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( ^ω^)百物語のようです2014( ω )
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( ^ω^)おいすー。今年も百物語の季節がやってきたおね。
( ^ω^)ここは百物語専用スレだお。開催日まではルール確認や質問等、自由に使って欲しいお。
・開催日は八月八日(金)から八月十七日(日)まで
※ただし投下できるのは八日〜十日と十五日〜十七日の金土日のみ。投下期間以外の本スレは作品の感想などご自由に使用してください
・作品はホラーでなくても幽霊、妖怪、人外などが出るならギャグでもなんでも可。
・レス制限は一作品30レスまで。それ以上は個別スレ建てをお願いします。
・ながらはNG。個別スレを建ててそこでやるのは可。もちろんVIPに建てるのもOK。
※個別スレ参加の場合
レス制限無し。
スレ立て
↓
百物語スレにて投下開始報告、URLを貼る
↓
投下終了後、百物語スレにて投下終了報告(その際、前の人の数字を引き継いで話数宣言)
・1人何話でも投下可!
※連続投下→次に投下する人がいないか確認を取り、無ければOK
※作品の投下間隔についてはルールはありませんが少し間を開けることを推奨します
・イラストでの参加も可!一話としてカウントします。
※ただし作品への支援絵は作品としてカウントしない
・開催時間は18時から翌朝7時まで
・話が終わったら本スレ(自分でスレを立てた人はそのスレでも可)で蝋燭のAAを貼る
過去の百物語のまとめ
( ^ω^) ブーン系図書館主催・百物語のようです ( ω )
http://iroirotunpeni.blog11.fc2.com/blog-entry-521.html
( ^ω^)百物語のようです2012 in創作板( ω )
http://boonbunmaru.web.fc2.com/collaboration/dreadful_story/dreadful_story.htm
( ^ω^)百物語のようです2013( ω )
http://mzkzboon.blog.fc2.com/blog-entry-755.html
( ω )なお、こちらは何があっても責任は負いませんので、自己責任での投下、閲覧をお願いいたしますお
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使用する蝋燭AA
.,、
(i,)
|_|
(
)
i フッ
|_|
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スレ立て乙
何か昨年と違うことはある?
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基本的には変わらないかと。
ただ、今年は小説板2をお借りすることができたのでそっちも使って大丈夫です
一応避難所(VIP)にもお願いはしてきました
まとめは依頼中。もしものときは作ります
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>>4
前の避難所ってスレ数1000まで埋まっちゃってるから新しくスレ立てできないんじゃないかな?
どういう形になるんだろう?
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忘れてる人多いかもしれないけどこっちです
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/lite/subject.cgi/sports/41713/
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今年は何話集まるかなー
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まとめの件なんですが、ブンツンドーさんにお願いしてみたところ、引き受けてくれるそうです!
本当にありがとうございます。よろしくお願いします!
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おー、ありがてえ。準備は整ったな
さて書き溜めるか……
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今年初めて投下しようと思ってるんだけど、最低限のマナーと1に書いてること以外に何か気をつけとくことってある?
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背後
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窓
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押し入れやカーテンの隙間
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車のバックミラー
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お前らwww
>>1と最低限のマナーって、大体のことが含まれちゃってて言うことないな
不安なら去年一昨年の専用スレが創作板に残ってるから軽く読んでみると良いかもしれん
まあ間違ったところで死にはしないから気楽にやれば良い
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>>10
素性の知れない人を信用するのはやめることだな
俺が言えるのはここまで
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今年も始まったか……
ムカデキングダムは今年も降臨するのか……?
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助言サンクス
がんばって間に合うように書き上げるよ
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ちょっと前にやったばっかりなような錯覚が・・・
時の流れの非情さを感じた
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嘘だろ…?百物語…?
もう1年たったのかよ って感じだな
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楽しみでしょうがない
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来たなこの季節が
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大したことじゃないけど、今年投下できる場所
創作板
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/lite/subject.cgi/internet/13029/
小説板2
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/lite/subject.cgi/internet/16305/
避難所(VIP)
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/lite/subject.cgi/sports/41713/
VIP
http://viper.2ch.net/news4vip/#1
あと忘れてるとことかあったら言ってください
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シベリア図書館は?
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百物語怖いけど楽しみ
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投下する
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「まだ始まってねぇよ」って注意しようとしたろwwwwwwwww
( ^Д^)9mプギャーwwwwwwwwwwwwwwwwww
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くっさ
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投下します
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投下します
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これは楽しみです
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今パソコンからシベリアに使用許可もらおうとしたんだけど、なぜか5月以降のレスが表示されない
これって書き込んでも大丈夫?
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板欄更新してみた?確認したけど普通に最近もレスついてるよ
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>>32
書き込みしてみなよ、確認するから
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全部試してみたけど駄目っぽい
ちなみにスマホからPC表示で見ても同じでした
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スマホ版の方から書き込めました
ご迷惑おかけしました
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書き込めたかどうかより、表示されたかどうかで結果を語れよ!!!
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相変わらず表示はされないんで、気にしないことにしました
投下場所改訂版
創作板
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/lite/subject.cgi/internet/13029/
小説板2
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/lite/subject.cgi/internet/16305/
避難所(VIP)
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/lite/subject.cgi/sports/41713/
VIP
http://viper.2ch.net/news4vip/
シベリア図書館
http://iand2ch.net/test/read.cgi/siberia/1391693128/
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シベリアより転載
375: ◆TYFxuHYhfE @転載は禁止 [] 2014/07/10(木) 21:30:40.97 発信元:118.241.203.21
百物語司会者です
投下の際にこちらをお借りしたいのですがよろしいでしょうか
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>>39
おお、わざわざありがとう
ちゃんと書き込めてたみたいでよかった
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向こう見た感じだと、シベリアでの投下も大丈夫そうだな
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専ブラ(というか2chMate)用シベリアリンク
http://mastiff.2ch.net/test/read.cgi/siberia/1391693128/
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<^ω^;削除>
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なんだいきなり
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去年の百物語の犠牲者か…
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そういえば一応
シベリアでの単発スレ立てはローカルルールで禁じられているので
シベリアでの投下は、全て図書館で行ってくださいね
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楽しみ
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あげついでに
http://boonpict.run.buttobi.net/up/log/boonpic2_1550.jpg
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こええええよ!!
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PS(無印)のソフトのパッケージって感じ
ホラーノベルゲーみたいのもあの頃流行ってたよな
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立体感こええ
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>>48
これいいなあw
すごい!
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>>48
いいな
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二千拾四で表記がいいかも
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>>48
雰囲気すげえ
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>>54バージョンも作ってみた
http://boonpict.run.buttobi.net/up/log/boonpic2_1551.jpg
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>>56
あんさんすげいよ
投下する側としてはやる気出てきた!
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>>56
怖い!すごいやる気でてきた
いっぱい書くぞー
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http://i.imgur.com/CrzSj0j.jpg
ちょっとだけいじってみた
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(ノ∀`)明け方かよッッッ!!?
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明るいとこが周りと馴染んでていいと思うんですが、描いた本人からすると粗いとこが目立って恥ずかしいですねw
ありがとうございました
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告知動画作ってきたよ
https://www.youtube.com/watch?v=hIObCg42hDw&feature=youtu.be
ホラーに重きを置いてきた
まとめ何かで使えそうなら使ってやってくれ
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>>62
怖いお
乙!気合入りまくりだなこりゃあ
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>>64
言葉を失うレベルで怖かった
乙!
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>>62
こえええええええええ!!
すげえよ!本当にありがとうございます!
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エラーでみれない
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タイトル検索からいったらみれた
なかなかよかった
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妖怪とか出ない、ミザリーみたいなサスペンスホラーも有り?
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ありあり
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>>68
>・作品はホラーでなくても幽霊、妖怪、人外などが出るならギャグでもなんでも可。
となってるんで大丈夫です。
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動画怖いなおいいいいい!
寝る前に見るんじゃなかった!
俺が書き溜めしてる作品より怖いわ!
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>>62
クオリティたけえwww
テレビのお詫びテロップとか苦手だからすごいぞわぞわした
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どうもこんばんは、ブンツンドーです。
とうとう百物語まとめ特設ページができました!!!
http://buntsundo.web.fc2.com/100monogatari_2014/top.html
って言ってもまだ企画の説明しかありませんが。
ひとまず仮アップという感じなので、説明文など足りてないかもしれんけど、(たとえば長編作品の扱いとか……)
そういった改善点とか他にもあればバシバシ指摘してくださいね。やる気の限り直します。
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すごすぎワロタ
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みなぎってきたwwww
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>>73
乙すぎる
cssのbodyに word-wrap: break-word; を入れてもいいかも?
ブラウザの設定次第だとは思うけど、スマホのクロームだとURLが横にはみ出しちゃう
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雰囲気出てるわ
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さすがブンツンドーさんや
よーしパパもう一作品つくるぞー
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すげえな…本当にありがとうございます。
長編作品はこれまでの祭と同様、祭り終了後も祭り作品として投下可能という形がいいと思うんですがどうでしょう。
ブンツンドーさんには迷惑をかけてしまうかもしれませんが。
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受験生だけど模試の成績が最大のホラーだわ
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もう何年もROM専だけど、今年こそ投下する!
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マジか今週からだったか
全然書き溜め進んでねえ、フルスピードや…
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書き手の皆さんガン(゚д゚)ガレ
楽しみにしてるからなー
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メンテ終わったのか
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>>83
一緒にやろうよ!w
いま4つほど完成したけど皆さんどれくらい書くものなの?
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全然書きため進んでないな。三つくらい考えてたんだが
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今年は文章じゃなく支援絵で行こうと思ってるよ
読んだのは時間が許す限り出来るだけ描きたい
書く人がんばれー
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今まで完全ROM専だったけどどうしようかな
勇気だして参加してみよう、かな
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>>88
背中なら崖の上から押してやるよ
参加しようぜ
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>>88
一緒に初投下してみようぜ
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>>88
崖下のマットは俺がどかしといてやるよ
参加しようぜ
祭りみたいなもんだし、上手い下手なんて気にする必要ないだろー
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過去の祭り作品みてみたけど
中には5、6レスで終わってるのもあったね
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1レスでも構わないと思うけどな
レス数は上限しかないんだし
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ネタが思いつかない……
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焦らないで待ってればきっと思いつくよ
俺も思いつかないけど
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さて困った
オチが思いつかない
あともう少しなのにいいいいいいいいいいいいい
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爆発か夢か主人公が幽霊か
お好きなのをどうぞ
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じゃあ爆発夢幽霊オチで頑張ってみようかな
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楽しみ
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前回あったみたいに、絵と文を組み合わせた作品でもいいのか?
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いいんじゃね
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この雰囲気は嫌いじゃない
ついに明日だー
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あと1時間と少し!
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( ^ω^)さて、開催まで残り30分ほどになりましたが、もちろん投下の準備はできてますおね?
( ^ω^)投下の前に、ここで今一度、ルールの確認をしたいと思いますお。
・開催日は八月八日(金)から八月十七日(日)まで
※ただし投下できるのは八日〜十日と十五日〜十七日の金土日のみ。投下期間以外の本スレは作品の感想などご自由に使用してください
・作品はホラーでなくても幽霊、妖怪、人外などが出るならギャグでもなんでも可。
・レス制限は一作品30レスまで。それ以上は個別スレ建てをお願いします。
・ながらはNG。個別スレを建ててそこでやるのは可。もちろんVIPに建てるのもOK。
※個別スレ参加の場合
レス制限無し。
スレ立て
↓
百物語スレにて投下開始報告、URLを貼る
↓
投下終了後、百物語スレにて投下終了報告(その際、前の人の数字を引き継いで話数宣言)
・1人何話でも投下可!
※連続投下→次に投下する人がいないか確認を取り、無ければOK
※作品の投下間隔についてはルールはありませんが少し間を開けることを推奨します
・イラストでの参加も可!一話としてカウントします。
※ただし作品への支援絵は作品としてカウントしない
・開催時間は18時から翌朝7時まで
・話が終わったら本スレ(自分でスレを立てた人はそのスレでも可)で蝋燭のAAを貼る
主な開催場所
創作板
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/lite/subject.cgi/internet/13029/
小説板2
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/lite/subject.cgi/internet/16305/
避難所(VIP)
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/lite/subject.cgi/sports/41713/
VIP
http://viper.2ch.net/news4vip/
シベリア図書館
http://iand2ch.net/test/read.cgi/siberia/1391693128/
過去の百物語のまとめ
( ^ω^) ブーン系図書館主催・百物語のようです ( ω )
http://iroirotunpeni.blog11.fc2.com/blog-entry-521.html
( ^ω^)百物語のようです2012 in創作板( ω )
http://boonbunmaru.web.fc2.com/collaboration/dreadful_story/dreadful_story.htm
( ^ω^)百物語のようです2013( ω )
http://mzkzboon.blog.fc2.com/blog-entry-755.html
( ^ω^)シベリアでの投下はリンク先でのみ可能なので、くれぐれも注意してくださいお。
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( ^ω^)少し早いですが、百物語には欠かせない蝋燭をお配りしたいと思いますお。
.,、
(i,)
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(
)
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( ^ω^)そうそう、蝋燭は自前の物でも結構ですお。
アルコールランプを使った事例もありますおね。
( ^ω^)本スレに投下の場合、投下前に蝋燭に火を灯して話数宣言をし、
投下が終了したら吹き消してくださいお。
( ^ω^)個別スレの場合、蝋燭AAを本スレに貼るか自スレに貼るかは作者の自由ですお。
ただし、投下前か投下後に、本スレにてスレのURLと共に本数の宣言をお願いしますお。
( ^ω^)なお、蝋燭は一作品につき一本になります。
( ^ω^)ルールは以上になりますお。
( ^ω^)そうそう!まとめはブンツンドーさんがやってくれることになりましたお!
http://buntsundo.web.fc2.com/100monogatari_2014/top.html
( ^ω^)ノシ それでは、30分後にまたお会いしましょうおー。
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( ^ω^)みなさん、お待たせしましたお。いよいよ百物語が始まりますおね。
( ^ω^)去年は惜しくも百には届きませんでしたが、今年はどうなることやら。
( ^ω^)百まで語り妖や霊を呼ぶも良し、百まで語らず呼ばぬも良し。楽しみ方は人それぞれですお。
( ^ω^)そうそう、ルールは>>104->>105になりますお。
( ^ω^)さあ、蝋燭は準備したかお?
……では、これより百物語2014をーー
( ^ω )……おっと、一つ忘れていたことが。
( ω )この百物語においていかなることが起きようと、それはみなさんの責任となりますお。
主催側は一切責任を負いませんので悪しからず。
( ω )失踪してしまう者がいるのか、はたまた怪奇現象が起きてしまうのか、それとも書き溜めが消えてしまうのか……。
それを確かめるのはあなた自身ですお。
( ゚ω )……では改めまして、百物語2014を開催いたしますお!
-
さあお前ら始まったぜ!
次の挨拶は10日の終了時間に来ようと思うから、他の日は各自で時間を確認してくれ
質問とかあれば、投下中以外だったらいつでも受け付けるよ
-
質問!
投下の時にトリってつけない方がいいのかな?
-
トリはご自由に
どっちでも構わないです
-
では途中でID変わるかもなのでつけておきます
-
それでは投下させていただきます
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(i,)
|_|
望まれずクリーチャーのようです
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子宮の暗闇を漂っていた頃から、
私は記憶がある。
叩かれたお腹を守ってくれた母さんには
心から感謝しています。
『無事に産まれてほしいの ーー 』
その言葉を糧に、
たくさんたくさん栄養をもらいました。
貴方に喜んで貰いたい一心で。
忘れもしない。
分娩室で私が産まれた時の事。
私を守り続けた子宮の水が外に流れ出て、
いよいよ私が闇の裂け目から這い出したとき、
溢れる光に拒絶されながら
母さんの名前を呼んだんだよ。
手足を震わせて、
激しく呼んだんだよ。
ーー でも貴方には、
醜い素肌を隠しもせずに泣き叫ぶ
ただの化け物に見えたのかな…?
.
-
小学校、ホームルームの時間…
/ ,' 3 「来週からは冬休みじゃ。
さっき配った宿題をやりながら、
一週間と少し。
健康無事に過ごしとるようにな」
ζ(゚ー゚*ζ 「せんせー、
あたしのプリントがたりません〜」
/ ,' 3 「おお、そうか。
前の席の ーー くるうさん、
お主のところにはあるかの?」
川 ゚ 々゚) 「…あ"、あ"るます」
/ ,' 3 「じゃあそこで足りなくなったのか…
ここにもあるからデレさん取りに来ておくれ」
_
ζ(゚ー゚*ζ 「ちょっとー!
無くなったならちゃんとせんせーに言ってよ!」
川 ゚ 々゚) 「……」
('、`*川 「デレよしなよ。
その子に言ってもどうせわかんないよ」
ζ(゚ー゚*ζ 「こいつ…いつもいつも、
うすきみわるーい」
('A`)「…」
( ^ω^)「さわっちゃだめだお!
ばっちいくるう菌がうつるお!」
ζ(゚ー゚*ζ 「あはは! それもそっかー」
/ ,' 3 「これ、止しなさい!
くるうさん、もし足りなくなったら
一言先生に言ってくれて良いからのぅ」
.
-
私は昔から身体が弱かったのです。
風邪をひいたことはありません。
皮膚が…空気に触れるだけで痛かった。
だから毎朝包帯を腕や脚に巻いて、
ちゃんと毎日学校に行ったよ。
冬休みの間も外に出ないで、
家のなかで宿題をやったんだよ。
数日で全部終わって、母さんに報告したね。
…誉めてはもらえなかったけど。
それでも私は良かったのです。
川 ゚ 々゚) 「かあ"さん、明日からまた
学校にいくよ"」
J( 'ー`)し
川 ゚ 々゚) 「あとで、お"ふとん"カバー替えるね」
かあさんは喋れません。
私が産まれた時からずっと。
川 ゚ 々゚) 「い"ってくる"ね」
J( 'ー`)し
.
-
/ ,' 3 「ミセリさんはケアレスミスが多いのう。
ブーンくんは…ああ、
落書きし過ぎじゃって…」
(-_-) 「おはようございます、荒巻先生。
いやあ寒い…
さっそく休みの宿題の採点ですか」
/ ,' 3 「ヒッキー先生、お久し振りです。
そうなんです、
早めにやればあの子達の課題も分かりますから」
(-_-) 「…くるうさん、って、
クラスにいらっしゃいますよね。
あの子は勉強の方はどんな感じなんですか?」
/ ,' 3 「? くるうさんが、なにか? 」
(-_-) 「あ、いえいえ…
大したことではありません。
以前、あなたの代わりに
授業した時から気になってまして」
/ ,' 3 「まあ少し変わったところもありますが、
概ね家での環境問題に ーー
あ、悪い意味でなく、
母親がご病気ですが頑張ってますよ」
/ ,' 3 「宿題も、テストも、
いつもすべて満点です。
あの子だけが唯一」
.
-
数年後。 大学、休み時間…
( ・∀・) 「ドクオ君、ちょっといいかな?」
('A`)「センパイ…? ええ」
( ・∀・) 「キミ、くるう君と同じ小中学校だったんだって?」
('A`)「ほとんど話したことはありませんが…
こうして美婦大学で医学専攻できたのも、
俺とアイツだけですね」
( ・∀・) 「今度さぁ
サークル別の合コンするんだけど、
個人的に興味あるからついでに
声かけておいてくれないかな?」
('A`)「そんなんアリなんですか?
喋ってくれるかなあ」
('A`)「という、わけなんだけど…」
川 ゚ 々゚) 「……い"かない"」
('A`)「……だよな」
川 ゚ 々゚) 「ごめん"ね」
('A`)「えっ ーー あ、いや!
こっちこそゴメン…センパイには…
俺から言っておくから」
川 ゚ 々゚) 「ドクオ君は楽しん"でおい"でよ」
('A`)「…アイツ、本当はまともなんじゃないかな」
('A`)「昔…冬休みの終わりに見たアイツは
きっと、もういないんだ」
.
-
合コンに誘われるなんて思ってなくて、
急だったからつい断ったよ。
これで私も、少しは認められたのかな?
周りの人と《同じ》になれたと、
思っていいのかな?
川 ゚ 々゚) 「ねえ、母さん"」
J( 'ー`)し
母さんの声、聴きたいよ。
笑った顔、見たいよ。
川 ゚ 々゚) 「大学が終わったら"
わたしお医者さんにな"るよ」
いまは無表情だけど、
私にはずっと愛しい母だから。
治してあげるからね。
ーー どうか、まだ狂わないで。
-
大学病院、病棟…
(´・ω・`) 「ねぇくるうさん。
その包帯は怪我でもしてるの?」
川 ゚ 々゚) 「……」
(´・ω・`) 「眼科医が眼鏡をするように、
内科医が咳をするように、
医者が怪我をしてるようだと患者さんが不安になるんだ」
(´・ω・`) 「…外さないの?」
川 ゚ 々゚) 「…外したら"、余計に恐がら"せてしまい"ますから」
(´・ω・`) 「……そっか。
いまのは立場上、
どうしても言わなくてはならなかったんだ。
許してもらおうとは思ってない」
(´・ω・`) 「ただ、パブリックイメージの
問題として覚えておいてください」
川 ゚ 々゚) 「すみま"せん"」
('A`)「アイツは優秀だけど、
昔から包帯してたから…
たぶん、先天的な病気なのかもしれません」
(´・ω・`) 「わかった、ありがとう。
経歴から君をわざわざ呼び出してすまなかった」
(´・ω・`) 「遺伝子に妙な興味を示してる事…
なにか関係があるのかな?」
.
-
病院に勤めはじめてから、
私ははじめて人とお付き合いしてる。
彼が望む愛情表現で、
彼は可笑しいほど笑顔になる。
私も満たされてる。
たまには喧嘩もしてみる。
彼は涙したりもする。
そんなに心を焦がしてまで、
こんな私に合わせてくれてゴメンね。
なにもかも予定されてるけど。
川 ゚ 々゚) 「母さん"、人は4つの"記号で出来てるん"だって」
J( 'ー`)し
川 ゚ 々゚) 「C.シトシン。
A.アデニン。
T.チミン。
G.グアニン。
私達は、その"記号の"並びで、
今の私達なん"だって」
川 ゚ 々゚) 「ねえ、もう少しだけ…」
.
-
街中、某所…
( ・∀・) 「よードクオ、久しぶり」
('A`)「センパ ーー …モララーさん、どうも。
いまなにやってるんですか?」
( ・∀・) 「探偵。
浮気調査ばっかだけど」
( ・∀・) 「同じ大学でも、
随分道を違えたなぁハハハッ」
('A`)「いえ、そんな…」
( ・∀・) 「くるうさんは? 元気?」
('A`)「元気というか…あの」
( ・∀・) 「……まさか付き合ってるのか?
マジかよ」
( ・∀・) 「最近話題になってる猟奇殺人、
このあたりだろ?
気を付けとけな」
('A`)「そうですね。
くるうも俺が送り迎えして ーー 」
( ・∀・) 「違う、
気を付けるのはそのくるうさんだよ」
('A`)「……」
.
-
剥がれ落ちた理性という脱け殻は、
いま、ここに、置いていきます。
J( 'ー`)し
川 ゚ 々゚) 「い"ってきま"す」
もうすぐ寒くなるけど、
私は風邪をひきません。
街を歩けば声をかけてくる人が居ます。
みんなと《同じ》になった私に。
( ^ω^)「あれっ? ひょっとしてくるうかお?」
川 ゚ 々゚) 「…」
( ^ω^)「ブーンだお!
久しぶりだおね、いまなにしてんの?」
いまは思い出せないから、
せめて心に聞かせてほしい。
さらけ出して。 母さんに。
( ゜ω゜)「やめるお! やめるんだお!
昔のことなら謝るお! だから ーー 」
川 ゚ 々゚) 「ごめん"ね」
(;゜ω゜)「ングッ ーー 」
4つのアルファベットが、
ほら、組み替わるだけ。
-
某所、祭場…
ζ(゚ー゚*ζ 「同窓会が、級友のお葬式だなんて…」
('、`*川 「いい奴だったのに、
あんな事件に巻き込まれるなんて…」
('A`)「…」
( ・∀・) 『なんで俺が彼女に
興味があったのか、今なら分かるよ。
普通じゃないんだ、きっと』
ζ(゚ー゚*ζ 「でも、クラスメイトも全員来れたし、
ブーン君も喜んでくれるかな?」
('、`*川 「そうね、きっとそうよ」
('A`)「…くるうの事は、
居なかったことになってるのかよ……」
( ・∀・) 『彼女はずっと、
異常だったんじゃないか?
得体が知れないから、掴みきれない。
…それを世間では "人外" とか、
きっと "怪物" って呼んで、
近寄らないようにするんだ』
('A`)『じゃあ、くるうと恋人の俺も、
"怪物" とでもいうんですか?』
( ・∀・) 『たぶん。
怖いもの見たさ以上に、
当時彼女に近付こうとした俺もな』
.
-
私のやったことは事件になるんだって。
どうして?
母さんの声が聴きたい事が?
*( )*( ω )从 ー 从 ( _ )
ねえ、観て!
