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Ammo→Re!!のようです

715名も無きAAのようです:2017/06/12(月) 20:33:25 ID:cylVOJUg0
マニーが考えていたのは、この情報を流すかどうかだった。
明日の朝刊には間違いなくこの発表が一面に載るだろう。
だがこれは内藤財団独自の発表であり、客に知らせるのはマニーの責任でも仕事でもない。
これをどうするべきか、マニーは悩んでいた。

一つの問題にだけ頭を悩ませられればいいのだが、今は島の問題と船の問題、そしてこのニュースの問題があった。
世界を大きく変える可能性のあるニュースは、客にとっては有益な情報だ。
だが果たして、この情報は本当に客に伝えるべきなのだろうか。
余計なことに意識を向けてもいいのだろうか。

島で起きている問題を解決するためには、デレシアの力なくしては不可能だろうし、彼女のためならマニーはあらゆる協力を惜しまない。
最優先事項はデレシアとの連携。
そう考えれば、今、余計なことに意識を向けることはやはり愚行としか言えないだろう。
もし彼女の予定が狂い、一時的にティンカーベルからオアシズへ戻ってくるとなれば、それに即応する必要がある。

万が一の話であり、その可能性は極めて低いことをマニーは分かっていた。
彼女は自分の力と知恵で最悪の状況を打破することに長けており、マニーの手を借りずともこの急場を脱することだろう。
ジュスティアが介入したことによって島の状況は刻一刻と悪い方向へと流れている。
だがこれはデレシアの予想の範疇。

彼女はこうなる事を見越して、マニーに連絡を入れていた。
アサピー・ポストマンの保護は予定外だったが、それでも、それはすぐに作戦に組み込まれた。
そして今、事態を変えるための第一段階が終了したとの連絡があり、第二段階への移行が始まった。
オアシズが助力できるのはここからだ。

この島の中で唯一の安全な場所としての役割を果たす。
言わば箱舟。
その役割を果たすためには、今少しやるべきことがある。
それは残念ながらオアシズの人間だけの力では解決できないため、イルトリアの前市長の力を借りることとなっている。

勿論、その橋渡しをしてくれたのはデレシアだ。
彼女のおかげで事態はまとまりつつあり、対応しやすくなってはいるが、マニーには今の状況でも正直厳しい。
だが困難こそが人を成長させる最上の素材。
マニーが今一歩、市長として必要な資質を身につけるためには越えなければならない壁なのだ。

単位統一のニュースは一度棚に上げ、欲張らずに事態終息に助力することに決めた。
今はデレシアの指示を全力で補助する。
それからでもニュースを伝えるのは決して遅くはないだろうし、客同士の間で噂が広がってマニーが手を出す必要がなくなる可能性もある。
書類入れに紙を放り入れ、マニーは己の迷いを恥じ入った。

――ほどなくして、オアシズを目指して疾走してくる一台のバイクが現れたのを、ノリハ一行は船外で目視した。
追手が来ていたとしても迎撃できるよう、彼女達は全員が銃器と共に強化外骨格を装備していた。

ノリパ .゚)「来ました、急ぎ確保……を……」

指示を出すノリハの声が尻すぼみとなり、その目に映る光景を理解しかねていることが周囲に伝わる。
周囲も同じ気持ちだった。
バイクにまたがるのは二人。
一人は強化外骨格に身を包んだ人物。


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