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きみはひとりのようです( ・∀・)

1 ◆wUIe/oyXUM:2016/01/03(日) 23:30:02 ID:qfBhJHos0
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きみはひとりのようです( ・∀・)





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4 ◆wUIe/oyXUM:2016/01/03(日) 23:43:41 ID:qfBhJHos0
高校は楽しい。多くはないけれど友達もいる。

( ^ω^)「おー、モララー」

校門を入ると声をかけてきたのはブーンだった。
何となくつるんでいる友達で、話も合う。
女の子の趣味は合わないから、喧嘩になることもない。

( ・∀・)「やぁブーン」
( ^ω^)「やぁ、じゃねーお。普通に欠席しやがって」

電話もメールも無視かお、とブツブツ言っている横顔がふくふくしていて、少し笑える。

5 ◆wUIe/oyXUM:2016/01/03(日) 23:48:11 ID:qfBhJHos0
( ^ω^)「何わらってんだお、僕が先生に欠席の報告しといてやったんだお?適当に」
( ・∀・)「サンキュ、昼飯奢るからさー許してよ」

待ってましたとばかりに、ブーンが笑う。いつも脳天気な顔をしているブーンだけれど、笑うと一層人が好さそうだ。
なんだかんだ言って、僕の理解者でもあるブーン。
僕は彼が好きだ。裏表も打算もない。
そんな彼が、不穏なことを言い出すとは思ってもみなかったけれど。

6 ◆wUIe/oyXUM:2016/01/03(日) 23:55:08 ID:qfBhJHos0
僕が奢った購買のパンを頬張りながら、ブーンが顔を寄せてきた。机の上にはまだいくつかパンが乗っている。
落ちそうになったそれを抱えて、小声でブーンが言う。

( ^ω^)「モララー、お前、ストーカーされてないかお」
( ・∀・)「は?」

突拍子もない事を言われると、人間コメントもうかばないものらしい。
素っ頓狂な声を出した僕に、静かにとジェスチャーを送るブーン。
いやいや、真っ当なリアクションだろう。

( ^ω^)「お前の後を追う、美少女が目撃されてんだお。一回や二回じゃ利かないくらい」

7 ◆wUIe/oyXUM:2016/01/04(月) 00:01:31 ID:dAZ.2IyQ0
更に理解の追いつかない情報を与えられて、僕はオウム返しで頷いた。

( ・∀・)「ストーカー・・・ビショウジョ・・・」
( ^ω^)「お前、結構メンタル弱かったっけ?女の子とっかえひっかえしてる癖にかお?」
( ・∀・)「とっかえひっかえっていうか、何か顔がイケメン過ぎて向こうから来るんだわ」
( ^ω^)「なんなの?しぬの?」
( ・∀・)「・・・で、何でストーカーなんてすんの?」

そもそも、だ。
僕をストーカーするような女の子がいるなんて、予兆を感じたことも無かった。
いや、この間打たれた子とか体だけだったのね、とか言われた子がいるにはいるけれど。

( ^ω^)「心当たりもなし、うーん、人でなしなのかお?」
( ・∀・)「いやいやいや、だって気配も感じたことないよ?」

8 ◆wUIe/oyXUM:2016/01/04(月) 00:05:27 ID:dAZ.2IyQ0
ブーンは呆れた顔で、焼きそばパンの包装を剥いている。
心当たり。
考えては見るけれど、顔も見たことがない。