誰もが同じ笑顔で、
私に手を振ってくれる。
ここはもう、あれほど願った
不公平のないユートピア。
包帯を取ってもなにも言われない。
いくら声を出してもなにも言われない。
川 ゚ 々゚) 「わたし、くるう!
あなた達の名前は?」
.
-
(´・ω・`) 「彼女は異常だよ」
('A`)「…貴方まで、そんなこと言うのですか?」
(´・ω・`) 「どこの世界にあの歳で
あれほどの知識を得る人間がいるんだい?
医学、遺伝子学、心理学、数学、
…他にもあげれば数えきれない。
経歴を知れば知るほど、
くるうさんの発達に汗が止まらなくなる」
(´・ω・`) 「なぜ誰も、なにも言わなかった?
なにも思わなかった?
僕もだ、この際まで知ろうとしなかった」
('A`)「…」
(´・ω・`) 「そして、
それを知っていたはずの君もだ。
昔からずっと一緒で、
誰よりも一番近くにいたのに」
('A`)「…」
(´・ω・`) 「……警察に届けよう。
もし証拠すらなければいいんだ、
僕は君にも謝るし、彼女にも謝る」
ああ…
川 ゚ 々゚) 「これ"って…」
('A`)「もう、しょぼん先生だった物でしかないよ」
.
-
いつからか、
予想外の展開を待っていたんだ。
何もかも、与えるから。
君は俺の、
理想をそのまま実現する。
艶かしく、麗しく。
('A`)
だから、心焦がす涙も必要だった。
何もかも予定されてるけど。
-
支援だ
-
母さん、ねえ、母さん。
どうして金切り声をあげたの?
どうして、そのまま死んでしまうの?
お願い!
目を覚まして!
川 ゚ 々゚) 「かあ"さん"!
かあ"さん"!!」
J( Д )し
川 ゚ 々゚) 「かあ"さーん"!
おかあ"さーーん"!!」
こうして、
悲しすぎるほど
痛みのない終わりがきたのです。
.
-
しえ
-
…何が俺をこうさせるのだろう?
地獄へまた近付いていく。
川 ゚ 々゚) 「…」
('A`)「…そうか」
君を見つけた季節は
真っ白な雪に包まれてた。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
川 ゚ 々゚) (∪ 。ωφ ) ('A` )
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
呆然としたくるうに寄り添って、
かじかんだ身体を暖めあった。
でもそれは、
いつか来る、別れの影で。
.
-
ねえ!
雪っていうんだって。
憶えてるよ、
はじめて彼と話した日。
はじめて、彼に見られた日。
川 ゚ 々゚)
ねえ、もっと降り積もって。
この眼を潰して
身動きもとれないくらいに。
母さんのあの顔が思い出せなくなるまで。
川 "∩々゚) グリグリ
('A`)「くるう…」
川 "∩々∩) ガリガリ
.
-
くるうの身体を拘束していた包帯は解かれ
その剥き出しの素肌は氷結に身を焦がす。
彼女に増えた傷跡を眺めながら…
堕ちた自分に、
酔いしれてるだけかもしれない。
('A`)
(; A`)
(うA`) グシッ
お互いの孤独を慰めあってきたよな…?
上辺だけかもしれないけど。
恋人になって、でも、
ーー 永遠は諦めてたとしても。
('A`)「…くるう」
.
-
ドクオはくるうの首に手をかけた。
『まだ暖かい。』
くるうもドクオの首に手をかけた。
『ほん"とだ。』
まだ…暖かい。
-
もっと、降り積もって。
もっと、憎みきって。
この存在をせめて、
君の中で生きていさせて。
川 々 ) 「 ーー 」
( A )「 ーー 」
血の通わない怪物は
ここでただ、叫び続けるだけ。
-
抉りとられた想い出は、
いつか、
粉雪のように消えていく ーー 。
.
-
.
-
数年後。 都内、某所…
(゚、゚トソン 「ドクオ先生、
回診のお時間です」
('A`)「…ああ」
(゚、゚トソン 「順番はいつものルートで、
…あ、昨夜運ばれた患者さんが
いらっしゃるみたいです」
(゚、゚トソン 「えーと…305号室、4番、
モララーさんという方が入りました」
聞きながら回診の準備をする。
(゚、゚トソン 「あっあの!」
('A`)「?」
(゚、゚トソン 「今日のお仕事終わったら、
少しだけ付き合って頂きたいんです」
(゚、゚トソン 「ほんとに、少しでいいので!」
('A`)「…」
首に巻いた包帯は
ジクジクと、
あの頃の君を思い出させる。
.
-
…くるう。
地獄へ堕ちていくしかない、
俺の姿をどうか見つめていて。
ナースに小さく、俺は頷いた。
「い"ってくる"よ」
.
-
望まれずクリーチャーのようです
(了)
(
)
i フッ
|_|
参考 引用文献:
村田信也【-CREATURES-】より
-
乙です!
切ない話だ
-
>>139にて一本目を終わります
ありがとうございました
-
乙だ
-
次の方いらっしゃらなければ、投下させて頂きます。
-
.,、
(i,)
|_|
二本目
蜂のようです
-
( ^ω^)「今日はドクオと久しぶりの再会だお〜♪」
( ^ω^)「しかしニート最高だおw
平日の夜中も遊び放題おw」
( ^ω^)「噂ではドクオは職を探し始めてるとか……あいつ正気かお?」
( ^ω^)「集合場所はゲーセンか……さて、そろそろ向かうかね」
( ^ω^)「ブーンの愛車、ムーブ18年式ッ!
ブーン号、しゅっぱーつ!」
-
( ^ω^)「とうちゃーく!だお」
('A`)「おぉ、久しぶりだな」
(*^ω^)「ドクオーッ!
相変わらず彼女いない歴=年齢は守られてるかお!?」
(#'A`)「相変わらず失礼な豚だな……」
('A`)「ま、とりあえずどっか店入ろうぜ。
24時間営業ならどこでもいいかな」
( ^ω^)「相変わらず酒飲めねーのかおw」
('A`)「うっせw
車できてんだから普通だろw」
( ^ω^)「んじゃどっかファミレス入るお。
ドリンクバー安定お」
('A`)「おぅ。そーだな、とりあえず俺の後ろ走ってこいよ」
( ^ω^)「おっけーだお!」
-
( ^ω^)「デ〇ーズ……まぁ良いお」
('A`)「田舎なんだから仕方ねーだろ」
(*゚ー゚)「2名様ですね、お煙草は吸われますかー♪?」
( ^ω^)('A`)「吸う(お)」
(*゚ー゚)「こちらのお席へどうぞ〜♪」
( ^ω^)「ふぅ……やっと落ち着けるお」
('A`)「私生活も落ち着けよw
そろそろ職探したらどーだ?」
( ^ω^)「何言ってるおw
ドクオもニートだおw?」
('A`)「おいおい、俺は来月から立派な社畜だぜ。
まぁ給料よくないけどな」
( ゜ω゜)「なん……だと……」
('A`)「お前も仕事探せよ。
じゃねーと女もできねーぞw」
( ゜ω゜)「彼女いない歴=年齢のやつが偉そうに言うなおぉぉぉぉぉ!!」
( ^ω^)「は〜、ついにドクオもそっちの道にいったかお。
こりゃ飲まねーとやってらんねーお」
('A`)「どーせドリンクバーだろ」
( ^ω^)「うるせーお、さぁ早くコーラ持ってくるお」
('A`)「へいへい…」
-
――――――――――
('A`)「なぁ、そろそろ帰ろーぜ。
もう朝の7時だよ」
( ^ω^)「お。そうだおね。
ちょうど通勤ラッシュの時間帯だお」
('A`)「俺んちはこっから近いけど……お前は結構遠いからな、気ぃつけろよ」
( ^ω^)「童貞に心配されるまでもねーおww」
(#'A`)「よし、事故って死ね」
( ^ω^)「ばいぶー」
-
( ^ω^)「ふー。楽しかったお。
やっぱり友達とはいーもんだお」
( ^ω^)「しかし平日の朝ともなると社畜がわんさか……渋滞だお」
ブーン…
( ^ω^)「……ん?」
ブーンブーン…
( ^ω^)「なんだお?
気のせいかお……?」
ブーーン……
( ^ω^)「後部座席の方から聞こえてくるお。
何の音だお?」
8「こんにちわ!」
( ゜ω゜)
( ゜ω゜)
( ゜ω゜)「は」
( ゜ω゜)「蜂だおぉぉぉぉ!!!!!」
( ゜ω゜)「や、やばいお、どうしたらいいんだお?
ここは国道……車も大量に走ってるお」
( ゜ω゜)「だがしかし、生まれてこの方24年、ブーンは骨折したこともなければ蜂に刺されたこともないお」
( ゜ω゜)「うぉぉぉぉぉとりあえず避難だお!!!!!」
バタンッ
キキー
プップー!
トラックの運ちゃん「あぶねーだろ!気をつけろ!」
( ゜ω゜)「それどころじゃねーおぉぉぉぉ!!」
-
( ゜ω゜)「とっ、とりあえず電話!ドクオーッ!」
プルルルル…
('A`)『おーどーした』
( ゜ω゜)「ド、ドクオ!大変だお!蜂が!ブーンの車に蜂が!」
('A`)『蜂w?蜂ごときで情けねーなw
窓開けて逃がせよw』
( ゜ω゜)「お前ブーンを甘く見てるお!?
ブーンの三大恐怖を忘れたかお!?」
('A`)『歯医者、幽霊、蜂、だっけか』
( ゜ω゜)「そうだお!
あぁあぁぁ!ブーンのせいで国道が更に渋滞してるお!!」
('A`)『落ち着けw
今は車の中か?』
( ゜ω゜)「とりあえず脱出して歩道にいるお!」
('A`)『ほー。
ま、とりあえずドア開けて逃がすしかねーんじゃね?
いつまでもそこにいるわけにいかねーだろ』
( ;ω;)「うぅ……わかったお……怖いけどやってみるお……」
('A`)『おぅw頑張れよw
じゃーな、俺これから寝るから』
( ゜ω゜)「薄情者ぉぉぉぉ!!!」
プーップーッ
( ;^ω^)「切られたお……」
-
( ω)「こうなったらやるしかねーお……」
( ゜ω゜)「ふぉぉぉぉぉぉ!!!!」
バタンッ!
( ゜ω゜)「蜂!!!
出てけお!!!この!このぉぉぉぉ!!」
8「うるさいなー。なんの用だい?」ブーン
( ゜ω゜)「ぎゃあぁぁ!!!
こっち来るなお!!!」ブンブン
(*゚ー゚)「あら?さっきのお客さん……?
何してるのかしら、国道の歩道で……」
(,,゚Д゚)「ママーあの人何してるの?」
(*゚ー゚)「きっと病気なのよ、そっとしておきましょう」
(,,゚Д゚)「はーい」
( ゜ω゜)「ふぉぉぉぉぉぉ!」
8「なんだよー、僕と戦うつもりかい?
刺しちゃうぞー!」
( ゜ω゜)「こっち来るなおぉぉぉぉ!」
8「えいっ!」
( ゜ω゜)「おぉぉぉ!!!」
( ゜ω゜)「ブーンに近づくなおぉぉぉ!!!」
-
読んでるよ〜
-
( ;^ω^)「はぁ…はぁ……」
( ;^ω^)「やっと出てったお……」
( ;^ω^)「これで僕も帰れるお……」
トラックの運ちゃん「おい!
こんなとこに停めてんじゃねーよ!」プップー!
( ゜ω゜)「うるせーお!!
僕だって停めたくて停めたんじゃねーおぉぉぉ!!」
( ;^ω^)「さ、帰るお……」
-
( ;^ω^)「……と、こんなことがあったんだお」
ξ゚⊿゚)ξ「それは災難だったわねw」
( ;^ω^)「笑い事じゃねーお……」
( ;^ω^)「せめてもの復讐に、ようつべで蜂の駆除の動画見まくったお」
ξ゚⊿゚)ξ「みみっちいわねw」
ξ゚⊿゚)ξ「それにしても、いつ蜂が入ってきたのかしら?」
( ;^ω^)「それ僕も考えたんだお……昨日の夜は窓開けて煙草吸ってないから……」
( ω)「恐らく日中入ってきて、夜の間は車ん中で寝てたんだお……」
( ω)「僕は……蜂と深夜のドライブを共にしてたんだお……」
ξ゚⊿゚)ξ「ま、まぁ無事刺されないですんだんだから、良かったじゃないのw」
( ;^ω^)「おー…、まぁそうだおね」
ξ゚⊿゚)ξ「それにしても……」
ξ゚⊿゚)ξ「あんた、日頃の行いが悪いからバチが当たったんじゃないw?」
ξ゚⊿゚)ξ「蜂だけにw」
( ^ω^)「お前それが言いたかっただけじゃねーかお」
-
(
)
i フッ
|_|
二本目、以上で終了です
読者のコメントは嬉しいものですね!
9割実話です。
次の方もがんばってくれー
-
乙です
まさかの実話なんだ…w
-
それでは人がまだいらっしゃらないので、このまま三本目頂きます
-
.,、
(i,)
|_|
三本目
( ´_ゝ`)送りぬ、迎えぬ(´<_` )
のようです
-
( ´_ゝ`)カタカタカタカタ……
Σ( ´_ゝ`)<あぃにぃじゃ〜♪ いーつーかー つーまず〜いた時にっは〜♪
( ´_ゝ`)「む、このスピッツの歪な着信音は…」
ピッ
(白´_ゝ`)「もしもし」
(´<_`白)「俺だ、仕事中か?」
(白´_ゝ`)「うむ。 健やかに用件を言いたまえ」
(´<_`白)「先日、犬を見たぞ…すこやか?」
(白´_ゝ`)「URLの名前ならまずクリックしない表題だな…すみやか?」
(´<_`白)「まあ聞いてくれ、本土の東と西に離れて暮らしてる我が兄弟(ブロウ)よ」
(白´_ゝ`)?!
(´<_`白)「ぶっこみの拓みたいな擬音出してたら挽き肉にしちゃうよォ?」
実はだな ーー
.
-
俺の引っ越し先は職場からバスに乗って
そのあと少しだけ山道を歩くんだが…
(´<_` )「山道ぃ〜走るよハムたろォ〜♪」テクテク
(´<_` )「だーい好きなのはー♪」ガサガサッ
(´<_` )「ん?」
後ろから音がしたんだ。 振り向くと…
ξ∪゚⊿゚)ξ「……」
(´<_` )「…犬、?」
(´<_` )「まあいいか……」テクテク
ξ∪゚⊿゚)ξ「……」シノビシノビ
(´<_` )「……」テクテク
俺の後ろをついてくるんだ、その犬。
たぶんメスかな。
それで「おい弟者」
-
(´<_`白)「なんだ、話の途中なのに」
(白´_ゝ`)「仕事中?うんそうだよ!って流れで
どうして長そうな話を語り出すんだ」
(´<_`白)「そういえばそうだな…帰宅したら連絡くれるか?」
(白´_ゝ`)「うむ、またあとでな」ピッ
( ´_ゝ`)「……」カタカタ
(;´_ゝ`)
(;´_ゝ`)「怖い話だったらやだなあ…」
.
-
しえん
-
(´<_` ) ピッ
(´<_` )「…そういえば兄者はブラクラは平気でも怪談は苦手だったっけ」
(´<_` )「でもなあ、別に怖い話じゃないし…」
(´<_` )「……そういえばもう冷蔵庫に何もないから、こっちでコンビニ寄ってから帰らないとな」
(´<_` )「昨日は余ってた赤飯握りなんてあげちゃったけどよく食べてたな」
(´<_` )「俺は野菜味噌焼きおむすびのほうが好きなんだが…犬には濃すぎるか?」
-
コンビニで一週間分の食料を買い込み、
また帰路の山道を歩くと…
(´<_` )「山道ぃ〜ツラいよハムたろォ〜♪」テクテク
(´<_` )「買ーいすぎだコラー♪」ガサガサッ
ξ∪゚⊿゚)ξ「……」
(´<_` )「…またついてきてる」
(´<_` )「野良犬にしては毛艶いいしなあ」テクテク
ξ∪゚⊿゚)ξ テクテク
(´<_` )「…悪いな、いま両手が塞がってるから家についたらなんかやるよ」テクテク
Σ(´<_`;)「うおっ ーー 」ツマズキッ
≡ξ∪゚⊿゚)ξ ダッ
(´<_` )「ーー っと危ない、転ぶところだった…」
ξ∪゚⊿゚)ξ「……」ピタッ
(´<_` )「…ひょっとしていま心配で駆け寄ろうとした?」テクテク
ξ∪*゚⊿゚)ξ「!」ニゲサリッ
(´<_` )「あ、いっちゃった…」
.
-
(´<_`白)「ーー という事がまたあってだな 」
(白´_ゝ`)「へえー、懐かれたんじゃないか?
飼えよその牝犬」
(´<_`;白)「…なんか下品な呼び方してないか?
家に着く頃には居なくなってるし、無理だろ」
(白#´_ゝ`)「犬でもなんでも♀が近寄ってくる時点で羨ましいんだよ」
(´<_`白)「そんなことないだろ…
いや、兄者はあるか、そうだなスマン」
(白´_ゝ`)「俺もチャンスがあったら餌付けしてみよウヒヒ
(俺は毎日つまらない職場と家の往復なのにお前というやつは) !」
(´<_`白)「本音と建前が逆でもあまり変わりないとは流石だな兄者」
(白´_ゝ`)「まあなにか面白そうな進展あれば教えてくれよ。 じゃあ」ピッ
( ´_ゝ`)「……」
( ´_ゝ`)「ふーむ、山道をついてくる犬か」カタカタ
.
-
----------
【送り犬】
送り犬 (おくりいぬ)とは【事典】 - xxxx dic.xxxx.net/a/送り犬
送り犬は日本の妖怪の一種で、夜の山道を背後からついてくると言われている。場合によっては食い殺されるが ...
----------
(;´_ゝ`)「……」
(;´_ゝ`)「意外と怖いやつじゃん…」
( ´_ゝ`)「……」
( ´_ゝ`)「見なかったことにしよう」パタン
( ´_ゝ`)b「さあ、今日も一日頑張ったし寝るぞー!」
.
-
(´<_` )「さてと、出勤出勤〜」
(´<_` )「おっ、昨日置いといた赤飯握りがなくなってる」
(´<_` )「…ドッグフードは食べないんだな、やっぱり飼い犬ではなさそうだ」
(´<_` )「……」
(´<_` )「餌付けか…まああの道も暗いし怖いし、一緒に帰る友だと思えばいいか」
.
-
( ´_ゝ`)「さて、帰宅帰宅〜」
( ´_ゝ`)「今日はコンビニで食料買い込んでおかないとな…」テクテク
( ´_ゝ`)「こっちにきて思ったのは、意外と食い物がまともだということだ」テクテク
( ´_ゝ`)「ランチパックの出雲ぜんざい風とか
パソコン疲れによく効くんだよ」ラッシャセー >
( ´_ゝ`)+「一週間分買い占めた」 シター>
( ´_ゝ`)「問題は甘いのもいいけどたまには辛いもの食べたくなるんだよなあ」テクテク
( ´_ゝ`)「名古屋の台湾ラーメン発祥の店は旨かったよ…主に青菜炒めが」テクテク
( ´_ゝ`)「麻婆拉麺に当たり無しの俺に合うものはこっちにもないんだよなあ」テクテク
( ´_ゝ`)「…おや?」
(∪^ω^)「……」
ーー 山道を帰る俺の行く手を阻むように、
犬が通せんぼしていた。
-
(;´_ゝ`)「……」
(;´_ゝ`)「しょせんは伝承…しかもあの犬は掛け値なしに情けない顔してる」
(;´_ゝ`)「……」
(((;´_ゝ`)「リスク回避できる俺はカッコイイ」スタスタ
.
-
(´<_`白)「…それで迂回して1時間のところを4時間かけちゃうところが流石だな兄者」
(白´_ゝ`)「その三時間が俺のその後の人生を開くとすれば安いものだ」
(´<_`白)「ポシティブだなあ」
(白´_ゝ`)「生に貪欲と言ってくれ、それではな」ピッ
(´<_` )「……」ツーツー
(´<_` )「あの犬も妖怪だったのかなあ?」
(´<_` )「…でも俺なんもされてないしな…ただの犬だろう」
(´<_` )「今日だって普通に見送られただけだし。
そろそろ寝るか」
.
-
((( ´_ゝ`)「……」テクテク
( ´_ゝ`)「……」
(∪^ω^)「……」ポツーン
(;´_ゝ`)「…また居やがる」
(∪^ω^)「わんわんおー」フリフリ
(;´_ゝ`)「…また4時間かけて帰るのか、俺は……ん?」
ーー 【送り犬】?
( ´_ゝ`)「…そうか、言葉や名前には意味がある」
( ´_ゝ`)「送るってことはそういう事だ。
背後からついてくるとも書いてあった。
…だがあいつは待っている」
(∪^ω^)?
( ´_ゝ`)「そして俺と同じく、ぶっこみの拓風に擬音が飛び出てやがる兄弟(ブロウ)……
間違いない、奴は妖怪ではなく ーー 」
( ´_ゝ`)+「ただの不細工な犬だ!」
(∪^ω^)「わんわんおー」タッタッタッ
(((*´_ゝ`)「よしよし、家に着いたらランチパックでもわけてやろう」テクテク
-
(((∪^ω^)タッタッタッ
((( ´_ゝ`)テクテク
(^ω^∪)「わんわんおー?」
((( ´_ゝ`)「おお、勘がいいな、そっちが俺の家さ」テクテク
(∪^ω^)「わんわんおー!」スリスリ
(*´_ゝ`)「不細工だけど馴れると可愛いもんだ。
でもスーツに毛がつくからほどほどにな」
(∪^ω^)「わんわんおー!」スリスリスリスリ
( ´_ゝ`)「おーい、もういいぞ、そろそろ行こうぜ」
(∪^ω^)「わんわんおーわんわんおー!」グリグリスリスリグリグリスリスリ!!
:(;´_ゝ`))「うおっばかやめっ ーー」グラッ
.
-
(´<_` )「…兄者のやつ今日は平気かなあ」テクテク
(´<_` )「ビビりのくせに調子に乗ると予想を越えてどっか行くんだよなあ」テクテク
( ,'3 ) 「ぐははっ! まちなコゾウ!」バッ
Σ(´<_`;)「うおっ ーー なんだおま、
ほ…包丁?!」
( ,'3 ) 「ちょうど良かった、有り金置いてけ。 痛い目みたくなかったらな!」
(((´<_`;)「…包丁で痛い目で許されるなら安いものだな……」
( #,'3 ) 「バッキャロー!死にてえのか!」
≡≡ξ∪#゚皿゚)ξ「ガルルーーーッ!」ドバーッ
( //3/:: ) 「ぐあぁぁ?!?!」ズバーッ
(´<_`;)「ーー お前は…!」
ξ∪#゚皿゚)ξ「ガウッガウッ!!」ズベリグシャズビュゴリッ
(´<_`;)「……ぅぉぉ……グロ…」
ーー 犬はどうやら俺を守ってくれたらしい。
滅多にない通り魔との遭遇にも驚いたが、
同時にこの犬が普通の犬ではない事も知った。
.
-
(´<_` )「……」
ξ∪’゚⊿゚)ξ「くぅん」ショボン
(´<_` )「……」
( ( ξ∪゚⊿゚)ξ トボトボ
(´<_` )「…まてよ」
ξ∪゚⊿゚)ξ
(´<_` )「ありがとう、助かったよ」
ξ∪゚⊿゚)ξ
o⊂(´<_` )「…いつものやつ、
ここに置いておくから後で食べてな」
ξ∪゚⊿゚)ξ
_` ))) テクテク
ξ∪゚⊿゚)ξ
ξ∪゚⊿゚)ξ
ξ∪*゚∀゚)ξ「アオーン」フリフリ
.
-
(∪^ω^)ベロベロ
(∪^ω^)ベロベロベロベロ
(∪^ω^)ベロベロ ーー ズリュ
(∪ ゚ω ゚)バキッ グリュグリュ ベロベロ
(∪ ゚ω ゚)ハッハッハッ…
(∪*゚ω ゚)「わんわんおーん!」
.
-
(´<_`白)プルル…プルル…
(´<_`白)「…仕事中か?」プルル…ピッ
(´<_` )「……」
(´<_` )「…」カタカタ
----------
【送り犬】
出典: 百科事典
送り犬は日本の妖怪の一種で、夜の山道を背後からついてくると言われている。場合によっては食い殺されるが ...
----------
(´<_` )「……兄者の言ってたのはこれか」
(´<_` )「…まだ続きがあるな」カチッ
.
-
----------
場合によっては食い殺されるが ーー
ーー 正しい対処をすれば逆に身を守ってくれるという。
もし何かの拍子で転んでしまうとたちまち 食い殺されてしまうが、
転んでも座ったように見せかけたり、
少し休憩をとる振りをすれば襲いかかってこない。
ここまでは各地とも共通だが、
犬が体当たりをして突き倒そうとする等、
地域によって犬の行動には違いがある。
また、送り犬と迎え犬にも分類され、
人を襲うのは送り犬。
人を守るのは迎え犬とも言われる。
好意を装いつつも害心を抱く者や、
女性の後をつけ狙う男のことを
「送り狼」と呼ぶのは、
この送り狼の妖怪伝承が由来である。
----------
.
