100
最新50
| |
企画されたキャラを小説化してみませんか?vol.4
1
:
しらにゅい
:2014/01/27(月) 22:11:13
ここはキャラ企画つれっどにて投稿されたキャラクターを小説化しよう!というスレです
本編とはかかわりがなく、あくまでもアナザーストーリーという扱いです
時系列は本編(2002年のGW4月28日〜)よりも前の話が主になります
本編キャラの名前が名字無しカタカナの為、小説ではそれに合わせた呼び方が多いです
人様のキャラクターを借りる時は、設定を良く見て矛盾が無いように敬意を持って扱いましょう
詳しい説明などは下のURLをご覧ください
ナイアナ企画@wiki―「はじめに:企画キャラとは」
http://www22.atwiki.jp/naianakikaku/pages/1057.html
過去スレ
企画されたキャラを小説化してみませんか?
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/sports/28084/1208562457/
企画されたキャラを小説化してみませんか?vol.2
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/sports/28084/1301901588/
企画されたキャラを小説化してみませんか?vol.3
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/sports/28084/1317809300/
企画されたキャラを小説化してみませんか?vol.3.5
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/14155/1330491756/
20
:
スゴロク
:2014/04/02(水) 20:39:29
>しらにゅいさん
わかりました、それではブラウ出撃! ということで。
「そこまで、だ。ヴァイス=シュヴァルツ」
「む……」
その声が響いた瞬間、常に余裕と嘲笑を崩さないヴァイスの表情が、はっきりと顰められた。ばっ、と後ろに飛びのく。
彼にこの顔をさせるのは、二人。
一人は以前関わって以来、ちょっとした勘違いからヴァイスを追い続けているシャルラ=ハロート。
そしてもう一人が、この男。
「またアナタですか。ブラウ=デュンケル」
「お互い縁があったということだ。これがな」
現れたのは、色合いと顔だけが違う、ヴァイスの鏡映しのような男。ブラウ=デュンケルを名乗る男だった。
その目線が、ちらりと「シャットアウト」で隔離された千鶴に向けられる。
「……奴にいろいろ言っていたようだが、遅きに失したな」
「? どういう……」
「今の意見は、あるいは異見は、奴が『人間』であるという前提がなければ成立しないからな」
つまり、今のヴァイスはもはや人間ではないのだと。
「死体が発見された時点で奴は人間としての存在を放棄している。今の奴は、ヴァイス=シュヴァルツの姿を取った現象そのものだ」
「……間違ってはいませんがね」
「だろうな。でなければ、貴様の操り人形だった俺がこうして自由意志で動ける理由がない」
聞き捨てならない言葉に詠人とマナが一瞬反応したが、ブラウは一瞬だけ目線を向けるとまたヴァイスを見る。
「……さて、さっきの指摘について何か言うことはないのか? 貴様のことだ、反論はいくらでも用意しているだろう」
今のヴァイスは、言うなれば「ヴァイスという男を構成していた要素」を拾い出して具現化させたような存在だ。
それくらいはあり得るだろう、と予測していた。
「そうですねェ。そもそもワタシは、特に何かを求めて事件を起こしているワケではありませんしね」
「愉快犯だからな、貴様は」
「ワタシが楽しければそれでいいのです。……と思っていたのは『生前』の話でしたが」
つまり?
