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( ^ω^)面接を受けるようです
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ネタ捨て場、ID:DM9NbLI.0さんのネタをお借りします。
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( ^ω^)「ここかお?」
ビルの二階にある、“デザインミルナ”と書かれた事務所。
デザインのアシスタントのバイトを募集していると聞いて、面接へ来たのだ。
デザイナーになりたい自分にとっては、うってつけのバイトだ。
まともな職が無い自分だが、身につけたパソコンスキルが役に立ちそうだ。
四階にも同じようなデザイン会社があるようだが、確か二階だった気がする。
いや間違いない、二階のはずだ。
(;^ω^)「緊張してきたお」
先程、駅のトイレでうんこをしてきたばかりだ。緊張すると、トイレに行きたくなってしまうのは悪い癖だ。
バイトの面接で今更緊張しないと思っていたのだが、デザインのアシスタントというのは少し特殊だからか、鼓動が早くなる。
自分のアピールを、しっかりできるだろうか。
( ^ω^)「……がんばるお……!」
深呼吸して、扉をノックした。
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( ゚д゚ )「まずい……まずいぞ」
捜査官に、この場所がバレてしまったかもしれない。
これも全て、先日の爆破テロの時の、部下のミスによるものだ。
捜査官が踏み込んでくるとしたら、今日だろうか。
( ゚д゚ )「早く片付けろ!」
一刻も早く、自分に繋がる証拠となる物を処分しなければならない。
ここにいる三人の部下に支持を出し、逃げる準備をしていた。そんな時。
扉をノックする音が聞こえた。
( ゚д゚;)「なっ……!?」
誰かが来たようだ。
間違いない。捜査官だろう。
俺と三人の部下。この中で唯一顔が割れていないのは俺だけだ。
( ゚д゚;)「お前たちは隠れていろ」
こうなったら、俺が正面から捜査官に立ち向かうしかない。
覚悟を決めて、椅子に腰を掛けた。
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扉の向こうから、“どうぞ”という声が聞こえたのを確認して、僕は扉を開けた。
( ^ω^)「失礼しますお」
思っていたより、小さな部屋だ。奥に扉もあるようだが、トイレか何かだろう。
一番大きなデスクに座っている、一人の男。この人が、ここの社長さんだろうか。
( ゚д゚ )「や、やあ、君は?」
( ^ω^)「あの……ブーンといいます。バイトを募集していると聞いて、よかったら面接していただけないでしょうかお」
( ゚д゚;)「ば、バイト? どういう事だ?」
(;^ω^)「おっ? アシスタントのバイトですお」
椅子にどっしりと構えた男は、その姿勢とは似合わず汗をダラダラと流していた。
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( ゚д゚;)(どういうつもりだ、こいつは……)
入ってきたのは、小太りの男。
できるだけ一般人に見えるよう、変装してきたつもりだろうか。
バイトなんて、募集した覚えはない。そもそも、デザイン会社など俺達がまともにやっているわけがない。
それをわかってて、言っているのだろう。
( ゚д゚;)「まあいい、そこに座ってくれ」
(;^ω^)「おっ、そこって……」
ブーンという男は、あたりをキョロキョロと見回している。
椅子なら目の前にあるだろうが。なぜそこまで見回す必要があるのだ。
この部屋を観察しているのか。
( ゚д゚;)「そこだそこ!」
(;^ω^)「はいですお」
( ゚д゚;)「床に正座するな!」
(;^ω^)「す、すみませんお」
ブーンは、すぐそばにあったら椅子を引き寄せて、自分の正面へと座った。
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(;^ω^)(やばいお、さっそくアホ丸出しだお……)
想像以上に緊張してしまって、椅子が目に入らず、床に座ってしまった。
絶対、変に思われてしまった。
( ゚д゚;)「俺はミルナ、ここの社長兼デザイナーだ。よろしく」
(;^ω^)「よろしくお願いしますお」
軽く、頭を下げる。
なんとなく、怖い人だと思った。
もし受かったとしても、この人の下で続けられるだろうか。少しだけ不安だった。
( ゚д゚ )「バイトの募集なんてどこで知ったんだ?」
( ^ω^)「友達から聞いたんですお。ここでバイトしてるって」
( ゚д゚;)「なっ、何!? 友達ぃ!?」
(;^ω^)「おっ!?」
ミルナという男は急に立ち上がって、叫び声を上げた。
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( ゚д゚;)(どういう事だ……!? まさか、三人の中に裏切り者が……!?)
