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レス数が950を超えています。 1000を超えると投稿できなくなるよ。

( ^ω^)達はアインクラッドを生きるようです。

1 名も無きAAのようです :2016/05/27(金) 22:01:24 ID:mYwEn/c20
立ったら投下できる。

905 名も無きAAのようです :2017/07/28(金) 13:57:30 ID:8iDbeRIE0
えと、大丈夫か?

906 名も無きAAのようです :2017/07/28(金) 19:43:05 ID:k/arqYHY0
今月投下だったな、確か。頑張れー!

907 名も無きAAのようです :2017/07/29(土) 03:19:57 ID:1iklk.Zg0
前回も滑り込みセーフだったし、気長に待ちましょうや、ね?

908 ◆dKWWLKB7io :2017/07/31(月) 19:33:46 ID:dmMfqlnI0
どーも作者です。

忙しいのは良いことだ

なんてことを思っていた時期が自分にもありました。

みんな、夏風邪には気を付けよう!

ばかがひくんだぜ!


ということで投下を開始します。

今回も宜しくお願いします。

909 ◆dKWWLKB7io :2017/07/31(月) 19:37:21 ID:dmMfqlnI0

30.




( ^ω^)『……いつもの空間だお』

ブーンが心の中でそんなことを思った時、
既に決着はついていたのかもしれない。

( ^ω^)『……空を飛んでいるようだお』

巨大蟷螂の周りを縦横無尽に飛びまわるブーン。

流石に空中での方向転換や停止は出来ないが、
巨大蟷螂の周囲を走り回りながら跳躍するその姿は
『飛んでいる』ようにすら見えた。

( ^ω^)『……その攻撃は当たらないお』

蟷螂の攻撃をすべて躱すブーン。

いや、『躱す』という言葉には当てはまらないかもしれない。

蟷螂がブーンに向けて攻撃を繰り出そうとしたその時には、
既にその場からブーンが移動しているのだから。

( ^ω^)『……動きが全て見える。
……もしかして、ショボンはいつもこんな世界を見ているのかお』

蟷螂の全ての動きが見え、予測できる。

しかも今の彼には『速度』があった。

左手に持った剣で回転しながら蟷螂を切り裂く。

切り裂いた瞬間に左手を開いて剣を離し、
上から落ちてくる剣を右手で掴むと回転したまま再度切り裂く。

.

910 ◆dKWWLKB7io :2017/07/31(月) 19:38:59 ID:dmMfqlnI0

( ^ω^)『……ツンやショボン、兄者ほどじゃないけど、
プギャーもブームもここまでやってくれるなんてすごいお』

視界の隅にブーンの動きを見ながら取り出した剣を放り投げるプギャーとブーンが居た。

先の攻撃は剣が落ちてくる場所を予想しつつ行った攻撃だった。

( ^ω^)『……両手剣のスキルが無いのはダメだおね。
両手で武器を持つとエラーになるとかもっとダメだお』

《天使の神速斬》

ツンが名付けた《天使の神速斬(エンジェルホライズン)》は、
ブーンが限界まで速度を上げて目標の周囲を駆け、
跳びながら剣で攻撃をする技である。

その肝は速度もさることながら、
武器を両手で使うことにあった。

ブーンの言葉通り、現在アインクラッドでは両手に一本ずつ剣を持つことは出来ない。
《両手剣》といったスキルは発見されていないし、
試しに両手に武器を持ってみると、
両方の武器がエラーとなって《武器》として使用が出来なくなる。
しかし片手で持つ武器は右手用左手用といった分け方はされておらず、
また個人の利き手設定なども無い。
これにより、右手で武器を持って攻撃した後に武器を離し、
すぐ後に左手で武器をもって攻撃することは可能だった。

もちろんそんなことをする意味は全くない。

片方の手に持った剣で普通に二度攻撃する方が効率が良いのだから。

ただ、ブーンには活路に思えた。

自分の持つ足を、速度を最大限に利用した『必殺技』を作れるのではないかと思ったのだ。

《速度》

仲間たちが自分方向性を決めた時、
ブーンは皆のサポートをする為の『鑑定』と『道具屋』を選んだ時、
戦闘に対する自分の存在を見出そうとした時、
彼は《速度》を選んだのだった。

.

911 ◆dKWWLKB7io :2017/07/31(月) 19:40:17 ID:dmMfqlnI0

パーティーの中で誰よりも早く攻撃をする。
敵よりも早く初撃を当てる。

知識や技能、戦闘能力以外で戦闘に貢献するためにはこれが良いと考えた。

そして速度に特化した能力構成を行いつつ、
それだけでは弱体化する部分を武器と防具、アイテムで補いつつ、
辿り着いた先がこの技だった。

テストタイプのナーヴギアを利用していることにより、
おそらくは通常よりも早く動けるこの身体。

けれど全速力で動くと30秒ほどで酷い頭痛が襲うこの身体。

その限られた時間の中で出来るだけ攻撃をする。

その為に武器を選び、防具を選び、装備品を探し、アイテムを身に付けた。

そして兄者が量産できるようになった天使の名を持つ片手剣を得て、
《天使の神速斬(エンジェルホライズン)》は完成した。

( ^ω^)『……耐久値がもう少し高ければいいのに』

ブーンが右手でふるった剣が砕け散りポリゴンに変わった。

『エンジェル・フェザー』
中層で持てる片手剣の中では攻撃力も高い方に分類され、
更に鍛冶屋で添加剤を使って鍛える事により付加できる能力も数多くある剣だが、
大きな弱点として耐久値が弱かった。

一回のダンジョン探索でメンテナンスしなければ使い物にならなくなってしまう剣。

そんな使い辛い剣を愛用する者は少ない。

しかしその基本攻撃能力値と軽さはブーンの戦い方に合致していた。

そしてその耐久値の低さを量でカバーしているのがこの技だった。

.