( ^ω^)「まぁ同じ学校の子みたいだしそのうち分かるんじゃねーかお」

やや投げやりな調子で、ブーンが言う。
メロンパンと焼きそばパンを交互に口に運びながら。

( ・∀・)「・・・刺されたりすんの」
( ^ω^)「知らねーけど、刺されればいいなとは思うお」

ふくふくと笑うブーンの顔を見て、僕は困った顔をして見せた。
女の子には犬みたいで好評なのに、ブーンは殴っていい?と拳を握っている。

9 ◆wUIe/oyXUM:2016/01/04(月) 00:09:20 ID:dAZ.2IyQ0
殴られるのはたくさんなので手を広げてみせる。

( ^ω^)「お前ほんと鼻につくな」
( ・∀・)「はっきりいってもらえると助かるわ」
( ^ω^)「前向きかお」

パンを食べ終わったブーンは早々に席を立とうとする。

( ・∀・)「情報、それだけ?」
( ^ω^)「そうだお。せいぜい、夜道には気をつけて置くんだな」

はっはっは、とブーンが笑う。
無責任だ、けれど。
自分が撒いた種だしな、と思い直す。

( ・∀・)「・・・ブーン」
( ^ω^)「なんだお」
( ・∀・)「僕もう帰る」

10 ◆wUIe/oyXUM:2016/01/04(月) 00:11:42 ID:dAZ.2IyQ0
つづく。

完走するのが目標です。

11名も無きAAのようです:2016/01/04(月) 00:38:03 ID:TsocdmqU0
初めに酉つける自己主張が強くめんどくさがられ
誰もきいてないのに目標を掲げる人間は大抵逃亡する

12名も無きAAのようです:2016/01/04(月) 01:29:06 ID:z9U9777o0
期待してます

13名も無きAAのようです:2016/01/04(月) 01:30:26 ID:WfuogGi20

その言葉に期待してる

14名も無きAAのようです:2016/01/04(月) 13:51:54 ID:SkYrFxL.0
>>11
何もした事のない奴が偉そうに

15名も無きAAのようです:2016/01/04(月) 14:05:37 ID:TsocdmqU0
>>14
そうやって決めつける馬鹿がいるんだなあ
俺が何したかもしらないヤツが偉そうに
カスが

16名も無きAAのようです:2016/01/04(月) 14:11:50 ID:4ku/l6fA0
ここまで俺の自演

17名も無きAAのようです:2016/01/04(月) 17:05:11 ID:TsocdmqU0
>>16
そうやって荒れるのを食い止めようとするレスが一番要らない

18名も無きAAのようです:2016/01/04(月) 17:30:28 ID:D1YDgOEA0
おつ
若干不穏な感じか?

19 ◆wUIe/oyXUM:2016/01/04(月) 19:24:30 ID:dAZ.2IyQ0
薄っぺらな鞄をつかんで立ち上がる。
騒がしい教室では誰も気に止めなかった。

( ^ω^)「帰るって、なんだお」
( ・∀・)「家に、帰る」
( ^ω^)「そんなん分かってるお」
( ・∀・)「・・・もしかしたら、そのビショウジョストーカーがついてくるかもだし」

明るいうちに帰る、とつぶやくと、ため息混じりに好きにしろと言われる。
軽く挨拶して教室をでる。
廊下、階段、下駄箱、昇降口。
昼休みの賑やかな空気の中では、ストーカーとやらの気配も感じない。
簀子のヒヤリとした踏み心地に何となく身震いして、履き潰したスニーカーに足を突っ込んだ。

20 ◆wUIe/oyXUM:2016/01/04(月) 19:33:08 ID:dAZ.2IyQ0
黄緑色の軋む自転車が河川敷を走る。
買い換えようと何度も思うけれど、愛着が湧いてしまってなかなか手放せない。
何度かカゴに入れた鞄が跳ねる。
微かに降る雪に顔が冷たく痛くなる頃、部屋へとたどり着いた。
ただいま、と誰もいない室内に呟いて玄関を上がる。
直ぐにストーブを点けた。

( ・∀・)「ストーカー、ねぇ」

独りごちる。
まあ、言い換えれば愛の一つの形?なんだろうか。
気を取り直して、ベッドに腰を下ろす。と、ドアの方からガタリと音がして、僕は目を見張る。

21 ◆wUIe/oyXUM:2016/01/04(月) 19:38:46 ID:dAZ.2IyQ0
ドアスコープを覗く。
どうして、小さな穴を覗く時に躊躇うのだろう。
ああ、向こうから見返していたら、と思うと怖くなるんだ。

(;・∀・)

喉が鳴って、情けない。
何のことはない、女の子が立っているだけ。
僕が好みの女の子であれば手を出す事を知っていて訪ねてくる子も少なくない。
向こうだって、寂しいからとか優しくされたいって気持ちでここへくる。
僕が愛されたいのを知っていて。
愛をくれる代わりに優しさをあげる。安いものじゃないか。
僕に必要なのはたしかに愛なのだから。