まずい事になった。もし三人の中に裏切り者がいるのだとしたら、自分の身が危うくなる。
……なんとか、しなければ。
( ゚д゚;)「すまん、取り乱したな……あいつに友達がいるとは思わなくて」
( ^ω^)「おっおっ、確かに友達いなさそうなタイプですお」
ブーンは、笑った。
テロリストのような奴に友達なんかいるわけない、と嘲笑っているのだろうか?
その態度に思わずキレてしまいそうになったが、堪えた。
できるだけ、取り乱してはならない。
( ^ω^)「あ、これお願いします」
ブーンから手渡された封筒。
( ゚д゚;)「……!?」
まさかこれは、自分たちがテロリストだと決定づける証拠か?
それとも、逮捕状だろうか。
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(;^ω^)(な、何してんだおこの人)
ミルナは封筒を受け取ると、それを開けることはせずただ見つめて震えていた。
(;^ω^)(ま、まさか、封筒に汚れでもついてて怒ったのかお……!?)
よく見ると、封筒の角に何か茶色い物がこべり付いている。
(;^ω^)(あっ……あれは僕のうんこ……!?)
まさか、さっき駅のトイレでうんこした時にこべり付いてしまったのか。
(;^ω^)「き、汚いですお!」
僕は立ち上がってそう叫んだ。
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アンジャッシュ的な感じかな?
面白そう
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( ゚д゚#)「……汚い……!?」
ブーンは、自分をしっかりと見つめてそう叫んだ。
やはりこれは証拠か何かだったのだろう。
それを突きつけたから、演技をするのを辞めたのだ。
確かに、俺の手口は汚いだろう。自分には被害が及ばぬように、全て部下にやらせているのだから。
( ゚д゚#)「この俺が汚いだと!? わざわざ貴様の面接とやらに付き合ってやったというのにその言い草はなんだ!!」
思わず、そう叫んでしまった。
(;^ω^)「おおお!? 違いますお! 僕はただ、履歴書の封筒が汚れているのが気になって……!」
( ゚д゚ )「……へ? 履歴書?」
封筒をもう一度見る。角が泥のようなもので汚れている事に、今初めて気がついた。
恐る恐る中を開けて取り出した紙には、履歴書と書かれていた。
( ゚д゚;)「……」
また、取り乱してしまった。
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(;^ω^)「ほんとごめんなさいですお!」
( ゚д゚ )「いやいや、いいんだブーン君、座ってくれ! こんなもの大した汚れじゃあない!」
ミルナは、封筒に付いている僕のうんこを指で拭った。
(;^ω^)(……うんこだなんて言えない……)
僕は、ゆっくりと椅子に座り直した。
( ゚д゚ )「うーんどれどれ……、君はフリーターなの?」
(;^ω^)「は、はいですお。デザインが趣味なので、思い切ってそういうバイトもしてみたかったんですお」
( ゚д゚ )「ふーん……」
(;^ω^)「あ、あの、僕フォトショとかやってましたお!」
( ゚д゚;)「フォト……ショ?」
ミルナは、疑問符を頭上に浮かべていた。
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( ゚д゚;)(フォトショ……!? なんだそれは……!?)
デザインの専門用語だろうか。こんな事になるのなら、多少の知識くらいはつけておくべきだった。
(;^ω^)「……? フォトショ、フォトショップですお?」
( ゚д゚ )「……」
( ゚д゚;)(フォトのショップ……つまり写真屋の事か!?)
