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Ammo→Re!!のようです

242名も無きAAのようです:2015/06/27(土) 20:57:45 ID:m/DZJGrM0
それから少し道なりに進んで、アサピーは足を止めた。
車の部品が落ちていた。
外装、そして金属製で作られた部品の一部。
周囲にブレーキの跡がないことから、整備不良による事故か何かが起きた可能性が頭をよぎった。

十五分後、アサピーの足は逆方向に向くことになる。
電池切れで道の端に乗り捨てられたスーパーカブを見つけたのだ。
紛れもなくアサピーがトラギコに貸した物であり、それがここにあるという事は、トラギコがここまで来たという事。
後は簡単な計算だった。

バイクの電力がなければ、ヒッチハイクしかない。
ヒッチハイクをして間もなく、トラギコは何者かに襲われ、車ごとガードレールから落ちて行ったのだ。
走って先ほどの場所に戻り、慎重に斜面を下ることにした。
見た目以上に足場は悪く、滑りやすい土質だ。

カメラケースを後ろにやり、両手両足を使って斜面を進む。
暗がりの中にあって見えなかったが、二本の木に押し潰されたセダンが見えてきた。
フロントグリルが変形し、見るも無残な姿と化しているが一目で高級車と分かる。
車体のあちらこちらに銃創のような大きな穴が空き、全てのガラスは粉々に砕け散っている。

死体が見つからないことを願いながらペンライトを取り出し、車内を窺う。
誰も乗っていないのが分かると、車内を観察する余裕が生まれた。
車内で争った形跡もなければ、物を荒らされた形跡もない。
運転席に乾いた血を見つけ、その量が少量であることが気になった。

撃ち合いではなく、このセダンの運転手が一方的に撃たれたようだ。
助手席のヘッドレストが吹き飛び、倒木の枝に引っかかっている。
天井にも大きな穴が空き、そこから月光が差し込んでシフトレバーを照らし、幻想的な光景に見えなくもない。
しかし、どちらも明らかに撃ち込まれた銃弾が作った物で、追撃されたことを如実に語っている。


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