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( ^ω^)剣と魔法と大五郎のようです

190 ◆x5CUS.ihMk:2016/10/29(土) 21:51:07 ID:eV43cX2A0

 その店はサロンの中心部にありながら、裏路地を少し奥へと入った場所にひっそりと建っていた。
 看板は古びており、風雨に摺り切られて文字は読めない。
 もう何度もここには通っていたが、未だになんという名であるのか知らないままだ。

  _,
( ゚∀゚) 「……騒がしいな」


 ジョルジュ・ナガオカは、店の戸を開けようとしていた手を止め、来た道を振り返る。
 やや薄暗い路地の向こう。
 日のよく当たる大通りを、酒を飲んだ風の男が数人、大声を張り上げながら歩いてゆくのが見える。

 顔は良く知れないが、風体はサロンの市民とは異なる。
 恐らくは大五郎の傭兵だろう。
 眉間に深い皺が寄り、奥歯に苦虫をかみつぶす程度の力が入った。

 己が堪忍袋を締め直す為に小さく頭を振って、ジョルジュは店の戸を開ける。
 久々に取れた休息の時間だ。余計なことに気を取られず、せめて好物で腹を満たさなければならない。

  _
( ゚∀゚) 「いつものトーストを頼む」


 不愛想な初老の店主とそれだけの言葉を交わし、ジョルジュは奥の角のテーブルへ。
 構造上人目につきにくく、他の席とも離れているため落ち着けるお気に入りの席だった。
 
 だが。
  _,
( ゚∀゚) 「……なぜ、お前がここにいる」

 目的の席に座ってる先客の顔を睨む。
 その男は不機嫌なジョルジュの顔を見て、顔をゆがめて「グググ」と笑った。


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