-
(´<_` )「……」
(´<_` )チラッ
白⊂ 「…」
(´<_` )「……」
+(´<_` )「流石だわ、俺」
.
-
三本目
(
)
i フッ
|_|
( ´_ゝ`)送りぬ、迎えぬ(´<_` )
のようです
(了)
-
ありがとうございました
次のかたどうぞ
-
乙
正統派な妖怪話でいい感じだな
-
乙!
ほのぼのさせられた
-
|┃三 ガラッ
|┃ ____
|┃/⌒ ⌒\
|┃(●) (●) \
――‐.|┃:⌒(__人__)⌒:::::\ 百物語と聞いて来たお
|┃ |r┬-| |⌒) 支援だお
|┃ `ー'ォ //
(⌒ヽ・ ・ ̄ /
|┃ノ /
|┃ つ <
|┃ (::)(::) ヽ
|┃/ > )
|┃ (__)
|┃
|┃ ____
|┃/⌒ ⌒\
|┃ (―) (―)\
――‐.|┃:⌒(__人__)⌒:::::\
|┃ |
|┃ /
|┃ヽ・ ・ ̄ /
|┃ \ ,.:∴~・:,゜・~・:,゜・ ,
|┃ヽ_)つ‘∴・゜゜・・∴~・:,゜・・∴
|┃ (::)(::) ヽ ・゜゜・∴~゜
|┃/ > ) ゜゜・∴:,゜・~
|┃ (__) :,゜・~:,゜・゜゜・~.
(
)
i ジュッ
|_|
-
あ、、、あにじゃー!
-
4本目、投下させて頂きます。
.,、
(i,)
|_|
-
俺は鬱田ドクオ、絶賛夏休み中の大学四年生。大学生活はいじめられはしないものの、ボッチ生活をしている俺に遊ぶ友達などいる訳もなく、夏休みは1人でゲーム三昧の生活をおくっている。就活?そんなもんは知らん。
カチャカチャ
('A`)「…あー、くそっ、ラスボス倒せねぇ」*
こんな非生産的な生活だが、イジメを受けていた中学生の時に比べれば幸せだ。
('A`)「…本当、アイツ死なねぇかな」ボソッ
ラスボスキャラの憎たらしい笑顔が、中学の時のいじめっ子を彷彿させる
('A`)「俄然このラスボス倒したくなってきたな」
ゲームのキャラに重ねて復讐するなんて、俺は何て惨めなんだろうか
まぁ、でも現実でいじめられっ子が復讐劇を繰り広げるなんて話は無理な話な訳で…
-
カチャカチャ
(;*'A`)「……よぉしゃあああ!倒したぁああ!」
あれから2時間かけてやっといじめっ子に似たラスボスを倒すことができた、あぁ、すっきりした!
(*'A`)「ははは、ざまぁみやがれ!内藤め、現実世界でもくたばっちまえ!」
( ^ω^)「お前、相変わらず根暗だおねぇ」
(*'A`)「うっせー!ゲームくらい復讐させ……!?」
俺には自分の部屋に呼ぶような友達は居ない、つまり、俺はこの部屋に1人だ。だから背後から声がするなんてそんなことは無いわけで、しかもそれが中学の時のいじめっ子の声にそっくりだなんてただの気のせいで、振り返れば誰も居ないってオチに決まって…
('A`;)クルッ
( ^ω^)「お望み通り、現実世界でもくたばったお」
ニヤリ、と笑ったその憎たらしい顔はどんなことがあっても忘れられない、いじめっ子、内藤の顔だった。
-
('A`)ささやかな復讐を、のようです ( ^ω^)
.
-
(;'A`)「ななななんでお前、俺の部屋に!?どっから入った!?」
( ^ω^)「お前のお望み通りくたばったからだお、つまり、僕は幽霊だから壁なんか通り抜けちゃうんだお」
内藤がくたばった?幽霊?訳がわかんねぇ…でも、こいつは現在おれの目の前に居るし…
(;'A`)「お、お前が幽霊だとしても何で俺の部屋に来たんだよ…!」
( ^ω^)「おっおっ、中学の時みたいにドクオにパシリになって貰おうと思って来たんだお」
(#'A`)「ふざけんじゃねぇ!お前の言うことなんて聞くわけねぇだろ!」
( ^ω^)「…そんなこと言っていいのかお?僕はもう死んじゃったから法律とかに縛られないんだお?だから、ドクオを殺しちゃってもなんら問題ないんだお?」
ぞわり、と身体中に鳥肌が立った
こいつ本気だ…
5
(;'A`)「ちくしょうが…くたばっても変わんねぇのかよ、テメェはよ…」
( ^ω^)「おっおっおっ、ドクオも相変わらず口の悪さは治ってないみたいだおね。高校からは別々になっちゃったから性格変わっちゃったか心配だったけど、良かったおー」
全く良くない、俺はコイツのせいで性格がひん曲がったと言っても過言ではないのだから
( ^ω^)「で、パシリになってくれるおね?ドクオ」
('A`)「人を殺せとかは無理だぞ…」
( ^ω^)「そんなことパシリに頼まないお、なぁーに、ドクオでも出来る簡単な事だお」
取り敢えずは安心した、コイツなら人を殺せとか普通に言いそうだから
('A`)「じゃあ、なんだよ」
( ^ω^)「ちょっと伝言を頼みたいんだお」
('A`)「伝言?自分で伝えりゃいいじゃねーかよ」
( ^ω^)「無理だったんだお」
('A`)「無理って、どういうことだよ」
( ^ω^)「僕のことが見えるの、ドクオだけだったんだお」
…神様、どうして俺なんですか
-
( ^ω^)「だから、伝言よろしくだお。その未練さえ無くなれば僕はさっさと天国に行くお」
('A`)「お前みたいなのは地獄行きだろうよ」
( ^ω^)「まぁ、天国でも地獄でも構わないお。行くべきとこに行くお、だからパシリになってくれお」
コイツが地獄に行くのは確定だ、それに取り憑かれたり、ましてや呪い殺されるなんてまっぴらごめんだ。
それならさっさとパシリになって、地獄へ行かせてやるのが良いだろう
('A`)「分かったよ、パシリになってやるよ」
( *^ω^)「ありがとうだお、ドクオ。お前ならなってくれるって信じてたお」
('A`)「嬉しくねぇ。…それで伝言って誰に何を伝えりゃいいんだ?」
( ^ω^)「ツンに伝言を伝えて欲しいんだお」
(;'A`)「…え?ツンって、津出のことか?中学の時同じクラスだった…」
( ^ω^)「そうだお、覚えてたかお」
('A`)「当たり前だろ、同じいじめられっ子仲間だったからな」
-
そう、津出は俺と同じくいじめられっ子だった。違ったのはアイツは美人過ぎて、女子達から嫉妬でいじめられていたと言うことだ。俺は気持ち悪くていじめられていたから正反対な理由だ。
('A`)「しかし何でまた、津出に伝言なんか…」
( ^ω^)「僕たち付き合ってたんだお」
('A`)「へー、そうなのか」
まぁ、津出なら彼氏いてもおかしくないよなー
(;'A`)「…ん?」
( ^ω^)「あ、もう死んじゃったから過去形だおね」
(;゚A゚)「ちょっとまて、付き、付き合ってたあぁああ!?ええええ!?お前とあの津出が!?いつから!?」
( ^ω^)「高校から付き合ったんだお」
(;'A`)「信じられねぇ…あんな人形みたいな可愛い奴がお前なんかと付き合うなんて…」
( ^ω^)「そんなことはどうだって良いんだお、ドクオは伝言伝えることだけ考えろお」
どうでも良くねぇ…ふざけんなよ、神様。なんでこんないじめっ子の内藤がリア充やって、俺は彼女いない歴=年齢なんだよ…
-
(#'A`)「くそが…」
( ^ω^)「ほら、今から伝言内容言うからメモれお」
コイツのパシリなんて本当はやりたかねぇが、恋人に先立たれた津出は可哀想だ。ちゃんと伝言伝えてやるか…
('A`)「わぁったよ、ほら、ペンと紙用意したからさっさと始めろ」
( ^ω^)「えー、ゴホン。ツン、僕は君に前々から言わなきゃいけないことがあったんだお。そのことを今から伝えるお」
('A`)φ「どーせ愛してるよとかだろ、くっせーなー」カキカキ
( ^ω^)「僕、君のこと本当は全く好きじゃなかったんだお」
('A`)φ「ほら、思ったとおり…」カキカキ
…あ?
-
( ^ω^)「ただ顔がまぁまぁそこらの女子より良かったし、君はクラスの男子からも人気があったからステータスになると思って付き合っただけなんだお」
(;'A`)「おい、内藤、ちょっと待て」
( ^ω^)「だから、生前に君が言ってた『ブーンが先に死んじゃったとしたら私は他の人とは付き合わないし、勿論結婚もしないよ』とか本当うんざりしてたんだお、はっきりいって気色悪かったお」
('A`)「…」
( ^ω^)「はた迷惑と言うか、正直重かったんだお、こっちはただのステータスで付き合ったお遊びだったのに。だからさっさと僕のことなんか忘れて欲しいお、気持ち悪い、んじゃ、永遠にさよならだお」
( ^ω^)「…と、言うことを伝えて欲しいだお」
(#゚A゚)「んなこと言えるか、クソが!!!」
-
( ^ω^)「おっ?なんでだお」
(#;'A`)「おまっ、お前、本当人間のクズだな!津出みたいな純情な奴を弄びやがって…!」
( ^ω^)「じゃあお前にやるお、僕には重すぎるんだお、あの女」
神様はどうしてこんな人間を今まで生かしていたのか、もっと早くに殺すことは出来なかったのか!?
(;'A`)「っていうか、こんなこと伝えられる分けないだろ!津出が受けるショックを考えろよ!」
( ^ω^)「そんなこと、僕には関係ないお」
('A`)「クズもそこまで行くと悪魔だな…」
( *^ω^)「おっおっおっ、褒め言葉にしか聞こえないお」
(;'A`)「…とにかく、ダメだ。この伝言は伝えられない」
( ^ω^)「チッ、使えないやつだおー。こんなことも言えないとか、ゴミクズ以下だお」
('A`)「テメェには言われたくねぇよ」
( ^ω^)「…伝えられないなら仕方ないお、他のことで名誉挽回しろお」
(;'A`)「名誉挽回ってなんだよ、それ。訳わかんねー奴だな…」
( ^ω^)「次のは本当に簡単だお、誰も傷つけないし」
('A`)「…本当だろうな」
( ^ω^)「本当だお。むしろドクオが何とかしてくれないと、ツンが傷付くことになるんだお」
('A`)「なんだよ、それ。どういうことだよ」
-
( ^ω^)「僕の部屋に、ツンに渡すはずだった物が置いてあるからそれを捨てて欲しいんだお。親に見つかって、代わりに渡されちゃたまんないんだお」
('A`)「渡すはずだった物ってなんだよ」
( ^ω^)「別れ話の時に渡そうと思ってた奴で、今までツンから貰った物が入ってるんだお。突き返そうと思ってたんだお」
(;'A`)「信じられねぇクズだな…」
( ^ω^)「で、捨ててくれるかお?」
('A`)「お前のためじゃなくて津出のためにな」
( *^ω^)「ありがとうだお、じゃあ早速行こうお」
(;'A`)「は?早速って、もう夜だぞ。明日でいいだろ」
( ^ω^)「今ちょうど葬式やってるんだお、だからまだ僕の部屋はいじられて無いお」
(*'A`)「まじかよ、お前の葬式が見れるなんて滑稽だな!よし、いこう」
( ^ω^)「おっおっおっ、その口の悪さだけはいつまでたっても治らなそうだおね」
-
一応葬式に行くのでスーツに着替え、捨てなきゃいけない物の量や大きさが分からないから車で行くことにした。
('A`)「よーし、飛ばすぞ」ガチャ
( ^ω^)「ドクオが車持ってたなんて意外だお」
('A`)「誰ともあそばねぇでバイトばっかしてたからな。車買うとかしか使い道なかった」
( ^ω^)「寂しい奴だおね、友達の一人や二人も作れないなんて」
('A`)「うっせーな」
-
('A`)「それにしても風が気持ちいいな、やっぱりドライブ最高だわ」
( ^ω^)「…ドクオ、安全運転に気をつけるんだお」
('A`)「あぁ?んなこと言われなくたって分かってるわ」
( *^ω^)「おっおっおっ、ならよかったお」
いつもニヤケ顔の内藤が、一瞬だけ真面目な顔した
('A`)「……なぁ、お前の死因って、もしかして」
( ^ω^)「あ、ほら、ドクオ、着いたお!車だと早いおねぇ」
('A`)「…まぁ、いいや。本当に葬式やってんな」
( ^ω^)「当たり前だお、車は裏の駐車場に置いて早く行くお」
('A`)「おう」
-
俺は同情なんかしない。内藤がどんな死に方をして死んだかとか、この若さで全て失ってしまったかなんてどうでもいい。
こんなクズな男、今まで生きてたのが罪だったのだから。
ただ今は自分が呪い殺されるのを回避するためと、可哀想な津出のためにパシリになっているだけなのだ
だから、内藤の葬式をみて少しなんとも言えない気分になったのは、そういうことなのだ。
( ^ω^)「あそこで挨拶してるのが母さんだお、事情を話して僕の部屋に入ってくれお。僕は先に部屋に入ってるお」
('A`)「分かった」
内藤の母親は遠くから見るだけでも、生気が抜けているのがわかった。そりゃそうだ、内藤は一人っ子だったし、こうもなるだろう。
-
(;'A`)「あの、ご愁傷様でした…」
('、`*川「どうも…あら、貴方は、ドクオ君かしら?」
(;'A`)「えっ?あ、その、はい」
なんで内藤の母親が俺のこと知ってんだ?
('、`*川「懐かしいわね、幼稚園の時にホライゾンにブーンってあだ名付けてくれたのドクオ君だったわよね。あの子ったら、そのあだ名本当に気に入ってて、大学入ってからも使ってたのよ」
('A`)「…そう、だったんですか」
そうだ。そう言えば、俺はあいつと幼稚園の頃からの知り合いで、小学校低学年までは仲が良かったのに、高学年からは俺を虐めるようになったんだった。嫌なこと過ぎてすっかり忘れてた
('、`*川「まさかドクオ君も来てくれるなんてね、あの子も喜んでると思うわ」
来たくて来たわけじゃないですよ、と言いたいのをグッとこらえる。内藤の母親に恨みはない
-
('A`)「あの、生前アイツに『もし僕が先に死んだら恥ずかしい本とかの処分頼んだお!』と言われてたんで、約束を守りに来ました。ちょっと部屋入ってもいいですかね?」
('、`*川「あらやだ!そうなの?あの子ったら、恥ずかしいったらありゃしないわね、どうぞどうぞ、入ってちょうだい!というか、うちの子が変なこと頼んじゃってごめんねー」
('A`)「いえいえ、大丈夫です」
('、`*川「私はまだ挨拶とかあるから、二階にあの子の部屋があるから一人で行ってもらえるかしら?」
('A`)「はい、一人の方が恥ずかしい本も見られないで済むので」
('、`*川「それもそうね、うふふ」
-
ガチャン
( ^ω^)「案外すんなり入れたみたいだおね」
('A`)「あぁ、俺は頭良いからな」
( ^ω^)「むしろ誇れるのは頭の良さだけだろうお」
('A`)「うっせーな。で、どこにあんだよ、捨てなきゃいけない物」
( ^ω^)「机の下にあるダンボールだお」
(;'A`)「なるほど、これか。結構でかいなー…」
( ^ω^)「色々貰ったから仕方ないんだお」
('A`)「まぁ、いいや。さっさと持ってくか」
( ^ω^)「あ、ちょっと待っててくれお」
('A`)「なんだよ」
( ^ω^)「自分の葬式、少しみてくるお。だれが泣いてるのかとか」
('A`)「悪趣味だなお前」
( ^ω^)「おっおっおっ、すぐ戻って来るお」
スッと壁を通り抜けて消えた。改めて本当に幽霊らしい…
(;'A`)「しかし、重いダンボールだな。一体今まで何を貰って来たんだよ」
…どーせ、捨てるんだから中身見ても良いだろう。もしかしたら本当に恥ずかしい本とかあるかもだし
(*'A`)「どぉーれ、何が入っているのかなぁっと」ガサガサ
-
ξ;⊿;)ξ「ヒッグ…ヒッグ…!ああぁ、ブーン!ブーン!」
(;*゚ー゚)「ツンちゃん…」
(;´・ω・`)「可哀想にな、あんなになっちゃって…」ボソボソッ
从;゚∀从「自殺しなきゃいいけどな、ツンちゃん」ボソボソッ
( ^ω^)「…」
-
('A`)「おい、内藤」
( ^ω^)「ドクオ、もう来たのかお。今二階に行こうと思ったのに、せっかちな奴だお」
('A`)「…」
( ^ω^)「ん?どうかしたのかお?」
('A`)「津出に伝言、伝えてやるよ」
( ^ω^)「……おっ?いきなりどうしたんだお?」
('A`)「どーせ乗りかかった船だ、最後まで乗ってやるよ」
( *^ω^)「そうかおそうかお!それはありがたいおー!じゃあ、頼むお」
('A`)「おう」
-
ξ;⊿;)ξ「ブーン…ヒッグ…」
('A`)「津出」
ξつ⊿;)ξ「……ドクオ君?」
('A`)「久々だな、津出。内藤と付き合ってたとはビックリしたよ、まぁ、そんなことよりお前に言いたいことが」
ξ;⊿;)ξ「私、ドクオ君に言わなきゃいけないことがあるの!」
('A`)「…俺に言わなきゃいけないこと?」
ξ;゚⊿゚)ξ「そう、中学の時にブーンがドクオ君を虐めてた真相を!」
('A`)「…真相?」
ξ;゚⊿゚)ξ「あの時、ブーン、本当はドクオ君のためにドクオ君のことをいじめてたの!」
('A`)「何言ってんだ、津出。お前、俺はMじゃねーぞ」
ξ;>⊿<)ξ「自分がドクオ君をいじめることで他のいじめっ子から守ってたの!」
('A`)「……」
んな訳、あるはずが…
-
爪'ー`)y-『鬱田、金よこせよ、金』
('A`)『…金なんかねーよ、不良共が』
爪#'ー`)y-『テメェは本当、口の聞き方がなってねーな!金がねぇーって言うなら、ボコられても文句は言えねーよな、あぁ!?』
( ^ω^)『待つお』
爪#'ー`)y-『あぁん?!』
( ^ω^)『そいつは僕がいじめてる子なんですお、手出さないでくださいお』
爪#'ー`)y-『はぁ?意味わかんねぇこと言ってんじゃねーぞ?』
( ^ω^)『僕はドクオを精神的にジワジワいたぶって社会的に抹殺したいんですお、言うなれば実験、ドクオはモルモットですお。モルモットには健康で居てもらわないといけないんですお、だから怪我をさせるようなことはしないで欲しいんですお』ニッコリ
爪;'ー`)y-『…ブーン、お前相変わらずの悪趣味だな。分かったよ、俺の代わりにコイツちゃんと躾けとけよ』
( *^ω^)『了解ですお』
(;'A`)『…内藤、助けてくれたのか?』
( ^ω^)『んなわけねーだろうお、パン買ってこいってパシリさせたのに帰ってこないから見にきただけだお。さっさと買ってこいお』
('A`)『分かってたよ、お前はやっぱりそういう奴だよな…』
( *^ω^)『おっおっおっ』
-
津出の後ろで腹を抱えて笑っている内藤が見えた、「そんなわけねーだろうお」
と爆笑している。
('A`)「…やっぱりあいつはただのクズだと思うぞ」
ξ;゚?゚)ξ「それは、ブーンは不器用なだけで…!」
('A`)「だから、そーいうとこがクズだと思うんだよ」
ξ;゚?゚)ξ「ドクオ君…」
相変わらずシュンとした顔も可愛いな、津出。内藤の伝言伝えるの嫌になってきたぜ…
('A`)「…まぁ、いいや。俺はそんな話を聞きたいわけじゃないんだ。お前に内藤から伝言があるんだ」
ξ;゚?゚)ξ「ブーンが、私に?」
内藤がニヤニヤしている、本当クズ野郎だ。
-
('A`)「おう、伝言っていうか…はい、これ」
ξ゚⊿゚)ξ「…この小さい箱は何?」
内藤のニヤケ顔が一瞬にして固まった、ざまぁみやがれ
('A`)「開けて見ればわかるよ」
ξ;゚⊿゚)ξ「う、うん…」パカッ
ξ゚⊿゚)ξ
ξ;⊿゚)ξ
ξ;⊿;)ξ
「……あぁ、ブーン…!!!」
-
津出は箱を、正確には箱の中に入っていた指輪を抱きしめて泣き崩れてしまった。
ごめんな、津出。お前を泣かすつもりはなかったんだけどな、俺。
ξ;⊿;)ξ「私にはブーン、貴方しか居ないのに、どうして私を置いていってしまったの、ブーン…!」
内藤は津出を見下ろしながら、今まで見た顔で一番の苦々しい顔で
( ^ω^)「…本当、うぜぇお」
と呟いた。
-
俺には津出を慰める権利はないから騒ぎが大きくなる前に逃げ出してしまった。
…約束通り、親に見せるには恥ずかしい本は持ち出してきてやった。
('A`)「…つーか、お前までなんで車のってんだよ、内藤」
( ^ω^)「どうしてツンにアレを渡したんだお」
('A`)「俺のささやか復讐劇を展開したんだよ。津出には悪いことしたけどな」
( #^ω^)「ふっざけんなお!アレじゃツンは他の人と付き合えないじゃないかお!!」
('A`)「……はぁー、お前さぁ、不器用もほどほどにしとけよ?」
( ^ω^)「別に僕は不器用なんかじゃないお」
('A`)「ざけんな。お前のその発言、どう考えたって津出のこと好きってことじゃねーかよ」
( ^ω^)「…」
-
(;'A`)「なんで気づかなかったのかなぁ…俺。中学の時虐められてたはずだったけど、そう言えばお前にパシリとか物隠されたぐらいしかされたことなくて、他の不良から目付けられても実質的な被害は被ってなかったもんなぁ…」
( ^ω^)「…それは僕のターゲットに手出させたくなかっただけだお」
(* A* )「うっせーよ、不器用野郎が。お前はもっと分かりやすく生きろよ…ふざけんなよ、本当に…」
( ^ω^)「……泣いてるのかお?」
(;A; )「うるせーよ!バーカ!」
( ^ω^)「…ドクオ」
(つA;)「なんだよ、今こっちみたらぶっ殺すぞ」
( ^ω^)「友達、がんばって作れお」
(つA⊂)「…っせーよ、お前に言われなくたって友達の一人ぐらい居るんだよ、俺だって」
( *^ω^)「おっ!?そうなのかお?名前はなんて言うんだお?」
('A`)「俺の友達の名前は…」
「ブーン」
ニヤリ、といつも笑っていた憎たらしいいじめっ子は、ふにゃりと涙を堪えた笑顔をして「ありがとう」なんて言い残して、消えて行った。
-
ブーン…
-
あいつの行く先は地獄なのだろうか、それとも天国なのだろうか?
分からないが、恐らく俺が死んだらアイツと同じ所へ行くのだろう。
なんたって俺たちは
( ;A;)「くっそ、あっちに行った時は、ボコボコにして復讐してやる…」
いじめっ子といじめられっ子と言う、少し変わった友達だったのだから
-
4本目、お終い。
(
)
i フッ
|_|
-
乙、涙腺にきたよ……
-
>>189
数字の5は消し忘れです。
>>204
ツンの口はミスです
以上です。
-
乙です
お盆らしい内容でした
-
予想はしてたけど...良いお話だたった乙
-
おつ
-
すみません創作板でスレッド作成規制されてたので誰か代行お願いします
タイトル 少女甘美のようです
本文はなんでもいいので適当にお願いします
-
>>219です
代行ありがとうございました
少女甘美のようです
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/lite/read.cgi/internet/13029/1407509573/l30
蝋燭五本目いただきます .,、
(i,)
|_|
-
少女甘美のようです
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/lite/read.cgi/internet/13029/1407509573/l30
蝋燭五本目いただきました
(
)
i フッ
|_|
-
>>221
こういうのすごい好き
乙でした
-
アメニモマケズ、
ジョジョニモマケズ、
六本目、頂きます
-
六本目
.,、
(i,)
|_|
ひと皮めくれば容易く翻弄される弱い人達のようです
-
( ´∀`)「本当に…出来たモナ?」
そう聞き返されると…
何故か照れてしまい、なんとか頷いた。
( ´∀`)「……そうか…」
嬉しくないの?
( ´∀`)「…いや、嬉しいモナ」
本当に?
( ´∀`)「本当に」
本当の本当に?
( ´∀`)「…本当の本当モナ」
じゃあどうして、浮かない顔をするの?