( ゚д゚;)「あーフォトショップね。知り合いにもやってる奴いるよ」
(;^ω^)「えっ、ミルナさんはやらないんですかお!?」
( ゚д゚;)「えっ!? いや俺はこの仕事あるしね!?」
(;^ω^)「いやいやこの仕事だからこそですお、おかしいですお!」
( ゚д゚#)「おかしいとはなんだ!! 貴様黙って聞いていれば……俺がどうしようと勝手だろうが!」
思わず、立ち上がってキレてしまった。
衝撃で机が揺れ、消しゴムが机の横に落ちていったのが見えた。
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(;^ω^)「すすす、すみませんですお!」
まさか、アナログしか使わないデザイナーだとは思わなかった。
だからアシスタントを募集していたのか。
僕は必死で頭を下げた。
( ゚д゚;)「……まあいいよ、俺も怒っちゃってすまない。ここの所仕事ばっかりで、ちょっと疲れてるみたいだ」
(;^ω^)「いえ、とんでもないですお……」
とりあえず、許してもらえたようでよかった。
少し怒りっぽい人のようだ。余計に緊張する。
緊張からか、思わずあくびが出そうになってしまう。
(;^ω^)(ま……まずいお……)
咄嗟に顔を伏せて、顔を見られないようにした。
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( ゚д゚#)(こいつ……笑ってやがるのか……)
突然顔を伏せたかと思ったら、小刻みに震えている。
自分が焦っているのを見て、笑いが堪えられなくなったのだろう。
次に隙を見せたら、終わらせてやる。
( ^ω^)「あ、ちょっとすみませんお。消しゴムが……」
ブーンはそう言うと、机の横へと座り込んだ。
――やるなら、今しかない。
俺は咄嗟に机からサイレンサー付きの拳銃を取り出し、ブーンの頭に向けて引き金を引いた。
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( ^ω^)(おっ……あれは消しゴムかお?)
正面にあるミルナの机の横に、消しゴムが落ちている。
恐らく、さっきミルナが立ち上がった衝撃で落ちたのだろう。
デザイナーの消しゴムだ、きっと大切な物に違いない。今拾ってあげればきっと良い評価がされるはずだ。
( ^ω^)「あ、ちょっとすみませんお。消しゴムが……」
椅子から立ち上がって、机の横に座り込んだ。
そして消しゴムを掴むが――
――足が、動かない。
(;^ω^)(や、やばいお、痺れちゃったかお)
ずっと座り込んでいるわけにもいかない。無理矢理立ち上がろうとすると、膝がぐらついて転んでしまった。
(;^ω^)(おっ……)
ミルナに、見られてしまっただろうか。
急に、恥ずかしくなってきた。
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( ゚д゚;)「!?」
ブーンは咄嗟に頭を屈めて、俺の放った弾丸を避けた。
弾丸はブーンの頭を僅かに掠めて、床へと突き刺さった。
――まさか、気づかれていたというのか。
(*^ω^)「へへ、痛いですお……」
( ゚д゚;)「ーーッ!!」
ブーンは、弾丸が掠めた頭を掻きながら、こちらを見て笑っている。
その時俺は思った。
この男には敵わないと。
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( ^ω^)「すみませんでしたお。消しゴムですお」
( ゚д゚;)「ああ……、ありがとう……」
( ^ω^)「……?」
ミルナが、汗をダラダラと流しながら小刻みに震えている。
どうしたのだろうか。
( ^ω^)「ど、どうかしたんですかお?」
( ゚д゚;)「ヒェ!? い、いやいや、なんでもない」
(;^ω^)「そ、そうですかお」
消しゴムが落ちてしまった事が、ショックだったのだろうか。
デザイナーはみんなこんな感じなのか、と思った。芸術家だと捉えれば、変わった人でもおかしくはないと感じる。
僕は改めて席についた。
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( ゚д゚;)(もうだめだ……好きにしてくれ……)
後ろに控えている部下も、裏切り者がいるのだとしたら役には立たない。
もう俺には、諦める以外の選択肢が残されていなかった。
(;^ω^)「それであの……どうでしょうか……」
( ゚д゚;)「ど、どうって……。君の、好きにしてくれ……」
(;^ω^)「おっ!? そ、それでいいんですかお?」
( ゚д゚;)「ああ……構わん……」
( ^ω^)「ありがとうございますお!! じゃあよろしくお願いしますお!」
変わった捜査官だ、と思った。
これが彼の持ち味なのだろう。
演技の中に隠れた本当の才能が、どれほど恐ろしいものか。俺はもう二度と見たくなかった。
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( ^ω^)(やったお! まさかこの場で合格だなんて思わなかったお!)
