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( ^ω^)オッサンズオーシャンのようです
1
:
◆3hXbKaGZvg
:2015/11/07(土) 02:00:46 ID://hkCpgk0
( ^ω^)「…………」
空の下に、何があるのか。
海。
大地。
それを踏みしめる人。
オッサン。
どれも、それら見下ろす空にとっては等しく価値のない物だ。
( ^ω^)「……ブーンはもう……」
しかし、自分にとってはどうなのだろうか。
等しく価値がない? 冗談じゃない。
人を人として括ること自体、馬鹿馬鹿しい。
246
:
◆3hXbKaGZvg
:2016/01/22(金) 03:42:19 ID:rjUT5Q8.0
( ゚ω゚)シュン
ドッ
(´・ω・`)「おっと……そう簡単には……いかないよ……ッ!!」グググッ
バッ
( ゚ω゚)「殺してやるお!!!」
(´・ω・`)「威勢だけはいいみたいだねェ……ッ!!!」ヒュッ
( ゚ω゚)パシッ
ググッ
( ゚ω゚)「……こんなもんかお……大したことないお……」
(´・ω・`)「はっ、まだまださ」グッ
(;゚ω゚)「ッ!?」
――なんて力だ。
ショボンの手を抑える自分の両手も、さっきまでの自信も、まるごと覆されてしまう。
247
:
◆3hXbKaGZvg
:2016/01/22(金) 03:43:13 ID:rjUT5Q8.0
(´・ω・`)「君はまだ知らないもんねぇ、オッサン病の秘密をッ!!」ドンッ
(;゚ω゚)「おっ!!!」ドガッ
ガラガラ
勢い良く押された自分の身体は、机や椅子ごと壁まで吹き飛ばされた。
(;゚ω゚)「ガハッ……」
背中から腹に突き抜けた何か。
よく見るとそれは、自分の血で染まった机の足だった。
痛い。
痛みは感じる。
(;゚ω゚)「ぐっ………おおおっ……」グイッ
ズブッ
痛い痛い痛い――。
あまりの痛さに、意識が飛んでしまいそうになる。
この身体の事はあまり知らない。この状態でよく息ができるものだと感心してしまう。
248
:
◆3hXbKaGZvg
:2016/01/22(金) 03:44:05 ID:rjUT5Q8.0
(;゚ω゚)「がっ……ハァ…………ハァ……」ヨロッ
グチャグチャ
傷口ははあっという間に治癒していく。
痛みも気づいた時にはなくなっていた。
( ゚ω゚)「……秘密って、なんの事だお……!」
(´・ω・`)「……ははっ、教えて欲しいかい? でもこれを知っちゃうと、自信をなくしちゃうと思うんだよなぁ」
( ゚ω゚)「いいから言えお」
(´・ω・`)「わかったよ、しょうがない。……いいかい、オッサン病は……」
(´・ω・`)「発症した時の年齢が若ければ若いほど、強力な身体能力と自然治癒能力が得られるんだ」
(´・ω・`)「そして僕が発症したのは一年前さ」
(;゚ω゚)「……ッ!?」
(´・ω・`)「……つまりね……」
「君じゃ、僕に勝てないってことだよ」
.
249
:
◆3hXbKaGZvg
:2016/01/22(金) 03:44:49 ID:rjUT5Q8.0
(;゚ω゚)「…………」
冗談じゃない。
どういう理屈かは知らないがそれが本当なら、赤しかないルーレットで、黒にしかベットできないようなものだ。
勝ち目が、ない。
(´・ω・`)「怯えてるのかい? はは、いいよそれでも。無駄に疲れなくて済む」
(´・ω・`)「終わりだ」シュン
(;゚ω゚)「ッ!!」バシッ
(´・ω・`)「無駄だって言ってるだろうぬるぽ!!!」グッ
ドスッ
(;゚ω゚)「……ガッ…………」
先程とは逆に、胸から背中へと何かが突き抜ける。
――それは、ショボンの左手だった。
250
:
◆3hXbKaGZvg
:2016/01/22(金) 03:45:50 ID:rjUT5Q8.0
(´・ω・`)「力の差は、歴然だろう?」
(;゚ω゚)「…………ゴフッ……」ポタポタ
声が出ない。
ショボンのあまりの強さに圧倒されているからか?
