[
板情報
|
カテゴリランキング
]
したらばTOP
■掲示板に戻る■
全部
1-100
最新50
| |
企画されたキャラを小説化してみませんか?vol.4
1
:
しらにゅい
:2014/01/27(月) 22:11:13
ここはキャラ企画つれっどにて投稿されたキャラクターを小説化しよう!というスレです
本編とはかかわりがなく、あくまでもアナザーストーリーという扱いです
時系列は本編(2002年のGW4月28日〜)よりも前の話が主になります
本編キャラの名前が名字無しカタカナの為、小説ではそれに合わせた呼び方が多いです
人様のキャラクターを借りる時は、設定を良く見て矛盾が無いように敬意を持って扱いましょう
詳しい説明などは下のURLをご覧ください
ナイアナ企画@wiki―「はじめに:企画キャラとは」
http://www22.atwiki.jp/naianakikaku/pages/1057.html
過去スレ
企画されたキャラを小説化してみませんか?
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/sports/28084/1208562457/
企画されたキャラを小説化してみませんか?vol.2
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/sports/28084/1301901588/
企画されたキャラを小説化してみませんか?vol.3
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/sports/28084/1317809300/
企画されたキャラを小説化してみませんか?vol.3.5
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/14155/1330491756/
17
:
しらにゅい
:2014/03/31(月) 21:31:25
『八十神千鶴は物言うだけ』
千鶴は、ヴァイス=シュヴァルツという人物を目にしたことはなかった。
話に聞くと、彼について3つの特徴があるらしい。
まず、1つ目は彼の能力は主に思考を支配し本人の意図しないアクションを起こさせること。
2つ目は彼が愉快犯であること。
3つ目はといえば…彼が既に亡き者である、ということだった。
「○月△日のニュースを見たか?あの黒ずくめの男が殺された、ってニュース。どうやら、ヴァイス=シュヴァルツ本人らしいぞ。」
情報提供者である日出太陽にそう断言され、千鶴は肩を落としたのだった。
彼女は彼の手掛けた事件を見ていて思うところがあり、その思いを伝えるべく計画を立てていたのだが、その一言で砕けてしまったからだ。
「…それすらも思わせられてるんじゃないんですか?」
負け惜しみのように言ったが、太陽は首を横に振り、平和が一番じゃないか、と呟いた。
確かに何事も無いのが一番だが今だけは少し、彼が恨めしい。そのような経緯もあり、千鶴の中ではヴァイス=シュヴァルツという存在は死んでいた。だから彼が生きていた事は、この瞬間になるまで分からなかったのだった。
尚、彼女が以前ヴァイス=シュヴァルツと接触し会話した事についてはもちろん、気付いていない。
----
「…貴方が、ヴァイス=シュヴァルツ…さん?」
一瞬即発、そんな雰囲気を漂わせている場に相応しくない、か細く尋ねる声。
千鶴の視線の先には件の人物、ヴァイス=シュヴァルツが夜波マナと対峙している。
夜波詠人を惑わし、妹へ怒りの矛先を向け、それを傍観し嘲笑していた男。
ヴァイスは掛けられた声に気付き、顔を向けると笑う。
「…おや、貴方には以前、お会いしましたね。」
亡霊を思わせるような不気味な笑みを余所に、千鶴は首を傾げ、素直に尋ねる。
「え、初対面…ですよね?」
「覚えていらっしゃらないんですか?あの時、お茶会をしたじゃないですか。」
お茶会、と言われ、千鶴の脳裏に浮かんだのはいつかの霜月堂での出来事。
あ、と声を上げ、千鶴は驚いた。それはヴァイスが死亡を偽装する前の事だったが、既に彼女はヴァイスに出会っていたのだ。
気付いた彼女は思わずこんな事を呟く。