これで、自分のデザイナーとしての道が開けてきた。
ここで経験を積み、いつかは自分も一流のデザイナーになってやろう。そう心に誓った。
今日はひとまず帰ろうと思って席を立った時だった。扉からノックの音が聞こえた。
( ^ω^)「おっ? 誰か来たみたいですけど、出ちゃっていいですかお?」
( ゚д゚;)「……? 構わないが……。俺はちょっとトイレに行ってもいいか……?」
( ^ω^)「大丈夫ですお!」
これが自分の初仕事だ。とは言っても、扉を開けるだけだが。
ミルナが後ろの扉に入っていったのと同時に、自分は正面の扉を開けた。
( ^ω^)「こんにちはですお」
( ´∀`)「警察です。モナー捜査官と言いますモナ」
扉の向こうには、スーツ姿の男が警察手帳を持って立っていたのだった。
僕の初仕事は、想像以上に大変そうだ。
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以上になります。
現行の合間に続きをかけたら…と思います。多分書きます。
ネタお借りさせていただきありがとうございます!
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おつ
ネタ捨て場に具体的に書かれてたのはここまでだからここからどう展開していくのか楽しみだ
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続くのか、いいね
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おつ
おもしろいね
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S(′・ω・)乙
読みやすい!!支援
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>>11
くだらないけどうんこを指で拭ってるのでわろた
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乙
面白かったよ。続くというのは意外だった。モナーとブーンの掛け合いが楽しみ。
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乙。続くだと…展開が読めない
面白くなりそうで期待
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乙!コントみたいで面白い
短編かと思ったら続くのか
楽しみにしてる!
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乙乙
どう続くのか気になる
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想像以上に期待されててやる気出てきました!
と言いつつ殆ど思いついてないので時間がかかりそうです
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待ってるよ
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松よ
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竹よ
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梅よ
重労働だなあと960レスか
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埋めんなwwww
おつおつ、待ってるよー!
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なんとか完成しました…。
明日辺り投下します!
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――ミルナ vs モララー――
( ゚д゚;)「…………」
(;・∀・)「大丈夫ですか!?」
扉を開けた先。そこにはトイレに通じる扉と洗面所がある。
その洗面所にいた、モララー含む三人の部下。
その全員が、不安そうな表情で自分を心配してくれていた。
( ゚д゚ )「すまない……心配を――」
――いや待て。
この中の誰かが裏切り者である事は、間違いないのだ。
( ゚д゚ )「……どうやら、この中に俺の事を良く思わない奴がいるようだな」
(;・∀・)「!? それは、どういう……?」
( ゚д゚ )「裏切り者だ。俺の事を、裏切った奴がいる」
(;・∀・)「…………」
( ゚д゚ )「……なんだモララー。まさか、貴様ではないだろうな」
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(;・∀・)(まずい、非常にまずい……!)
まさか、こんなにも早くバレてしまうとは。
(;・∀・)(ミルナさんがいつも持ってくるプリンを、こっそり一つだけ食べてたのがバレてしまったか……)
( ゚д゚ )「正直に言ったらどうだ。どうせ、裏切り者はすぐにわかる。でも後から知ったんじゃ、後味悪いよなぁ?」
(;・∀・)(まさか、他の奴に見られていたのか……!?)
