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Ammo→Re!!のようです

686名も無きAAのようです:2017/05/05(金) 09:28:53 ID:NjkwanZg0
電流を放とうとしたその刹那、異臭がヒートの鼻に届いてそれを思いとどまった。
白煙が左腕から上がっているのを見て、ヒートは戦慄に近い感情を覚え、驚愕した。
モララーの噛んでいる個所が、徐々に溶けていたのだ。

ノハ<、:::|::,》『っ!!』

装甲に穴が開いている状態で電流を放てば、最悪、ヒート自身が感電しかねない。
咄嗟に杭打機で殴りつけ、モララーを腕から引き剥がす。
引き剥がすには十分だったが、殺すには不十分な力だった。

( ・曲・)『はははっ、焦りましたね。
     さぁ、次は足をしゃぶらせてもらいましょう』

装甲の一部が削れた左腕を一目見て、ヒートは舌打ちをした。
爛れた様に装甲が溶けている。
レオンの装甲を溶かした物の正体は、恐らくは強力な酸。
もう少し長く噛まれていたら、液体が装甲内部に流れ込んでヒートの手が溶けていた可能性が高かった。

そもそもレオンの装甲は軽量化を大前提とされているために必要最小限のもので、防御は視野に入れられていない。
そして、手には多くの関節が集中していることもあり、設計の都合上装甲の隙間が多くなってしまう。
にもかかわらずヒートの素手が無事だったのは幸運と言う他ない。
腕が助かったものの、置かれた状況は幸運とはかけ離れている。

モララーの棺桶に驚愕した時間は一秒にも満たない。
殺し合いの中では、その一秒未満の隙が命取りになる。
距離を取ることが出来なかったヒートの迂闊な隙を、クールは見逃さなかった。
トゥエンティー・フォーの拳が、ヒートの右肩を捉えた。

右肩から骨の折れる嫌な音を聞いたと思った時には、ヒートは建物の壁に背中から叩きつけられていた。
目の前で火花が散り、全身に激痛が走る。
まだ回復し切っていない躰に、新たな傷が増えた。
深追いしすぎてしまったと己を責めつつも、その選択に後悔はなかった。

ノハ<、:::|::,》『ぐっ……ぉ……』

( ・曲・)『さ、立ち上がってください。
     気丈な態度で立ち向かってください。
     その方が興奮しますからね』

言われずとも、ヒートは立ち上がっていた。
だがそれでも精いっぱいだった。
棺桶が補助してくれなければ、立ち上がる事すら出来ない程の衝撃。
立っているだけで、ヒートはそれ以上動くことが出来なかった。

戦う事は、とてもではないが無理だ。
逃げる他ない。

( ・曲・)『さて、さっそく――』

――バイクのエンジン音が聞こえたのは、正にその時だった。


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