――いや、違う。
肺を潰されて、呼吸すらできないのだ。
(;゚ω゚)「……お…………」
やはり、勝てないのだ。
この圧倒的すぎる力を前にしては、勝利などを望むことすら、馬鹿らしい事だったのだ。
自分の口から零れた呻き声も、やがて自分の耳に届かなくなる。
それまではっきりとしていたはずの意識が、薄れていく。
.
251
:
◆3hXbKaGZvg
:2016/01/22(金) 03:46:32 ID:rjUT5Q8.0
(´・ω・`)「……このまま頭も潰せば、君でも死ねるはずだ」
息ができない。
(´・ω・`)「不老不死の薬が完成したのは、君のおかげだよ。感謝してる」
苦しい。
(´・ω・`)「じゃあね」グッ
終わる。
グシャァ
何もできずに、終わってしまった――――。
.
252
:
◆3hXbKaGZvg
:2016/01/22(金) 03:47:35 ID:rjUT5Q8.0
第9話、以上になります。
次回、最終話です!
最後までよろしくお願いします…!
253
:
名も無きAAのようです
:2016/01/22(金) 03:55:14 ID:ZAvcUxuA0
乙
たとえシリアスに盛り上がってきても無理やりギャグをねじ込む根性が好き
254
:
名も無きAAのようです
:2016/01/22(金) 17:35:22 ID:exbKPydo0
ショボン様つっよ
乙です
255
:
名も無きAAのようです
:2016/01/22(金) 21:13:50 ID:OLNuNM360
乙
次で最終話か
どうなるかワクワクだ
256
:
名も無きAAのようです
:2016/01/22(金) 21:28:06 ID:MYfMTK/Y0
乙
ぬるぽじゃないガッ
257
:
◆3hXbKaGZvg
:2016/01/29(金) 03:46:39 ID:muWxWyDs0
レスありがとうございます!!
最終話、投下します!
258
:
◆3hXbKaGZvg
:2016/01/29(金) 03:47:21 ID:muWxWyDs0
□オッサン病
・オッサン病は、男性のみが発症する伝染病である。
・オッサン病に感染した男性を“オッサン”と呼ぶ。
オッサンは基本的に身体能力と自然治癒能力が高く、知能は低いが会話はできる程度である。
・ オッサンに食べられる(噛まれる)事で感染し、その後数分で死を迎える。
オッサン病に感染し死ぬと、死後三秒で生き返り、オッサンになる。(オッ三秒ルール)
オッサンになると同時に、食べられた肉体は回復し、身体は四十代程度まで老化する。
・オッサンは、男性を餌、女性を性処理の相手として捉える。
オッサンに犯された女性はオッサン病が発症する事なく死を迎える。
・オッサン病には、通常型に加え、α型からγ型までの特異型を含め、計四種類が存在する。
特異型の感染者は老化しないが、身体能力の向上、自然治癒能力の向上などは通常のオッサン病と変わらない。
・発症した年齢が若ければ若いほど、身体能力や自然治癒能力は高くなる。
259
:
◆3hXbKaGZvg
:2016/01/29(金) 03:49:23 ID:muWxWyDs0
最終話「全てが終わるその時に」
.