912 ◆dKWWLKB7io :2017/07/31(月) 19:42:39 ID:dmMfqlnI0

( ^ω^)『……周囲にいてくれれば、
ツンやショボンを戦闘させないで済むかなと思ったんだけど、
あの二人がそれで良しとするわけがないんだおね』

砕け散った剣がポリゴンをまき散らす中、
既に反撃する意思すらもなくしたかのように棒立ちとなった巨大蟷螂。

その周囲を
《跳ぶ》
ブーン。

思考の八割を敵の動きと、
飛んでくる片手剣と地面に落ちている片手剣の位置取りに割きつつ、
残りの二割でスローモーションの世界と戦闘以外の事に意識を置いているブーン。



.

913 ◆dKWWLKB7io :2017/07/31(月) 19:44:18 ID:dmMfqlnI0
>>912修正


一人でもある程度は出来る様に最初に剣をばらまいたり、
左手の剣を離した瞬間に右手でクイックチェンジを行えるようにした。

だがやはり最大火力の《天使の神速斬(エンジェルホライズン)》を行うには、
周囲から剣を投げ入れてもらう必要があった。

( ^ω^)『……周囲にいてくれれば、
ツンやショボンを戦闘させないで済むかなと思ったんだけど、
あの二人がそれで良しとするわけがないんだおね』

砕け散った剣がポリゴンをまき散らす中、
既に反撃する意思すらもなくしたかのように棒立ちとなった巨大蟷螂。

その周囲を
《跳ぶ》
ブーン。

思考の八割を敵の動きと、
飛んでくる片手剣と地面に落ちている片手剣の位置取りに割きつつ、
残りの二割でスローモーションの世界と戦闘以外の事に意識を置いているブーン。


.

914 ◆dKWWLKB7io :2017/07/31(月) 19:46:08 ID:dmMfqlnI0
( ^ω^)『……少し、頭が、重く、なって、きたお……。

頭痛が始まると、一つのことしか考えられなくなるお。

もっと、いっぱい、いろんなことを、考えなきゃなのに。

だめだおね。

目の前の敵を倒すことだけに意識が集中しちゃうお。

いまは、あの、紫の塊だお。

あれが何だろうと、関係ないお。

ただ、『あれ』を倒すだけになってしまうんだお。

ああ、紫色の塊がポリゴンに変わった。

ああ、頭が痛いお。

でも、みんなを守らなきゃ。

痛い……。

もっと、早く、

……痛い……。

もっと。早く。

痛い…痛い…痛い…痛い…

誰にも、負けない、速さで、全ての、物を、切り裂いて。

痛い…痛い…痛い…痛い…

痛い…痛い…痛い…痛い…

痛い…痛い…痛い…痛い…

痛い…痛い…痛い…痛い…


◇『ξ゚⊿゚)ξ『そこまでよ!ブーン!終わりなさい!』』


…… …… ……ああ……ツン……良かった………』
.

915 ◆dKWWLKB7io :2017/07/31(月) 19:49:19 ID:dmMfqlnI0

31.




(キリト)「武器の移動?」

*(‘‘)*「はい。
片手剣を移動しています」

(アスナ)「っと、どういうことかな?」

*(‘‘)*「……始まったみたいですね。
見ていてください」

ヘリカルが出しているウインドウは五つ。
そのうち四つは画面が出ており、
残りの一つには黒い画面に『Unable to connect』と記されている。

*(‘‘)*「私のウインドウ、つまり私のフォルダに保存しているこの武器を、
武器を実体化させて空きが出来たこのパーティー用の共通フォルダに送ります」

(キリト)「はあ」

(アスナ)「うん」

*(‘‘)*「そして私は……」

一歩後ろに下がるヘリカル。
するとウインドウの表示が変わり、
五つのうち三つが『Unable to connect』に変わった。

*(‘‘)*「私がオーナー設定してある道具屋の倉庫に、
階層や街は異なっても『街』に入っていればつながることが出来るので、
倉庫から自分のフォルダに剣を移します。
そしてまたダンジョンの中に居る三名の方に繋がってから……」

一歩前に出るヘリカル。

.

916 ◆dKWWLKB7io :2017/07/31(月) 19:50:25 ID:dmMfqlnI0

再び画面表記が変わった。

*(‘‘)*「剣を共有フォルダに移していきます」

(キリト)「な、なんだそりゃ」

(アスナ)「えっと、つまり、
さっきから前後に移動しているのは『街』と『フィールドダンジョン』を移動するためで、
『街』に居る時はお店から剣を取り出して、
『ダンジョン』に居る時は先のエリアに居るパーティーの人に
片手剣を送っているってことでいいのかな?」

*(‘‘)*「はい。その通りです」

会話しながら作業を続けるヘリカル。

(アスナ)「そんなこと、出来るんだ。
同じダンジョン内や同じ町に居る時は共有フォルダを使えることは分かってたけど」

(キリト)「で、でも、なんで片手剣なんだ?
回復ポーションとかクリスタルならまだしも。
片手剣なんてそんな大量に使う物じゃ」

*(‘‘)*

ニッコリとほほ笑みながら作業を続けるヘリカル。

(キリト)「な、なあ」

(アスナ)「ちょっと、キリト君」

(キリト)「そりゃマナー違反だけど、
アスナだって気になるだろ?
どんな戦闘をしているか」

(アスナ)「気にならないと言えばうそだけど……」

*(‘‘)*「流石にそこまでは話せません」

(アスナ)「そうよね」

(キリト)「うぅ……」

.

917 ◆dKWWLKB7io :2017/07/31(月) 19:51:52 ID:dmMfqlnI0

(アスナ)「って、あれ?ヘリカルちゃん?」

*(‘‘)*「はい?」

二人と話すヘリカルはウインドウの操作をしていなかった。

(アスナ)「もうやらなくていいの?」

*(‘‘)*「はい。もう終わったみたいです。
もうすぐメッセージも来ると思うので、
それがきたらとりあえずは終了です」

(キリト)「一分もかけずに終わらせることが出来る。
倒せるってことか」

(アスナ)「キリト君!」

ヘリカルに顔を近づけるキリトの頭を叩くアスナ。

HPが減ることは無いが、
衝撃で頭をおさえるキリト。

(キリト)「おまっ」

(アスナ)「いい加減にしなさい!」

(キリト)「だってよぅ」

*(‘‘)*「お二人は仲が良いんですね」

(*アスナ)「えっ」

(キリト)「ヘリカルちゃん、
何処をどう見たらそういう感想が出るのかな?」

(アスナ)「……」

.