「今は本当に何一つ目的はありません。言うなれば事件を起こすことそのものが目的です」
「……何だと?」
「今のワタシには時間すらも無意味な概念です。かつてのワタシは完全な愉快犯でしたが、今はそのようなレベルでは動いていません」
「どういうことだ……なら、何故僕を!?」
詠人の叫びにも、何でもない事のように答える。
千鶴へ話しかける形で。
「チヅルさん、先程アナタはワタシの演出を独りよがりであり、情愛という視点が欠けているがゆえにつまらない、ゆえに演出家を気取るのはやめた方がいいと。神の真似事であるがゆえに下らないと、そう言いましたね」
しかし、
「ワタシという存在は、その根幹が『神』という存在、あるいは概念の模倣という側面を持っています。ですから、どう足掻こうとワタシのすることは神の模倣でしかないのですよ」
千鶴の言うような「面白さ」が現れることは、ヴァイスである限りあり得ない。
21
:
スゴロク
:2014/04/02(水) 20:40:07
「ありきたりなのも当然です。何故なら、ワタシはそもそも造り出すことを最初から求めていないのですからね」
「それは」
「『人間』だからこの辺りが限界……ですか? さあて、それはどうでしょうかね」
今も昔も、この男は容易に本音を悟らせない。表に出ている言葉や態度が真か偽か、確かめる方法はないのだから。
「今のワタシの存在概念は『原因』。答えなき問いの答え、理由なき事象の理由となるコトがワタシの存在です」
つまりは「だいたいこいつのせい」である。
「そこに情愛など必要ないのですよ。重要なのは、それによって事象が確定するコトです。それがどれほど有り触れた、つまらないものであっても、原因となるならば問題などないのですよ」
面白さを求める段階はとうに過ぎ去り、今は演出そのものが手段に切り替わっている。
千鶴の指摘は「作品」に対する評価のようなものだったが、ヴァイスはそもそも他者の評価というものを求めていない。ましてや今は、「作品」はただの手段。
他者からみてどれほど下らなかろうと、それは問題ですらないのだ。
「同時に、ワタシ個人の目的というものも消えました。まあ、演出を続ける中で何かしら面白そうなことが起きないか、とは考えていますが」
それでもやはり、本質は変わらない。人を操って嘲笑する、愉快犯。
ヴァイス=シュヴァルツとはそういう遍在だった。
「……あなたは……何なんですか」
千鶴の呟きは、まさに心底からの疑問、と言った風情だった。
ヴァイスは帽子を深くかぶり直して視線を隠し、その裏から言う。
「さあて、ね。演出家、道化師、愉快犯、人形遣い、あり得ざる遍在、眠らぬ死者、神の手違い、あざ笑う者、闇の彷徨者……」
さて、
「ワタシは、何なのでしょうねェ……?」
黒ずくめの男の姿をしたナニモノカは、そう言ってくつくつと嗤った。
永遠にも似たしばしの静寂の後、ブラウが口を開いた。
「……貴様が何なのかなど、どうでもいい。ただ、殺すだけだ」
「さすがにそれは御免被りたいですねぇ。このワタシが死んだところで、それはヴァイス=シュヴァルツという存在の消滅を意味するところではありませんが……」
どこまで本気かわからないような声音で、ヴァイスは首を竦めつつ言う。
そんな黒ずくめの男を複雑な感情を宿した目で見る、詠人。
「……だとしても。僕が、お前を見逃す理由にはならない」
「見逃す見逃さないではありません。ワタシがどうするか、なのですよ」
逃げようと思えばいつでも逃げられる。ただ、退屈しのぎにこうして話に興じているだけなのだと。
「それに、今まで自分が為したコトを棚に上げて言いますか? 厚顔無恥とはこのコトですね」
「言われる筋合いはない、お前には」
ばっさりと切り捨てたのはマナだ。詠人を庇うように一歩前に出る。
「今の言葉を返してやる、そっくりそのまま」
「……ふむ。これは困りましたねェ」
全く困ってなどいない、むしろ面白そうな顔で、ヴァイスはその言葉を受け取る。
「お前の言葉はただの呪い。聞く価値はない、全く」
「では、どうしますか?」
「決まっている」
きり、と睨み付け。
「―――ここで、終わらせる」
差し上げた手で、
「―――“ウェーブファンクション・リミテッド”」
指をひとつ、打ち鳴らす。
22
:
スゴロク
:2014/04/02(水) 20:40:39
瞬間、場の空気が、いや流れが、明らかに「変わった」。
「!!? こ、コレは!?」
「……馬鹿な!? この力は……」
はっきりと驚きをあらわにしたのは、自身既に現象そのものに近いヴァイスと、マナの成したことを「見」たブラウの二人。
ついて行けず当惑する詠人やシュロ達に、マナは淡々と説明する。
「私の『ウェーブリンク』は波動を操り、また同化する力。超音波、電波、真空波、電磁波、物質波、脳波、重力波、光波……波とつくものは全て私の思うが儘」
それは、何を意味するのか?