もう、白状するしかない。
自白したほうが、ミルナさんも大目に見てくれるかもしれない。
(;・∀・)「……申し訳……ありませんでした……!!」
( ゚д゚ )「……やはり貴様か。……貴様のせいで、俺は大切な友を失ったのか……」
(;・∀・)(友達って言うくらい好きだったのか……プリンの事……)
( ゚д゚ )「……もう、取り返しはつかない……。俺は悲しいぞ……」
(;・∀・)(目に涙まで浮かべてる……!? 好きすぎでしょ……)
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( ゚д゚ )(どうしてこんな事に……)
俺が何か間違っていたのだろうか。
確かに、俺だけ影に隠れてテロ行為を続けていたのは卑怯だったかもしれない。
だがその分、部下にはよくしてやったつもりだった。
しかし、それでもモララーは裏切ったのだ。
大切な友に、裏切られたのだ。
失われた友情は、取り返せない。
(;・∀・)「俺、後でいっぱい買ってきますんで!! それじゃダメですかね!?」
( ゚д゚;)「買う!? どこで!?」
(;・∀・)「コンビニっす!」
( ゚д゚ )「……」
( ゚д゚#)「ふざけるな!!」
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(;・∀・)「ええっ!?」
コンビニじゃダメなのか。
(;・∀・)「じゃあスーパーで! オギノ! コモディイイダ! マックスバリュ!」
( ゚д゚#)「…………貴様が俺をどう思っているか……よくわかったぞ」
スーパーでもダメなのか。
(;・∀・)「待ってください!! じゃあどこならいいんですか!?」
( ゚д゚ )「…………、そうか……お前らには教えてなかったな……そういう、大切な事を……。いいか、金で買えるものじゃないんだ」
(;・∀・)「なっ……!?」
(;・∀・)(まさか……彼女さんの手作りだったのか……!?)
俺でも、彼女がプリンを作ってくれたら、それはもう大切に大切に食べるだろう。
なくなったとなれば、大騒ぎだ。
( ゚д゚ )「金より価値がある物を見つけるのは、こんな仕事をしてると難しい。だからお前も、気づけなかったんだな……」
(;・∀・)「あ、愛してるんですね」
( ゚д゚ )「は?」
(;・∀・)「あ、いえ、僕も愛してますし……」
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( ゚д゚;)「ちょっ、何を言ってるんだ?」
どういう事だ。
モララーは、ゲイなのか?
――いや、そうだとしたら裏切る理由がわからない。
(;・∀・)「ですから、僕も愛してますと」
( ゚д゚;)「……ちょっと離れてくれるか」
(;・∀・)「ええっ!?」
聞き間違いではない。モララーは確かに、愛してます、と言ったのだ。
つい、後ずさりしてしまった。
(;・∀・)「そんな……俺にはもう……取り返しがつかないんですね……」
( ゚д゚;)「いやいや元々無理だから」
(#・∀・)「……そんな……そんな言い方をしなくてもいいじゃないですか!!」
( ゚д゚#)「何逆ギレしてんだよ!」
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(#・∀・)「俺だって好きでやったんじゃないですよ! ついついやっちゃっただけなんですよ!」
( ・∀・)「それがまさか……こんな結果になるなんて思ってもいなかったですよ……」
後悔しても、遅い。
ミルナさんの彼女の手作りプリンは、もう無いのだ。
( ゚д゚#)「……二度とこんな事にならないよう……殺すしかないな」
(;・∀・)「えっ!?」
――まさか。
二度と彼女の手作りプリンを食べたくならないよう、彼女を殺すと言うのか。
(;・∀・)「そりゃ可哀想ですよ!」
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( ゚д゚;)「お前が言うなよ!!」
(;・∀・)「俺だったら殺しません!」
( ゚д゚;)「必死すぎるだろお前!!」
(;・∀・)「そりゃ僕は愛してますもん!!」
( ゚д゚;)「やめてくれ気持ち悪い!!」
モララーにナイフ代わりのツッコミを入れていると、不意に扉をノックする音が聞こえた。
( ゚д゚ )「……ここで待ってろ」
洗面所に三人を置き去りにし、俺は扉を開けて事務所へと戻った。
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――ブーン vs モナー――
(;^ω^)「けっ、警察!? 捜査官!?」