918 ◆dKWWLKB7io :2017/07/31(月) 19:53:42 ID:dmMfqlnI0

(キリト)「い、いや、ほら、
天下の血盟騎士団の副団長様、
閃光のアスナ様とこんなソロプレーヤーが仲が良いとかさ」

(アスナ)「……」

(キリト)「へ、ヘリカルちゃんは一人でお店やってるのかな?
凄いね」

じっとキリトを見ていたアスナだったが、
あからさまに話題を変えたその姿を見て溜息を一つついた。

(キリト)「な、なんだよ……」

(アスナ)「なんでもありません。
ヘリカルちゃんごめんね。
変なことばっかり聞いちゃって。
……ヘリカルちゃん?」

アスナの目の前で、
ヘリカルが握った右手で胸を押さえていた。

ウインドウを見る目も少しだけ潤んでおり、
アスナが慌てて横にしゃがむ。

(アスナ)「大丈夫?
調子が悪いならどこかで横になろうか?
もうやることも終わったんだよね」

*(‘‘)*「……独りじゃ、ないんですよ……」

(アスナ)「え?」

*(‘‘)*「お兄ちゃんが、いるんですよ……。
ここに……」

そう言って、胸の前で右手をぎゅっと握る。

(アスナ)「……ヘリカルちゃん……」

.

919 ◆dKWWLKB7io :2017/07/31(月) 19:59:02 ID:dmMfqlnI0

*(‘‘)*「ずっと、一緒なんですよ。
会えないけど、ずっと、一緒なんですよ」

(アスナ)「……」

(キリト)「……」

ヘリカルの隣、アスナとは反対側に立ち、
少しだけかがんだキリト。

(キリト)「そっか。ずっと、一緒なんだな」

キリトの言葉に、
ヘリカルが画面を見ながら少しだけ頷いた。

*(‘‘)*「一緒……なんですよ」

空を見上げるヘリカル。

*(‘‘)*「お兄ちゃんも、一緒に戦っているんですよ」

ヘリカルの呟きに、
両側の二人がほんの少しだけ視線を伏せた。





.

920 ◆dKWWLKB7io :2017/07/31(月) 20:00:36 ID:dmMfqlnI0

32.



『ここからはおれが指示を出す!』




その声を聞いた瞬間、クーはニヤリと笑った。

そしてデミタスは大きく目を見開いた後何事も無かったように襲撃者の武器を払い、
ミルナも驚いたように一度顔をこわばらせたが、
すぐに小さく笑みを漏らした。

唯一純粋に驚いたトソンは思わず声のした方向を見ようとしてしまったが、

川 ゚ -゚)「トソン!カウント10秒!」

(゚、゚;トソン「え、あ、は、はい!」

すぐにその意図に気付いて心を落ち着かせ、
少しだけ呆れたように肩をすくめた後に目の前の兵隊蟻に攻撃を与えた。

『俺の声は仲間にしか届かない!』

そして再び声が響く。

.

921 ◆dKWWLKB7io :2017/07/31(月) 20:04:28 ID:dmMfqlnI0

因みにエクストは、

<_プー゚)フ「ぎゃははははははっは……」

最初の声の後いきなり笑いだして嬉しそうに武器を振り回して襲撃者を襲い始めたため、
それに関しては誰も何も触れなかった。

( ゚∋゚)『おれはクックル!ミルナ!トソン!落ち着いて対応してくれ!』

( ゚д゚ )「!クッ……ク―!次はどうする!」

(゚、゚トソン「8、9、10!クッ……ク―さん!次の指示を!」

川;゚ -゚)「と、とりあえず引き続き蟻を誘導してくれ!
(『クッ……ク―』って、なんか嫌だ。
っていうか、トソンは絶対わざとだろそれ)」

( ゚∋゚)『二人ともありがとう!説明は後でする!
まずはこの場を収めよう!
フォーメーションは今まで通りだが』

自身の硬直が終わった後、
巨大蜘蛛を追加攻撃するクックル。

巨大蜘蛛は更に後方に押されて動きを止めた。

( ゚∋゚)『ダウン状態!
この五秒で体制を整える!』

走るクックル。
巨大蜘蛛を攻撃しつつ五人を見渡せる位置に移動した。

( ゚∋゚)『デミタス!エクスト!そのままそいつらを攻撃!
一回撤退させろ!
ミルナとトソンは引き続き蟻の誘導!
クーは残りの襲撃者が出た時の対応を!
場所はおれが指示を出す!』

クックルの指示に少しだけ頷く仕草を見せて攻撃を始めるクー以外の四人。

.

