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Ammo→Re!!のようです

528名も無きAAのようです:2017/01/01(日) 20:04:42 ID:OQQmnSoU0
(=゚д゚)「飯、美味かったラギ」

(∪*´ω`)「お……!」

空になったクッカーと蓋を持って、ブーンはそれを洗うためにテントの外に出た。
頭上で陽が輝き、森に降り注ぐ光の量が増えていた。
光の柱が雨のように地面を照らし、小さな川は光を反射してキラキラと輝いている。
大きめのカップで水を汲んでクッカーを洗い、その水は川ではなく近くの地面に撒いた。

妙な視線を感じたのは、洗い終えたクッカーをテントの外に干そうとした時だった。

(∪´ω`)「……お?」

重厚かつ強力な獣の視線。
自然界に生きる、産まれたままの強者の視線だ。
物騒な視線の出所に首を向けると、川を挟んだ向かい側に、それはいた。

(・(エ)・)

茶色の毛に包まれた、巨大な生物。
それは、ブーンが生まれて初めて遭遇したグリズリー――別名:灰色熊――だった。
あまりにも巨大なその生物を前に、ブーンの体は硬直した。
野生の膂力の化身はその力を示さずとも、身に纏う雰囲気だけで周囲に己の力を誇示することが出来る。

彼は知らなかったが、グリズリーは野生動物の中でも頂点と呼ばれる領域に位置する生物であり、武器を持たない人間では太刀打ち出来るようなものではない。
比肩し得るのは同じ領域にいる生物だけ。
――以上の情報をブーンが知るはずもなかったが、それでも、彼の中にある生命本能は即座に警告を発した。
関わってはならない、と。

(∪;´ω`)

どうするべきか、ブーンは考えた。
“あれ”はおそらく川に水を飲みに来ただけなのだが、ブーンに気付いて動きを止めているのだ。
こちらがどう動くかで、あれがどう動くのかが決まる。
武器はない。

トラギコも今はテントの中だ。
野生生物はワタナベよりもある意味で恐ろしい。
話が通じない上に、一切の慈悲を持たない。
野生の掟に従って行動するため、戦略を立てる余裕がなければ実力で挑むしかない。

武器を持つトラギコがいてくれれば、状況はまだこちらが有利だったに違いない。
だがブーンが声を出せばあれは動くだろうし、その動いた先にいるのは勿論ブーンだろうし、そのままトラギコまで狙われかねない。
あれが向ける視線の種類は、視線の先にいる生き物が餌か敵かを見極める類のそれだ。
ブーンに出来るのは息を呑んで、あれがどう動くかを見守るしかない。

そのはずだった。


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