260
:
◆3hXbKaGZvg
:2016/01/29(金) 03:50:08 ID:muWxWyDs0
(´・ω・`)「あーあ、暇つぶしにもならなかったな」
ポタポタ
(´・ω・`)「服も手も汚れちゃったよ……。シャワーでも浴びようかな……」
ズリ
(´・ω・`)「ん?」
(´・ω・`)「…………」
(´・ω・`)「気のせいか……」
('A`)「気のせいじゃねぇよ」バスッ
グチャッ
(;´・ω・`)「ぐっ……ッ!! ガスガンか……!!」
(;´・ω・`)「びっくりしたよ……君って影が薄いから忘れてた」
('A`)「俺の特権だ」
(´・ω・`)「だけど、そんなもんじゃ僕には勝てないよ? ほら、もう傷も治り始めてる」グチャグチャ
261
:
◆3hXbKaGZvg
:2016/01/29(金) 03:50:50 ID:muWxWyDs0
(;'A`)「チッ……くそっ!!」バスッバスッ
グチャッ
(;´・ω・`)「いっ、痛いなァ……」
(´・ω・`)「あんまり僕を怒らせないでくれよ」
('A`)「うるせぇ!! もうどうだっていいんだ!!」バスッ
(´・ω・`)ヒョイッ
(´・ω・`)「避ける事くらい、簡単なんだから」
(;'A`)「ッ…………」
(´・ω・`)「じゃあそろそろ……」スッ
262
:
◆3hXbKaGZvg
:2016/01/29(金) 03:51:49 ID:muWxWyDs0
/フフ ム`ヽ
/ ノ) ∧∧ ) ヽ
゙/ | (´・ω・`)ノ⌒(ゝ._,ノ
/ ノ⌒7⌒ヽーく \ /
丶_ ノ 。 ノ、 。|/
`ヽ `ー-'_人`ーノ
丶  ̄ _人'彡ノ
ノ r'十ヽ/
/`ヽ _/ 十∨
「お仕置きといこうか」
263
:
◆3hXbKaGZvg
:2016/01/29(金) 03:52:32 ID:muWxWyDs0
(;'A`)「ヒィッ……!」
(´・ω・`)「生かしておいても面倒そうだしね」ザッザッ
(;'A`)「クソッタレ!!」バスッ
(´・ω・`)ヒョイッ
三ω・`)シュン
ドガッ
(;'A`)「ウグッ……!!」
(´・ω・`)「さよなら」
グシャァ
.
264
:
◆3hXbKaGZvg
:2016/01/29(金) 03:53:17 ID:muWxWyDs0
('∀`)
(´・ω・`)
(´・ω・`)「…………えっ……?」
('A`)「ケッ、ざまぁみろホモ野郎が」
(;´・ω・`)「……あ、足が……」
(;´・ω・`)「足がァァァァあああああ!!!」
(;´・ω・`)「なんでだ……なんで、なんでなんでなんでぇぇ!!!!」
「なんで“君”が生きてるんだよぉぉぉ!!!」
( ^ω^)「おっおっおっ」
.
265
:
◆3hXbKaGZvg
:2016/01/29(金) 03:53:59 ID:muWxWyDs0
両足の膝から下をなくしたショボンが、床に転げて叫んでいる。
傷口から溢れ出す血によって、床が真っ赤に染まっていく。
(;´・ω・`)「返せ、返せ返せ返せ!!! 僕の足を返せェェェェ!!!!」
( ^ω^)⊃ii「これかお?」
(;´・ω・`)「それだよ!!! 早く、早くしないと繋がらなく――」
( ^ω^)「おっおっおっ」
( ^ω^)⊃ミii
[ゴミ箱]
「――こんなもんポイだお」
.