ドアスコープ越しに見えるのは、小柄な女の子。
同じ高校の制服を着ていることが辛うじてわかる。

22 ◆wUIe/oyXUM:2016/01/04(月) 19:49:30 ID:dAZ.2IyQ0
( ・∀・)「君、学校は」

ドアを開けると、その子は顔を上げた。
確かに。
確かに美少女だ。それも僕の好きなタイプ。
クルクルに巻いた綺麗な髪、小さな唇の清楚な顔、まあるい胸。

ζ(゚ー゚*ζ「嗚呼・・・モララー、様」
( ・∀・)「・・・様?」

ふらり、と僕の胸に飛び込んでくる。
その足取りは、その目つきは、まさに夢見るようだった。
微かにシャンプーのいい香り。
理性と本能とが、おそらく喧嘩している。
ビジュアルに騙されるべきではない、しかし据え膳食わぬはなんとやら。

23 ◆wUIe/oyXUM:2016/01/04(月) 19:56:03 ID:dAZ.2IyQ0
ともかく、ドアを閉めて彼女を招き入れた。
今日のエアコンディションも完璧だ。

ζ(゚ー゚*ζ「好きです」
( ・∀・)「・・・はぁ、ありがとう」
ζ(゚ー゚*ζ「私、モララー様のお側に居られるだけで死にそうなくらい幸せです
どうしてもどうしてもあなたに私の存在を知って欲しくて、あなたのことを支えて上げたくて」

立て板に水。矢継ぎ早。
脳みそが理解を拒否している。
可愛い唇が休むことなく電波な言葉を発する様は見ていて面白くないことも無いけれど。
それよりも不安を掻き立てる。

( ・∀・)「えーっと・・・僕は君のことを知らないのだけど。何ちゃんかな?」
ζ(゚ー゚*ζ「デレです、モララー様。モララー様!貴方の瞳が私を映すだけで、私、私」
( ・∀・)「デレちゃん」

24 ◆wUIe/oyXUM:2016/01/04(月) 19:59:25 ID:dAZ.2IyQ0
夢見る瞳は僕を映していない。
この子は僕を愛してくれない。

( ・∀・)「僕はきみはいらないなぁ」
ζ(゚ー゚*ζ「えっ」
( ・∀・)「僕はね僕を愛してくれる子に優しくはするけれど。きみはそうじゃないでしょう」

崇拝。
この子は僕を愛してくれない。
崇拝は愛しているようで、愛していない。
僕を映さない瞳も、僕を愛さない女の子もいらない。

ζ(゚ー゚*ζ「・・・だって、貴方は人の中心にいるのだもの」

表情は変わっていないのに、随分としっかりした声でデレちゃんは呟いた。
それが本来の君なのかな。

25 ◆wUIe/oyXUM:2016/01/04(月) 20:04:10 ID:dAZ.2IyQ0
ζ(゚ー゚*ζ「見つめてくれないなら私は要らないの?貴方は、今まで抱いてきた女の子全てを、見つめていたの?」
( ・∀・)「それは君に答える義務はないなぁ」
ζ(゚ー゚*ζ「私、貴方のこと知ってるの。貴方、私と同じなの。私を愛してくれる人が欲しくて貴方を選んだけれど、貴方は貴方だけを愛してくれる人よりも、インスタントみたいに愛されるのを選んだでしょう」

流石、ストーカー。
よく知っているじゃないか、と思った。

( ・∀・)「だとしたって、僕にだって選ぶ権利があるさ。僕が愛されたいと願って、愛してくれる代わりに優しくしてあげたところで誰が、損をするの?」

26 ◆wUIe/oyXUM:2016/01/04(月) 20:08:21 ID:dAZ.2IyQ0
ζ(゚ー゚*ζ「私が愛してあげるから、私を愛して」

突拍子のないことを言う彼女に、僕は呆れ果てる。
君に僕の何がわかるの?