( ´∀`)
答えて、くれないの?
ーー そのまま私の夫は、
次の日から帰ってこなくなった。
-
『おめでたですよ』
その医師の言葉から一週間、
夫が消えて一週間…
静かな混乱の最中、
私は勤めていたパートを辞めるわけにもいかず
まだ膨らみのないお腹を意識しながら
スーパーの厨房で作られた惣菜をパック詰めしていた。
('、`*川 「どうしたの?」
同じ時期に働き始めたペニサスさんに声をかけられる。
「なにが?」
…そう惚けてはみるものの、彼女は声をかける時点で私の様子に違和感を持っていたらしい。
('、`*川 「顔色が悪いよ、どこか良くないの?」
「ううん、なんでもない」
自分でも今の状況をまだ飲み込めていない。
だから人に話す事でも無いと思っている。
('、`*川 「そう? 何かあったら言ってね。
もし辛かったら作業代わるから」
-
お礼を言って彼女から離れる。
特別ゴシップが好きとか、嫌味ったらしい性格だとかでは全然ない。
彼女はむしろ他人を気遣えるタイプだと私は思っている。
人付き合いの少ない自分にとっては
気が置けない友…と、心の中だけで認めていた。
つわりに耐えながら作業に戻り、売り場へと出る。
お店で取り扱うお総菜は多種多様で
最寄り駅近辺のスーパーと比べても人気があるためか、色々なお客さんが手に取り、私が商品を置いたそばからカゴに放っていく。
普段ならもうパートをあがり、自分は帰宅するはずの夕方時…
独り身になり、早く帰っても誰もいない家…
まだ出来たての温かい唐揚げを手にし、思い悩むサラリーマン。
子供が持ってきたお菓子をしぶしぶカゴに入れる母親。
共に店内を歩いてなにかを話し合う若い夫婦。
私の知らない生活が人々の数だけ存在する事を、おぼろ気に自覚する。
そういえばこんな風に世の中を見ることなんてあったかな ーー 。
-
…私のカテゴリーが分からなくなる。
夫のいない今、私も適当に惣菜を買って帰る日々が増えていくのだろう。
若夫婦のように、夫とまた歩ける日は来るのだろうか?
お腹の子が産まれたらやがてあの母親のような顔が出来るのだろうか…。
先に作業着を脱ぐペニサスさんに挨拶をして、
仕事のふりをしながら店内を見回る。
私の頭の中は空っぽだった。
無意識にお腹に手を当てると、
まだなにも感じられないはずの奥底から
小さな…本当に小さな振動が伝わる気がする。
.
-
( ФωФ) 「…来月分のシフトの提出が遅れてるけど大丈夫ですかな?」
ーー 夫が居なくなって4ヵ月経つ。
以前に比べれば体調も良くなりはじめ、
顔色について言われる事も減った。
数日前、
店長のロマネスクさんから呼び出された時に、私が妊娠したことを告げてから
作業ペースやシフト調整を考えてくれるようになった。
「気持ちは沢山働きたいんですが…」
というと、ロマネスクさんは
( ФωФ) 「無理をするでないよ。
希望がなければこちらの方で短時間シフトと、
希望次第で少しなら残れるように入れておくが」
と言ってくれた。
少しだけ嬉しくて…でも同時に、こうして徐々に社会から離れていくのかとも思ってしまう。
ガチャリ
|⊂('、`*川 「店長、次私いいですか?」
( ФωФ) 「ああ、いい…ですぞ」
二人に挨拶して店を出た。
ほんのり膨らみかけたお腹は別段
私の動きを阻害するものではなかった。
時々感じるのは赤ちゃんが動く感触…それも僅かだけれど。
食欲も一時期に比べれば戻ってきた。
今では帰宅して自分が食べたいものを作り
栄養を考える余裕も出来てきたのは
日々のストレスを発散する手伝いになっているかもしれない。
以前なら食べたいと思わないような物も
口にするようになった。
-
「ただいま…」
そんな言葉が空虚な部屋に木霊する。
今日もまた、家を出る際に自分で切った灯りのスイッチに手を伸ばす。
『( ´∀`) おかえりモナ』
この灯りが点けば、そんな夫の姿と声が
目の前に現れるような気がして…
カチッ ーー カチッ…
「……」
今日も、昨日も、一昨日も、
そんなわけないのに。
キッチンに立ち、お鍋にお湯を沸かす。
鶏むね肉の皮を剥いで身を茹でる合間に
胡瓜をスライス。
キャベツは前日の千切りを残してあるので
それをお皿に盛り付けた。
プク ーー プクプクプク… ーー
茹でている肉の色が変わるのをただ眺める。
今晩は棒々鶏を作るつもりだった。
お酢と胡麻ダレをかけて。
なのに、どうして…
どうしてこんなに、不味そうなのかしら?
.
-
('、`*川 「お腹目立ってきたね」
お店の休憩室でペニサスさんと他愛ないお喋りをする事が増えてきた。
私のお腹は間も無く6ヶ月を迎えようとしている。
「無事に産まれてほしいの」
私が微笑むと、彼女は眉を潜めて溜め息をつく。
続けて「…どうしたの?」と聞くと、
気のない相づちと不満げな愚痴。
('、`*川 「うちもね〜子供作りたいんだけど…
旦那がその気になってくれなくって」
ーー 痛む、胸が。
「旦那さん外資系勤めでしょ、疲れてるのよ」
と、誤魔化すように相づちをうつ。
('、`*川 「子供ができたら人生観が変わると思わない?」
確かに周りの人達をみると
そう思わされる時もある。
私も変わったのかもしれない。
…変わったのは人生という河を流れる
水の行き先かもしれないけれど。
('、`*川 「あっ、いけない。
休憩時間終わっちゃうよ」
私達はエプロンの紐を結び直して
いつもの作業へと戻っていく。
もう今月中にはパートもできなくなる。
…彼女とこんな風に話す事からもお別れする時期だった。
.
-
夏の夜。
陽が延びたこの季節、
玄関の蛍光灯を付けることはない。
靴を脱いでまだ暗くない廊下を歩く。
リビングの灯りも付けずソファに座ると
エアコンのスイッチを入れて
なんとなく、窓の方を見た。
「 ーー あ…」
…エアコン風に揺れるカーテンは閉まっていた。
そういえば最後にカーテンを触ったのはいつだったかな…
そういえばいつも家ではどうやって過ごしていたんだろう…
私はおもむろに立ち上がり、洗面所へ。
手を洗い、コップでうがいを済ませながら
またリビングへと戻る。
腰の痛みに耐えながら
真っ暗な部屋の入り口で立ち尽くした。
何も見えない、灯りをつける。
ーー エアコンの風が髪をなでていく。
振り向けば、玄関まで伸びる廊下は真っ暗で…
この部屋は暗かった…
どうやってエアコンを付けたのかも
もう、思い出せない。
一週間前の定期検診の時から
私はこんな、調子で ーー
-
∬´_ゝ`) 「…最近、お腹の鼓動は感じる?」
私は少し考えて、首を振る。
∬´_ゝ`) 「…貴方自身の体調はお変わりないのかしら?」
首を縦に。
∬´_ゝ`)Ф" 「……ちょっとエコー撮りましょう」
カルテに何かを書き加えて、先生は言った。
∬´_ゝ`) 「ーー 貴方のせいじゃないの。
でも、もう死産してるわ」
…なにがですか?先生…
.
-
ーー 暗い部屋を "ブーン…" と虫の羽根のように振動する音だけが支配する。
エアコンを止めて扇風機を使うようにしたから、そんな風になっているだけ。
身体の冷やし過ぎは身体にも良くない、
そう言われたから。
最近あちこちが痒くなって、
ふと見ると湿疹が出来てたりするのが辛かった。
妊娠中、同じ症状で苦しむ人が多いみたい…
みんな同じ。
そう、同じ?
パートを辞めて以降、
私の行動範囲はひどく狭まった。
友人の少ない私が外に出ても
行き先はドラッグストアとコンビニ
そしてスーパーだけ。
…それもパート先だった所とは
正反対の場所、
品数も従業員も寂れた小さな商店。
-
私はカゴに入れる気もないカートを押して
安くもない商品棚の値札を眺めて歩く。
歩幅、歩調、それに伴うお腹の鼓動、
……は、やはり感じられない
なのに赤ちゃんはここにいる…
その事実だけ色濃く残っている。
手ぶらで帰宅すると
家の留守電には何件もの着信が入っていた。
きっと病院からだろう、
私はあの時、手術をせず逃げ出した。
予想しながらボタンを押す…
『お預かりのメッセージが、12件、 ーー 』
再生される病院からのメッセージをただ流しながら、ソファに今日も沈む。
そういえば胎教の事を忘れてたなあ…
今からでも間に合うかなあ…
はじめて意識したのが病院に怒られてる音だなんてごめんね。
.
-
全てのメッセージが終わると、
削除を求める機械音声を最後に
リビングは静寂に包まれた。
チカチカと、
電話機からオレンジ色のランプが点滅する。
それはまるで
『まだ私は生きてますよ』と光っている。
ーー 『返事をしてください』と、
私がボタンをプッシュするのを待っているようだ。
私は電話機の代わりに
膨らんだお腹を人指し指でプッシュした。
《ーー キャッキャッ 》
脳の中で声が聴こえる。
.
-
私はあれ以来は近寄ることのなかった
産婦人科へと足を運んだ。
目的はもちろん、赤ちゃんが生きている事を伝えるために。
∬;´_ゝ`) 「心配したんですよ!一体どこに行っていたんですか?!」
「そんなことより先生? 赤ちゃんが生きているんです。声がしたんです!」
私の言葉に、医師は一拍おいて
「……調べてみます」
とだけ返答した。
まずは謝ってほしいと思ったけれど、
あの時この場から逃げ出した自分を誉めてやりたい気持ちでいっぱいだった。
危うくこの子は生きながら殺されるところだった。
世の中の流産・死産は母親の問題ではなく
未熟な医師によって生産されているのだろう。
まして医師は多忙だと聞く。
結婚はできても、子供を産む暇なんて無いに違いない…。
きっとこの女医も、妊娠する女性を心のどこかで妬んでいるに違いない。
そうしてこちらが分からないのを良い事に
隙あらば赤ちゃんを殺す…
そんなことをこの施設でずっと繰り返している、生死を司るプロなのだ。
死神なのだ。
-
∬´_ゝ`) 「……やはり、お腹の中の子は ーー 」
言いかけて先の読めたその台詞に
私はカッとなってこの女医に飛び掛かった。
そんなはずはない、そんなわけがない。
周りにいた看護婦が私の四肢を押さえ付ける。
死神に付き従う亡者だ、
私の首を狙って爪をひっかけてくるように手々が絡み付く。
「離せーッ!」
《私はここにいるよ》
∬´_ゝ`) 「暴れないで! 鎮静剤をっ ーー !」
死神の命令に亡者達が統率され動き出す。
視界の中から外から、
それまでどこにいたのかと思うほどにうじゃうじゃと。
これに捕まったら赤ちゃんの命は本当に終わってしまう…
まとわりつく鎌を振り払い、
私は診察室のドアを叩くようにスライドさせる。
逃げなくては ーー 逃げなくては ーー
《かあさん、逃げて》
∬´_ゝ`)つ 「捕まえて!外に出しちゃダメよ!」
逃げてやる ーー ここから早く ーー
《右に、次は左だよ》
お腹から声がする。
私の赤ちゃんも生きて産まれることを
渇望してるのだと確信できる。
きっと赤ちゃんはずっと語り掛けてくれていたんだ。
でも私が心を閉じていたのかもしれない。
くだらない世間体やつまらない夫に悲観して、何よりもこのお腹の鼓動から耳を塞いでいたのは私だ。
.
-
ーー ごめん、ごめんね。
《かあさん、私はここだよ》
ーー 貴方には私しかいないのに、ごめんね。
《かあさん、泣かないで》
ーー ちゃんと、産んでみせるから。
《ありがとう、かあさん、私もがんばるよ》
.
-
ーー どこを歩いたのか記憶には映らないまま…
やがて周囲を見回す余裕ができた頃、
私の足はいつのまにかパート時代の
スーパーに向けて動いていた。
別に楽しい思い出があるわけでもない…
なのにどうして。
('、`*川 「あ、お久しぶり」
「ペニサスさん?」
出逢ってもおかしくはない界隈。
かつての同期との再会にも私の気持ちは
昂らない ーー むしろ警戒心を抱かせる。
しかしよくよく観察すると
彼女のお腹は少しだけ膨らんでいた。
以前の私のように。
('、`*川 「あ…これ? ふふ、あのあとすぐにできちゃってたみたい」
その表情は柔らかく、彼女の言っていた
"人生観が変わった" 証なのかもしれない。
私が祝福の言葉を素直に贈ると微笑んで
('、`*川 「ありがとう、
お仲間がいるって思うと嬉しいわ。
二人とも無事に産まれるといいね」
と言った。
《仲間。 仲間。》
脳の奥とお腹からも喜ぶ声が聴こえる。
-
憑き物が落ちたように、
私の心は彼女に感化され穏やかな状態だった。
二人で ーー 正確には主にペニサスさんの
パートを辞めたあとの話を、ただ頷いて聞いていた。
('、`*川 「妊娠が判った時の旦那の顔がまた面白くてね〜」
('、`*川 「…もう名前は決めた?
うちもまだ考えてるところだけど…
実はもう私、お腹の子に呼び掛けたいから勝手に呼んでるの」
私がその時に感じ取れた事。
…彼女は少しだけ変わったのだ…という思い。
それまでの彼女は人のゴシップも聞かなければ
自分の話もそれほど喋るタイプではなかった。
「そうなの…なんて呼んでる?」
話を合わせるためだけに聞いてみた。
きっとすぐに忘れてしまうけれど
('、`*川 「ふふ、男の子だと思って "どくお" 。
好きな言葉の寄せ集めだけど…
努力して、たまには休んで、勇ましくって」
ーー 愕然とした。
言われてみれば私は
自分の子にまだ名前を付けてなかった…
こんなに大切に想っているはずなのに、
時々存在を失ってしまっているかのような錯覚。
彼女はそのまま話し続けた。
きっと会話を聞いていた私の顔は歪まず、うまく取り繕えていたのだろう。
-
こうして聞いてみると、
やはり身の上話というものは面白くなかった。
彼女の旦那の話、家のローンの話、
子供と三人で旅行する計画の話……
そんな話題を聞けば聞くほどに
私の顔は醜さを隠せているか不安だった。
ーー 夫はその気もないのに私に子を宿したのだろうか?
そんな風に考えてしまう。
当然、彼女がそれを知る由もない。
それ故の言葉が私の暗い記憶に染み込んで、沈殿した汚物を明るみへと浮き上がらせてしまう。
私は耐えきれずにその場を離れようとした。
《握手して、かあさん、握手して》
お腹の声に従って、
私はペニサスさんとお別れの手を握った。
《どくお、仲間になろ》
お腹の子はドクンと、
ひときわ大きく膨らんだ気がした。
.
-
雪の降りそうな季節がきて、
ついにその時がやってきた。
《かあさん、苦しい!》
破水して間も無く襲いかかる陣痛は
想像していたよりも激しさを感じさせた。
赤ちゃんの声がする…助けなければいけない。
まるで心臓が止まりそうになるほどの痛みと
思い通りにならない波打つ呼吸と戦いながら、
私は救急車を呼んだ。
この症状は【前期破水】と呼ばれるらしい。
その際、以前通っていた病院は嫌だと伝えたが
『それはこちらが決めることですので』
と、ピシャリと断られてしまった。
息を荒げながらなんとか通話を切ると、
いつまでも削除されない留守電のランプがチカチカと光る。
『新しいメッセージが、20件、あります』
もはやこれ以上の録音は不可能となっている。
結局、あれ以来消せていなかった。
すぐに新しいメッセージが埋まり、
再び全ての内容を流し直さなければ消す事はできない。
…聴くつもりもなかったが私は救急車を待つ間、
気を紛らわせるつもりで再生ボタンをプッシュした。
『ーー メッセージを、再生します ーー』
-
ピーッ 『』カチャッ
ピーッ 『』カチャッ
…繋がった後すぐに切られていく新規メッセージ群…
そのなかに、
ピーッ
『………』
物言わず、切れないメッセージ。
気になった私は顔を上げ電話機を見つめる。
『……』
『久しぶり…モナね』
「えっ?!」
と、独りの空間で不意に驚きの声をあげてしまった。
聞き覚えのあるその声は、
もはや失いかけていた夫の記憶。
『…急に居なくなってしまって…申し訳ないモナ』
陣痛の波も忘れて聞き入ってしまう。
-
『……ちゃんとご飯は食べているモナ?
君は何かに集中すると、そればっかりに目がいくから…』
『いや……こんなこと言う資格はもうモナーにはないモナね…ごめんモナ…』
夫はこの時どんな顔をしていたのだろう?
少なくとも、捨て置いた妻に対する嘲りはなく
罪悪感を多分に含んだ声色だと私は思った。
ピンポーン… ーー
玄関のチャイムと、共にノック音がする。
「救急隊員です! 扉を開けてもらえますか?」
先程電話して呼んだ救急車がいつの間にか来ていたらしい。
リビングの窓を見やると、カーテン越しの赤いランプに今更ながら気が付いた。
陣痛がまた来る前に鍵を開けるべく、テーブルに手をついてなんとか立ち上がる。
『君が妊娠したと知った時、すごく嬉しかったモナよ』
ーー 夫の独白が背中から聴こえる…
『それと同時に怖かったモナ…
僕は非閉塞性無精子症といって、
精子が体内で作られない病気だったモナ』
それは聞いたことがある。
男性側の不妊の原因となる症状で、
それは精子の数が限りなく少ないのだと。
『…モナは愚かにも君を疑ってしまったモナ…
ひょっとして別の男と交わったのか?と』
-
(なにを…バカなこと言ってるのよ…)
思わず笑ってしまった ーー
付き合う以前ならいざ知らず、
夫と出逢い、恋をして、結婚してからも…
私は彼以外との男性と性交渉をした事など無かった。
非閉塞性無精子症は妊娠の可能性がゼロではないという。
きっと私達は運が良かった…すぐにそう思えるのは私が女性だからだろうか?
『君が、そんなことをするはずがないと、
少し冷静になれば…今でもそう思えるモナ』
『ーー 本当にごめんモナ』
薄暗い廊下が、心なしか明るく感じられた。
彼だけを愛し、信じてきた私は、
晴れやかな気持ちで玄関の扉を開ける。
「痛みは今ありますか? すでに破水されているとのお話なので入院の準備なども早急に ーー」
救急隊員の言葉に私は
「大丈夫です。 …家族はいませんので荷物はまとめてあります」
と、玄関に用意しておいたスポーツバッグを指し示した。
背後からかすかに聴こえるメッセージ音は、徐々に遠くなっていく。
『……それでも、翌日モナは病院で検査したんだモナ。
精子が少ないだけで、可能性はゼロではないって…』
-
『でもモナーはゼロだった。
精子が全く作られてなかったモナ……』
ーー その言葉が聴こえたのは、
意識をリビングに向けていた私だけだった。
「…どうしました? 救急車で運びますから靴を履いてください」
今度は救急隊員の声が遠くから聴こえる気がした。
ーー 私の心は家の中に自ら望んで取り残されようとしている。
『……君を信じてるモナ…
でも、何度検査を受けても、
僕の身体からは子供を創る機能が欠けてるモナ…』
ーー そんなはずはない。
この子は貴方の子だ。
診断結果が間違えてるのは往々にしてあり得る。
…事実、お腹の子も何度も死産と診断されて
尚、成長し、ここまで大きく育ったのだから。
そうだ、医者は死神だ。
どうして忘れていたんだろう?
なぜ私はそんなところへと悠長に手を差し伸べてもらおうとしているのだろう。
「ーー 救急車に乗ってください!」
白衣を羽織った救急隊員が ーー 亡者が、
時を経てついに私の身体を掴んだ。
……完全に失敗した。
逃げようにもお腹の子を庇いつつ、
またも襲い来る陣痛がこの身を拘束する。
こんなに早い感覚で波が来るなんて聞いていない、陣痛はもっと段階を踏むものだと書いてあった。
なぜ私だけがこんなにも ーー
-
抗えず両肩を抑えられながら私は外に出される。
息が苦しい。
顔を伝う脂汗が視界を塞ぎ、脳内だけが
世界を俯瞰で眺めているような感覚に陥る。
そして担架に乗せられる時、
私の視線の先で見えたのは二人の見知った顔。
身を寄せあい、仲睦まじく歩いているのは ーー
( ФωФ ('、`*川
(あれは…パート先だった店長と、ペニサスさん?)
私はといえば亡者に捕らえられ、
地獄へと連れていかれる最中。
なぜあの二人が…
ペニサスさん、貴女の旦那さんはロマネスクさんじゃないわよね…?
夫婦でもないのにそんなにくっつきあって
……ああ、あれが不倫ということか。
穢らわしい。
私は愛する夫から一時でもあんな風に思われ、彼女はといえば未来を誓った旦那ではなく、
店長の精子でヘラヘラと妊娠したの?
それが貴女の好きな言葉でいう努力の賜物?
勇ましいっていうのは不倫するスリルのこと?
バカみたい、自分の旦那を蔑ろにして…
……それでも、彼女の子供は無事に産まれるのかしら?
子共は天の授かり物って言葉は誰が造ったの?
まるで私の名字が文字通り馬鹿を見る代名詞。
「素直さん、入院先が見付かりましたよ!
流石病院まで向かいます!」
どうして私は…
私が……
私の夫が… ーー !!
『…その子は一体、誰の子モナ…?』
.
-
《キャッキャッ》
*鼹鼹*
*鼹鼹鼹鼹鼹*
*鼹鼹鼹鼹鼹鼹鼹顗 #鼹鼹鼹顗 *
*鼹鼹鼹鼹鼹鼹鼹鼹顗 #鼹鼹鼹鼹鼹鼹*
*鼹鼹鼹鼹鼹鼹鼹鼹鼹顗 #鼹鼹鼹鼹鼹鼹鼹鼹鼹*
*鼹鼹鼹鼹鼹鼹鼹鼹鼹顗 #鼹鼹鼹鼹鼹鼹鼹鼹鼹鼹*
*鼹鼹鼹鼹鼹鼹鼹鼹鼹顗 #鼹鼹鼹鼹鼹鼹鼹鼹鼹鼹鼹*
*鼹鼹鼹鼹鼹鼹鼹鼹顗 #鼹鼹鼹鼹鼹鼹鼹鼹鼹鼹鼹*
*鼹鼹鼹鼹鼹鼹顗 * *鼹鼹鼹鼹鼹鼹鼹鼹鼹鼹*
*鼹鼹鼹鼹鼹鼹鼹鼹*
*鼹鼹鼹鼹*
**
*鼹鼹*
*鼹鼹鼹鼹鼹顗 *
*鼹鼹鼹鼹鼹鼹鼹鼹鼹*
*鼹鼹鼹鼹鼹鼹鼹鼹*
《やっと出られた!》
-
《産ん"でくれてあ"りがとう、かあ"さん》
.
-
六本目
(
)
i フッ
|_|
一枚めくれば容易く翻弄される弱い人達のようです
(了)
-
前の人乙、七本目投下します
.,、
(i,)
|_|
電車の中で、のようです
-
ミセ*゚ー゚)リ「あっ、電車来た!トソン急いでー!」
(゚、゚トソン「ちょっとミセリ、駆け込み乗車は危ないですって……もう」
ミセ*´ー`)リ「……はー、すずしー。生き返るー」
ミセ*゚ー゚)リ「トソンは細かいこと気にしすぎだよー。そんなんじゃモテないよ?」
(゚、゚;トソン「んなッ、そういうあなたはどうなんですか、ズボラ女のくせに!」
ミセ*゚⊿ ゚)リ「あれは適度に散らかってるからいいんですぅー。どこに何があるか分かってるし」
(゚、゚;トソン「あれのどこが適度に散らかってるんですか……」
ミセ*゚ー゚)リ「あ、そうそう。そういえばさぁ」
(゚、゚トソン「なんですか。話題の変え方があからさますぎですよ」
ミセ*; ゚ー゚)リ「それはどうでもいいじゃん!いいから聞いてって」
ミセ*゚ー゚)リ「この前、出掛けた帰りに満員電車に乗ったんだけど、運良く座れてさぁ」
-
ミセ*- -)リ ウトウト…
『次はぁ、ヴィップぅ、ヴィップぅ。お降りの際はお忘れ物にご注意くださぁい』
プシュー
「いやぁ、混んどりますなぁ」
「これは座れそうにないですねぇ」
ミセ*- -)リ (ん……)
ミセ*- -)リ (お年寄りの方かな……眠いけど、席譲った方g)
「あぁ、ありがとうお嬢さん。大丈夫ですよ」
ミセ*; ゚ー゚)リ (え!?)
「儂らはすぐに降りますから」
ミセ*; ゚ー゚)リ (あ、あたしに言ったんだよね?隣はおっさんとふつーの女の人だし……)
ミセ*゚ー゚)リ (……超能力使える人なのかなぁ) チラ
-
/ ,' 3 ニコニコ
ミセ*; ゚ー゚)リ (すごい優しそうなおじいちゃんだ!)