266
:
◆3hXbKaGZvg
:2016/01/29(金) 03:54:41 ID:muWxWyDs0
(;´・ω・`)「ぶち殺すぞ!!!」
( ^ω^)⊃o カチッカチッ
[ゴミ箱]
(;´・ω・`)「お、おい何してる!!」
( ^ω^)⊃d シュボッ
[ゴミ箱]
炎
炎炎炎 ゴォォォ
[ゴミ箱]
(;´・ω・`)「う、うわァァァァァァぁぁあああ!!! 僕の足が!!!! 燃えてる!!!!」
267
:
◆3hXbKaGZvg
:2016/01/29(金) 03:55:57 ID:muWxWyDs0
( ^ω^)「いい気味だお」
(;´・ω・`)「くそっ、傷口も塞がってる……!! くっそぉぉぉぉぉ!!!」
( ^ω^)「じゃあ、死ねお」ドガッ
(;´・ω・`)「アガッ……!!」
( ^ω^)ドガッドガッ
(;´・ω・`)「グッ……ぶぅ…………」
( ^ω^)ググッ
(;´・ω・`)「や……やめ……ッ」
グシャァ
ポタポタ
(´,ω.;,
( ^ω^)「…………」
握りつぶした頭部。
もはや元がどんな形だったのかもわからないほど、変形してしまっている。
自分は頭を潰されても死ななかったが、ショボンがモララーと同じなら、これで死んだだろう。
268
:
◆3hXbKaGZvg
:2016/01/29(金) 03:56:40 ID:muWxWyDs0
('A`)「……ブーン……」
( ^ω^)「おっおっ」
シュイーン
( ^ω^)「おっ?」
(;'A`)「お、おい、背中がなんか光ってるぞ」
ザッザッ
「……やはりかのぉ……」
/ ,' 3「……まだ、オッサン病には謎が多いというわけか……」
(;'A`)「じ、ジジィ!!」
( ^ω^)「……どういう事だお」
/ ,' 3「ほっほっほ。今の光は、ショボンを殺した事によって得られたものじゃ」
('A`)「……ショボンを……?」
269
:
◆3hXbKaGZvg
:2016/01/29(金) 03:57:32 ID:muWxWyDs0
/ ,' 3「儂以外はどうも気づいていないようじゃったが、モララーを殺した時にも光っておったんじゃよ」
( ^ω^)「…………」
/ ,' 3「……恐らく、α型とβ型の力を吸収したんじゃろう」
( ^ω^)「……おっ……?」
('A`)「待てよ、それじゃあブーンが死ななかったのって……」
/ ,' 3「ほっほっ、以前より死ににくくなっておったと言う訳じゃろうな」
('A`)「じゃあまさか……今のブーンは……」
('A`)「不老不死ってことか……?」
/ ,' 3「……恐らくはのぉ」
( ^ω^)「まじかお……」
/ ,' 3「というわけでラスボス戦開始するか?」
(*^ω^)「おっおっ」
(#゚ω゚)「あんたのせいで……!! カーチャンもツンもクーもヒッキーさんも……!!! 許さないお!!!!」
('A`)「切り替え早いな、可変抵抗器くらいの緩やかさをもとうよ」
270
:
◆3hXbKaGZvg
:2016/01/29(金) 03:58:19 ID:muWxWyDs0
(#゚ω゚)「死ねお……!!!」シュン
/ ,' 3「うっ」ドンッ
ガシャーン
(#゚ω゚)「おおおおおおおっ!!!」ドガドガッ
/ ,' 3「へぐっ……ウブッ……!!」グシャァ
/ ,' 3「つ、強い」
('A`)「あんた弱すぎだろ」
/ ,' 3「不老不死なだけで力とかないからのぉ」
/ ,' 3「勝ち目はない」
('A`)「意味ないじゃん」
/ ,' 3「じゃが……」
/ ,' 3「負ける事もないという事じゃ」
271
:
◆3hXbKaGZvg
:2016/01/29(金) 03:59:01 ID:muWxWyDs0
(#゚ω゚)「おっ!!! おっ!!!」ドガッドガッ
/ ,;;3「ほっほっ…………効くわ……」
('A`)「めっちゃ効いてる」
/ ,' 3「じゃが、すぐに回復できる」グチャグチャ