ζ(゚ー゚*ζ「貴方のお母さんの代わりに私が貴方を愛してあげる」
( ・∀・)
ζ(゚ー゚*ζ「モララー、君。マタンキ君じゃない君を」

かっ、と、目の前が赤くなる。

( ・∀・)「君に何がわかる。君にモララーとマタンキの何がわかる。僕にも君にも母さんにも分かりはしないんだ」

大声は出なかった。信じられないくらい、冷たい声しか出なかった。
デレちゃんは、臆することない瞳で、僕を見つめていた。

27 ◆wUIe/oyXUM:2016/01/04(月) 20:11:20 ID:dAZ.2IyQ0
雪が、いつの間にかまた降り出している。
窓にあたって、すぐ溶けて消えていく。

ζ(゚ー゚*ζ「私は・・・貴方だよ。愛されなかった貴方だ」

馬鹿をいうね。僕は呟いて、制服のままベッドに潜り込むことを決めた。

( ・∀・)「泊まるのなら、そこに布団がある」

それだけ呟いて、僕は目を閉じた。

28 ◆wUIe/oyXUM:2016/01/04(月) 20:12:01 ID:dAZ.2IyQ0
つづく。
メンタル弱めの( ・∀・)

29名も無きAAのようです:2016/01/04(月) 21:29:44 ID:yKHQGwK.0


30名も無きAAのようです:2016/01/04(月) 23:40:42 ID:D87RsPCo0
続きが気になる乙
できればAAの間隔を1行空けてくれると読みやすくていいかと

31 ◆wUIe/oyXUM:2016/01/09(土) 08:10:36 ID:XQyVuzUQ0
津出デレは、ストーカーである。
津出デレは、モララーが好きである。
津出デレは、女子高生である。
津出デレは、〇〇〇〇〇〇。

ζ(゚ー゚*ζ

私はスカートの裾を軽く直し、立ち上がる。
モララー君はベッドの中、身じろぎもしなかった。勝手に出した布団をたたんで仕舞う。
昨日の午後、ここへ来てから私は帰らなかった。
使った形跡もないシンクで、私は途方に暮れた。冷蔵庫を開けるけれど、全くものが入っていない。
せめて、と思ったのにご飯を作ることも出来ないようだ。
今日は、買い物をしてこよう。
こんなに部屋は明るいのに、モララー君は目を覚まそうとしなかった。
私も、起こすことはせずに部屋を出た。

32 ◆wUIe/oyXUM:2016/01/09(土) 08:16:56 ID:XQyVuzUQ0
津出デレは、と繰り返す。
私は、私は。
地味で冴えなくて、相手にされない。
派手で可愛くて、電波なことを言う不思議ちゃん。
両方私なのに。
私は、私は。
そして、彼は。

( ^ω^)「・・・」

校門を通り過ぎた時に、目の端を掠めた。
モララー君の友達。たしか、ブーン。
二人とも私の同級生だ。クラスが違うから、あまりよくは知らないけれど、学食で沢山食べているのを見かけたことがある。
快い食べっぷりだった、と私は少し頬を緩めてしまう。と、彼が近づいてきた。

( ^ω^)「ねぇ」

ζ(゚ー゚*ζ「・・・はい?」

( ^ω^)「君、モララー知ってるかお?」

ζ(゚ー゚*ζ「同級生ですよね?・・・あなたも」

33名も無きAAのようです:2016/01/09(土) 18:54:55 ID:/cyNi3Jw0
ふむ

34 ◆wUIe/oyXUM:2016/02/07(日) 15:57:07 ID:T2Z7dWaI0
( ^ω^)「そういう意味じゃないお」

居所を、だろうか。
何をしているか、だろうか。
何にせよ、私に応えるべき答えは無い。

ζ(゚ー゚*ζ「いいえ、知りません」

( ^ω^)「・・・なら、いいんだお。急に悪かったおね」

そう言って踵を返すブーン(君)が、小さな声で「いつものヤツならいいけどお」と漏らすのを聞いた。

ζ(゚ー゚*ζ「ごめんなさい」

いつもの、とは、きっとモララー君の精神状態の事だろう。
ブーン君(そう呼ぶことに決めた、苗字を知らない)は彼の傍に居たから知っている。
心配している友達にも連絡を取らないほどの、不安定な心。

35 ◆wUIe/oyXUM:2016/02/07(日) 15:59:01 ID:T2Z7dWaI0
ζ(゚、゚*ζ(だから私は愛してあげたかった)