「名刺とか、準備しておけばよかった…」
「後でサインでも書きましょうか?」
ヴァイスがジョークを飛ばせば、千鶴は、え、と本気で反応したが、マナが視線を配り、暗に引き止めた。
「下がってて、こいつはきけ、」
「私、貴方に言いたい事があったんです。」
しかしマイペースに、彼女の制止を聞かず千鶴はヴァイスへと話しかける。
ほう、と興味深そうに彼が呟いた後、彼女は少しだけ間を空け、想いを告げた。
「貴方って、面白く無いですね。」
沈黙。
彼が口を開く前に、更に千鶴は思いの丈を述べた。
「独り善がりの作品だから仕方が無いと思うんですけどなんだかパターン化してませんかねもっと言っちゃうとありきたりな気がするんですあと時間が掛かり過ぎてるとも言うんでしょうか他の人々が事件について関わり始めてやがて一つの場に収束するっていうのはよく使われる手法なのですが都市伝説としては広まりすぎてると思うんですよねというか都市伝説ですらない神秘性が掛けています私貴方が関わったであろう事件を今まで見てきたのですがあれぐらいにしか出来ないのはやっぱり独り善がりだからですかね仕方ないですよねでも視野が狭いあれが足りないからですねきっと大体壊す事だけにしか縛ってないからパターン化しちゃうんです独り善がりですものねでももしですよそれで演出家を気取ってるなら辞めたほうがいいと思います。」
言葉の羅列。感想を述べるにしては、賛辞の言葉が備わっていない、ただの批判であった。
ヴァイスに対し言葉で責めた相手は確かにいたが、千鶴はヴァイス個人というよりも、彼の事件…いや、彼の脚本を責めた。
18
:
しらにゅい
:2014/03/31(月) 21:32:27
当の本人は、といえば、突然、
「ハ、ハハハハ!!」
腹を抱えて、笑う始末であった。それもまるで、演じるかのように大袈裟な動作をして。
ひとしきり彼は笑った後、千鶴に向けて拍手をした。
「いやはや、伝えたい事とはそういう事だったのですね。貴重なご意見、ありがとうございます。…それで、何が足りないのですか?」
「気付かないんですか?」
「ええ、ですから教えて頂きたいのです。」
言葉は丁寧だが、ひとつも汲んでいないであろうとマナは察している。
この男に何かを訴えたところで通用するわけがないと知っていたからだ。
千鶴は少しだけ、残念そうに表情を浮かべた。
「貴方が下らないと嗤った『情愛』が無いんですよ。」
今度はヴァイスが、眉を顰めた。想定していた答えに、返事を返す。
「貴方は私に触れたのなら、分かるでしょう?情愛なんて、必要ない。何故人形を愛でる必要があるのですか?」
「神は人を愛でます。」
千鶴は、ヴァイスを真っ直ぐと見つめ、そう答える。
得体の知れない奇妙な感覚を覚えたが、あの日、千鶴に触れようとした時の感覚と似ている事に彼は気が付いた。
「神は人を平等に愛でる、その上で試練を課します。それは、人間では想定出来ないほどの残酷な試練を彼の者に与えます。そこに慈悲などありません。貴方は『人間』であるにも関わらず、その要素を棄てている。その上で神のように啓示をし、掌で操っている。だから、貴方の作品は面白く無いのです。…もっとも、『人間』ならこの程度が限界だと思いますけどね。」
「下らない、神の真似事をしているから面白くないと仰るのですねぇ。」
「んー、先駆けた人物がいれば、その者と比べてしまうのは当然だってヴァイスさんだって知ってますよね?」
それが皮肉かどうかは千鶴本人にしか分からなかったが、ヴァイスは聞き入れることはなかった。
「…面白いお話をどうもありがとうございます。」
そして気が付けば、彼は千鶴の前へと立っていた。
「千鶴さん!!」
「お礼に、貴方にも面白いものを見せてあげましょうか。」
詠人の叫びは虚しく、彼女に催眠が施される___
「そこまで、だ。」
筈、だったが、千鶴の視界は突如、藍色に染まったのであった。
新着レスの表示
名前:
E-mail
(省略可)
:
※書き込む際の注意事項は
こちら
※画像アップローダーは
こちら
(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)
スマートフォン版
掲示板管理者へ連絡
無料レンタル掲示板