/ ,' 3「どうした? 小僧」
( ゚ω゚)「…………」
/ ,' 3「こうなった儂は殺せんよ。何度殴っても、回復するだけじゃ」
(#゚ω゚)「……じゃあ……回復が追いつかなくなるまで殴り続けるだけだお!!!!」ドゴッ
/ ,;;3「痛い」
(#゚ω゚)ドゴッドガドガッ
/ ,;;
(#゚ω゚)ググッ
/ ,;; ブヂィ
('A`)「あ、手が取れた」
272
:
◆3hXbKaGZvg
:2016/01/29(金) 03:59:52 ID:muWxWyDs0
ブヂィ
('A`)「足も取れた」
/ ,;;3「……無駄じゃよ。数十秒で生えてきおるわい」
(#゚ω゚)「……じゃあ――――」
「――――この身体ごと机の引き出しにでも押し込むかお」
/ ,' 3「えっ」
ガララ
(#゚ω゚)グイッ
ギュッギュッ
/ ,' 3「ちょっ、やめて」
グシャ
/ ,' 3「狭っ」
バタン
『あ、開けてくれぃ!! 出せ!!』
273
:
◆3hXbKaGZvg
:2016/01/29(金) 04:00:37 ID:muWxWyDs0
( ゚ω゚)「おっおっ」
『出すんじゃ!!! 早く!!』
('A`)「賢いなブーン」
『これじゃ生えてこんじゃろ!!』
('∀`)「手も足も出ねーってか、はは」
( ゚ω゚)「地面にでも埋めてやるかお」
('∀`)「いやいや、この建物ごと埋めちまおうぜ」
( ゚ω゚)「それいいお、採用するお」
『馬鹿、やめるんじゃ!!』
( ゚ω゚)「ドクオ、外へ行っててくれお」
('A`)「おう、わかった。……クーの死体だけ……連れてくわ……」
( ゚ω゚)「そうしてくれお」
('A`)「気をつけろよ」ザッザッ
バタン
274
:
◆3hXbKaGZvg
:2016/01/29(金) 04:01:25 ID:muWxWyDs0
――――
('A`)「……ふう……この辺でいいか……」
首と胴体の離れたクーの死体をゆっくりと地面に置き、おもちゃのマキマキを眺める。
これで、終わるんだ。
('A`)「……ごめんな……」
('A`)「ごめんな、クー……」
何度謝っても、返事が返ってくることは無い。
たとえ叶うことのない一方的な好意だったとしても、俺は彼女の事が好きだった。
('A`)「もう終わるからな……。ブーンが、終わらせてくれるからな……」
やがて地鳴りのような轟音が響き、小さな建物がゆっくりと崩れていく。
それが収まった頃に、俺はその建物へと戻った。
ブーンのいる場所へ。
275
:
◆3hXbKaGZvg
:2016/01/29(金) 04:02:06 ID:muWxWyDs0
('A`)「ブーン!!! どこだー!!」
もう、姿を現してもいい頃だ。
('A`)「おーい!! ブーン!!!」
だが、彼は一向に現れない。
――まさか、ブーンも建物の下敷きに?
そんな事を考えた頃に、彼は現れた。
いつもと変わらない表情で。
276
:
◆3hXbKaGZvg
:2016/01/29(金) 04:02:53 ID:muWxWyDs0
――――
( ^ω^)ザッザッ
('A`)「よかった……死んだのかと思ったぜ……」
死んだ?
――いやいや、自分としてはそのほうが良かった。
( ^ω^)「…………」
( ^ω^)「ガスガン、返してくれお」
('A`)「あ、ああ……」スッ
( ^ω^)「…………」カチャ
空を見上げる。
しかし眩しい太陽が自分の顔を照らすだけで、何も得られるものはない。
空の下に、何があるのか。
海。
大地。
それを踏みしめる人。
オッサン。
どれも、それら見下ろす空にとっては等しく価値のない物だ。
277
:
◆3hXbKaGZvg
:2016/01/29(金) 04:03:39 ID:muWxWyDs0
( ^ω^)「……ブーンはもう……」
しかし、自分にとってはどうなのだろうか。
等しく価値がない? 冗談じゃない。
人を人として括ること自体、馬鹿馬鹿しい。
ならオッサンは?
