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Ammo→Re!!のようです

471名も無きAAのようです:2016/10/03(月) 21:38:03 ID:slfccTV.0
現場の写真を撮影し、メモを取る男の顔は嬉々としている。
他に記者は誰もいない。
となると、この男が誰よりも新鮮かつ多くの情報を持っているという事だ。
利用できる。

建物の影に隠れ、ヒートは男が動くのを待った。
一通りの取材を終えたのか、男は足早に移動を開始した。
ヒートの尾行に気付いた様子はなく、素人だとすぐに分かった。
偶然あの場に居合わせた記者がどのような情報を持っているのか、ヒートは大いに興味があった。

上手くいけば、犯人の写真や人相を手に入れているかもしれない。
記者を尾行するヒートの顔には“レオン”として人を殺していた頃の剣呑な表情が浮かび、あらゆる感情の一切が排除されたような顔をしていた。
復讐することだけを生きる糧として、立ちはだかる全ての障害を排除してきたあの日々。
殺戮に彩られた日々を思い出し、ヒートは気分が悪くなった。

全員殺したはずだった。
爆破の実行犯も、その組織の人間も。
平凡な日々を永久に奪い去った人間に関わる全ての人間を殺したはずだった。
乳飲み子を含めて家族全員を殺し、ペットも殺した。

死体の山を生み出し、恐怖を振り撒き、ただひたすらに殺し続けた。
それがまだ続くのかと思うといい気分はしない。
出来る事ならばもう、“レオン”として戻ることはしたくなかった。
だから故郷に帰り、静かに暮らそうとした。

しかし、出会ってしまったのだ。
奇妙な二人の旅人に。
弟の生き写しの、ブーンに。

ノパ⊿゚)「……」

記者の男は、モーニング・スター新聞の建物に入っていった。
これで、男がモーニング・スターの記者であることが分かった。
今建物に入り込むのは賢い判断ではない。
出てくるのを待ち、それから――

「覗き見とは悪趣味な女だな」

――背後から、声がした。
声がしたが、姿が見えない。
その場から大きく飛び退いて、ヒートは左の脇からM93Rを抜いて声の方向に銃腔を向けた。
まるで手品のように、二〇フィート離れた位置に一人の男が出現した。

(´・_ゝ・`)「よぅ」

薄手のジャケットとジーンズと言うラフな格好は、観光を楽しむ中年の男そのものだ。
だが、男の現れ方はただの人間ではない。
恐らくは、強化外骨格が成した奇術。
量産型ではなく、“名持ち”の棺桶だろう。


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