ミセ*; ゚ー゚)リ (とても超能力使えるとは思わないよ!)
ミセ*; ゚ー゚)リ(どうしよう、本当にあたしに言ったのかも分かんないし!譲っちゃう!?ミセリ譲っちゃう!?)
ミセ*; ゚ー゚)リ チラ
/ ,' 3 マイリマシタナ、サイキンノコハ
( ´W`) アンナニチイサイコモ キヅカイガデキルトハ
ミセ*゚ー゚)リ (……あれ)
ミセ*゚ー゚)リ(今、小さい子って言ったよね?)
『次はぁ、創作ぅ、創作ぅ。お降りの際はお忘れ物にご注意くださぁい』
ミセ*゚ー゚)リ(あたし、もう立派なJK……)
ミセ*; ゚ー゚)リ「――っ、!」
ミセ*; ゚ー゚)リ「す、すいません!降ります!」
プシュー
-
ミセ*; ゚ー゚)リ「……はぁ、怖。誰と話してたんだろ」
振り返って見ると、あの席には
*(‘‘)*
*(^^)* ニコッ
こっちを見て微笑む、一人の少女の姿が――
-
ミセ*゚ー゚)リ「……っていうことがあってさぁ」
ミセ*゚ー゚)リ「あの子、もしかしたら幽霊だったのかなーって」
ミセ*゚ー゚)リ「で、おじいちゃん達は見える人みたいな?」
( 、 トソン「……」
ミセ*゚ー゚)リ「……あれ、どしたの?もしかして怖いの苦手だった?」
(゚、゚トソン「……あ、いえ。面白い話でしたよ」
ミセリ、可哀想に。あなたはまだ気づいていないのですね。
私たちがすでに、死んでいることに。
-
(
)
i フッ
|_|
以上です。お粗末様でした
-
乙、いずれその事を知ったミセリを考えると切ないわ……
-
乙。もう一度読み直したくなる作品だ…
六本目の人も乙。せつねぇ…救いはないんですか。
-
乙
くるうは…
ドクオが仲間ってそういうことか
怖いな
-
>>261
おーそういうことか
じゃあ最後の素直さんってカーチャンかよorz
-
八本目投下します
-
『げんごこう』というお酒を、知ってるかい?
( ^ω^)「……は?」
あぁ、いえいえこんな人気の無い屋台で偶々相席になったとはいえ、
急に馴れ馴れしく話してしまってごめんなさいね
『げんごこう』ですよ、ひらがなで『げんごこう』と書くんです
( ^ω^)「……いえ、知らないですお」
そうですか、そうですか
いえ誰でも良かったんですけどね、そのお酒についてお教えしたくてね
誰か私の隣にでも座ったときにお教えしようと思った次第でございます
.,、
(i,)
|_|
げんごこうのようです
.
-
ちなみに、貴方はお酒が好きなかたですか?
( ^ω^)「えぇ、先方に振り回されて毎日浴びるように飲みますが、お酒自体はとても好きですお……今日もその帰りにここへ」
あぁ、そうですよね、そうですよね
道理で貴方の顔が赤い訳だ、
ここいらのほのかに赤く光る照明にしてはやけに赤いと思っていたところだ
そうですか、お酒がお好き、なら余計に気を付けたほうが宜しいですね、『げんごこう』には
( ^ω^)「……お酒に気をつけろとは?度数が高いとか?」
いえいえまさか、『げんごこう』はそこいらの日本酒と変わりなく十五度前後でございます
しかしてそれでも度数が高いのには変わりありませんね、へっへっへ
私が気をつけろと言うのは、あまりに美味であるからということです
.
-
へぇ、意味が分からないという顔をしなさらないで、これから説明いたしますから
姿は瑠璃色の一生瓶、それに和紙のラベルで素っ気なく『げんごこう』と書いてあるだけですが、
蓋を開けると辺りに豊満で甘美な米の香りが漂います
いくらかの人達はそれだけで満足してしまうらしいですがそれじゃあ勿体無さすぎる、
容器に注ぐと不思議なもんで、見方によっては黄金色に見える光りかたをするんです
それに見とれて飲めぬという方もいるようですが、飾るわけにもいかないでしょう?
ぐいっと喉に通してみれば、先に言った米の香りが口の中いっぱいに広がって、
食べ物を含んでいればその旨みを何倍にも引き上げ、
含んでいなければ身体全てを潤すかのような清涼感に包まれ、後には至福の感情だけが残るんです
どうです?飲みたくなったでしょう?
しかしこれは何処でも手に入る訳ではないんです
今なら携帯電話でも……『すまーとふぉん』と言ったら良いのかね?
それで検索したところでそいつは出てきやいたしません
飲みの席に、そいつは突然現れるんです
.
-
( ^ω^)「……そんな馬鹿な、酒が独りでに現れるのかお」
そうです、そうです、そのとおりです
飲みの席で、飲みに飲んで、すっかり酔いが回った頃にそいつが現れるのです
( ^ω^)「……酔いが回った頃に飲む酒ほど、何を飲んだが分かりゃしないのに、どうしてそれが『げんごこう』だと分かるんだお?」
へぇ、それをこれから話そうかと思っていたところです
どうして『げんごこう』だと分かるのか、聞けばきっと気を付けるようになりますから
実はその酒『げんごこう』、飲んだが最後、恨みつらみが聴こえて来るというんです
周りの貴方に対しての恨みもよくよく聴こえるようになり、
何より酷いのがあの世の人々の無念が四六時中聴こえるようになるというんですから溜まったもんじゃありません
美味い話には裏がある、旨い酒には毒があるってね、貴方のように『げんごこう』の話を聞いてくれた方には注意をしていただきたくてね、知ってる私が教えて回っているわけです
知らずに飲んだら大変ですからね、へっへっへ
.
-
( ^ω^)「……酒が回っている奴に注意も何も無いとは思うけど、気を付けてはおくお」
へぇ、そうしてもらえると助かります
出てきた際は蓋を開けるまでは良いですが、決して飲まないようにしてくだせぇ
あぁ、すいません、語りすぎてしまいましたね、貴方の手に取っていたおでんがすっかり冷めてしまった、直ぐに新しいのを頼みます
( ^ω^)「いえ……良いですお、これを食べたらすぐにタクシーで帰りますから」
そうですか、そうですか、では私も何かつまんでから帰るといたしましょうか
( ^ω^)「……本当に、飲んではいけなんですおね?」
はぁ、『げんごこう』でしょうか?
えぇ、決して飲まないようにしてくだせぇ
決して、ね、へっへっへ
( ^ω^)「……分かりましたお」
.
-
………………
あぁ、いつかのお兄さんではないですか
奇遇ですね、またこの人気の無い屋台で会うなんて、あれからどうですか、お元気にしていましたか
( ω )「……私は愚かでしたお」
あぁ、よく見たら今日はここいらの照明でも顔が白く見える、酔いは回っていないようで
( ω )「……あの日はまだ、酔いが回ってても何を飲んだか分かる日だった」
( ω )「だというのに、たしかにそれは突然現れたんですお」
瑠璃色の一生瓶、和紙のラベルで素っ気なく『げんごこう』と書かれた、その酒ですか、あぁ、そうですか、それはそれは
( ω )「……皆見えていないようで、僕も見えないふりをした」
( ω )「だけど、気になるじゃないですか?……その香りが、その味が」
あぁ、そうですか
それで開けて、そして飲んでしまったのですか
どおりで、足が無くて、身体がぼんやりと透けて見える訳ですね
.
-
( ω )「蓋を開けると、辺りに豊満な米の香りが漂った」
( ω )「会社の人達は、いい香りだと、とても幸せそうにしていたお」
( ω )「僕自身もそう思った、そして、もう止める事が出来なかった」
( ω )「だってそうでしょう?蓋を開けて、はい終わり、ではあまりにも、勿体なかったのだから」
( ω )「他の人にはどう見えていたのかは分からない、でも僕は、確かにその酒を飲んだ」
( ω )「幸せだった……身体が溶けてしまいそうな程に恍惚とした絵もいわれぬ感情が駆け巡った」
( ω )「その酒を全て一人で飲みきり、至福の余韻を残したまま家に帰った次の日から、異変が起きた」
-
( ω )「貴方の言った通り、会社にいれば上司や同僚の、僕に対する恨みが聴こえ」
( ω )「家では沢山の僕以外の誰かが叫ぶ悲痛や恨みの声」
( ω )「こうして耐えきれず自殺した今でも、あの世か判らぬ場所から聴こえる恨みの声が鳴り止まない」
( ω )「どうすれば良いのか、分からないんですお」
そうですか、そうですか、『げんごこう』で死んだ者は皆口々にそう言います
ではお教えいたしましょうか、その苦しみから逃れる術を
あなたが飲んだ『げんごこう』、その魅力を誰か他の方に語ることです
あなたがこの酒について上手に語れば語るほど、酒は味を深め、旨みを増す
その酒を飲んだ相手が至福と感じたその時に、貴方はようやく解放されるのです
『語り酒』の『語』を崩して『言五口』、下らない洒落ではありますが、私がやっと解放される日が来たので、せめても酒の由来でもお教えしてお別れしましょう
さぁ、さぁ、もう私は消え行く存在ですが、次に『げんごこう』の魅力を聞くは、お兄さんが語るは、誰にいたしましょうか
.
-
( ω )
( ω^)「……」
( ^ω^)「……おや、おや奇遇ですね」
( ^ω^ )「……こんなところでお会いするとは」
「『げんごこう』という酒を、知ってるかい?」
(
)
i フッ
|_|
げんごこうのようです
-
乙
そんな風に語られたら誘惑に負けて飲んでしまいそうだな
しかしおそろしや
-
乙。素晴らしいな
-
乙
-
なるほど、乙
-
こういう語り口調いいな
-
おら二日目だぞ
どんどん持ってこいやぁ
-
九本目投下します
-
.,、
(i,)
|_|
沼の噂のようです
-
( ・∀・)「1、2、3……よし、全員いるな」
( ・∀・)「みんなー、よく聞け!これから肝試しのルールを説明するからな!」
茂等モララー28歳。勤めていたブラック企業を辞めて、教師になってから早4年。
ド田舎の倉作小学校に転勤してきて最初の夏休みに、彼の受け持つ3年1組で肝試しを行うことになった。
ξ; ゚⊿゚)ξ「ドキドキするね」
( ^ω^)「だいじょうぶだお、ツンはぼくが守るお!」
場所は小学校の近くにある名も無き沼、その周りの簡素な遊歩道だ。
土むき出しの道で明らかに遊歩道と呼べるような代物ではないのだが、便宜上そうしておく。
今いるところは道の入口で、遊歩道で唯一街灯がある場所でもある。
( ・∀・)「はい、そこおしゃべりしないでー。
ルールは2人1組になって、みんなの目の前にある沼の周りを、反対側の祠まで歩くだけ。
先生は違う道を通って、先に祠のところに行ってます」
( ・∀・)「前の人たちが出発して3分経ったら、次の組が出発すること。素直さん、任せていいね?」
川 ゚ -゚)「はい」
( ・∀・)「じゃあ、道を外れずにちゃんと来てね。分かりましたかー!」
「「「「はーい!」」」」
-
説明を終え、モララーは自転車に跨り、生徒たちのルートとは反対を走る。
実はこちらから行く方が少し距離が長いのだが、自転車だし問題はないはずだ。
遊歩道の両脇には木々が生い茂っているため、夜は真っ暗、昼間でも薄暗い。
前述の通り、街灯は入口の一ヶ所のみにしかないので、自転車のライトだけでは心許ない。
自分も懐中電灯を持ってきた方がよかったかな、と少し後悔した。
モララーは、ふと木々の間から見える沼に目をやった。
( ;・∀・)「……」
月明かりに照らされ黒くぬらぬらと光る沼が、彼の恐怖を増幅させた。
元より、モララーはホラーだとか霊の類が苦手である。それも原因だろう。
沼から目を逸らし、時計を見た。
そろそろ祠に着くだろう。
( ・∀・)「……ん?」
違和感を感じ、自転車を停める。
よくよく目を凝らして見ると、前方に黒い人影が見えた。
-
( ・∀・)(おかしいな、こんな時間にここにいるなんて)
ここは昼間でもほとんど人が訪れない場所だ。
可能性があるとすれば、我が子が心配で様子を見に来た親、もしくは妖怪の類だろう。
( ・∀・)「すみませーん、どちら様ですかー」
後者でないことを願いながら声をかけるも、返事はない。
聞こえなかったのだろうか。
自転車を押して近づいてみる。
ここで気付いたのだが、相手はかなりの背丈であった。
モララーだって決して低くはないが、向こうは頭ひとつ分ほど大きい。2メートル近くあるんじゃないだろうか。
( ・∀・)「あのー」
2メートルの巨体が振り向く。
( ;・∀・)「ーーっ!?」
モララーは気付いた。これは人ではない。
全身は濡れているのか、黒くてらてらと光っている。
黒い寸胴型の体を横に太らせて、そこに短いずんぐりした足がちょんとついている。
そして、顔には凹凸が一切なく、闇に潰されたかのように真っ黒だった。
-
べしゃり。そいつが一歩踏み出す。
まるで、ついさっきまで水の中にいたような、湿った足音だ。
( ;・∀・)「ぁ……あ、」
モララーは思わず自転車から手を離してしまった。
大きな音を立てて倒れる。
膝はガクガクと震えて、歩くことさえままならない。
そのまま腰が抜け、尻餅をついてしまった。
べしゃ、べしゃり。
差は随分と縮まった。もうすぐそこである。
そして、ぬぅっと、頭上に大きな影。
( ; ∀ )「ぁ、うわああああああああああああああああ!!」
そいつがニィと笑った気がした。
-
八月×日、倉作小学校の教師である茂等モララー(28)が行方不明になった。
その日は彼が担任を受け持つ三年一組の生徒と沼で肝試しをしており、
目的地の祠に生徒全員が到着したにもかかわらず、茂等先生がいないことを不審に思い
生徒達が探しに行ったところ、道の途中に彼の自転車だけが倒れていたという。
第一発見者の内藤ホライゾン君は、「沼から自転車の近くまでがびしょびしょに濡れていた」と発言している。
素直クールさんの通報により事件翌日の早朝から捜索が始まったが、一週間経った今も見つかっていない。
警察はこれを誘拐事件、もしくは殺人事件とみて捜査を進めている。
なお、事件が起こった沼では昔から黒い怪物を見たという話が絶えず、今回もその仕業ではないかと噂されている。
――オカルト系雑誌『MYSTERY』より抜粋
-
(
)
i フッ
|_|
-
乙
-
乙!
-
乙!
-
乙
肝試しなんてしたくないんや…ガクブル
-
三日目ハジマタ!
-
今回投下作少ないなー
-
十本目投下します
( ・∀・)三人の村のようです
-
( ・∀・)「風全然弱まらないなあ」
( ・∀・)「いい加減戸が壊れちまうよ……」
( ・∀・)「……ん?」
( ・∀・)「おや? 旅のお方かい?」
( ・∀・)「雨に濡れてびちゃびちゃじゃないか! この辺りは宿も無い、どうかうちの家に泊まってお行きよ」
( ・∀・)「ほら、中に入りなよ」
( ・∀・)「……ん、ああ、風でまた蝋燭が消えちまってらあ」
.,、
(i,)
|_|
( ・∀・)「これでよし、と」
-
( ・∀・)「今なら風呂も沸かしたばっかりだ、入っておいで」
( ・∀・)「なあに、気にしなさんな。着替えは私のものでもいいかね」
( ・∀・)「うん、ゆっくり暖まってきなよ」
( ・∀・)「おお、上がったかい。湯加減は大丈夫だったかな?」
( ・∀・)「そりゃあよかった。お茶を淹れたんだ、飲みなよ」
( ・∀・)「良い茶だろう。私が育てたんだ」
( ・∀・)「もう人がいないからね。全部自分で作らないと死んじまう」
-
( ・∀・)「うん? うん、私は一人だよ」
( ・∀・)「この村も昔は栄えてたんだがねえ。今は私を含めて三人しか住んでないんだ」
( ・∀・)「みんな引っ越すか消えてしまうかしてしまった」
( ・∀・)「うん、そうだよ。消えてしまったんだ」
( ・∀・)「何故かって? それはね、この村に二人の狂人が住んでいるからだ」
( ・∀・)「狂人。頭がおかしくなってしまったんだよ」
( ・∀・)「一人はね、寂しく暮らしている女だ」
( ・∀・)「今は酷い嵐で見えないけどね、いつもならそこの窓から彼女の家が見える」
( ・∀・)「名前はでれと言うんだ。綺麗な人だよ」
-
( ・∀・)「でれには姉がいてね。顔もそっくりの、笑顔がかわいい村一番の美人姉妹だった」
( ・∀・)「私もあの頃の二人とはよく遊んだよ。私がやるお手玉を教えてとせがんできたんだ」
( ・∀・)「でれが九歳の時だから、二十年前かな。この村の裏山から、熊が下りてきてね。何人か食われてしまったよ」
( ・∀・)「今はもういないんだが、ぎこという腕の良い猟師が撃ってくれて熊は死んだ。でも、でれの姉は食われてしまったんだ」
( ・∀・)「遺体は酷いものだったよ。胴を開かれて、内臓を食い散らかされていた」
( ・∀・)「あの時のでれの姉の濁った眼は、今でも思い出せる」
( ・∀・)「でれは運悪く、その遺体の第一発見者だった」
( ・∀・)「その後からかな。でれが心を病んでしまったのは」
-
( ・∀・)「現実を見なくなった。姉の姿が見える、と言うんだよ」
( ・∀・)「姉は食われたんじゃない、殺されたんだ、と強く主張するようになった」
( ・∀・)「勿論それを聞く者はいない」
( ・∀・)「君はどう思う? 彼女をおかしいと思うかい」
( ・∀・)「……うん、やっぱりそうだよね。当時の村人も君と同じ意見だった」
( ・∀・)「もう一人の狂人の話をしようか」
( ・∀・)「もう一人はね、男だよ」
( ・∀・)「人当たりの良い男だ。誠実で、村人からの信頼も厚かった」
( ・∀・)「昔ながらの遊びが得意の、器用な奴だ」
-
( ・∀・)「でもね、その男は周りに隠していることがあったんだ」
( ・∀・)「人を、食べるんだよ」
( ・∀・)「人食嗜好。西洋ではかにばりずむ、と言うんだったっけ?」
( ・∀・)「彼は己の両親を食べた。村人には病気にかかったと嘘を吐いてね、まず両親の足を捥ぎ、時間をかけて両親の体を食べていった」
( ・∀・)「それから、男は人しか食えなくなっていったんだ」
( ・∀・)「……風が強くなってきたね。これ以上の備えは無いのに、参ったなあ」
( ・∀・)「おや、眠いのかい?」
( ・∀・)「じゃあ子守唄代わりにでも聞いておくれ」
( ・∀・)「この村から人がいなくなったのは、その二人の狂人が原因なんだよ」
-
( ・∀・)「実は、さっきのでれの話には続きがあってね?」
( ・∀・)「でれの話を聞いて、君と同じ反応をした人。しかも、でれに真正面から、狂ってる、と言った男だ」
( ・∀・)「翌朝、全身を何かに切り刻まれて死んでいるのが見つかった」
( ・∀・)「その日は今日のように強い風の吹く晩だったよ」
( ・∀・)「凶器は無かったし、こんな強い風だ、外を出歩く人もいなかった」
( ・∀・)「でも、そいつは素行が悪いことで有名だった。だから、私達は天罰が下ったのだと思ったよ」
( ・∀・)「最初はね」
( ・∀・)「やがて、風の強い晩の翌朝、全身を切り刻まれた死体が必ず見つかるようになった」
( ・∀・)「それを気味悪がって引っ越す人も増えた」
( ・∀・)「私はそれを見ながらね、ある共通点に気が付いたんだよ」
-
( ・∀・)「死んだ者達は皆、でれを侮辱した奴なんだ」
( ・∀・)「気のせいかとは思った。でも死体が増える度、確信に変わっていった」
( ・∀・)「きっとね、でれの言う通り、姉は生きてるんだよ。私はそう思う」
( ・∀・)「姉の矜持かな。でれを傷付ける奴を、許せないんだね」
( ・∀・)「でれの姉は、でれを侮辱した奴を殺しに、鎌鼬へと姿を変えるんだ」
( ・∀・)「あと、もう一つ」
( ・∀・)「でれの姉は食われたのではなく、殺されたのだ、ということ」
( ・∀・)「私は、あれ、嘘ではないと思うんだ」
-
( ・∀・)「何故かって?」
( ・∀・)「だって、とってもおいしかったんだもの」
( ・∀・)「ああ、大丈夫かい?」
( ・∀・)「無理に立ち上がろうとするんだもの、そりゃあ転びもするだろうね」
( ・∀・)「私のお茶はおいしかったかい」
( ・∀・)「うん、盛らせてもらったよ。なんてったって久しぶりの食事だから」
( ・∀・)「熊の騒ぎに乗じてね、でれの姉を食ったよ。あれは本当に良い機会だった」
( ・∀・)「でれの姉は、特に心臓がおいしかった。若い娘は良いね、血も甘いし、肉もジューシーなんだ」
( ・∀・)「あの綺麗な青い眼も食べたかった。でもね、腹を開いたら、みるみるうちに濁っていってしまったんだ。輝きを失った眼を、食べたいとは思わなかった」
( ・∀・)「でも、あの青い眼が最後に見たのが私なんて、ちょっと素敵だよね」
-
( ・∀・)「でれを侮辱はすれど、はっきりと拒絶したことがないから、私は今もまだこうして生きているんだ。私は賢いからね」
( ・∀・)「私と、でれと、でれの姉。この三人が、この村に住む三人だ」
( ・∀・)「他のは引っ越すか、でれの姉に殺されるか、私に食われるか。この三択だったよ」
( ・∀・)「まあ、でれの姉が殺したのも、私の胃袋に消えていくんだけど」
( ・∀・)「ああ、ほら、聞こえるかい? この強い風の音」
( ・∀・)「運が悪かったね。きっと、でれの姉が、君がはっきりとでれのことを気持ち悪いと言ったのを聞いてしまったんだ」
( ・∀・)「昼に泊めた、私の好みでなかった老婆を殺した帰りだろうね。でれの姉にとっては、もう一仕事ってとこかな」
( ・∀・)「だって、老婆は肉が少なくてまずいんだもの」
-
( ・∀・)「戸がいよいよ外れそうだね。ねえ、旅人さん」
( ・∀・)「残念だけど、君の旅はここまでだよ」
( ・∀・)「でれの姉に切り刻まれるか、私に食べられるか。一体、どっちが早いだろうねえ」
(
)
i フッ
|_|
( ・∀・)三人の村のようです 終わり
-
分かっちゃいるけどって感じだな
いいね、乙
-
良かったよ
おつ
-
オチが分かっていても怖いな、乙
-
乙
途中まで残りの一人がTさんなオチを期待してたけどそんな救いはなかった
-
支援絵です
>>158-179
( ´_ゝ`)送りぬ、迎えぬ(´<_` )
のようです
http://boonpict.run.buttobi.net/up/log/boonpic2_1553.jpg
-
ξ∪゚⊿゚)ξちゃんがいい感じに犬っぽくてかわいい乙
十一本目
-
/⌒ヽ
(^ω^ ) 「百物語に関する重大なお知らせ……?」
o□と
.,、
(i,)
|_|
-
百物語2014実行委員会のドクオ委員長は10日、
かねてからの課題であった「企画終了時に余ってしまったろうそくの使い道」に関して
流石家の全面協力のもと、『全国おしおき☆ローソクプレイ行脚』を実施するとの会見を行った。
ドクオ氏はこの施策について、
('A`) 「夏休みでだらけがちなブーン系作者に対して優先的に派遣を行います。
企画への投下促進・企画後の燃え尽き防止が狙いです。
別に妹者ちゃんのボンデージ姿が見たいとかそんなことは全然ないですフヒッヒヒヒ」
と、気持ち悪い笑みを浮かべながら説明。最寄りの交番へと連行されていった。
代理として会見を引き継いだ素直クール副委員長は、
倫理上問題があるとして、妹者さん、姉者さんの参加は見送ると発表した。
会見には、派遣のすべてを一人で担うこととなった
流石母者さんが特注サイズのボンテージに身を包んで登場。
圧倒的な佇まいに言葉を失った報道陣に対し、
@@@
@# _、_@
(* ノ`) 「こんな格好、恥ずかしいったらないね」
と、きまりが悪そうにモジモジとしながらコメントした。
同席した流石父者さんの、
彡⌒ミ
(* ´_ゝ`)「よく似合ってるよ、はーたん」
という惚気けた一言には、耳まで赤く染めた顔を俯け黙りこくってしまうなど、
女性らしい一面も覗かせ、会見場は一層の静寂に包みこまれた。
照れ隠しの掌底をこめかみに受け病院に搬送された父者さんを見送った後、母者さんは
@@@
@# _、_@
( ノ`) 「身に余る大役ですが、これもブーン系のため、心を鬼にして頑張ります」
と力強い意気込みを口にし、会見場をあとにした。
全国行脚は百物語終了後の18日午前7時から行われる見通し。
現時点で残っているろうそくの数は89本。ブーン系作者の身の安全を確保するため、1作でも多くの投下が望まれる。
なお、「普段から鬼じゃん」とうっかりつぶやいてしまった流石兄者さんが
報道陣の目の前で見えない速度の何かに襲われ死亡。
「百物語の怪奇」だとして、うかつな発言は慎むよう注意が呼びかけられている。
-
/⌒ヽ
(;^ω^ ) 「か、書くんだおーーーーーーー!!!!
