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Ammo→Re!!のようです
377
:
名も無きAAのようです
:2016/08/07(日) 17:46:13 ID:eFiZr2lo0
黄金の髪と青空色の瞳を持つ旅人、デレシアはオアシズの屋上に一人立っていた。
屋上は人払いがされ、彼女以外の人影はなく、聞き耳を立てる者もいない。
正面から吹いてくる風が、軽くウェーブした彼女の髪をまるで梳くように撫で、ローブの裾をたなびかせる。
潮の香りで肺を満たし、手摺に肘を乗せ、デレシアは青空の下に広がる大海原を眺めている。
ζ(゚ー゚*ζ「……」
彼女の視線は大海原の果て、船の進行方向の遥か彼方。
水平線の向こうに浮かぶ入道雲の下に向けられていた。
普通の人間であればその入道雲を目視することは出来ない程の距離だが、デレシアの瞳は確かにその雲を捉えていた。
彼女の表情はいつもと変わらず、ブーン達に向けられる笑顔のままだったが、瞳の奥にある深淵は何を考えているのかを誰にも悟らせない。
デレシアは瞼を降ろし、静かに呼吸を整えた。
遠い昔に思いを馳せるようにしたのは、ほんの一瞬の間だけ。
次の瞬間には瞼を開き、何事もなかったかのように再び水平線の向こうを見つめた。
風の音とローブの布擦れするような音だけが、屋上に響いている。
他に聞こえるのは波の音と、上空を飛ぶ海鳥の鳴き声だけ。
ζ(゚ー゚*ζ「悪いわね、せっかくの旅行中に」
( ФωФ)「なぁに、他ならぬお主の誘いだ。
それで、何があった?」
いつの間にか屋上に現れたロマネスク・O・スモークジャンパーを振り返り、デレシアは驚いた様子も見せずに声をかけた。
対するロマネスクも、跫音一つ、扉を開く音さえ立てなかった自分に気付いたデレシアに対して驚くことはなかった。
海を背にし、デレシアは旧友の様な親密さで元イルトリア市長に話しかける。
ζ(゚ー゚*ζ「ここ最近、あの大馬鹿達の動きが目立ってきているわ。
大樹と言うよりも雑草ね、あれは」
( ФωФ)「ティンバーランドか。
聞いてはいたが、このような形で実際に相手にするとはな」
忌々しげな声で、ロマネスクはその名を口にした。
心なしか、次に出てきたデレシアの声にも不愉快そうな色が見え隠れしていた。
ζ(゚ー゚*ζ「ただ、船の中にいる奴らはもう少し泳がせようと思うの。
今回はかなり大規模な事を考えているらしいから、何を考えているのかとても楽しみでね。
その方が潰し甲斐があるものね」
ぞっとするような優しげな声のデレシアの言葉に、ロマネスクは冷笑した。
それは相手に対する同情と言うよりも、怒らせてはならない人間を怒らせた輩が当然迎えるべき結末を知る者の笑いだった。
これまでに彼女を怒らせた人間がどうなったのか、ロマネスクは良く知っている。
( ФωФ)「ほほぅ。
次の停泊先があの島なのは偶然か必然か、いずれにしても興味深い事だ」
ζ(゚ー゚*ζ「おそらくは偶然だけど、おもしろい話よね。
ティンカーベルで私達にちょっかいをかけてくるのは間違いないでしょうね」
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