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Ammo→Re!!のようです

771名も無きAAのようです:2017/07/17(月) 20:48:24 ID:s.K.qiF.0
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                 騎士道は 滅することと 見つけたり

                              ――円卓十二騎士誓いの言葉より抜粋

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八月十一日。
怪盗、デミタス・エドワードグリーンからの挑戦状がジュスティア警察に送り付けられ、現場が大忙しで対応をしている頃。
一人の刑事が、黒塗りのセダンに乗せられてグルーバー島にあるホテルへと連行されていた。
車のガラスは全て防弾のスモークグラスとなっており、誰が乗せられているのか、誰が運転しているのかを外から確認する術はない。

運転手とその横に座る男は二人とも若々しさが残る三十代前半で、スーツを下から押し上げる程の筋肉の鎧は彼らが厳しい訓練、もしくは現場を潜り抜けてきた証だった。
懐の不自然な膨らみはそこに収められた拳銃の存在を物語り、鋭い眼光は場数の多さとその激しさを如実に表している。
時折バックミラーに向けられる視線は、周囲を見渡す時よりも一層鋭さを増した。
その視線の先にいる男は、“虎”と呼ばれる刑事だった。

エラルテ記念病院から連れ出された時、男は激怒して怒鳴り散らしていたが、今は嘘のように静まり返っている。
だがその目はこの状況を受け入れているようには思えない。
隙あらば襲い掛かり、噛み付き、殺そうとする獰猛な獣を彷彿とさせる目をしていた。

(=゚д゚)

人でありながらも獣を思わせる眼力を持つ男の名は、トラギコ・マウンテンライト。
正義の都として知られるジュスティアの人間であり、ベテランの警察官だった。
その性格は凶暴でありながらも抜け目なく、犯人の逮捕率と暴行による始末書の数は現役警官の中で最も多いと言われている。
それ故に警察署内には彼を警官として認めるべきではないとする人間と、犯罪に対する特効薬としての実力を認める人間がいた。

直接ではないが、ミラー越しに視線を向けていた男はハンドルを握る手が震えているのを悟られないよう、視線を前に向けなおした。
自分達に向けられる敵意の塊のような視線に耐えかねての行動だったが、それでも精いっぱいの行動だった。
手錠で動きは封じているはずなのに、何故か、トラギコの敵意は本物のナイフを突きつけているかのような感覚に陥らせる。
緊張のあまり、男達は二人揃って喉を鳴らして唾を飲み込んだ。

何も恐れる必要はない。
虎は捕えられ、こうして手錠を嵌めて後部座席で静かに座っている。
視線に気づいたのか、それとも空気の微細な変化を感知したのか。
沈黙を守っていたトラギコが地鳴りを思わせる声を発した。

(=゚д゚)「……どこに連れて行く気ラギ?」

答えない。
返答は許可されていないし、この男は少ない手がかりで何かの答えに辿り着く様な厄介者だ。
迂闊に答えて自分達の首を絞めるような真似は回避したい。
明日中にはトラギコをジュスティアに向けて移送するため、明朝にはこのグルーバー島の西に位置するバンブー島に移動しなければならない。


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