O 間に合わなくなっても知らんおーーーーーーーーーーー!!!!!」
(
)
i フッ
|_|
-
.,、
(i,)
|_| 恐怖のプリクラ
〜〜
( ^ω^)「僕プリクラとるの初めてだお」
(´・ω・`)「消しゴムで髪の毛のところを擦ると茶髪になるらしい」
('A`)「へぇ〜、ものしりだな」
( ^ω^)「あ、シャッターが降りるお」
ハイチーズ
( ^ω^)('A`)(´・ω・`)
パシャッ
「
( ∧ω∧)("A“)(´●ω●`)
」
(;^ω^)(;'A`)(;´・ω・)「こわっ!」
〜〜
(
)
i フッ
|_| おわり
-
乙
目だけぱっちりに修正されるあれか
-
十本目の蝋燭の導入のやり方が洒落ていて好きです
-
恐怖のプリクラが12本目だとおもうので、13本目投下させていただきます
-
13本目
.,、
(i,)
|_|
やさしいおにいちゃんのようです
-
私のお兄ちゃんはいつもニコニコ
とっても優しい優しいお兄ちゃんなの。
お母さんがケーキを二つ買って来て、私が自分の分だけじゃ物足りなそうな顔をしていると、お兄ちゃんはいつもニコニコしながら「僕はいらないから、たべていいよ」と言って譲ってくれるの
私がお兄ちゃんのオモチャやゲームを壊しちゃった時でも一度も怒ったことがない
そんな優しい私のお兄ちゃん
でも、私はどんな時でも何をされてもニコニコしているお兄ちゃんを「気味が悪い」と感じるようになってしまったの
-
だってね、私。小学四年生の時、学校で見ちゃったの
お兄ちゃんが準備室でいじめられているのを。
私はお兄ちゃんを助けなくちゃと思って、準備室のドアを開けようとしたの
でもね、ドアは開けられなかったの
鍵がかかっていたわけじゃないのよ
開ける必要がなかったの
いじめっ子たちに気付かれないように、私が部屋を覗いていたら、お兄ちゃんが私に向かっていつも通りニコニコしたから
-
そんなのっておかしいじゃない?
その光景を見た時、私、「お兄ちゃんは人間じゃないのかもしれない」と思ってしまったの
なんだか人間の皮を被った他の生き物なんじゃないだろうかって。
それまでは交換ノートをする程仲が良かった私たちは、一切喋ることは無くなった
私がお兄ちゃんをいないものとして避けたから。
「きっとお兄さんは寂しがっただろうね」と、みんなは言うけど
いいえ、そんなことは無いの
だってだってだって、私が避けはじめたその日からでさえも、お兄ちゃんは、ニコニコしていたんだから。
-
小学四年生から始まった私のお兄ちゃん嫌いは高校一年生になった今でも、いや、昔よりも酷くなっていた。
川д川「ミセリちゃんって、本当お兄ちゃんと仲悪いよねー」
ミセ*゚ー゚)リ「うん、本当気持ち悪い。なんかヘッドホンつけてニヤニヤしてたりするし、というか何しててもニヤニヤしてるんだもん」
川*д川「でもすっごく頭いいじゃん、あの国立vip大学受かったんでしょ?超羨ましいよ、うちのお兄ちゃんはダメダメだったからなぁ」
ミセ;*゚ー゚)リ「頭は確かに良いけど、友達1人もいないんだよ?年賀状だって誰からも来てないし、部屋に『正しい友達の作り方』って本があるくらいなんだから!」
川;д川「それは確かにすごいね…」
ミセ*゚ー゚)リ「でしょ?だから本当無理、同じ家に住んでることがあり得ない」
川д川「あれ?お兄ちゃん1人暮らしするとか言ってなかった?」
ミセ*゚ー゚)リ「そうなの!それでお母さんが引越しの手伝いしてあげなさいとか言ってきてさー、もう最悪だよ。今日家帰ったら手伝わなきゃいけないの」
川д川「まぁまぁ、これが終わったらバイバイなんだし、最後くらい良いじゃない」
ミセ;*´ー`)リ「そうだけどさぁー…あー、憂鬱」
-
(-_-)「貞子」
川д川「あ、お兄ちゃん」
(-_-)「友達か?」
川д川「うん、そうだよ」
(-_-)「これはこれは…初めまして、妹がいつもお世話になってます。僕は貞子の兄のヒッキーです」
ミセ*゚ー゚)リ「どうも初めまして、貞子ちゃんの友達の高知ミセリです」
(-_-)「高知…?もしかして、ミルナ君の妹さん?」
ミセ;*゚ー゚)リ「えっ、あ、そ、そうですけど…」
(-_-)「そっかそっかー!懐かしいな、僕、中学の同級生なんだよ。ミルナ君元気にしてる?」
ミセ*゚ー゚)リ「元から元気があるタイプではないから元気にはしてませんね。生きてはいます」
(-_-)「生きてるなら良かったよ、同窓会とか来ないから心配でさ」
ミセ*゚ー゚)リ「あぁ、兄は友達いませんからそういうイベントには参加しづらいんだと思います」
(-_-)「ミルナ君、ちょっと変わってたもんなぁ」
川#д川「お兄ちゃん、そう言うこと言わないの」
-
ミセ*゚ー゚)リ「学校でもニヤニヤしてるんですか、もしかして」
(-_-)「ニヤニヤ?」
ミセ#゚ー゚)リ「もう本当気持ち悪いですよね、あれ。やめて欲しいったらありゃしない」
(-_-)「ミルナ君って、笑えるの?」
ミセ;*゚ー゚)リ「…え?」
(-_-)「僕、三年間同じクラスだったけど、ミルナ君が笑ったとこみたことないよ」
ミセ*゚ー゚)リ「ははは、まさかぁ!」
そんな訳がない、だって私が知ってるお兄ちゃんはいつもニコニコしかしてないのに
-
(;-_-)「ミルナ君、いつも無表情でノートを一心不乱に書いてたんだよね。だから、ちょっと皆に怖がられてたっていうか…」
川#д川「ノートをどんな顔で書こうが勝手じゃ無いのよ、お兄ちゃんのクラスの人達の方が可笑しいんじゃないの?」
(;-_-)「いや、だってそのノートには……」
ミセ;*゚ー゚)リ「そのノートに、兄は何て書いていたんですか?」
-
(-_-)「…僕を含めたクラスメイトの名前が全員分書いてあって、名前の隣に『正』の字が書いてあるんだよ。まるで何かをカウントしているかのようにね」
.
-
ガチャン!
ミセ;*゚ー゚)リ「はぁはぁ…ただいま!」
J( 'ー`)し「ミセリおかえりなさい」
ミセ;*゚ー゚)リ「母さん!お兄ちゃんは!?」
J( 'ー`)し「まだ帰ってきてないわよ、段ボールに荷物つめといてあげなさい。段ボールはもう二階に上げといたから」
ミセ;*゚ー゚)リ「わかった!」ドタドタドタ!
J( 'ー`)し「…あら、今日はえらく素直ねぇ」
-
ガサガサガサガサッ!
ミセ;*゚ー゚)リ「ないじゃないのよ…」
本棚も引き出しの中身も全部全部引っ張り出して、整理整頓された部屋をグチャグチャにしてしまった
でも、それでも見つからない。
こんなに探しても無いのだ、つまり、そんなもんは存在していなかったんだろう
ミセ*゚ー゚)リ「…阿呆らしい、普通に考えればそんなノートある訳ないじゃないの」
とりあえず、部屋を荒らしてしまったし、お兄ちゃんが帰って来る前に片付けないと…
-
部屋の惨状を見渡していると、ふと、お兄ちゃんの部屋の壁にかかっている絵が目に入った
ミセ*゚ー゚)リ「…これ、私が幼稚園の時に書いてあげたお兄ちゃんの絵だ」
お兄ちゃんの部屋に入ったのなんて、小学生以来だったからこんなに大切にしてくれていたなんて知らなかった。ご丁寧に立派な額に入っている。
ミセ*゚ー゚)リ「……でも、1人暮らしに持ってかないよね。外して物置部屋にでも持っていこう」
グイッと、額ごと絵を取り外すと、違和感を感じた
-
ミセ;*゚ー゚)リ「これ、重すぎない?」
それに、絵のサイズに比べて額が大きすぎるきがする
ミセ;*゚ー゚)リ「まさか、ね」
そんなことはないだろうと思いながら、額の裏を外す
まぁ、あるわけ無いって分かっては居るんだけど念のため、念のた…
ガッシャアーン!
.
-
どうやら、額の表面はガラスで出来ていたらしい。床に落とした拍子に粉々に割れてしまった
私は膝から床に崩れ落ちた、生まれて初めてだ、こんなに手が震えるのは。
ガラスが割れた音にびっくりしたわけじゃない
そんなのはどうだっていいの、だって
ミセ;゚ー゚)リ「…お兄ちゃん、嘘でしょ?」
今この瞬間、ヒッキーさんが言っていたノートは、存在していたことが実証されてしまったのだ
それも
「2冊もあるなんて…!」
-
一冊は普通の大学ノート
もう一冊はお兄ちゃんが使うには可愛すぎるノートだった。
私は、まず大学ノートの中身を確認することにした。
ミセ;*゚ー゚)リ「本当にクラスメイトの名前が書いてある…」
ヒッキーさんの話していた通り、名前の隣には数をカウントするための『正』の字が書かれていた
でも、なんのカウント数かは分からなかった。
ミセ*゚ー゚)リ「どういう意図で、何をカウントしているんだろう…」
お兄ちゃんの性格を考慮したら、もしかしたら相手から挨拶してくれた回数とかをカウントしてたのかもしれない。さっきまでは悪い方向にしか思考が展開しなかったが、良く良く考えればお兄ちゃんの性格上あり得ないと分かることだったのに。
うん、だってだってお兄ちゃんは性格はいい人だもん。絶対そうだわ
*ミセ*゚ー゚)リ「くだらないことで悩んじゃったなぁ、あはは」
多少無理矢理でもそう信じたかった、昔好きだったお兄ちゃんを、私は信じたいのだ
-
ミセ*゚ー゚)リ「…でも、もう一冊は何のためのノートなんだろ?」
まぁ、さっきのノートじゃ足り無くなって、続きを書くためのノートなのかも…?
ミセ*゚ー゚)リ「どれどれっと…」
ペラッ
-
【『ケーキをミセリにあげた』
正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正】
-
.,、
(i,)
|_|
百年の孤独のようです
-
ごめん
リロードしてなかった
改めて投下する 許してくだせぇ
-
ミセ;゚ー゚)リ「きゃあ!?」
なになになになに、気持ち悪い気持ち悪い!
何なの、今のページは…ページにビッシリと『正』の字が…!
「ミセリ」
ミセ;゚ー゚)リ「!!!」
後ろから、お兄ちゃんの優しい声がした。久々に名前を呼ばれた気がした。
だって、お兄ちゃんは私が嫌がることは絶対にしないから、私がお兄ちゃんを避け始めたその日から声をかけてくることはなかったのだから。
その優しい声は、今見た物は悪夢が見せた産物だったのかもしれないと思わせてくる
昔はねれない時、私が寝るまでお兄ちゃんは絵本読んでくれたことを思い出す
お兄ちゃんの声は、私の心をなだめてくれる。
でも、今は違う。振り向くことさえできない。声も、出せない。動悸もとまらない。
-
「おや、部屋中ガラスまみれじゃないか。額を割ってしまったんだね、怪我はないかい?」
お兄ちゃんの私への接し方は、私がお兄ちゃんを大好きだった時のまま止まっているかのようで。
ミセ;゚ー゚)リ「…うん、大丈夫」
「あぁ、それは良かった」
何年振りかの会話をして、私はお兄ちゃんとどうして今まで仲良くしてこなかったのだろうと後悔した。
だってお兄ちゃんはニコニコしていつも優しくて
( ゚д゚ )「ところでミセリ、その可愛いノート、何か書いてあった?」
こんなふうに無表情で、妹の首を締めるような人じゃなかったハズなのに。
-
ギュウギュウと首に力が加えられていく
ミセ;ー;)リ「ごめんなさ、お兄ちゃ…!」
( ゚д゚ )「謝る必要はないよ、ミセリ。俺は貸しを返してもらえればいいんだから」
ミセ*;ー;)リ「貸しって…?」
お兄ちゃんの力は、だんだんと強くなってきていた
( ゚д゚ )「今まであげたケーキ分、ゲームやオモチャを壊しても許してあげた分とか…」
ミセ;ー;)リ「ケーキも、ゲームもっ…弁償す、るから…」
意識が段々と途切れ途切れになってきた、あぁ、これは本当に…
( ゚д゚ )「……本当は、そんなのどうでもいいんだけどね。幼稚園の時、ミセリが僕とした約束を破ったからいけないんだよ?」
ミセ;ー;)リ「やく、そく……?」
-
ミセ*゚ー゚)リ『おにいちゃん、これ、かいたの、あげる』
( ;゚д゚ )『なにこれ、俺?似てないな』
ミセ*゚ー゚)リ『だってニコニコのおにいちゃん、みたことなかったから』
( ゚д゚ )『想像で書いたってことね』
ミセ*゚ー゚)リ『おにいちゃんも、この絵みたいにいつもニコニコしてくれたら、ミセリも…モゴモゴ』
( ゚д゚ )『なんだよ、もごもご言ってたら分からないよ』
ミセ*゚ー゚)リ『だーかーら、この絵みたいにえがおだったら、ミセリ、おにいちゃんだいすきになるのに!』
( ゚д゚ )『……ふーん』
ミセ#゚ー゚)リ『ふーん、ってなにそれ!ひどい!』
( ゚д゚ )『いや、大好きになってくれるの?いつも怖がって近付かないくせに?』
ミセ*゚ー゚)リ『なるよ!』
( ゚д゚ )『…わかった、じゃあいつでもどんな時でもニコニコしてあげるよ』
ミセ*^ー^)リ『わーい!やったやったー!』
( ゚д゚ )『これはギブアンドテイクだからな、ミセリ』
ミセ;*゚ー゚)リ『おにいちゃん、あたまいいからってむずかしいこといわないでよー』
( ゚д゚ )『まぁ、つまり、これは契約として成り立っているってことだ。俺はニコニコして優しいお兄ちゃんになってやる、その代わりミセリはいつまでも俺のこと好きでいるんだぞ?いいな?』
ミセ*゚ー゚)リ『うん、いいよー』
-
( ゚д゚ )『もし、ミセリが約束を破ったら…』
ミセ*゚ー゚)リ『やぶったら?』
( ゚д゚ )『俺以外、ミセリを愛せないようにしちゃうよ?』
ミセ*゚ー゚)リ『なにそれ?どういうこと?』
( ゚д゚ )『大丈夫、そうなったとしても、俺だけはミセリの優しくてニコニコしたお兄ちゃんでいてあげるからな』
ミセ*゚ー゚)リ『ふぅーん?よくわかんないけど、わかったー!』
-
あぁ、そうだった…、約束したのに、なのに私ったら
( ゚д゚ )「思い出したか?ミセリ」
ミセ;ー;)リ「思いだ……したっ…」
ミセ;ー;)リ「だから、だから…だからお兄ちゃん、あの時も…!」
( ゚д゚ )「…あぁ、それか。じゃあ、その話を最後に読み聞かせてあげようか」
-
爪'ー`)y-『ミルナ、お前本当気持ち悪いな!』
从 ゚∀从『笑えねーのかよ、お前はよぉ!』
(´・ω・`)『人間じゃないんじゃないの?』
( ;゚д゚ )『痛い…痛いよ…やめて…』
从 ゚∀从『だったら笑ってみろよ、なぁ!』
(´・ω・`)『中々無茶な要求だけどね、この状況で笑えって』
爪'ー`)y-『俺は面白いけどな』
(´・ω・`)『まぁ、やってる側だからねぇ』
-
( ;゚д゚ )『おれの笑顔は1人にしか見せないって決めて…!?』
ジッー…
ミセ;*゚ー゚)リ
( ;゚д゚ )(なんで此処にミセリが!?まさか、乗り込むタイミングを狙ってるのか!?)
从#゚∀从『意味わかんないこと言ってねーでさっさと…』
『うっせーな、いま、笑ってんだろ』
(;´・ω・`)『って、ええ!?』
爪;'ー`)y-『おま、それが笑顔か!?』
ミセ;゚ー゚)リ『…』
ダッ!
( ゚д゚ )(…ふぅ、笑顔に安心して逃げたか…)
从 ゚∀从『よくこんな状況で笑えたな、お前変態だったのか?あははは!』
( ゚д゚ )(ミセリに虐められてるのばれちゃったなぁ…まぁ、普通にしてればいいか)
-
『ミセリ、おはよう』
ミセ*゚ー゚)リ『…』
『ミセリ、僕の分のケーキもたべていいよ』
『ねぇ、ミセリ』
『ミセリ』
『ミセリ』
ミセ#゚ー゚)リ『…話しかけないでくれる?』
-
( #゚д゚ )『くっそ、なんだよミセリの奴!これからは俺の分のケーキを食べたら貸しにしてやる!』
( #゚д゚ )φ『この使わなく交換日記に、アイツへの貸しをメモしといてやる!』カキカキ
( #゚д゚ )『このノートが、貸しの『正』の字で一杯になった時!そう、その時こそ!』
( #゚д゚ )『幼稚園の時の約束は破られたとして、あれを実行してやる!』
( ゚д゚ )『…ま、ただの反抗期だろうし、すぐ仲直りするだろうけど』
-
あばばば
-
( ゚д゚ )「…そう、どうせ一過性の反抗期だろうと思ってたんだ」
( ゚д゚ )「でも、あのノートは結局『正』の字で埋まってしまったんだ」
( ゚д゚ )「ミセリが『僕の大切な額を割ってしまった』、という貸しでね。だから、契約通り、ミセリは僕以外には愛してもらえないようになってもらったよ」
ミセ-ー-)リ
( ゚д゚ )「ミセリ」
ミセ-ー-)リ
( ゚д゚ )「…僕の分のケーキ食べるか?お前、チョコケーキ好きだもんな。食べていいぞ」
ミセ-ー-)リ
( ゚д゚ )「ミセリは、本当に僕の読み聞かせが好きだなぁ。寝れない夜はいつも絵本を読んであげたよね、覚えてるかな、ミセリ」
ミセ-ー-)リ
( ゚д゚ )「ミセリ」
-
( ゚д゚ )「ミセリミセリミセリ」
ミセ-ー-)リ
( ゚д゚ )「…一人は、さみしいだろ、ミセリ?おれの気持ち分かってくれたか?お前に嫌われたときの俺の気持ちが」
ミセ-ー-)リ
( ゚д゚ )「…ま、分かんないよな。ミセリには俺の気持ちなんか」
ミセ-ー-)リ
( ゚д゚ )「…お前は本当、仕方のない妹だよ、ミセリ」
ミセ-ー-)リ
( ゚д゚ )「…はぁ、まったく。どーせ、1人で泣いているんだろ?」
ミセ-ー-)リ
( ゚д゚ )「でも、大丈夫だよ、ミセリ。昔みたいに、すぐに慰めに行ってあげるから」
「なんたって、俺はどんな時でも、なにをされても、お前だけの優しいお兄ちゃんだからな」
.
-
(
)
i フッ
|_|
13本目、お終い
-
| \
|Д`) ダレモイナイ・・トウカスルナラ イマノウチ
|⊂
|
-
乙乙
-
十四本目
.,、
(i,)
|_|
百年の孤独のようです
-
私は獣として長年つまらぬ人生を送ってきた。
産まれた時は覚えておらぬし、今年で幾つになるかもわからない。
生態系というものは強弱をして生を得る時があり私もその環のなかにひっそり佇んでいる。
/ ,' 3
(*゚ー゚)「ほら、よく見なよ。可愛いだろ?」
(,,゚Д゚)「そうか?俺にはよくわからんぞゴルァ」
仲睦まじい夫婦が草原に寝ていた私をみつけて微笑んでいる。
夫の逞しい身体に寄り添う女が嬉しそうにはしゃぐ。
(*゚ー゚)「うちの娘がもうちょっと大きけりゃあねぇ」
(,,゚Д゚)「今ならこいつに食われちまうな」
どうやら夫婦の間には小さな娘がいるらしい。
-
(*゚ー゚)「珍しい生き物だしなんだか高く売れそうだねぇ」
(,,゚Д゚)「そうだな…城下に珍しい物を引き取ってくれる店があったなゴルァ」
私はすこぶる嫌な予感がしたが黙っていた。
人間は昔から私を見てひとしきりはしゃいだ後に見世物にしたり食料したりしようとするのだ。
/ ,' 3
(,,゚Д゚)「よし、ちょいとその店に持って行って見るぞゴルァ」
ズルズル…
(,,゚Д゚)o,..,,,,_
/ つ/ ,' 3 `ヽーっ )))
し―-,l ⊃ ⌒_つ )))
`'ー---‐'''''"
-
('A`)「いらっしゃいやせ」
連れて行かれたところはどこかの商店だった。
店内は薄暗く様々な商品が足の踏み場もなく並んでいた。
('A`)「……荒巻か」
店主は目の細い背丈がひょろ長い男だった。
私をじっと見て少しだけ、そう、少しだけ笑った。
('A`)「旦那この荒巻、お引取りですかい?」
(,,゚Д゚)「こいつ荒巻って言うのか? 引き取ってくれるなら頼むゴラァ」
('A`)「旦那が良いってんなら」
(,,゚Д゚)「どれ位の値打ちになるんだゴラァ?」
('A`)「こいつはちょいと餌が高くてあんまり多くは出せませんな」
-
('A`)「ありがとうございやす」
客の男を見送ると店の主人は私を眺めてまた少しだけ笑った。
/ ,' 3
('A`)「……何を食べたい?」
/ ,' 3
思えば少し腹が減っている。
私は雑食なのだが好物といえば肉だ。
('A`)「…生き物なら何でも食うのかねぇ」
-
(,,゚Д゚)「…」
(*゚ー゚)「あんた、気をつけるんだよ」
('A`)「おや、旦那。お久しぶりですねぇ」
/ ,' 3
店先で店主と男と女。
男はどこかで見た顔だった。
私をこいつに売った男だ。
甲冑を着て馬に乗っている所を見ると戦に行くらしい。
(,,゚Д゚)「必ず帰ってくるぞゴルァ」
/ ,' 3
少しだけ、少しだけ、食った。
-
肉というものを人間たちは形あるものと思っているようだ。
店の店主は何処からともなく肉を仕入れて来ては私によこす。
何の肉かくらいはわかるが、店主はどうも勘違いしているらしく
('A`)「今日は美府の女郎の肉だ、ほれ」
とやたら人間の身体をよこすのだ。
違う、違うのだ。
人の肉を食べる時は【外】から食べるのだ。
【外】というのを人間は運だとか幸せだとかあくまでも存在しないものとして扱っている。
私にとってそれが人の【肉】なのだ。
よくわからない、というものもいるだろう。
一つだけ言えるのは私に肉を食われた人間はあまり長生きしない、ということだ。
-
('A`)「ほら、餌だ荒巻」
/ ,' 3
しばらくしてどこかで嗅いだ事のある匂いがする肉を店主が持ってきた。
肉は酷い状態で私はあまり口をつけなかった。
('A`)「旦那ぁ、どうやら嫌われてますぜ」
少しだけ、また店主が笑った。
-
しばらしくして私を買いたい、という女が店へやってきた。
川 ゚ -゚)
が、それはまた別の話だ。
-
(
)
i フッ
|_|
十四本目、お終い
-
ID:UbyIhszM0 さん割り込んで申し訳ない
以上です
-
十三本目のミルナは適任ぽくて良かった
好きだなー乙
十四本目はドクオも裏があるなら荒巻を買いに来るクーにもなんかあるって事かな
とにかく乙
-
あぁ、アラマキ……そういう事だったのか。
乙乙
-
( ;^ω^)いやー、挨拶に来ると言ったのに遅れてスマンお。
( ^ω^)改めて、時間になりました。これにて第一部を終了したいと思いますお。
( ^ω^)みなさん三日間お疲れ様でしたお。第二部の開始まで、しばらく休憩になりますお。
( ^ω^)なお、第二部は十五日からの開始となりますお。
それまでの間、本スレは作品に対する感想や支援絵など、作品投下以外であれば自由に使っていただいて結構ですお。
( ^ω^)それでは、また後ほどお会いしましょう!
-
>>309さん、支援絵ありがとうございます!
保存させて頂きました
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支援
-
支援
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投下や挨拶乙
続きはまた週末か
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この祭も年々衰退していって寂しいなぁ
もう一作書くか……
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ブンツンドーの百物語ページ綺麗だなあ
しかももういくつか掲載されてたよ
皆で載 ら な い か ?
