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( ^Д^)ブーン系小説&イラスト練習総合案内所のようです

466名も無きAAのようです:2015/05/02(土) 14:55:30 ID:2C6GaNKI0

実際のところ、何故彼が、別段親しくも無い同級生が、自分のリビドーを誹謗するような真似をするのか、内藤には分からなかった。
普段は無表情ばかりを貼り付けたその顔面に卑劣な笑みを浮かべる鬱田ドクオ。
その所業は、11歳の少年の内に揺らぐ、幼く、孤独で、そして高潔な性衝動に、犬の糞を擦り込むかの如きものだ。内藤の腸は煮え繰り返っていた。

しかし彼は、あくまで表面的には、落ち着きを失わなかった。思考を駆動する全権を理性に委ね、無理矢理に精神を平衡させた。
口腔が渇く。鼓動は速い。視界は狭い。しかし、それでも頭は動く。思考は暴走も四散もせず、強固な石垣となって内藤の中に積み上がっていた。

まず少年は、窮地と言えるこの局面を俯瞰し、事実のみを確かめる。
先週の土曜、内藤ホライゾンは、猥褻に寛容な流石さんの兄ちゃんがバイトしている時間を狙い、エロ本を立ち読みした。
ひとつ訂正するとすれば、ちょっぴりではなく激しくエッチな本であったが、深い思慮の末、内藤はそれを口に出さないことにした。

川 ゚ -゚) 「ブーン、どうなんだ」

その理由は、ここにあった。内藤は横目で素直クールの様子を伺い、困窮とともに息を吐く。
ついさっきまで柔和な笑みを浮かべていたはずの素直さんの、この冷たい視線。玲瓏な月夜のように黒く澄んだ瞳に浮かぶ疑惑の叢雲。

なぁ、鬱田くん。何故、よりによって今、そんな話をした。
内藤は、そんな様子はおくびにも出さないが、線香花火の牡丹のように、静かに、熱く、怒りを昂ぶらせていた。




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