922 ◆dKWWLKB7io :2017/07/31(月) 20:07:53 ID:dmMfqlnI0

クーは移動しながら二匹の蟻を攻撃している。

( ゚∋゚)『おれはこの位置で指示を出す!
俺を狙う襲撃者フォローはデミタス頼む!
常におれを視界に入れる様にして見ていてくれ』

クックルの指示は高度なものだったが、
デミタスは躊躇することなく小さく頷いた。

( ゚∋゚)『エクストは前から蜘蛛を攻撃!
おれは後ろから追撃する!
デミタスはエクストもフォロー!』

エクストの両手剣が唸り、
デミタスは指示の意味を受け取って位置を変える。

( ゚∋゚)『クー!ミルナの右に敵!
ミルナはそのまま蟻を誘導!
トソンは右を警戒しつつ蟻の位置を維持してくれ!』

飛び出してきた襲撃者の片手剣をはじくクーの薙刀。

ミルナはそのまま蟻を誘導し、
トソンは右側の茂みを意識しつつ蟻と戦う。

( ゚∋゚)『エクスト!デミタス!スイッチ用意!
エクスト!3秒以上ダウン状態にさせろ!
タイミングは指示する!
そのタイミングに合わせておれは一度蟻に向かう!
スイッチ後はエクストが周囲を警戒!
デミタスは距離をとりつつ蜘蛛を攻撃!
クー!おれの単重攻撃に合わせてミルナの蟻に攻撃!
デミタス!右から敵がくるから注意!
おれの硬直は3秒!
ミルナ!クーの攻撃で蟻が倒せなかった時はそのまま追撃!
倒せ!周囲はおれが回る!
クー!トソンの左側茂みに注意!
トソンはそこから蟻を中央まで誘導開始!
倒さず負けずをキープ!
一匹倒したらデミタスとエクストはスイッチ!
クーは蟻を攻撃した後は襲撃者に専念!』

.

923 ◆dKWWLKB7io :2017/07/31(月) 20:16:58 ID:dmMfqlnI0

エクストが蜘蛛に攻撃を繰り出しながらニヤリと笑い、
他の四人は小さく頷く。

( ゚∋゚)『エクスト!カウント3でいくぞ!
3!

2!

1!』

仲間だけに届くクックルの声がゼロを告げた瞬間、
全員が自分の役割を果たすために動き始める。

襲撃者から見れば異様な光景だっただろう。

どんなに相手の隙を突こうとしても軽々と阻止されるようになり、
更にモンスターを的確に攻撃をしている。

そして今目の前では誰も何も言わず、
見ている限りアイコンタクトもせず剣技を放って敵のHPを削り、
更に自分達を警戒していることが分かる。

そして兵隊蟻が一匹消えた。

(;襲撃者1)「ちくしょう、なんなんだよ一体」

それを茂みの中で、
木に隠れるようにして立って見ている黒尽くめの男。
その服装と装備、
そして頭の上に浮かぶカーソルがオレンジであることから、
五人を卑怯な方法で攻撃していた一人であることが分かる。

.

924 ◆dKWWLKB7io :2017/07/31(月) 20:27:36 ID:dmMfqlnI0

(;襲撃者1)「ロマネスクからは時間稼ぎメインの簡単な仕事だって。
けれど流れによっては殺せば良いって言われていたのに、
これじゃあ……」

片手剣を持つ手が震えている。

(;襲撃者1)「おれ達がロマネスクに……」

「大丈夫だ」

(襲撃者1)「え?」

後方から聞こえた声に気を取られた瞬間、
自分の胸から『黄色く光る刃』が生えた事に気付く。

(襲撃者1)「え……」

「黒鉄宮の牢獄は攻撃行為完全禁止エリア。
殺されることは無い」

そしてすぐに刃は消えた。

もちろん生えたわけではなく、
後ろから刺された刃が飛び出したわけだが、
それに気付いたのは倒れる時に自分の後ろに立つ者を見たからだった。

(襲撃者1)「おま……えは……」

川 ゚ -゚)「麻痺状態になる薬付きの刃だ。
大人しくしていろ」

(襲撃者1)「ばか……な……」

川 ゚ -゚)「この森で、
お前達のオレンジ色のカーソルは良く目立つ」

(襲撃者1)「  ……  ……」

襲撃者の視界の隅には、
自身が麻痺していることを告げるマークが点灯している。

.

925 ◆dKWWLKB7io :2017/07/31(月) 20:29:49 ID:dmMfqlnI0

(襲撃者1)「!?」

川 ゚ -゚)「麻痺対策はしてきているようだが、
生憎と私の使う麻痺毒は現状広まっているアイテムでは完全に防ぎきることは出来ない。
しかも今回は……効いてきたようだな」

クーの目の前で崩れ落ちる様に倒れる黒尽くめの男。

川 ゚ -゚)「睡眠毒付だ。
二種類の毒の混合毒。
私の持つエクストラスキルで作った。
即効の麻痺毒で体の自由を奪い、
遅効性の睡眠毒で眠らせる。
……と、いうわけだ。
こいつで三人目。
残りはお前一人。
武器を捨てて投降するか、毒に侵されるか今すぐ選べ」

(襲撃者2)「……お前だけでもここで殺す」

クーの背後に現れる黒尽くめの男。

川 ゚ -゚)「毒に侵されるのを選ぶわけだな」

(襲撃者2)「この木々の中で、
お前の武器が振り回せるのか?」

武器をショートダガーに変えている男。
その刃も黄色く光っている。

川 ゚ -゚)「……ふむ」

(襲撃者2)「毒使いはお前だけじゃないんだよ!」

木々の間を縫うようにその身を隠しつつ男が動く。

川 ゚ -゚)「木々を使い私の死角を狙う。
忍び装束には隠蔽スキルの増幅効果があるというしな。
悪くない戦い方だ」

.

926 ◆dKWWLKB7io :2017/07/31(月) 20:32:05 ID:dmMfqlnI0

それを声に出して評価するクー。

無表情に呟くその様子は、
相手を馬鹿にしているようにしか見えなかった。

川 ゚ -゚)「バカはバカなりに考えるわけだな。
ウジ虫にはウジ虫の戦い方があるという事か。
ふむ。参考にはなる。
私は人間だから、
想像して、色々考えて行動することが出来るからな。
クズの行動だとしても、侮ったりはしないぞ。
お前達のような価値無く生きる物と違って、
私は人間だからな」

いや、完全に馬鹿にしていた。

(襲撃者2)「(……落ち着け……落ち着け。
俺を怒らせて襲わせたところをカウンターするつもりなんだ。
この森とあいつの武器。相性はかなり悪い。
それにおれの隠蔽系スキルとこの忍び装束なら、
一度完全に視界から消えることが出来れば追跡は出来ないはず。
あとは、俺達を四人だと思っている隙を突けば……」

森の中で武器を構えてたたずむクー。

彼女を狙い、黒い影が木々の中を揺らめいた。




.