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書きたいけどネタがない
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怖いの書けないから仕掛けに頼りがちだったのに仕掛けすら思いつかない
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もう一作なんとか書けた
早くこい!週末!
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見てるよ
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明日からまた百物語後半が始まる前に、今んとこの感想をメモしてるんだけどせっかくだからここに書いてよろしいですかな?
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カモン
-
おねがいします
-
ありがとう
ではちょいと整頓してから投下します
-
ラインナップはこうですな
>>112 望まれずクリーチャーのようです
>>144 蜂のようです
>>158 ( ´_ゝ`)送りぬ、迎えぬ(´<_` )のようです
>>185 ('A`)ささやかな復讐を、のようです ( ^ω^)
>>220 少女甘美のようです
>>224 ひと皮めくれば容易く翻弄される弱い人達のようです
>>252 電車の中で、のようです
>>264 げんごこうのようです
>>280 沼の噂のようです
>>293 三人の村のようです
>>311 ( ノ`) ろうそく片手に母者さんがみんなの家にやってくるようです
>>314 恐怖のプリクラ
>>318 やさしいおにいちゃんのようです
>>353 百年の孤独のようです
-
ちなみにまとめ様は>>73だよん
-
>>382
ごめんそういうのも書くべきだったか
以下感想、ネタバレ注意
-
>>383
いや、俺が勝手に足しただけ
こっちこそすまんかった
-
1
望まれずクリーチャーのようです
昔から頭の良かったくるう。
産まれた時からの記憶を持ち、学校ではテストも満点、医者を目指して就職もした。
だがその目的は…
人は自分と違う人種を前にすると見なかったことにする、怪物扱いしてしまう。
くるうを認めてくれた人に対する裏切りと、本当に認められたかった人からの裏切りにやるせなさを感じた。
ドクオが一緒にいる理由はただのフィーリングみたいなもんかと思ったがどうやら後に判明することとなった。
2
蜂のようです
昔からの友達と朝までオールで馬鹿話。
ファミレスでだべるのは若い頃の特権かもしれない。それなのにその帰り道で…
人は飛んでくるものに対して異常なまでの怖さを感じるという。超密室で起こる、当人にすればパニックホラー。
気持ちはわかる。でも道路まで止めたらだめだろ。
ところで蜂が喋るのは深読みしていいのだろうか…?
-
3
( ´_ゝ`)送りぬ、迎えぬ(´<_` )のようです
離れて暮らす双子に降りかかる同じような出来事。しかしその結末は全くの別物で…
小ネタを挟みながらも中身は正統派昔話といったところ。
日本語って難しいね。なんつーか兄者乙…恒例とはいえ。
>>309にて支援絵あり。
4
('A`)ささやかな復讐を、のようです ( ^ω^)
学生時代をいじめられて過ごしたドクオは、大学に入ってやっとその苦しみから開放された夏休みを過ごせるようになった。
たまに思い出すのは憎いあの同級生…そんな束の間の平和を壊しにきたのも、やはりその同級生だった。
子供の頃の思い出は意外と曖昧で、こういうものなのかもしれない。
失って気付く事もある。ブーンもドクオも、それぞれ歪んだ気持ちで青春を過ごしたのかと思うと…
まだやり直せる分、このドクオには強く生きてほしい。
-
5
少女甘美のようです
『女の子はお砂糖とスパイス、素敵ななにかで出来ている。』と彼女は言う。
一見して早熟な少女の元に通うのは、仕事の一環なのだ…それ以外に理由など…
文体から滲み出る独特の雰囲気につい呑まれる。処女性を残しながらも彼女の求めたもの…いや、なにかは、常識を覆すラストによってきっと達成されたのだろう。
好きな人を食べる話は多いが、その逆はあまり見ない気がする。
常識人なAAキャラがメインなのも完成度のポイントか。
6
ひと皮めくれば容易く翻弄される弱い人達のようです
妊娠が発覚した主人公。その日から彼女の心は少しずつ世間から解離していく…
前半戦のなかでは若干大人向けな話。
死産と明言された赤ちゃんが育っていく理不尽さと、主人公がそのお腹の声に耳を傾けていく違和感。
はたからみれば妊婦のヒステリーなのかも知れない。
そして同じ妊婦でも境遇の違う友と比べてしまい、挙げ句に産まれて来たのは…?
見返してみるとどうやら1の話しにも繋がる節がある。そうなるとこの話もまた違って見える。
-
7
電車の中で、のようです
うら若き二人の女性が乗り込んだ電車で何故か空いている座席…そこに座るのは?
冷静に考えると考えられなくもないシチュエーションが良い。
たまにある、なぜか座る気にならない椅子。もしかしたらそこには先客がいるのかもしれない。
8
げんごこうのようです
酒好きの前に現れるという幻のお酒。一口飲めばたちまち虜になるという…
自分もお酒を飲むからか描写が良かった。
全体を構成する語り口調に、まるで向かい合って喋っているかのような錯覚に陥る。
魂は美味しいのだろうか?
もしこれを貴方が見付けても、匂いを嗅ぐだけで止めておこう。
さもないと…
-
初投下しようと頑張って考えて見たが浮かばない
やっぱ発想力ある人ってすげーよ
-
9
沼の噂のようです
とある田舎の学校イベントで起こる事件。子供を見守るために働く大人を嘲笑うかのように…
子供を引率する先生を襲った悲劇。
湖や池と違って、沼というのがまた嫌な気持ちになる。
…これ実話ですか?
私事ではあるが、昔、同じように雑木林で朝まで見つからなかった当時の先生のことを思い出した。
その人もこれと似たようなこと言ってたんだが。
10
三人の村のようです
台風のなかやっと見つけた一軒のお宅に雨宿りさせてもらった主人公。
『ここには三人の村人が住んでいる』
暇潰しに語る家の主の話を聞くうちに…
蝋燭の使い方がまず上手い。
これで一気に話に入り込む人もいるであろう正統派怪談。
狂人がどこまで狂人なのか、普通の人には計り知れない。彼が語る内容がどこまで本当なのか?
まだなにか裏がありそうな気がするので深読みするのも楽しそうだ。
-
11
( ノ`) ろうそく片手に母者さんがみんなの家にやってくるようです
ブーンの元に届いた百物語に関するお知らせ。その驚愕の内容とは…
後半戦も頑張れ!間に合わなくなっても知らんぞー!!
12
恐怖のプリクラ
仲間と撮る写真はテンションが上がる。ほら、写るよ!
もはや別物である。
-
13
やさしいおにいちゃんのようです
いつもニコニコしていたおにいちゃんは彼女の自慢だった。でもそれはやがて成長と共に異常性として映るようになってしまう。
思春期にありがちな子供の心変わりは家族だろうと戸惑ってしまう…んだけど。個人的にミルナをもってきたのは良かったと思う。
これでタイトルと冒頭に疑問符が浮かんで、途中はやっぱりか〜と思いながら読んでた…とか思ったら想像よりも実際気持ち悪かったです。そうだよな。
でもミルナのそうなった経緯も分からなくもないし、ミセリとヒッキーの会話もどことなくリアルに感じる日常感があって良かった。
14
百年の孤独のようです
草原で一組の夫婦が見付けたのは珍しげな生き物。持って帰ればペットになるか?金になるか?
ほんのり可愛らしい生き物の餌は…
人間の物差しで測ってはいけないものもある。なにも食べ物は物体とは限らない。
時は江戸風、こちらもキャラの口調から雰囲気が漏れてくるのが良い。
人が持つ運を喰らうことで長い年月を生きるも、それは身近な者の未来を奪うジレンマに繋がるのか…。
クーはしぃの娘かな?と思うけどどうだろう。
-
感想おわり。お粗末様でした
>>384
いやー、そんなことないよありがとう
>>389
ほんとそう思うわ
読んで色々想像する分にはいいんだけど、書くとなるとハードル高い……
そんな意味で12は発想勝ちな気がする
俺らには思い付きそうで思い付かねーw
-
乙乙 第二部前に感想あるとモチベもあがるよ
因みにあれ?投下された作品って十五本じゃなかったけ? と思って勝手にゾクッってなった
更に言えば十四本だったうえに俺も一本投下してた
-
>>394
それ俺も途中で思ってた。あれ、一つ足らない…って
でも数えても合ってるからそのままやったけどなんだろう
-
うわぁぁぁぁ!!
自作品の感想が書かれてる…
ありがとう!!
初投下だったんだけど感想貰えるってこんなに嬉しいのね
-
感想乙
-
age
消えた十五本目の蝋燭…
あなたの部屋にもともとその蝋燭はありましたか?
-
( ^ω^)お久しぶりですお。百物語司会のブーンですお。
( ^ω^)百物語も今日を含め残り三日となりましたお。最後まで盛り上がっていきましょう!
( ^ω^)なお、ルールは>>104->>105となります。
( ^ω^)では、百物語2014第二部を始めますお!
-
司会乙!
後半戦がどうなるか楽しみ
-
>>399
乙です
よろしくお願いします
早速ですが投下していきます
-
んじゃあ幻の十五本目をもらっていう
.,、
(i,)
|_|
( ・∀・)廃病院のようです
-
オッフすまん
>>401お先にどうぞ
支援
-
>>402
蝋燭宣言早いのでどうぞ
こちらはアプリが立ち上がらないというアクシデントが…
-
じゃあお言葉に甘えて
改めて十五本目
.,、
(i,)
|_|
廃病院のようです
-
支援!
-
馬鹿は肝試しが好きだ。
御多分に漏れず、俺は友人と共に、深夜の廃病院なんぞに忍び込んだ。
( ・∀・)「ここは……小児科かね」
( ^Д^)「汚れてんなー」
病室を覗いてみる。
ベッドのマットレスが破けていたりゴミが放置されていたり、
窓やテレビの画面が割られていたり──といった有り様だった。
床にぬいぐるみが転がっていることから、子供用の部屋であったのが窺える。
( ・∀・)「おにいちゃあああん、あそんでえええ」
( ^Д^)「気持ちわりィ声」
俺が裏声で脅かすと、友人、プギャーはげらげら笑って部屋に足を踏み入れた。
俺もプギャーも少々アルコールが入っている。
-
( ・∀・)「お」
ベッドの脇に、懐かしい特撮ヒーローの人形が落ちていた。
拾い上げるために腰を屈める。
──ぽん、と、遠くで音が鳴った。
屈み込んだ姿勢のまま、俺は、今の音について思考を巡らせた。
馴染みのある電子音だった。
日常でよく聞くような。
何の音だっけ。
考えていると、また。ぽん。遠くから。
さっきより、いくらか近く感じられた。
(;・∀・)「なあ、プギャー……」
(;^Д^)「あれってエレベーターの音か?」
そう。それ。
エレベーターが到着したときの音。
バイト先の居酒屋があるビルで使われているそれと、よく似ている。
結論が出ると同時に、また鳴った。
近付いている。
上の階から、エレベーターが降りてきているのだ。
-
俺達は病室の入口から顔を出し、右を向いた。
廊下の先にエレベーターがある。
真っ暗な筈なのに、不思議と細かく観察出来る程度には視界がはっきりしている。
「4」の数字が光っていた。
ここは3階だ。
エレベーターはすぐ上の階にいる。
(;・∀・)「電気通ってねえのに、何で動いてんだ」
(;^Д^)「し──知るかよ」
「4」が点滅し、消える。
「3」に光が灯った。
来た。
──ぽおん。
到着を知らせる音が、大きく響いた。
-
息を潜め、2人で身を隠すようにしながらエレベーターを注視する。
扉が開いた。
(;^Д^)「……は……」
男が立っている。
異常に背が高い。
真っ白な顔に、てんでばらばらな方を向く大きな目がついている。
ぎりぎりときつく歯を食い縛っていて、口の端から涎が垂れていた。
(;・∀・)(な──)
胸が痛むほど心臓が跳ねた。
男を見た瞬間に、全身が総毛立つ感覚に襲われた。
──怖い。
すぐに顔を引っ込める。
壁に凭れ、胸を押さえた。
隣を見れば、プギャーも同じようにしていた。
-
(;・∀・)「な、何だあれ……何だあれ……」
(;^Д^)「人間か? 生きてんのか? 何にせよヤバそうだけどよ」
(;・∀・)「うん……」
俺達は過去にも何度か肝試しをしている。
幽霊に会えたことはないが、頭のイッた輩には数回遭遇した。
だが。いま見た「あいつ」は、そういった異常者とも、どこか違っている。
どこがどう、と説明も出来ない。
ともかく、関わってはいけないのは確かだ。
エレベーターが下の階に行ったら、奴に見付からないようにこっそり逃げ出そう──
身を縮こまらせ、それを待つ。
けれど、エレベーターの動く気配がない。
嫌な予感がした。
-
──ぺたり。
素足で床を踏む音が聞こえて、背筋が凍る。
(;・∀・)(エレベーターから降りた……? 廊下にいるのか!?)
先程の電子音の間隔からして、奴は、他の階ではエレベーターから降りていなかった筈。
なのに、どうしてこの階では。
まさか俺達に気付いたのか?
悲鳴が出そうになって、手を噛んだ。
そろそろと、這うように移動する。
(;^Д^)「モララー?」
(;・∀・)「ひとまず隠れよう」
ともあれ、今、この部屋からは出られない。
かといって壁際でじっとしてもいられないだろう。
いくつかあるベッドを見比べ、入口に一番近いベッドの下に潜り込んだ。
プギャーはその隣のベッド。
-
男は、なかなか現れなかった。
ゆっくり、ゆっくり、ぺたぺたと足音が近付いてくるのみだ。
いっそ、一か八か、飛び出していって逃げてしまおうか。そう思えてきた頃、
ようやく男の足が、開け放された入口の前に見えた。
足はゆっくりと通りすぎていく──いや。
通りすぎていこうとした。
俺の視線の先、その足は2歩進んだところで止まったのだ。
(;・∀・)「……っ」
──入ってきた。
重心の偏った妙な歩き方で、室内を進む。
俺は恐怖と驚きで、一瞬、息を深く吸い込んでしまった。
埃も一緒に吸い込む。
喉がちりちりして、咳が出そうになった。
駄目だ。堪えろ。今ここで咳なんかしたら、すぐに見付かってしまう。
息を止める。しかし喉を内側から擽られるような刺激は増すばかりで、限界はすぐ目の前だった。
-
涙が滲む。生理的なものか、恐怖のためか。
左手で首を押さえる。何の効果も得られない。
ああ、もう、無理だ。
ひゅう、と俺が先程よりも強く息を吸い込んだ、その瞬間。
(;^Д^)「──うおおああああああ!!」
プギャーが叫び、ベッドから這い出した。
すぐに立ち上がって病室を飛び出していく。
(;^Д^)「外! 警察!」
単語を2つ吐き出して、それからまたプギャーは叫びながら走っていった。
男が踵を返す。
相変わらず重心の偏った、そのくせやけに素早い足取りでプギャーを追う。
プギャーの声と足音が遠ざかっていく中、俺は1人取り残された。
-
(;・∀・)「……げほっ、げほ」
とりあえず咳をして喉をすっきりさせ、恐々、ベッドの下から出る。
──外。警察。
あれは俺に向けての発言だろう。
(;・∀・)(外に逃げて、警察を呼べってことか)
「あれ」が警察でどうにかしてもらえる存在なのかは分からないが、
迅速に駆けつけてくれる第三者の介入は、たしかに必要かもしれない。
慎重に廊下を窺う。
誰もいないのを確認し、病室から出た。
情けないことに、足が震えて走れない。
出来る限りのスピードで階段へ歩いていった。
エレベーターは開きっぱなし。
パネルも、エレベーター内も、光は既に無い。動くようには思えなかった。
(;・∀・)(何で、さっきは……)
湧き上がる疑問は恐怖をも齎してくるので、俺は何も考えないことにした。
ともかく今は、一刻も早く外へ。
階段を下りる。
しかし、踊り場に差し掛かった辺りで足を止めた。
-
「……ぁああああ!!」
階下から、プギャーの大声と足音が響く。
奴を引き付けるために叫んでいるのだろう。ということは、奴はまだプギャーを追っている。
差し迫って問題があるとすれば、こっちに近付いていることだった。
(;・∀・)(こっちは駄目か)
このまま下りれば、多分プギャーと鉢合わせる。
そうしたら、彼の努力も虚しく2人で逃げ回る羽目になってしまう。
俺は慌てて引き返した。別の階段から行こう。
ここは3階。高さを考えると、窓から飛び降りるのも難しい。
1階へ下りないことには始まらないのだ。
焦りが足を動かす。いつもの調子とは行かないが先程よりはマシだ。
長い廊下を真っ直ぐ進む。角を曲がる。
暗くて、どこに階段があるのかいまいち分からない。
(;・∀・)(……上がってきた!)
プギャーの声が3階に上がる。
あの階段は4階へは繋がっていない。
そしてあそこからは、いま俺が進んできた廊下くらいしかマトモな逃げ道がない。
きっと、こっちに来る。
-
(;・∀・)(ええと……)
俺は走った。階段が見付からない。
背後からプギャーの声が近付く。
いずれ追いつかれるだろう。それは俺のためにもプギャーのためにもならない。
(;・∀・)(一旦隠れよう!)
そうするしかあるまい。
近くの病室に飛び込む。
316号室、というプレートが目に入った。
他の病室よりは、比較的荒らされていない。あくまでも比較的。
扉を閉め、背を預けるようにして座り込む。
しばらくすると悲鳴と足音が病室の前を通り過ぎていった。
足音は2人分。プギャーと、あの男の。
大して走っていないのに、疲労が凄まじい。
心臓がばくばくと跳ね回り、呼吸は一向に穏やかにならなかった。
むりやり頭を働かせる。これからどうする。闇雲に動いても、今のようなことになりかねない。
プギャーはいつまでも走っていられない。
すぐにでも助けを呼ばないと。
なら、いっそ、外に出るのは後回しにしよう。
身を隠しながら警察の到着を待てばいい。
そう判断し、ポケットから携帯電話を出した。
-
(;・∀・)「……あ?」
画面は真っ暗だった。
電源を入れる動作をしても、反応がない。
(#・∀・)「──くそっ!」
携帯電話を床に叩きつけ、俺は体を丸めた。苛立ちと不安を抑え込む。
電池切れ。故障。いずれにせよ、何だってこんなときに。
最悪だ。
やはり外に出る必要がある。
たしか病院の近くに電話ボックスがあった筈。
あそこに行けば通報できる。
俺は、割れていない窓ガラスを見遣った。
上手いこと足場になるようなものが外にあれば、窓から逃げられるのだけど。
そろそろと移動し、窓に手をかける。
(;・∀・)「……ふっ! く、うう……」
──開かない。
鍵は掛かっていない。窓をスライドさせれば開く筈だ。なのに全く動かない。
-
(;・∀・)「ふざけんなよ、くそっ……」
ベッド脇の椅子を持ち上げる。
少し躊躇してから、思いきり振り下ろした。
重たい衝突音はあったが、手応えがまるで無かった。
何度試しても、割れやしない。
やがて俺は椅子を転がし、膝をついた。
──ぴりり、と。
響いた甲高い音に、肩を跳ねさせた。
ぴりり。2回、3回。
日常で馴染みきった音が、背後から聞こえる。
(;・∀・)「……なんで……」
携帯電話が鳴っている。
さっきは動かなかったのに。
呆然としていた俺は、ようやく我に返ると携帯電話に飛びついた。
プギャーの名前が表示されている。瞠目し、反射的に電話に出る。
-
『よう』
(;・∀・)「プギャー! お前大丈夫かよ?」
『ああ、撒いたっぽい』
(;・∀・)「そっか……」
『おまえ今どこ?』
(;・∀・)「悪い、まだ病院にいるんだ……。
──なあ、外に出るより、どっかに隠れて通報してさ、警察待とうぜ」
『そうだな、ひとまず合流しようぜ。どこにいる?』
(;・∀・)「ええと……ちょっと待ってな。
えー……316号室だ」
『316号室』
-
(;・∀・)「おう……。……大丈夫か? 俺がお前の方に行こうか?」
『いや、俺が行くよ』
(;・∀・)「そ、そうか。悪いな、俺もちょっと怖くて……お前から来てくれるなら助かる」
『316号室』
(;・∀・)「うん……なるべく急いで頼むな」
『316号室』
(;・∀・)「……プギャー?」
『316号室』
(;・∀・)「おい、何だよ」
『316ごウしつ』
(;・∀・)「……おい」
『316ごうしつ、316、3、16、』
──プギャーの声が歪み、震え、低くなる。
それは既に、彼の声ではなくなっていた。
『316ゴウシツ、行く、そっち行く、今から、316、しつ、』
-
(; ∀ )「──!!」
携帯電話を放り投げる。
喉がからからに渇いていて、ひい、と引き攣れた声が呼吸に混じった。
今のは。電話の向こうにいたのは。まさか。
316、316と声が吐き出され続けている。
手を伸ばして通話を切ろうと試みたが、さっきみたいに、どこを触っても反応がない。
床に転がる電話をそのままにして、俺は部屋を出るため扉の把っ手を握った。
──それと同時に。
『310』
電話の言葉が変化した。
何故、と考える間もなく、今度は違う音が耳に入り込む。
ぺたぺた。足音。廊下、すぐ近くから。
-
『311』
ぺたぺた。足音が移動すると、電話の声も数字を変えた。
意味するところを悟り、俺はへたり込む。
『312』
近付いてきている。
わざとらしく、ゆっくりと。
足音が進むにつれ、番号も進んでいく。
ついに、315、の言葉と共に、足音がすぐそこまで迫った。
俯く。力の入らない手で、把っ手を押さえる。
足音は、この病室の前で止まった。
-
怖すぎる…
-
長い間、誰の声も響かなかった。
俺の死にそうに掠れた呼吸音が聞こえるだけで。
耐えられなくなった。
顔を上げた。
扉に嵌め込まれた、細い磨りガラス。
その向こうに人がいる。
べったり張りついていて、不透明な筈のガラス越しでも、その姿は大体見えた。
真っ白な顔と大きな目と食い縛った歯。
口角は限界まで持ち上げられ。
〈……さんいちろくゥ……〉
その声が背後の電話から聞こえたのか、目の前から届いたのか、分からなかった。
*****
-
そうして誰もいなくなった病院の中に、ぽおん、とエレベーターの音だけが響き渡った。
終
-
(
)
i フッ
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割り込んですまんかった
そして>>405でタイトルからAA消えてた、正しくは「( ・∀・)廃病院のようです」で
-
乙
こわかった
-
乙 漏れた
-
乙でした
二週目に相応しい怖さ
あかんほんと起動しない…(; ´∀`)
霊障かな
-
ついに参加者から犠牲者が出始めたか……
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曰くの十五本目か
-
乙!
廃病院っていう言葉だけでも怖いのに…
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投下します
-
十六本目 かくれんぼのようです
.,、
(i,)
|_|
-
あれは、私が九歳の夏休みだった。
私の住んでいたS町は古い家が多く、私の祖母の家もその一つだった。
当時の流行であったというトタン張りの壁で、屋根には立派な鬼瓦が乗っていた。
普請好きの祖父が自ら間取りを決め、柱を伐ってきて建てたのだという。
もっとも祖母は「台所が動きにくい」と度々こぼしていたが。
-
私は放課後や休日になるとよく友達を連れて祖母の家に遊びに行った。
私の家がある住宅地からほど近い場所にあり、それでいて周りに自然が多く残っていたため、
遊びの種には事欠かなかったのである。
なにより、広くて部屋数も多いその家は、かくれんぼをするのに最適だった。
-
その日、私はプールの帰りに友達を誘って祖母の家に行った。
玄関で私達を迎えた祖母は、型の古い、小さな冷蔵庫からアイスキャンデーを出してくれた。
アイスキャンデーを舐めていると、祖母は
( ,'3 ) 「隣の畑行ってくるすけ、ちっと留守番しててくれや」
と言って、かごを持って家を出ていった。
私と友達は家の中だけで遊ぶということで、お気に入りのかくれんぼをすることにした。
同じ場所で何回も、よく飽きもせずやったものだと思う。
-
(゚、゚トソン 「じゃ、三十数えたらさがしてね」
友達が柱に額をつけて数え始めるのを見てから、私は廊下に出て足音をたてて台所に行く。
わざと足音を出して鬼を迷わせるのが、家の中でのかくれんぼの基本だ。
台所につくと、今度は足音を忍ばせて廊下に戻る。そのまま二階へ続く階段へ向かった。
本当は二階によその人を入れてはいけないのだが、祖母が留守にしている時などは
内緒で友達を二階に上げたりしていた。お転婆な子供だった。
-
階段をのぼりきると、暖かい空気がむわ、と体をつつむ。
二階にある部屋は三つ。母が使っていた部屋と叔父が使っていた部屋、つきあたりに物置がある。
私は全ての部屋の扉を開けた後、階段から一番近い母の部屋に入った。
この家で唯一床が板張りになっている部屋だ。扉を開けておいて、そのかげに座り込む。
友達はもう探し始める頃だろう。
しばらくぼんやりとしていた。雨戸が閉められた部屋は暗く、少し湿っぽい空気がこもっていた。
下からどたどたと廊下を歩き回る音がしている。
-
思うに私達は、長い廊下や広い座敷を好きなだけ走り回れる事が気に入っていたのだろう。
親に怒られることもない。木目の浮き出た床板、うす黄色に焼けた畳の目ははだしの足に心地よかった。
-
なんだかいつもより遅いな、と思った。
もう何回もかくれんぼをしているから、大抵の隠れ場所はわかっているはずなのに。
相変わらず足音はどたどたと家の中を探し回っている。
どたどた、どたどたどた。
(゚、゚トソン 「………?」
そこで私はおかしなことに気付いた。
-
足音の動きが妙に早い。部屋をちらりとのぞく程度の速さで家中を動き回っている。
それに、廊下でなければそんなに大きな音は出ないはずだ。
動き回る足音は私の右下から手前へ通り抜け、家の裏手、風呂場の方に大回りする。
どたどたどた。
そこは、
そこは家の外だ。
-
背中がざくざくと粟立った。
友達はあれに気付いていないのだろうか。いや、そもそも友達が下にいるのかどうかもわからない。
祖母はまだ帰ってこない。
どたどたどた、どたどたどたどた
-
足音は今や家中を止まることなく動き続けている。
音の調子が早い。叩きつける様な大きな足音。
私を探している。
⊂( 、 ;トソン
私はとうとう耐え切れなくなり、せめて開けたままの扉を閉めようと手を伸ばした。
扉に腕が触れる。
その時。
-
どがどがどがどがどがどがっ!!
