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Ammo→Re!!のようです

878名も無きAAのようです:2017/12/04(月) 20:50:38 ID:v4yXdykE0
現れたのは、青白い光をヘルメットの奥に灯した小柄な黒い棺桶。
一見して細身の人間が甲冑を着ているようにも見えるが、その実、それは遠隔操作に特化した棺桶、“アバター”だった。
髪のように後頭部から垂れ下がる直径一インチの繊維は高性能なアンテナの役割を果たしており、電波の届きにくい地下などでも性能を発揮できる。
有効範囲は約546ヤードと短めだが、実用的な遠隔操作型の棺桶としては世界で初の機体であり、先駆け的な存在だ。

だが、その機体はヒートの駆る“レオン”によって破壊されていた。
杭打機による一撃はバッテリーと共にアバターの中枢を破壊し、それ以降の登場はあり得ないと考えていた。
だが、現にこうして現れたのを見ると、イーディン・S・ジョーンズの棺桶に対する熱情が桁外れに高いと認識を改めざるを得ない。
破壊された装甲の痕が残っていることから、これが修理途中で投入されたことが分かる。

不完全な状態での参戦は、相手が焦っていることの表れでもあった。
今、クールはデレシアの周囲546ヤード以内にいる。
そして、どうして今このタイミングで現れる事が出来たのかと言う事を組み合わせ、デレシアは一つの答えを出した。
クールは、デレシアの攻撃が届かない安全極まりない場所にいる。

ζ(゚、゚*ζ「人形には用はないわ。
      ヘリコプターの乗り心地はどうかしら?」

セカンドロックを襲撃した際、彼らは小型のヘリコプターを使っていた。
ならば、ヘリの中にコンテナを乗せておけば、安全かつ広範囲での移動が出来るはずだ。
それだけの安全性が確保できていなければこうして姿を現すはずもないし、不完全な状態の棺桶でデレシアに戦闘を挑むはずがない。
果たしてデレシアの予想は的中していた。

川[、:::|::,]『お見通しか』

ζ(゚、゚*ζ「臆病者の考えそうなことぐらい、誰にでも分かるわよ」

問題は、ヘリコプターは非常に目立つ物であり、それをジュスティアが見過ごすとは思えない事だ。
恐らく、ヘリコプターは目くらましが目的であり、本命は別にあるのだろう。

川[、:::|::,]『雑菌の塊を愛でる趣味の人間に理解されるのは、極めて不愉快だな』

ζ(゚、゚*ζ「雑菌の塊? あぁ、ティンバーランドのことね。
      貴女達を愛でたいと思ったことはただの一瞬たりともないわ。
      長い事付き合っているけど、ドブネズミの方がまだ愛嬌があるわよ」

刹那、アバターが右手足を同時に前に出し、接近戦を仕掛けてきた。
構えは堂に入っているが、動きは単調だ。
拳を捌き、回し蹴りを回避し、デレシアは左手で腰のホルスターから抜いた水平二連式ショットガンを構えると同時に至近距離で発砲した。
装填されているのは散弾であり、棺桶の装甲を撃ち抜くには威力が不足している。

だが、アバターの動きを止めるのには都合のいい弾である。
アバター最大の弱点は、遠隔操作の要であるアンテナを損傷することだ。
近距離ではなく遠距離になればなるほど、その存在は重要となるため、必死に防御するはずだ。
防御しなければ捜査の精度は格段に下がり、最悪の場合は動かすことすらできなくなってしまう。

散弾を至近距離で受け止めればアンテナはかなりの数を失うことになる。
ましてやそれがケーブルの集合している頭部となると、根元から全てのアンテナを破壊されることになる。
これだけ狭い空間と咄嗟の状況にも関わらず、クールの動きは素早かった。
両腕で頭部を守り、散弾を一度に受け止めることに成功した。


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