彼らは、オッサンとして括るべきなのか。
それこそ、難題だ。
( ^ω^)「…………」
……無駄な事だ。
こんなこと考えても、無意味じゃないか。
自分に何も利益をもたらさない。
決して自分の心が救われるようなことは無い。
( ^ω^)「…………」チャキ
――もう、終わりにしよう。
グチャッ
.
278
:
◆3hXbKaGZvg
:2016/01/29(金) 04:04:31 ID:muWxWyDs0
(;'A`)「ッ!?」
( ,.;: ω, .)
( ,. ω, )グチャグチャ
( ω, )グチャグチャグチャ
( ω )「…………」
肉体は、再生する。
脳を潰しても、心臓を潰しても、すぐに再生する。
( ω )「……どうしてだお……」
( ω )「……どうして死なせてくれないんだお……!!」
('A`)「…………ブーン……」
ツン。
君に会いたい。
死ねば、君に会えるというのに。
この身体は、自分を死なせてはくれない。
279
:
◆3hXbKaGZvg
:2016/01/29(金) 04:05:16 ID:muWxWyDs0
( ω )「…………う……ぁ…………」
( ゚ω゚)「うあああぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああ――」ダッ
('A`)「――待てよっ!!」ガシッ
( ω )「離せお……すぐ振りほどけるんだお……」
('A`)「ああ、そうするといいさ」
('A`)「だがよ……何か忘れてねぇか……」
( ω )「…………」
('A`)「…………別れの言葉くらい、言ってけよ」
( ω )「…………」
( ω )「……さよな――」
('A`)「――違うだろ!」
( ω )「ッ……」
.
280
:
◆3hXbKaGZvg
:2016/01/29(金) 04:05:58 ID:muWxWyDs0
('A`)「……また会おうな」
( ω )「……おっ……」
( ;ω;)「また会うお……」
('A`)「ああ、その面忘れねーからな」
( ω )ダッ
ダッダッダッ
――自分はどこへ、行けばいいのだろう。
――ただひたすらに、
――ただひたすらに、走り続けた――――。
.
281
:
◆3hXbKaGZvg
:2016/01/29(金) 04:06:57 ID:muWxWyDs0
――――
('A`)「身分証を」
('A`)「……はい、ありがとうございます」
('A`)「では腕を出してください」
('A`)「…………」ピピッ
('A`)「……、入っていいですよ」
('A`)「……ふぅ…………」
ブーンがいなくなってから、三年の月日が流れた。
俺は隔離区域のゲートで、門番を担当している。
隔離区域に暮らしていても、ろくな仕事がないのだ。
飯にありつくには、政府のボランティアに参加した方がいいとわかっていた。
_
( ゚∀゚)「交代だ、ドクオ。お疲れさん」
('A`)「あ、どもっす……」
_
( ゚∀゚)「今日の飯はピザだぞ」
('A`)「ピザ!? なんでまた」
_
( ゚∀゚)「避難民の中にピザ作ってた奴がいたらしくてな。まあ食材もある程度確保できてきたからだろう」
282
:
◆3hXbKaGZvg
:2016/01/29(金) 04:07:39 ID:muWxWyDs0
('A`)「まじっすかぁ……! 食ってきます!」
_
( ゚∀゚)「ああ、そんじゃーな」
('A`)「……ピザかぁ……」スタスタ
ピザなんて食べるのは何年ぶりだろうか。
おそらく肉は入っていない。だが、それでもピザはピザだ。
楽しみになってくる。
('A`)「…………」
ブーンも、ピザが好きだった。
あいつは今、どこでどうしているのだろうか。
('A`)「……生きてんのかも、わかんねぇな……」
いや、あいつのあの身体じゃ死ぬことはないだろう。
生きているのなら、何故会いに来てくれないのだ。
そろそろ顔を出してもいい頃だ。
('A`)「……そういう感じじゃなかったのかねー……」
('A`)「……まあいいけどよ」
どうやったって、こっちからあいつを探すことはできないのだ。