傍にいられなかったこと。
それが独りよがりのエゴだったとしても。

36 ◆wUIe/oyXUM:2016/02/07(日) 16:11:04 ID:T2Z7dWaI0

時折、波の音のする夢を見る。
母さんも父さんも笑ってる。
砂浜でのピクニックは、とても楽しかったんだ。
青くて、澄んだ空が綺麗だった。
打ち寄せる波を追いかけて遊んだ。
濡らした靴を怒るでもなく、父さんは僕を抱えて笑った。
レジャーシートの上のお弁当は少し砂の味がしたけれど、
そんなの気にならないくらいに幸せだった。
母さんが僕を呼ぶまで。

|゚ノ ^∀^)「またんき、こっちへおいで」

37 ◆wUIe/oyXUM:2016/02/07(日) 16:16:00 ID:T2Z7dWaI0
幸せな夢は、急転直下悪夢へと変貌して、目覚めた時には脚が震えるくらいだった。
繰り返し繰り返し、同じ夢を見る。

たぶんぼくはあたまがおかしいんだ。
かあさんみたいに。

( ・∀・)「馬鹿みたいだ」

じっとりと汗をかいて起き上がると、部屋はヒヤリとしている。
すぐにでも風邪がひけそうなくらいに体が冷えている。シャワーを浴びよう、そう思って時計を見る。
下校時間くらい。
長い時間、浅く目を覚ましながら睡眠を取った体は重くて、不愉快だ。

38 ◆wUIe/oyXUM:2016/02/07(日) 16:23:14 ID:T2Z7dWaI0
熱いシャワーを浴びていると、なんとなく体が起き出す気がして好きだ。
あまり浴槽にはつからないけれど、狭いユニットバスでなくてよかったと思う。
とくに、女の子が来た時なんかは。

( ・∀・)「・・・」

タオルを巻いて部屋に戻ると、エアコンのお陰ですっかり温まって乾いていた。
ストーブばかり使うのは、乾燥するのが嫌だから、だ。

( ・∀・)「また来たの」

僕の目線の先には、ちょこんと座ったデレちゃんがいた。
明らかに学校帰りで、スーパーのレジ袋を傍らに置いて。

ζ(゚ー゚*ζ「まあ、そうです。愛されるまで通おうかと」

真面目くさった口調と顔で言って、立ち上がる。
僕は取り敢えず、その変にあったスウェットを突っかぶる。

39 ◆wUIe/oyXUM:2016/02/07(日) 16:27:31 ID:T2Z7dWaI0
着替えながら、デレちゃんの様子をうかがう。
どうやら台所へ向かったらしい。
つくづくめげない子だなぁ、と感心してしまった。
好きなだけ、いればいい、と思う。
どうせ愛するなんて口だけなんだから。
乾いた部屋が嫌で、エアコンを消す。代わりにストーブを点けてベッドに腰を下ろした。
今度、加湿器を買おう。
女の子ウケのいい、お洒落なやつがいい。

( ・∀・)「・・・デレちゃんがいると、女の子呼べない」

ζ(゚ー゚*ζ「呼んでもいいですよ、その趣味があるなら」

その趣味。見られてもいいならってことかな。
ちょっと新境地だけれど、開いたらまずい扉のような気がして、僕は首を横に振る。
なら良かった、とデレちゃんがいう。

( ・∀・)「変なの」

40 ◆wUIe/oyXUM:2016/02/07(日) 16:33:32 ID:T2Z7dWaI0
いつの間にか主導権、握られてる?
まさかこれから胃袋も握られる?

( ・∀・)「ねぇねぇ」

ζ(゚ー゚*ζ「まだ出来ませんよ」

( ・∀・)「・・・そういう食べ盛りの中学生あしらうみたいなのじゃなくて」

振り返りもせずに言ったデレちゃんが可笑しくて吹き出す。微かに、味噌汁のいい香りが漂っている。
ああ、コンロってしばらく使わなくても使えるんだ。

( ・∀・)「親御さんが心配するから帰りなよ」

ζ(゚ー゚*ζ「心配されないです、いないので」

( ・∀・)「なら尚更、家が空じゃない。危ないよ」

ζ(゚ー゚*ζ「大丈夫です。・・・モララー君、私がいなくなっても、学校行かないでしょう」

( ・∀・)「まぁ、気が向いたらぼちぼち」

言葉を濁す。僕は弱い。・・・なんでだ。
夕食の匂いが、気弱にさせるのかもしれない。

41 ◆wUIe/oyXUM:2016/02/07(日) 16:36:29 ID:T2Z7dWaI0
いま、何気なく流したけれど、両親がいないのか。
なるほどならば今買い物してきた分くらいは出さなきゃまずいかな。