何故、突然警察がやってくるのだ。
わけもわからず、不安や焦りというよりも、混乱していた。
( ´∀`)「何を慌てているんですか。ちょっと、聞き込みに来ただけですモナ」
(;^ω^)「おっ……聞き込みですかお……?」
( ´∀`)「ええ。先日爆破テロが起きたのはご存知だと思うのですが……」
爆破テロ。動機までは知らないが、テロ集団が大手通信会社のビルを爆破したのは知っている。
( ´∀`)「付近の方が何か知っていればと思いまして」
(;^ω^)「おっ…??」
そう言われても、僕は今日初めてここに来たのだ。なにか知っているわけがない。
(;^ω^)「ぼ、僕は何も知りませんお!」
( ´∀`)「まあまあ落ち着いてくださいモナ。ちょっと中に入ってもいいですか?」
(;^ω^)「は、はぁ……」
仕方なく、僕はモナーを事務所の中に入れた。
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( ´∀`)(この動揺……間違いなく犯人モナ。リストの顔に一致しないということは、恐らくグループのリーダー……)
既にグループ四人のうち、三人の顔写真は入手している。
残った一人は、三人を影で操るリーダーだ。
この男が、ほぼ間違いなくリーダーだろう。
( ´∀`)「綺麗なオフィスですね。デザインの方はどの位やっているのですか?」
(;^ω^)「おっ? どの位と言われましても……一日ですかお?」
(;´∀`)「一日!?」
いきなりこんなバカな事を言って、どういうつもりだろうか。
嘘くらいつけば良いのに。そんな事を思った。
(;´∀`)「そうですか、一日ですか……。それにしては立派な事務所ですモナ」
( ^ω^)「僕もそう思いますお! こんないい所で仕事ができるなんて、最高ですお!」
(;´∀`)「そ、そうですね」
バカだ。こいつはバカなのだ。
リーダーは頭の切れる人間だと聞いていたが、これはただのバカだ。
こんなリーダーで部下もよくついてくるものだ。
(;´∀`)(……はっ!?)
――いや待て。これはもしかして、私を油断させるための作戦なのではないか。
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( ^ω^)「いっぱいいろんなデザインがしたいですお……」
壁に飾られた、“デザインミルナ”のロゴを見る。
(;^ω^)(……センス悪っ!!)
よく見るとそれは、青色のゴシック体に白い枠をつけただけの物だった。
あんなもの、中学校のパソコンの授業でも作れる。
(;^ω^)(……いやきっと、常人には理解できない何かが……)
そう思うしかなかった。
( ´∀`)「わざわざ時間を取らせてしまいすみませんモナ。そういえば、お仕事の方は大丈夫ですか?」
( ^ω^)「おっおっ、まだ仕事無いですお」
(;´∀`)「は、はぁ。それはそれで大変ですモナ……」
( ^ω^)「まあ、今は暇でもお金は入りますお!」
( ´∀`)「……そうですか」
モナーは急に顔つきを変え、鋭い目つきで僕を見た。
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( ´∀`)(暇でもお金は入る……か)
テログループの動機は未だわからない。
もしどこかの組織の依頼で動いているのだとしたら、金はたんまり入るだろう。
( ´∀`)「……これを見てもらえますか」
( ^ω^)「ほぇ?」
鞄から取り出した一枚の紙。それには、テログループの三人の顔写真が載っている。
( ^ω^)「おっ……」
( ´∀`)「ご存知ですか?」
この写真は、まだマスコミにも流していない物だ。
( ^ω^)「……テレビで見たことありますお」
( ´∀`)「……ほう、テレビで……」
間違いない。嘘を付いている。
ブーンはこの写真がテレビに出ていないことを知らないのだ。
もしくはただの馬鹿だ。
-
( ^ω^)(この人、あのバラエティ番組の司会だったお)
またんき、という名だった。たまにテレビをつけた時に見かける顔だ。
( ´∀`)「この三人が、テログループのメンバーですモナ」
(;^ω^)「おっ!?」
どういう事だ。
まさかあの有名タレントが、テロリストだったなんて。
( ´∀`)「何か知ってませんかね。どこかで見かけたとか、些細な事で構いませんモナ」
( ^ω^)「おっ……そういえば、前に新宿で見かけたような気がしますお。二ヶ月も前ですお」
ドクオと飲みに行った時の事だ。有名人がいる、と少しだけはしゃいでしまったのを覚えている。
( ´∀`)「新宿ですね……どのあたりで」
( ^ω^)「歌舞伎町の大通りですお」
( ´∀`)「そうですか。事務所でもあるのかもしれませんね」
