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Ammo→Re!!のようです
366
:
名も無きAAのようです
:2016/08/07(日) 17:08:40 ID:eFiZr2lo0
窓の外で水平線から陽が昇る様子を、ヒート・オロラ・レッドウィングはベッドの上から物憂げな表情で眺めていた。
昨夜は女三人で酒を飲み、日付が変わるまで飲み明かしたが、その影響ではなかった。
彼女は昨夜の話の中で、ある疑問を膨らませながらも、それを口に出せなかった。
その疑問はとても些細な物だったが、一度気にし始めたらもう止められなかった。
ノパ⊿゚)「……」
世界には多くの人間がいる。
様々な人種、価値観、宗教観などを持った人間がいる。
勿論、ヒートも多分に漏れず自分で構築した価値観に基づいて行動をしている人間だ。
ヒートにとって一つの疑問だったのが、彼女の命の恩人であり、友人でもある女性の存在だ。
彼女は美しく、強く、そしてあまりにも賢すぎる。
同性すら魅了する、人間離れした美しさは自然が作り出した奇跡の一つとして受け入れられる。
その強さは、ヒートのこれまで見てきたどの人間よりも圧倒的だった。
対強化外骨格用の弾を使っているとは言え、生身の人間が平気で強化外骨格――棺桶――と渡り合い、圧倒するのは非現実的な光景だった。
しかし、その強さと賢さもさほどの問題ではない。
世界は広い、それで十分だ。
彼女の強さのおかげで、ヒートはこうして生きていられるのだ。
それに、彼女の人間性も非常に気に入っている。
正直、ヒートは彼女の事が大好きだった。
時には姉として。
時には母として。
常に彼女はヒート達を導いてくれる。
人間性や強さなどは旅をする中で理解できるが、どうしても分からないのが、彼女のこれまでの足跡だ。
知らずとも問題はないが、彼女の育ちや生い立ちなど、ヒートは何一つ知らない。
知っているのは、理不尽なまでの強さと世界の全てを知っているかのような頭脳の持ち主であり、ヒート達の仲間ということだけ。
彼女がいなければオアシズは沈み、多くの乗客が嵐の中に消えて行ったかもしれない。
その前のポートエレン、ニクラメン、フォレスタ、オセアンでもそうだ。
追随を許さないその強さと知恵があったからこそ、旅の同行者であるヒートはこうしていられる。
感謝してもしきれない関係にあるのは、間違いない。
間違いないが、それでも、気になって仕方がない事もあるのだ。
――デレシア。
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