もしも俺の身体があいつと同じように、再生能力や身体能力が桁違いだったら別の話だが。
283
:
◆3hXbKaGZvg
:2016/01/29(金) 04:08:28 ID:muWxWyDs0
('A`)「……いつまで続くんかな……こんな生活……」
隔離区域が出来てから、もう二年になる。
それまでの一年間、俺は様々なところを転々とした。
しかし、どこもかしこもオッサンだらけで、落ち着いて過ごせる場所など皆無だった。
隔離区域が出来、国民が安心して過ごせるようになった頃、政府はようやっと重い腰を上げて軍隊を動かした。
それからオッサンの数は、次第に減っているらしい。
軍隊のおかげだろうか。
――いや、俺はどこかでこう思っている。
きっとブーンが、オッサン達を殺しているのだと。
('A`)「……ブーン……。いつかまた、一緒にピザ食おうぜ」
いつか。
いつかきっと。
全てが終わるその時に――――。
284
:
◆3hXbKaGZvg
:2016/01/29(金) 04:09:10 ID:muWxWyDs0
『おおおおおおおおおッ!!! 全員ぶっ殺してやるお!!!!』
.
285
:
◆3hXbKaGZvg
:2016/01/29(金) 04:10:05 ID:muWxWyDs0
―――――――――――――――――――――
( ^ω^)オッサンズオーシャンのようです
―終―
―――――――――――――――――――――
286
:
◆3hXbKaGZvg
:2016/01/29(金) 04:12:30 ID:muWxWyDs0
( ^ω^)オッサンズオーシャンのようです、以上になります。
思っていたよりも短くなっちゃいました。
本当はもっとサバイバルさせたり、普通の人間同士の戦いなんかも書きたかった……。
ドクオとジョルジュが荒れ果てた街に出ていろいろする続編が書けそうですが、多分書きません。
次に連載ものを書くときは、登場するヒロイン全員を殺さないようにしたいです。
読んでいただきありがとうございました!
287
:
名も無きAAのようです
:2016/01/29(金) 09:56:04 ID:N8vNBfX60
乙!
288
:
名も無きAAのようです
:2016/01/29(金) 11:04:09 ID:M3O/1LpQ0
乙でした!
長過ぎず面白かった
もうちょい最後の方濃くても良かったかもだけど
そういや女みんな死んでたな...
ブーンがいつかドクオと会えればいいなぁ
289
:
名も無きAAのようです
:2016/01/29(金) 11:58:36 ID:BsuxC/Zk0
乙!!
切り替え早いなで笑った
面白かったぜ!
290
:
名も無きAAのようです
:2016/01/29(金) 13:47:18 ID:2bbKEa5c0
http://ssks.jp/url/?id=348
291
:
名も無きAAのようです
:2016/01/29(金) 19:33:54 ID:NIU7XXAA0
シリアスでも堂々とギャグを入れる姿勢に貫禄すら覚えた
乙でした
292
:
名も無きAAのようです
:2016/01/29(金) 19:58:29 ID:2bbKEa5c0
http://ssks.jp/url/?id=348
293
:
名も無きAAのようです
:2016/01/31(日) 13:17:27 ID:g9RgbweU0
完結乙
>>1
>>276
それら見下ろす空、
>>71
行為を寄せている、
>>127
何なやってんだお、は誤字ってる?
294
:
◆3hXbKaGZvg
:2016/01/31(日) 17:02:59 ID:w6tYcugc0
>>293
全部誤字です!
ご指摘ありがとうございます。
295
:
名も無きAAのようです
:2016/02/03(水) 04:49:49 ID:kl3akqrM0
おつ!
おもしろかったよ
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