927 ◆dKWWLKB7io :2017/07/31(月) 20:38:28 ID:dmMfqlnI0

33.


モナーの目の前で、
男が小瓶を大地に落とした。

( ´∀`)「!ちっ」

距離を縮めたモナーが三又の槍の先ですくい拾おうとするが、
間に合わず地面に落ちる小瓶。

割れることは無かったが口が開けてあった瓶からは液体が流れ出る。

( ´∀`)「!やっぱり!」

瓶からこぼれた液体は大地に染み、
そして赤紫色の煙となって立ち上った。

(;´∀`)!

慌てて瓶を拾うモナー。
液体は半分以上が流れ出てしまっている。

(#´∀`)「おまえ!自分が何しているか分かってるのか!?」

(θ)「ぎゃははははははっははhっ!
死ぬんだ!俺達は全員死ぬんだよ!
ははははっはあはっは!!」

(#´∀`)「ビロード!ぽっぽ!これですぐ転移しろ!
場所は街ならどこでも良い!」

( ><)「え?」

(*‘ω‘ *)「ぽ?」

ポーチから取り出した転移結晶をビロードとぽっぽに投げるモナー。

二人は難なくそれを受け取るが、
呆気に取られてすぐさま動けない。

.

928 ◆dKWWLKB7io :2017/07/31(月) 20:41:50 ID:dmMfqlnI0

(#´∀`)「さっさとしろ!」

(;><)「ハイなんです!」

(*‘ω‘ *;)「だっぽ!」

クリスタルを握りしめて掲げる二人。

(#´∀`)「ビーグル!先に隣のエリアに行ってろ!」

▼#・ェ・▼「キャン!」

ビーグルがモナーの指示を無視し、
ビロード達のそばからモナーのそばに駆け寄った。

(#´∀`)「ビーグル!」

▼#・ェ・▼「キャン!」

片側だけ長いマントの裾を、
普段は自分を守ってくれるマントの裾を噛み、
いやいやするように首を振った。

( ´∀`)「……ビーグル……」

▼・ェ・▼「……くぅーん」

( ´∀`)「分かった……もな」

眉間に皺を寄せ、
少しだけ泣きそうな顔でしゃがみ、
ビーグルの頭を撫でるモナー。

▼*・ェ・▼「きゃん!」

ビーグルが嬉しそうにひと鳴きして裾を離した時、
ビロードの声がモナーに届いた。

.

929 ◆dKWWLKB7io :2017/07/31(月) 20:46:25 ID:dmMfqlnI0

(;><)「モナーさん!
転移しないんです!」

(*‘ω‘ *;)「つ、使い方が違うっぽ?」

(;´∀`)「なっ」

慌てて見上げるモナー。

(;´∀`)「遅かった……もな」

周囲の空が赤紫に染まっているのをみて、
モナーがいつもの口調で呟いた。

( ><)「も、モナーさん!
これはいったい!」

( ´∀`)「二人とも武器をかまえるもな!

(;><)「え?え?」

(*‘ω‘ *;)「!
ビロード!かまえるっぽ!」

慌てたように槍をかまえたぽっぽを見て、
彼女の視線の先を見るビロード。

( ><)「……え?」

(*‘ω‘ *;)「早くするっぽ!」

(;><)「ハイなんです!」

エリアの中央にいる六人を囲むように、
ポリゴンが漂っている。

( ><)「こ、これは」

( ´∀`)「さっきあの男が零したのは『トラップの素』もな」

.

930 ◆dKWWLKB7io :2017/07/31(月) 20:50:39 ID:dmMfqlnI0

(*‘ω‘ *)「トラップの素?」

( ´∀`)「あの液体と入っていた瓶を素体として、
宝箱型筐体や壺型筐体なんかと組み合わせてトラップを作るもなよ」

(;><)「そ、それじゃあ今ここは!」

( ´∀`)「このエリアは結晶無効エリアになり、
ポリゴンは全てモンスターに変わるもな。
素からの直接発動だから時間がかかってるもなから、
今のうちに準備するものな」

笑い続けている男と、
その後ろで部位欠損を起こしたまま震えている二人の男のそば
に近寄るモナー。

( ´∀`)「全部倒さないとエリア封鎖は解除されないもな。
お前らも手伝うもなよ」

三又の矛を突き付けながら近寄るモナー。

(;Ω)「ひっぃ」

(;る)「て、っ手が」

( ´∀`)「リペア!」

モナーが腰のポーチから取り出した結晶を取り出し、
片腕を失った男に向けてキーワードを告げると右手が蘇る。

続けてもう一つ同じ結晶を取り出して同じ動作を繰り返すと、
手を欠損していた男にも同様の修復が行われた。

(Ω)「え?」

(る)「ま、まだペナルティの時間が」

( ´∀`)「『修復結晶(リペアクリスタル)』。
まだ市場には出回っていないレアアイテムもなよ。
せめて自分の命くらいは自分で守るもな。
あと……」

.

931 ◆dKWWLKB7io :2017/07/31(月) 20:55:52 ID:dmMfqlnI0

喋りながら狂ったように笑い続けている男の襟首を掴んで転がす。
そして直った腕を見ながら驚いている二人の足元に移動させた。

( ´∀`)「この男の事も守ってやるもな」

(Ω)「え、で、でも」

(る)「……」

実体化し始めた周囲をみて震える二人。

( ´∀`)「大丈夫もな」

突然駆け出したモナーが周囲で一番最初に実体化した敵を二回攻撃する。

ポリゴンに戻るカブトムシのような形をしたモンスター。

(Ω)「え?」

(る)「?」

( ´∀`)「6割はモナーが倒すもな。
ぽっぽ!ワカッテマスにメッセージを入れるもな!」

(*‘ω‘ *)「!分かったっぽ!」

即座にウインドウを出すぽっぽ。

( ´∀`)「ビロードはその間は防御に徹するもな!
送った後は二人で自分達に向かってくる敵を倒すもな!」

喋りながら実体化したモンスターを倒していくモナー。
ほとんどの敵を二撃、或いは一撃で倒している。

( ><)「は、はいなんです!
で、でも……」

( ´∀`)「素は少ししか零さなかったからそれほど数は出てこないはずもな。
それに下層だから敵も弱いもなよ!
今まで頑張った二人なら大丈夫もな!
モナ達はこの程度で負けてしまうような戦いは教えていないもなよ!」

.