( ^ω^)「ありそうですお」
芸能人だ。新宿に自分の所属する事務所くらいあるかもしれない。
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( ´∀`)(……ブーンの言っていることは、嘘なのか真なのか……)
ただの馬鹿なら、本当の事を漏らしている可能性もある。歌舞伎町に違う偽装事務所を構えていてもおかしくはない。
だが、もしも演技だとしたら。
捜査を撹乱させようとしているのかもしれない。
( ´∀`)「参考になりました。……ところで、ちょっとトイレをお借りしてもいいですモナ?」
( ^ω^)「おっおっ、いいですお。ちょっと今社長が入っているので声かけてきますお」
( ´∀`)(社長……? どういう事モナ)
ブーンを社長にしていないのなら、誰だというのだ。
その正体もすぐにわかる。下手したら、顔がわかっている三人のうちの誰かかもしれない。
( ^ω^)「ミルナさん、大丈夫ですかお?」
( ´∀`)(ミルナ……。ここの事務所の名前にもなっているモナ。いまいちよくわからないモナ……)
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――ブーン vs ミルナ vs モナー――
( ゚д゚;)「す、すまんな。ちょっと腹が痛くて……」
部下は奥に隠れている。もしかしたら、まだチャンスはあるかもしれない。
( ´∀`)「すみません、ちょっとトイレお借りします」
( ゚д゚;)「えっ!? は、はぁ……どうぞ」
見知らぬ男が、そこにいた。
その男は、扉開けて、すぐ近くのトイレへと入っていった。
( ゚д゚;)「あれは誰だ?」
( ^ω^)「モナー捜査官ですお。ちょっとトイレ入りたかったみたいで」
( ゚д゚;)「なっ……」
まさか、応援を呼んだというのか。
自分の行動が、気づかれているのだろうか。
( ゚д゚;)「……」
奥に隠れている部下を、どうするべきか。
隠していたままだと、逆に問題になるかもしれない。
だが、今更出てきてもらうのもおかしな話だ。
( ゚д゚;)(様子を見るか……)
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( ´∀`)「すいません、ありがとうございました」
( ゚д゚;)「いや、気にしないでくれ……」
トイレを借りたのは演技だ。
でもまさか、トイレから知らない男が出てくるとは。
顔がわかっている三人のうちの誰か、というわけでもない。
( ´∀`)「……挨拶が遅くなりました。モナー捜査官ですモナ」
( ゚д゚;)「こちらこそすまない……聞いているとは思うが、ミルナだ」
( ´∀`)「先程聞きました。ここの社長さんなんですか?」
( ゚д゚;)「えっ? ああ、社長だが……」
( ´∀`)(……タレコミでは、テログループは四人のはずだが……どういう事モナ……)
あり得るとしたら、タレコミが間違っていたか、テロ行為を依頼している違う組織の人物か……、無関係の人物か。
ブーンがリーダーである事は間違いないだろう。となると、ミルナが無関係だった場合、脅されている可能性もある。
そうだとしたら、部下の三人もここの社員だろうか。
( ´∀`)「ちょっとこれを見てもらえますか」
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( ゚д゚ )(……モララー達の写真か……)
モナーが取り出した一枚の紙には、三人の部下の顔写真が載っていた。
( ´∀`)「こちらは、ここの社員ですか……?」
なぜ訂正したのかはわからないが、どっちにしても意味合いは同じだ。
( ゚д゚ )「……ああ、そうだ……」
(;^ω^)「おっ!?」
( ´∀`)「なるほど……って、どうかしましたか、ブーンさん」
(;^ω^)「おっ、どうかしますお! どういう事ですかお!?」
ブーンが、俺の顔を見てそう言った。
( ゚д゚;)「いや……知ってただろ……」
(;^ω^)「知りませんお!」
( ´∀`)(……ブーン、バラされて焦っているモナ……。やはり、ミルナは無関係の人間で、脅されていたに違いないモナ)
( ゚д゚;)「もういいから、早く連れてってくれモナーさん」
ブーンはいまいちよくわからない。
モナーという男の方が、よっぽどマシな人間だと思える。
早く、この場から立ち去りたかった。
( ´∀`)「わかりましたモナ。ブーン、貴方を逮捕します」
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(;^ω^)「おおおおっ!?」
逮捕?