( ・∀・)「お金、どうしたの」

ζ(゚ー゚*ζ「親戚から出てますから心配なく」

( ・∀・)「それこそ貰えない」

ζ(゚ー゚*ζ「では、折半で。私もいただきますし」

食い下がってみたものの。
半分なら、まあ、いいのかな?
親戚からしてみれば知らない、恋人でも、さらに言えば友達ですらない
男の口に入るのもどうかと思うんだけれど。

42 ◆wUIe/oyXUM:2016/02/07(日) 16:41:24 ID:T2Z7dWaI0
ζ(゚ー゚*ζ「・・・モララー君こそバイトもしてないのに結構いい暮らししてますね」

( ・∀・)「僕はいいのさ、親が小金持ちだから」

ζ(゚ー゚*ζ「そうですか」

ストーカーだから、知ってたのかもね。
薄い反応に以外に思いながらも、僕はテーブルの前に腰を下ろした。
リズミカルに動くデレちゃんの手際に素直に感心する。これで愛とか言わなければなあ。
コンロで、魚を焼いているのが見えた。
魚焼きコンロ、初めて使われてる気がする。
あ、ご飯も炊いてある。いつぶりかな、家でご飯。
ぼんやりと取り留めのないことを思いながら、また、悪夢を思い出して目を眇めた。

波の音がする、引いては返す、砂浜をなでる波の。

43 ◆wUIe/oyXUM:2016/02/07(日) 16:52:22 ID:T2Z7dWaI0
ζ(゚ー゚*ζ(御両親は健在、お父様が会社役員。お母様は・・・)

手元の人参を刻みながら考える。
モララー君の家族構成。
未だ、呪縛から逃れられない彼の。

ζ(゚、゚*ζ(偉そうな事言っても私はただの高校生だ)

姉さんが言っていた。

ξ ⊿ )ξ『 あんた達が逃れられないと思ってるものは、大人になっちゃえば意外とカタがつくものなのよ。
子供の頃の世界なんてすごく狭くて・・・1個何かつまづいたらその先がないような気がするでしょう』

ζ( 、 *ζ『 お父さんお母さんが死んだことも?』

ξ ⊿ )ξ『 そうね・・・。あんたがいま辛いこともね』

いつか、過去になる。
未来は開ける、そう教えてもらったから私は生きてこれたんだ。
いつまでも囚われたまま生きる必要は無いのだと、教えて上げたくて。

ζ(゚ー゚*ζ「何が正しいのかな」

44 ◆wUIe/oyXUM:2016/02/07(日) 16:53:04 ID:T2Z7dWaI0
つづく

45名も無きAAのようです:2016/02/07(日) 17:08:55 ID:c8/JJF1I0
待ってたぜ


46名も無きAAのようです:2016/02/07(日) 19:14:52 ID:znNSh/Kw0
おつおつ

47名も無きAAのようです:2016/02/07(日) 19:47:36 ID:You2.AUw0
http://ssks.jp/url/?id=348

48名も無きAAのようです:2016/02/07(日) 20:08:19 ID:C7mW6Kqw0
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49名も無きAAのようです:2016/02/07(日) 20:19:25 ID:C7mW6Kqw0
《《《《号 外》》》》
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50名も無きAAのようです:2016/02/07(日) 22:01:20 ID:You2.AUw0
http://urx.red/rNLl

51名も無きAAのようです:2016/02/08(月) 02:57:18 ID:SJO8eqjY0
名無しで騒いでる阿呆がいるな
酉すら晒さずに暴言とか騙りや荒らしにしか見えんわ

52名も無きAAのようです:2016/02/08(月) 16:22:54 ID:1AnAM8GE0
荒れるのを防ぐ、と墓穴を掘ったのが1番アホだったな
私荒らしてます!と言い切ったわけで

53名も無きAAのようです:2016/02/08(月) 16:34:07 ID:9D5qqiPg0
一瞬何言ってんだこいつと思ったけど>>11の話か


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