932 ◆dKWWLKB7io :2017/07/31(月) 20:58:31 ID:dmMfqlnI0

次々にポリゴンに変わっていくモンスター。
しかしそれ以上の速さでモンスターは生まれている。

( ><)「!ハイなんです!」

(*‘ω‘ *)「送ったっぽ!」

ウインドウを閉じると同時に槍を構えてビロードの後ろにつくぽっぽ。
その両手が少しだけ震えているのはモンスターに囲まれたこの状況下では仕方ないことだろう。

しかしモナーはそれを見て顔を綻ばせた。

( ´∀`)「二人なら3割倒せるもな!
自信を持って戦うもなよ!」

(*><)「ハイなんです!」

モナーに褒められたのが嬉しいのか、
周囲を敵に囲まれたこの状況下にも関わらず笑顔を見せるビロード。

それを見たぽっぽの表情も少しだけ緩む。

(*‘ω‘ *)「わかったっぽ!」

ビロードがしっかりと盾を構えたその後ろで、
ぽっぽが戦闘を開始した。






( ´∀`)「ビーグル!」

▼・ェ・▼「きゃん!」

モンスターの間を走り回り、
モナーの手が届かない敵を細かく攻撃していたビーグルがモナーの足元に駆け寄る。

( ´∀`)「頼むもな」

▼*・ェ・▼「きゃん!」

.

933 ◆dKWWLKB7io :2017/07/31(月) 21:03:57 ID:dmMfqlnI0

身体を震わせるビーグル。

身体から銀色に輝く毛が浮き出て周囲に漂うと、
モナーとビロード、そしてぽっぽの身体に張り付いて消えた。

三人のHPが回復する。

( ´∀`)「ビーグル、あっちの三人にも頼むもな」

▼・ェ・▼「うー」

( ´∀`)「お願いもな」

▼・ェ・▼「……きゃん」

モナーにお願いされ、
不服そうに身体をふるって毛を飛ばすビーグル。

その毛は必死に自分の身を守っている二人の男と呆然と周囲を見ている男の身体にまとわりつくと、
HPを多少回復させた。

(;´∀`)「ビーグル……」

▼・ェ・▼「きゃん!」

自分達との回復量の差に苦笑いを浮かべつつも、
走り回って敵を消し続けるモナー。

ビーグルはひと鳴きした後その足元を駆け抜け、
後方から弓矢でモナーを狙っていた敵に体当たりをした。

( ><)「……すごいんです」

盾で敵の攻撃を受け止め流しつつその様子を見たビロードが呟く。

(*‘ω‘ *)「モナーさん達が凄いのは今に始まったことじゃないっぽ。
それよりそっち、来るっぽよ」

( ><)「分かってるんです!」

.

934 ◆dKWWLKB7io :2017/07/31(月) 21:12:16 ID:dmMfqlnI0

ビロードの左後方、
ぽっぽの背後からビロードに向かって滑空した巨大蜂。

対してビロードは危なげなく盾で攻撃を受け流しす。
更にその移動した盾の隙間を縫って襲い掛かった大甲虫を片手剣で一閃。
倒すことは出来なかったが大きく後退させることには成功した。

( ><)「僕でもこれくらいは出来るんです!」

(*‘ω‘ *)「がんばるっぽ!」

( ><)「ハイなんです!」

改めて盾を構え、片手剣を握りなおすビロード。
そしてその後ろで槍を構えるぽっぽ。

視界の端でそれを見ながら、モナーは走りながら敵を葬り去り続けた。







▼*・ェ・▼「きゃんっ!」

ビーグルが嬉しそうにひと鳴きしたとき、
全てのモンスターは消え、
空が青く戻っていた。

.

935 ◆dKWWLKB7io :2017/07/31(月) 21:13:30 ID:dmMfqlnI0

その空を見ながらゆっくりと座り込んでしまうビロードとぽっぽ。

三人の男も腰を抜かしたように地面に寝転ぶ。

結局一人で九割方倒したモナーだったが、
嬉しそうに駆け寄ってきたビーグルを抱き上げたその時も、
疲れた様子は全く見せなかった。





.

936 ◆dKWWLKB7io :2017/07/31(月) 21:16:29 ID:dmMfqlnI0

34.



(<>)「さあ、早く武器を放せ」

鉄仮面の男がワカッテマスに片手剣の刃を当て、
フサギコに武器の放棄を要求する。

ミ,,゚Д゚彡「……卑怯だから」

( <●><●>)「フサギコさん、気にすることはありません」

苦虫を噛み潰したような表情をしたフサギコに対し、
ワカッテマスが冷静に話しかける。

(<>)「ああ?」

( <●><●>)「どう転ぼうと、死ぬ運命だったともいます。
貴方が罠に気付かずに攻撃を繰り出し死ぬか、
このようにこいつらに殺されてしまうか。
私が殺されるだけならば、それで終わりです」

淡々としゃべり続けるワカッテマス。

( <●><●>)「唯一心残りなのはビロードとぽっぽの事ですが、
フサギコさん達が、VIPの皆さんがしっかりと動かれているのならば、
助けていただいている事でしょう。
ですから、私の事は気にせずこいつを倒してください。
こんな雑魚、フサギコさんなら一瞬で倒せます。」

(#<>)「貴様!」

( <●><●>)「私を殺せば!」

ワカッテマスの恫喝に似た一声。

剣を突き立てようとした男の身体が止まった。

( <●><●>)「私を殺せば、その瞬間にフサギコさんは動きます。
あなた、フサギコさんに勝てるんですか?」

.