なぜ僕が?
ミルナさんの部下がテロリストだという事は、ミルナさんはそのリーダーなのだろう。
なぜ自分が逮捕されなくてはならないのだ。
(;^ω^)「ななっ、なんで僕ですかお!? 逮捕するならミルナさんですお!! この人、テロリストなんですお!?」
( ´∀`)「白々しいですね。貴方がミルナさんと部下を脅していたのは明白ですモナ。さあ、手錠を」
(;^ω^)「何かの間違いですお!! 何かの間違いですお!!」
モナーに、しっかりと手錠をかけられてしまった。
( ゚д゚;)「…………」
( ´∀`)「ミルナさん、貴方にも重要参考人としてついてきていただけますか?」
( ゚д゚;)「えっ? あ、ああ……。待ってくれ、部下も後ろに隠れているんだ」
( ´∀`)「では呼んできてください。……良かったですね、これで解決ですモナ」
( ゚д゚;)「……ああ……よかった……よかった……」
(;^ω^)「よくないですお!!」
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――ブーン・その後――
(;^ω^)(何かの間違いだお……なんでこんな事に……)
僕は今、裁判所にいる。
傍聴席では、大勢の人が僕を睨みつけていた。
苦しくて、何も言えなかった。
/ ,' 3「被告人は有罪!」
(;^ω^)「ちょっ、意義ありですお!」
/ ,' 3「……チッ……。懲役120年の刑とする!!」
(;^ω^)「そんな……そんな……」
誰も、僕の話を聞いてはくれないのだ。
舌打ちまでされる始末だ。
/ ,' 3「ちなみにミルナと他三名は無罪ね。ブーンの脅しだったし」
そんな馬鹿なことがあってたまるか。
しかし、今更どうしようもないのだ。
( ;ω;)「……おおおっ……おおおおおぉぉぉおお!!!」
-
――ミルナ・その後――
( ゚д゚ )「……」
俺は、何故か事務所の椅子に座っていた。
( ・∀・)「いやー、良かったですね」
モララーもまた、何故かここにいた。
( ゚д゚ )「良かった……な」
( ・∀・)「これを期に足を洗っちゃいます?」
( ゚д゚ )「……そうだな……」
そう答えるが、俺はそんな事を考えてはいなかった。
( ゚д゚ )「なぁ、モララー。俺達、付き合ってみるか?」
(;・∀・)「は!?」
( ゚д゚ )「いや、愛してるんだろ、俺の事」
(;・∀・)「なんの話ですか!? 今回の事で頭いかれちまったんですか!?」
( ゚д゚#)「……なんだと? 俺を……馬鹿にしているのか……」
(;・∀・)「ちょっ、銃はしまってくださいよ!! わかりました! 付き合いますから!!」
( ゚д゚*)「……そうか……!!」
――その頃・とあるビルの四階――
('A`)「……ブーンの奴、まだ面接来ねぇな……」
( ^ω^)面接を受けるようです おわり
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なんとか終わりました!
ネタお借りさせていただき、ありがとうございました。
書いていてすごく楽しかったです。
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乙!
いろいろぐちゃぐちゃに混ざってて面白いなww
またんきとモララーの見間違えは上手い
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どこでネタばらしがあるかと思ったが勘違いのまま通したか
それはそれでありね乙
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ミルナがホモに目覚めててワロタ
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乙乙
何だこのオチwwww
あとドクオ待ちすぎワロタ
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ブーン不憫過ぎて何故かわろた
モナーはどこでブーンの名前を知ったんだろう
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>>61
うわー完全に書き忘れです…
なんてミスを…
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アンジャッシュみたいで面白かったなー
てっきりこっちの方はブン闇が落ち着いてから書くもんだと思っていたから投下がきてビックリ
ブン闇も引き続き頑張ってね♪ 乙〜
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