「……ねえ。『波動関数』って知ってる?」
「……わかんないよ、マナちゃん。それ、何なの?」
「波動関数とは、簡単に言うと『何かの状態そのものを波として表した概念』のコトよ。波というものは、重ね合わせの概念を実現する……つまり、1つのナニカが、全く異なる状態を同時に取り得る、そんなコトを引き起こせる」
しかし、
「世界の構造上そんなコトは無理。状態は必ず、1つに収束される」
「つまり……どういうことなんだ?」
「……私の“ウェーブファンクション”は、物質、状況、なんでもいい、それらの状態を波として捉える技法。そして“リミテッド”は、それを私の望む形に収束させる力」
ここに来てマナが何をしたのか理解した面々が、一様に最大の驚愕を表に現した。千鶴や、ヴァイスですらも。
「ま、さか……」
ブラウの絞り出すような声に、マナは―――ニヤリ、と嗤う。
「―――そうよ」
「私は、私の望むままに状況を規定することが出来る。世界を波として捉え、そこに私という『観測者』を規定することで、淘汰された可能性を引き寄せて実現化する……それが、私の特殊能力」
……もはや、絶句するしかなかった。そして、それを聞いたランカとアズールは、まさにそれが齎したであろう結果に思い当たって驚愕した。
「! ほ、ほな……」
「まさか、お母さんや琴音さんが帰って来たのって……!?」
「多分、それも“リミテッド”の作用ね。死んで『ここからいなくなった』二人を、私は観測して『ここにいる』と認識していた。そこに諸々の要素が重なってたまたま“リミテッド”が発動して……」
「……マナちゃんの観測した『二人がここにいる』って認識を、現実に持ってきたってワケか」
シュロの推測に「恐らくは」と注釈しつつ頷くマナ。
つまり彼女は、正しく「世界を左右する力」を手に入れたのだ。
その力を、彼女、夜波あらため白波 マナはどう使ったのか?
「……この力も万能ではない。あったコトをなかったコトには出来ない」
事実として規定されている事柄を覆すことは出来ない。アカネと琴音の場合は、『ここからいなくなったが、もう一度戻って来た』という流れを造り上げたのであり、二人が死んだという事実を覆したわけではない。
「けれど、その逆。なかったコトを実現させるコトは、出来る」
つまりは、予想外の事態を任意に引き起こせる。
「この状況を覆すために、私が望むのはずばり介入者」
「助っ人?」
「そう。ヴァイス、お前を倒すために、あるいは状況を進めるために、もっとも適任となる存在」
マナがそこまで行ったところで、突然「流れ」が途切れた。
同時に“リミテッド”がその作用を顕在化させ、マナが望んだ「適任」がどこからともなく、現れる。
「……ほら。もう来てくれたわ」
微笑んでマナが見やる、そこにいたのは――――。
集束する、可能性
(少女の指先が導く未来は―――?)
(六x・)さんより「アズール」紅麗さんより「シュロ」しらにゅいさんより「八十神 千鶴」をお借りしています。
パスに対してさらにパスを返すという……。
新着レスの表示
名前:
E-mail
(省略可)
:
※書き込む際の注意事項は
こちら
※画像アップローダーは
こちら
(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)
スマートフォン版
掲示板管理者へ連絡
無料レンタル掲示板