937 ◆dKWWLKB7io :2017/07/31(月) 21:18:07 ID:dmMfqlnI0

(<>)「…… ちっ」

男はワカッテマスを引き寄せて首筋に片手剣を当てる。

(<>)「……こいつを殺されたくなければ武器を捨てろ」

それはワカッテマスが作り出した奇妙な均衡だった。

生きていてこそ人質の意味があるのは当然のことだが、
自分の命を気にすることは無いと言いつつ、
自分を殺せばお前も死ぬと自分を拘束する者を脅す。

フサギコの実力があってこそできる駆け引きとはいえ、
危うく、綱渡り的な均衡。

そしてやはり鉄仮面の男が有利であることには変わりなかった。

(<>)「ふっ。ははははは。
そいつに人を殺す度胸があるもんか。
さあ、武器を捨てろ!」

ミ,,゚Д゚彡「……死ぬよりも……」

(<>)「ん?」

ミ,, Д 彡「ワカッテマス君を殺したら、
死ぬよりも恐ろしい目に合わせるから」

(<>)「はっ!そんなもん!」

ミ,, Д 彡「その体を、切り刻んであげるから。
頭も、首も、体も、すべての部位を、切り刻んであげるから」

肩の力を抜いた自然体で仮面の男を見るフサギコ。

男はその虚ろな瞳と殺気に恐怖を感じ、喉を鳴らした。

(;<>)「っひっ、……、そ、そんな、もん」

.

938 ◆dKWWLKB7io :2017/07/31(月) 21:19:18 ID:dmMfqlnI0

ミ,, Д 彡「殺してほしいと、
死なせてくれと泣き叫んでも、
殺したりはしないから。
でも、その心に、恐怖と苦しみは植え付けるから」

(;<>)「お、お、おれがそんな脅しに……」

ミ,, Д 彡「覚悟しておくと良いから」

先程までワカッテマスと話していた時の声とは違う、
感情も抑揚も無い声。

そこに込められた『本気』を感じ取り、
且つその身に同じギルドの者からの攻撃を受けた事のある仮面の男は、
自分との実力の違いを思い出し、襲い来る恐怖で心を震わせた。

(;<>)「で、出て来いお前ら!」

思わず叫んだ仮面の男。

だが何も起こらなかった。

(;<>)「は、早く出て来い!
ここのリーダーは俺だ!
作戦を変更する!」

すると森から二人の男が現れた。

(も)「おい、良いのか?」

(り)「……俺達は切り札だろ?」

呆れたように肩をすくめながら出てきた二人。
しかしその身のこなしはフサギコを充分警戒しており、
一定の距離をとって立ち止まり武器をかまえた。

(;<>)「お前らはおれの前に来い!
こいつの攻撃がおれにこないようにするんだ!
おい!全員出るんだ!
俺がこいつを人質にしてるうちに三人がかりでやるんだよ!」

.

939 ◆dKWWLKB7io :2017/07/31(月) 21:21:01 ID:dmMfqlnI0

(も)!

(り)「ちっ」

仮面の男が焦ったように叫ぶと、
更に男が一人茂みから現れた。

(Δ)「……」

男は一言、もしゃべらずに、フサギコに向かって武器をかまえる。
それを見て最初の二人は仮面の男を守るように移動した。

(;<>)「そ、それで良いんだ!
お前達もかまえろ!
こいつを三人がかりで殺すんだ!」

仮面の男の物言いを聞きながら武器をかまえる三人。

(;<>)「動くなよ!
動いたらこいつを殺すからな!
おまえら!殺せ!」

「させないよぅ」

(<>)「え?」

声と同時に背後に人がいることを知り、
そして自分の腰に短刀が刺さったことを知った。

(#<>)「!」

ワカッテマスの拘束したまま自分を刺した小柄な者を攻撃しようとする男。
しかしそれは叶わなかった。

(;<>)「……えっ」

力なく倒れる仮面の男。
ワカッテマスもそれに巻き込まれるように倒れてしまうが、
男の拘束は解けていた。

.

940 ◆dKWWLKB7io :2017/07/31(月) 21:22:06 ID:dmMfqlnI0

(;<>)「(何故……麻痺は完全に防御しているのに……)」

視界の隅、自分のステータス異常を知らせる麻痺のマークを見つけた男。

(;<●><●>)「ど、どうなって」

「わっ!!!!!」

(も)!

(り)!

(Δ)!

背後で何かが起きた。

三人の男の注意が一瞬背後に向かう。

その一瞬の隙を見逃さずに動いた侍。

そして鍛え上げたスキルはその一瞬で三人を無力化する。

(;も)!

(;り)!

(;Δ)!

旋風が吹き抜けた瞬間、
三人の男の腕が武器を持ったまま宙を舞う。

(;も)!

(;り)!

(;Δ)!

自分の腕が地面に落ちてポリゴンとなり砕け散るのを呆然と見る三人。

そしてその三人の間をすり抜ける影。

.

941 ◆dKWWLKB7io :2017/07/31(月) 21:23:46 ID:dmMfqlnI0

(り;)!

(Δ;)!

(も;)!

次々と倒れる男達。
その視界の隅に浮かぶ、麻痺を告げる状態異常のマーク。

「この麻痺毒は今までの耐性補助じゃあ防げない特別製だよぅ」

黒尽くめの声を聞きながら意識をなくす三人。
仮面の男は既に意識を無くしている。

ミ,,゚Д゚彡「睡眠毒との混合毒だから」

技後硬直の解けたフサギコが呟きは、
眠りについた四人には届いていない。

(;<●><●>)「そ、そんな毒が」

大地に膝をつくワカッテマス。
その横にフード付きマントと黒装束を纏った影がそっと寄り添った。

「大丈夫ですかょぅ」

( <●><●>)「あ、ありがとうございます。
ですが、あなたはいったい。
いや、思い当たる方はいるのですが、ですが……」

「ボクですょぅ」

フードを取り顔を出す影。

(;<●><●>)「い、いよう君!
口調からそうだとは思いましたが
で、ですが君は死んだはずでは!?」

(=゚ω゚)「死んでないょぅ」

.

