したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |
レス数が1スレッドの最大レス数(1000件)を超えています。残念ながら投稿することができません。

( ^ω^)ブーン系小説練習&イラスト総合案内所のようです

562名も無きAAのようです:2017/03/31(金) 03:22:58 ID:.53Hp85M0

先ほどまで降っていた春雨で少し湿った風が頬を撫でるのを感じながら、私は煙草に火を点けた。
河原沿いまで続くアスファルトを踏みしめながら、口に咥えた毒がジリジリと音を立てて燃焼していく。
めっきりと人通りが減ったこの時間では、自分の足音とそんな些細な音が残酷な程クリアに聞こえる。
満たされぬ心を埋める代わりに、肺に煙を深く落とし込んで自分を誤魔化して夜を歩く。
河原まで着いた私は、煙草を携帯灰皿に押し付けて揉み消し、パテ替わりのそれをもう一本胸元から取り出し火を灯した。

(,,゚Д゚)y-「ふぅ」

少し間を空けて、煙を吐き出した。
吐き出された煙は生暖かい風と少しだけ戯れた後、霧散して消えていった。
対岸にはマンションがあり、爛々と蛍光灯が輝いている。
およそ、情緒を求めるには不向きな場所である。
だが、昔から何かが胸に痞えると此処に足が向いてしまう。
ロマンチックな思い出があるわけではない。
私がまだ少年と呼ばれる年齢だった頃、友人達と良く溜まり場にしていた場所だ。
特に内容の無い話をいつまでも続け、気が付いたら日が昇っていた事も少なくない。

.




掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板