942 ◆dKWWLKB7io :2017/07/31(月) 21:25:16 ID:dmMfqlnI0

(;<●><●>)「で、ですが!」

ニッコリとほほ笑んだぃょぅと、
驚きで顔をこわばらせているワカッテマス。

(;<●><●>)「黒鉄宮の碑に刻まれた『e-YOU』の文字、
それを見て泣き叫ぶヘリカルちゃんを!」

ミ,,゚Д゚彡「『e-YOU(イーユウ)』さんと、ぃょぅ君は別人だから。」

意識を失った四人を回廊結晶を使って牢獄に送ったフサギコが二人のそばによる。

( <●><●>)「フサギコさん!
え?『イーユウ』?」

ミ,,゚Д゚彡「そう、……殺されたのは、『イーユウ』さんだから」

(=゚ω゚)「……うちの店の常連さんだったんだょぅ。
下層と中層の間くらいで頑張ってた人だったんだょぅ
でも、レアアイテムをドロップしたことを知って近付いてきた女の人に騙されて……」

ミ,,゚Д゚彡「イーユウさんが亡くなったことを知ったぃょぅ君とヘリカルちゃんが相談に来て、
ショボンと情報屋さん達が調べてくれて、
殺した犯罪ギルドは潰したけど……」

(=゚ω゚)「許せなかったんだょぅ。
人殺しをする奴らが」

ミ,,゚Д゚彡「その時の話の流れでANGLERの事を知ったぃょぅ君から申し出があって、
死んだことにして陰に隠れてくれていろいろ動いてくれたから」

(;<●><●>)「あ…あ……う」

二人の話を聞いて言葉を無くすワカッテマス。
それでも何とか声をひねり出す。

(;<●><●>)「な、何度かお店に行きましたが、
ヘリカルさんはこのことは」

.

943 ◆dKWWLKB7io :2017/07/31(月) 21:26:25 ID:dmMfqlnI0

(=゚ω゚)「もちろん知ってるょぅ」

(;<●><●>)「こ、黒鉄宮で号泣していたと!」

(*=゚ω゚)「ヘリカルは凄い女優さんなんだょぅ」

胸を張って妹を褒めるぃょぅ。

(;<●><●>)「じょ、女優?」

ミ,,゚Д゚彡「……女の子は怖いから」

(;<●><●>)「え?フサギコさん?」

(=゚ω゚)「ヘリカルは怖くなんかないですょぅ。
ヘリカルの可愛さは世界一ですょぅ!」

ミ,,゚Д゚彡「あ、うん」

(;<●><●>)「は、はい……」

(=゚ω゚)「ヘリカルは昔から可愛くて可愛くて……」

ミ;,,゚Д゚彡「あ!ビロード君とぽっぽちゃんにメッセージ送ってあげないと!
ワカッテマス君!」

(;<●><●>)「あ、は、はい!」

ミ,,゚Д゚彡「フサはモナーとショボンに連絡入れるから!
ぃょぅ君もヘリカルちゃんに打つと良いから!
これがちゃんと終われば計画は終了で帰れるから!」

ウインドウを出してメッセージを打ち始める二人。

ぃょぅもそんな二人を見てウインドウを出した。





.

944 ◆dKWWLKB7io :2017/07/31(月) 21:33:10 ID:dmMfqlnI0
以上で本日の投下を終了します。

いつも乙や感想ありがとうございます。

さて、ここもまもなく1000になりますが、
佐藤さんが戻られないと新しいのをたてられないので、
その場合は管理人さんが動かれているファイナルさんに移動させていただこうかと思っております。

ただものすごく中途半端なところで移動になりそうなので、
正直どうしようかなと思っているところです。

気にせず移動するか、
今のを中編にして、後え編から移動という形にするか。

色々ありますが、とりあえず980を超えるまではここに投下する予定です。


また次回、よろしくお願いします。

もう少し早めに投下できる……はず……。


ではではまたー。

945 名も無きAAのようです :2017/07/31(月) 21:44:38 ID:KdkWUjms0
いよぅ生きてた━━━━(゚∀゚)━━━━ !!!!!
ますますwktkってきた!!

乙でした 次も楽しみにまってるです

946 名も無きAAのようです :2017/07/31(月) 21:51:34 ID:Xvv/nggc0

ここ埋まるまでに次スレ立ててURLで誘導してくれると嬉しい

947 名も無きAAのようです :2017/07/31(月) 22:43:45 ID:qEzVVs..0
うわぁあああああ!!!おつぅううううう!!!
ぃょぅ生きてた!!

948 名も無きAAのようです :2017/08/01(火) 03:51:03 ID:CzBMeMvI0
いよぅ生きてたぁぁぁぁぁぁ!!!!!!
後はモララーの安否だけだ…

949 名も無きAAのようです :2017/08/02(水) 00:38:44 ID:7P/cHLtI0
お疲れ様でした
いょう生きてたー
やったー‼
モーナとビーグルの愛に泣けた

950 名も無きAAのようです :2017/08/02(水) 03:10:26 ID:kNNWArGE0
モララーだけ被害にあったか…

951 名も無きAAのようです :2017/08/05(土) 09:13:07 ID:.YX01.X20
ぃょぅ生存おめ 乙
となると、アングラーと組んでる少女って誰なんだろな

952 名も無きAAのようです :2017/08/05(土) 10:04:47 ID:7tk2qksc0
まだギコとしーが出て来てないよね
まさか…ねぇ…

953 名も無きAAのようです :2017/08/06(日) 18:03:51 ID:LR7NYuCQ0
賢気取りきもっちわるっ!

954 名も無きAAのようです :2017/08/08(火) 14:38:47 ID:4IQXLd.MO
>>951

(*=゚ω゚)「ヘリカルは凄い女優さんなんだょぅ」


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