ものすごい勢いで階段をのぼってくる音。全身が凍りつく。
足音はそのまま突き進み私のいる部屋へ――
ばぁん!!!
強烈な破裂音が響き、真っ暗になった。
-
母の部屋で縮こまっていた私を見つけたのは、友達ではなく祖母だった。
从;'ー'从 「とそちゃん全然見つかんないから、お外いっちゃったのかとおもったよ〜」
外で私を探そうとしたところで祖母が帰ってきて、二階を見てみることになったらしい。
祖母には、見つからないようにずるをして二階に行き、そのまま寝てしまったと嘘をついた。
心配させてと叱られたが、むくれる気にはなれなかった。
どたどたという音が、床板のおそろしいほどの振動が、しばらく体に残っていた。
-
後で聞いたところ、友達は二階にも探しに行っていたらしい。
しかも、部屋の扉は閉まっていて、どこにも私はいなかったという。
最初は物置の奥の方に隠れていて、後から母の部屋に移ったのだと説明した。
友達は少々いぶかしんだものの納得してくれた。
私は結局、足音のことを誰にも話さなかった。
-
それからも私は祖母の家に行った。
怖くはあったが、同時に、何かを期待する気持ちもあったと思う。
しかし、何度行ってもあの日のようなことは起こらなかった。
もっとも、かくれんぼはできず二階にも行けなかったのだが。
ほどなくして両親が祖母を家に呼び、同居することとなった。
古い家は祖母の意向で貸に出され、玄関のガラス戸には鍵がかけられた。
それきり私はあの家に足を踏み入れていない。
-
そして、祖母が亡くなってから数年後、住宅地拡充のため、その家は取り壊された。
あの日からちょうど十年、私が十九歳の夏のことだった。
-
(
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i フッ
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-
乙
本怖的な後味だな
-
乙、結局何だろうな、こえーよ
投下させていただきます
-
夏のその日その夜中、内藤という男は夜の山にいた。
滑るように軽快に車を走らせ、或いは取り急いでいるようにも見えるが、
とにかく法定速度を無視した速さで駆けていた。
( ;゚ω゚)
そのハンドルを握る手と足は震えて、
流れる汗は車内を充分冷やしている冷房と関係なく沸き上がる。
どこまでも真っ直ぐに伸びる道路に、内藤は早く終れと願い、
出来れば突然にカーブなどが来ないことを祈った。
本当はそんなことを思っている場合では無いことは分かっている。
分かっているが正面の景色に集中する他無い。
というか、正面以外を見たくない。
何かが、迫って来ている。
それも尋常でない程の気配を放ちながら。
.,、
(i,)
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( ^ω^)道路はつづくよ何処までものようです
-
ここで話は少し戻る。
内藤が車で軽快に山道を上がっていた時だ。
( ^ω^)「道路はつづくーよー、どーこまでもー♪」
内藤は鬱田という友人が倒れたらしいという話を聞き、急ぎ病院に向かうところだった。
不安がる顔をしては友人にも不安が移ると思い、
心配していた気持ちを片隅に押しやり、歌を歌ってごまかそうとした。
ちょうど山を上りきり、先には直線の平坦な道が見えたので、
内藤は『線路はつづくよどこまでも』の歌詞を文字って、頭だけ歌った。
それから本当に道路が上ることなく下ることなく続いてると察したのは、
一分ほどハンドルを切る事を止めた頃だ。
(;^ω^)「……この山、こんなに平坦な道があったかお?」
内藤は山向こうにある大学に行き、そこで一人暮らしをしているが、
何度か実家や鬱田の家に行くため車で戻ることがある。
だが、ここまで長い直線の道があっただろうか。
不思議に思い、一度路肩に停めて外に出てみようか、
と、スピードを少し緩めようとした。
-
( ;゚ω゚)「っ!?」
.
-
( ;゚ω゚)
……が、スピードは落ちない。
逆にアクセルを踏む足をゆっくりと沈め、どんどん加速させる。
そして最初の時にもどるのだ。
何かの気配は突然襲ってきた。
そしてそれを確認するより前に、脳が逃げろ!スピードを緩めるな!
と警報を鳴らしたので、それに従う他無かった。
実際、内藤の判断は正しかった。
スピードを上げた時から後ろでごうごうと風の音が響き、
その音が唸りをあげ始めたのだ。
いくつもの風の音が混ざり、唸る。
しかも車の後方限定で。
それを必死に引き離そうと内藤はアクセルを踏み倒し続けるが、
音は距離を保ち、追ってくる。直線も未だに変化がない。
それに加えて、対向車の影すらも見えない。
夜中であれど、車の通りはそこそこ多いはずなのに!
と内藤は焦る頭で考える。
-
もうかれこれ五分はアクセルを踏みっぱなしにし、
切らないハンドルを握りっぱなしにしているのに、
そんな状況などなって無いような程になだらかで何処までも真っ直ぐな道路。
ふと、内藤は後ろが気になった。
焦ってはいる。いるが、長いこと同じ状態が続いていたからか、
内藤の心に多少の余裕が出来ていた。
相変わらず脳ミソは警報のオンパレードだが、それにも慣れ、嫌気が差したからかもしれない。
一瞬、正面から目を反らし、バックミラーを覗き見る。
すると、
.
-
顔とも呼べぬいくつもの何かが、
内藤に向けて必死に手を伸ばしあっていた。
.
-
( ;゚ω゚)「うわああああああああああああああああああああああ!!!」
バックミラーの光景から目がはなせなくなり、ハンドルを握る手がぶれる。
車体は大きく揺れ、対向車線に飛び出た事で内藤は意識と視線をとり戻し、
大きく蛇行しつつも、何とかぶつけることなく体制を立て直す。
その後はいやだ、死にたくない、と何度も連呼して、
もう正面から目を反らす様子は無い。
それもそうだ。
内藤が見たものは普段絶対見ないもの。
半透明の血の気が全く無い顔ばかりだったからだ。
目玉が無いもの、皮膚が剥がれているもの、顔がくり抜かれたもの。
それらが口を大きく開け、中には口が裂け、
文字通り口を大きく開けて何かを叫び、
爪や、指や、皮膚が無いその手を我先にと伸ばす事など、
現実ではあっても空想やゲームの中ぐらいだろう。
とにかく内藤はその視線を変えず、ただ前を見ることに集中する。
内藤は内心で前に『何か』が居ないことを本当に感謝していた。
車から、がり、と音が聞こえるまでは。
.
-
( ゚ω゚)「!!」
音が聞こえたのは車の運転席側、側面後方。
少し時間を置いてから、がり、と再び音がする。先ほどより、近い。
がり、と音がする。
音は、運転席の側まで来ている。
今度は、ぎっ、という引っ掻いた音。
内藤の耳元で鳴る。内藤はただ前を見る。
ずり、という音と、嫌がおうにも視界に入ってきた『何か』に、視線が向く。
『何か』は裂けた顔で笑い
その手を内藤の首に向けて、伸ばした
.
-
その時、何処からか吼えるように唸りを上げるエンジンの音が響いた。
音につられ内藤は正面を見ると、大型のバイクが対向車線に現れた。
引き剥がすように煌々と照りつけたライトと一瞬のうちに交差し、その姿を視線で追う。
窓にいた『何か』が居なくなり、気配も消えた事に気づいたのは、
視線を戻した先に見えた、左に曲がる緩やかなカーブを越えた後だった。
( ;゚ω゚)「おわああああああああああああ!!?」
内藤は先ほどの叫びより半ば腑抜けた声で叫びつつ、
アクセルを離し、ブレーキを小刻みに使って、
しばらく対向車線に出たままそのカーブを曲がりきる。
もし対向車線に車が来ていたら即死だった。
内藤はまずそのことにほっとした後、『何か』を振り切ったことに安堵する。
平坦だった道のりは終わりを告げ、緩やかに曲がるカーブと町が見える下りを迎えていた。
.
-
内藤が後で聞いた話によると、あの山では平坦な道が続くと異界へ招かれる、
という都市伝説があるらしい。
そんなことを知ってるのはごく一部の人間だけだが、
内藤は晴れて都市伝説を体験したごく一部になったわけだ。
とにかく、内藤は急ぎ病院に向かうと、鬱田は帰らぬ人となっていた。
鬱田の両親はおいおいと泣き、内藤には申し訳ない旨を伝えるが、
逆に内藤は鬱田の両親に感謝を述べる。
( ^ω^)「鬱田がいなければ、僕もここにはいませんでしたお」
内藤は思った。
鬱田はバイクをよくイジるのが趣味だったことを。
そして、後からではあるが鬱田の家に訪れた際に、
車庫に見えたバイクで確信した。
あのすれ違った大型バイクは、間違いなく鬱田のものだったことを。
そして内藤は、バイクとのすれ違いざまに、
こちらに向けて手を上げていたのを見逃さなかった。
顔はフルフェイスのヘルメットで覆われて見えなかったが、
あれは間違いなく鬱田であると、内藤は思い、涙をこぼした。
-
それから葬儀の準備や何やらでしばらく町に残り、
落ち着いた頃に内藤は大学のある山向こうに戻ることになった。
帰りもまた夜中になり、また車で山を上ることに不安を感じる。
がりがりと音のした運転席側の車の塗装が、何ヵ所か傷が付いていたことも不安の中にあった。
だが、それも杞憂に終わり、少し平坦な道を走るとすぐ下り始める。
あいつは、と内藤は思う。
たしか鬱田は、このバイクでいつまでも走り続けたいなどと昔に言っていた。
ならば、きっと今頃あいつはあの平坦な道を独り占めにして、
異界のやつらにバイクの素晴らしさを語り、飽きるまで走っているだろう。
と、山を越えたあと、内藤はぼんやりと考えた。
('A`)「道路はつづくーよー、どーこまでもー……♪」
(
)
i フッ
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十七本目
( ^ω^)道路はつづくよ何処までものようです
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申し訳ない、
個人的な都合でもう一本いただいて去ります
十八本目
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勇気を出して初参加
投下します
-
おっとすいません、やっぱ明日にします
-
>>465
すいませんお先にどうぞ
-
>>468
ありがとうございます、では……
男はただただ不満だった。
残業漬けの毎日、終わらない部下のミス、取引先に頭を下げる日々。
(#`・ω・´)「それでいて、手取りが20万しか無いんだぞ!」
シャキンと言う男は、顔を真っ赤にして酒をがぶ飲みしながら、
横にいるキャバ嬢に不満をぶつける。
ζ(^ー^*ζ「わぁ、シャキンさん可愛そう、シャキンさん、頑張ってるのにね」
(#`・ω・´)「頑張ってる?……そうだ、俺は死ぬほど頑張ってるのにだ!」
キャバ嬢の作ったような笑顔も、当たり障りの無い返事も、
独り身のシャキンとしては、そんな受け答えでも人を必要としていた。
(#`・ω・´)「今日も部下のミスで金が飛んだ!俺の財布からだ!部下はへーこら頭を下げるだけで済むというのに!」
(#`・ω・´)「金、かね、カネ!世の中金が大正義だ!」
(#`・ω・´)「カネさえあれば、俺は会社を辞めて悠々自適に暮らせるのに!」
シャキンは次のボトルに手を出しながら、半ば怒鳴るようにキャバ嬢に語る。
そうして何杯か飲んでいると、やがてシャキンはキャバ嬢がこちらをずっと見つめていることに気づいた。
ζ(゚ー゚*ζ
(`・ω・´)「……なんだ、今日俺が金を持ってきて無いとでも思ったか?大丈夫……」
ζ(゚ー゚*ζ「いいえシャキンさん、私は貴方の願いを叶えようと思ったの」
.,、
(i,)
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十八本目
(`・ω・´)金に愛されるようです
-
(;`・ω・´)「……は?」
シャキンは一気に酔いが覚めたような気持ちになり、キャバ嬢を見つめる。
キャバ嬢は一度にこりと微笑むと、ポッキーをつまみながら語り始める。
ζ(゚ー゚*ζ「実は私、悪魔なの。ねえ様方が人間の誰かの願いを叶えなきゃ私を追い出すって煩くて」
(;`・ω・´)「……な、何を言い出すんだ急に、悪魔?あれか、小悪魔系女子とかいうやつか?」
ζ(^ー^*ζ「あはは、古いよシャキンさん。私は本当の悪魔なんだよ?」
それからデレは悪魔が至るところにいること、
願いを叶えないと人間にされて早死にすることを噛み砕いて説明する。
シャキンは妙に説得力のある説明に、半信半疑といったところまで心情が傾いた。
(`・ω・´)「……とにかく、君に願えば金が手に入る訳だな?」
ζ(゚ー゚*ζ「うん、すっごい手に入るよ?」
(;`・ω・´)「……嘘じゃないな!?」
ζ(゚、゚*ζ「そこは信じて貰わないと、私も困るかな」
シャキンは目を下に向けて何度か泳がせた後、
やはり半信半疑ではあったがキャバ嬢に向かって、小さく首を縦にふった。
-
キャバ嬢はその仕草を受けると、シャキンの手に自分の手を添えた。
ζ(゚ー゚*ζ「……オッケー!シャキンさんはここを出たら、お金がすっごい手に入るようになるよ!」
(`・ω・´)「へ?もう終わりなのか?」
ζ(゚ー゚*ζ「うん!その代わり、死んだときは私が責任もつから宜しくね!」
(;`・ω・´)「し、死ぬのか!?私はまだ死ぬ訳には……」
ζ(゚、゚*ζ「いつ死ぬかはシャキンさん次第だけど、多分、すぐ死ぬわけじゃないよ」
ζ(゚ー゚*ζ「ただ、死んだ時には魂をいただきに来るよってだけだから!」
シャキンはその話を聞き、不安になりながらもキャバ嬢のいる店を出て、家に帰った。
-
翌日、シャキンは出勤する電車の中で百円を見つけた。
(`・ω・´)(……なんだ、金が手に入ると言われたが、こんなものか)
不安だった反面、期待もそれなりに大きくなっていたシャキンはがっかりしながらも、
その百円を拾いあげる。
(;`・ω・´)「……あっ」
と、その百円は手が滑り、空中でくるくると回転して遠くに飛んでしまった。
すると、うつらうつらとしていた坊主頭の若者の頭に百円がぶつかり、
こつ、と小気味良い音が鳴る。
シャキンは顔が青ざめるなか、若者は逆に顔を赤く染め上げ、シャキンを睨む。
(#'A`)「……いてぇなあー、オッサン、いてぇんだけどなぁー!」
若者は抱えたバッグを捨てるように置くと、シャキンへ一直線に向かってきてその胸ぐらを掴む。
(;`・ω・´)「あ、いや、事故だ」
(#'A`)「事故ぉ!?お前、優先席でよろしく眠りこけた俺が気にくわなかったんだろ!?あぁ!?」
(;`・ω・´)「そういう訳じゃ」
(#'A`)「じゃあ言ってみろよオメー!」
すっかり激情した若者は懐からナイフを取りだしちらつかせる。
シャキンのいる辺りが騒然としだした。
-
「な、何をしてるんだ!」
「キャー!誰か、誰かぁー!」
(#'A`)「うるせぇクソ共!黙ってろ!おいオッサン!どういう訳だったんだ!」
(;`・ω・´)「わ、私は」
シャキンは答えに渋るなか、頭では全く別のことを考えていた。
(;`・ω・´)(何が金が手に入るだ!他の運がだだ下がりじゃないか!)
( ・∀・)「おい、お前」
(#'A`)「んだよテメー!今こっちは取り込んで」
( ・∀・)「強盗犯の、ドクオだな」
(;'A`)「……っ!」
突然現れた青年が、若者に名を確認したかと思うと、
瞬時に若者の顔へ拳をめり込ませ、次いで腕を固める。
若者もシャキンも、訳が分からぬ内に事が済み、
ちょうどよく電車の扉が開かれる。
-
( ・∀・)「ちょうど良い、話は署で聞くぞ」
(#ノA`)「いてぇー!離せ、離せクソがーっ!」
ズルズルと引きずられて外に出る若者と、それを引きずる青年。
気味悪がってぞろぞろと客が他の車両に消え、外に出た頃には、
シャキンの周りには誰も居らず、代わりに若者の持っていたバッグが残っていた。
(;`・ω・´)(……まさかな)
シャキンは若者の持っていたバッグをそっと開けたかと思うと、
ひっ、と情けない声を上げてしまう。
何故ならその中には、札束がごっそりと入っていたからだ。
.
-
(`・ω・´)「は、ははは……」
シャキンはそのバッグを持つと、何度か周りに注意を払いつつ、
会社の一歩手前の駅で降り、それを抱えて走り出す。
警察に届けることは、もう頭に無かった。
キャバ嬢に言われた事だけが、今のシャキンを動かしている。
(*`・ω・´)(ははは、あのキャバ嬢の言う通り!俺は大金を手に入れた!)
(*`・ω・´)(もう今日限りで会社は辞めだ!好きな場所に行き、好きな酒を飲む!)
(*`・ω・´)「そうだ、ギャンブルに行っても良い!何せ大金を手にする力がある!」
(*`・ω・´)「やはり世の中は金だ!金が全てだ!ははは……」
シャキンは駅を出て、タクシー乗り場へと走り出す。
たくさんの夢を描きながら。
-
そんなシャキンの夢は、
突如空から落ちてきたアタッシュケースにより、
頭と共に粉砕された。
.
-
(`゚;:.. .:;;..。 ....,,
ζ(゚ー゚*ζ「自家用ヘリでお偉いさんが純金を運んでいたときに襲われて」
ζ(゚ー゚*ζ「ポロっと純金の入ったアタッシュケースが落ちた先が、シャキンさんの頭なんて」
ζ(^ー^*ζ「運が良いのか、悪いのか……でもね?すっごいお金が手に入ったでしょ?」
ζ(゚ー゚*ζ「抱えたバッグを駅の警察署に届けてたら老衰するまでお金に恵まれたのに、本当に馬鹿な人!」
キャバ嬢はシャキンだった塊の側を通り、新鮮な魂を手に取ると、
嬉々として人混みの中へと消えていった。
(
)
i フッ
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(`・ω・´)金に愛されるようです
-
終わりです、譲ってくれた方
ありがとうございました!
ではまた明日に
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二連発乙
かたや救いの神、かたや死神か
-
割り込み申し訳ありませんでした
投下します
.,、
(i,)
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十九本目
( ゚д゚ )こっちを見ているようです
-
河内ミルナは親の元を離れ、独り暮らしだ。
バイトをしながらの生活でお世辞にも裕福な生活ではない。
貧乏なミルナは今、格安のアパートに住んでいる。曰く付きだろうがなんだろうが安くて寝床と風呂があればそれでよかった。
( ゚д゚ )「疲れたな……」
近所付き合いが無く、寂しくて、職場で叱られ嫌な思いをしてもミルナは幸せだった。生きているだけで幸せだった。
( ゚д゚ )「今日はもう寝るか…」
風呂に入り、飯を食べ、電気を消し、布団に潜る。暖かい布団は疲れきったミルナの身体を癒すには充分だった。
眠れない。目が冴えているのだろうか。しかし身体は疲れきっているし瞼は重たい。
何か違和感を感じる。何だ?
視線…?…誰かが、こっちを見ている?
寒気を感じミルナは天井に目をやった。
( ∵)
天井に浮かぶ大きな顔のようなシミがこっちを見ている。
-
とたんにミルナは可笑しくなった。
( ゚д゚ )「なんだ、ただのシミじゃないか!はははは!」
こんな物を怖がっていたのか。つくづく自分の臆病さには呆れてしまう。
明かりをつけて、まじまじとそのシミを見て、そして安心したミルナはもう一度、布団に潜った。
-
今日も店で働くミルナ。
( ゚д゚ )「ありがとうございましたー!」
バイトも1年は経っただろう。愛想笑いも板についてきた。
( ゚д゚ )
ふと、ミルナは違和感を感じた。昨日の夜感じたような違和感だ。
( ∵)
こっちを見ている。昨日のシミにそっくりな顔をした人が、こっちを見ている。
( うд⊂)
気の迷いだ。疲れてるんだ。そう自分を納得させると、目の前でぽつんと立っていたシミのような顔をした男は消えていた。
( ゚д゚ )「…ただいま…って、誰もいない、と」
ミルナは今日も疲れていた。あのシミのような顔をした人の事で頭がいっぱいだったからだ。
風呂に入り、飯を食べ、いつものように布団に潜る。
( ∵)
やはりこっちを見ている。
ミルナは枕に顔を埋めて眠った。
-
ミルナはバイト仲間の長岡と出掛けていた。
( ゚∀゚)「ミルナさん、腹減ったっすね」
( ゚д゚ )「そうだね」
( ゚∀゚)「昼どうします?」
( ゚д゚ )「…ファミレスとかでいいんじゃない?」
( ゚∀゚)「カレー食いに行きましょ、カレー!」
( ゚д゚ )「じゃあ、そうしようか」
シミの事など忘れていた。
はずだった。
( ∵)「ご注文は?」
( ゚∀゚)「あ、俺ハンバーグカレーで」
( ∵)「ハンバーグカレーがお一つ」
そいつは長岡の言葉に答えている。しかし、視線はこちらをじっと見つめている。
( ゚д゚ )「…お、俺帰る」
( ゚∀゚)「へ?」
( ゚д゚ )「ちょっと…気分悪くなっちゃった」
( ゚∀゚)「そりゃないっすよ!今日はミルナさんのおごりで…」
( ゚д゚ )「金は置いとく!」
ミルナは5000円札をテーブルに置き、店から逃げるように走った。
( ゚∀゚)「ちょw何なんだよww」
川 ゚ -゚)「ご注文を繰り返します、ハンバーグカレーがお一つ、以上でよろしいですね?」
( ゚∀゚)「あ、はい」
-
何で、何で、何で。
ミルナの頭にはその言葉しか無かった。
家に帰った。そして枕に顔を埋めた。
ピンポーン
チャイムが鳴る。
ミルナは恐る恐るドアを開けた。
( ∵)「あ、どうも…お届けものです」
あいつだ。
( ∵)「印鑑お願いします」
まただ。
ミルナは足早に印鑑を押して、すぐにドアを閉め、布団に潜った。
いつの間にか寝てしまっていたようだ。空が暗い。
ミルナは布団からもぞもぞと出て、時計を見た。
夜2時。
ミルナは視線を感じた。
( ∵)( ∵)( ∵)( ∵)( ∵)( ∵)( ∵)( ∵)( ∵)( ∵)( ∵)( ∵)
一つではない。たくさんの目がこちらを見ている。
ミルナは怯え、泣きながらもう一度布団に潜った。
-
ミルナは今日も仕事に行く。何があろうと決して休まない。それはミルナが子供の頃から続けていた事だ。
( ゚д゚ )「おはようございます……」
( ∵)「あっ、ミルナさんおはようっす!昨日のカレー美味しかったっすよwwwwwミルナさんも帰らなきゃ良かったのにww」
( ∵)「河内さん…少し、やつれてませんか?」
( ゚д゚ )「うわぁぁぁぁぁぁ!!」
ミルナは店から抜け出した。怯え、恐れ、半泣きで雨の中を走った。
( ∵)
ここにも。
( ∵)
そこかしこに。
( ∵)
あちこちに。
そいつはいた。
( ゚д゚ )「あ…ははは…あはははは…」
ミルナは狂ったように笑い出した。
-
( ゚д゚ )「あ…ははは…あはははは…あはははははは」
ミルナはもう笑うしか無かった。
そして、恐怖から逃れようと
目を、潰した。
-
内藤ホライゾンは親の元を離れ、独り暮らしだ。
バイトをしながらの生活でお世辞にも裕福な生活ではない。
貧乏な内藤は今、格安のアパートに住んでいる。曰く付きだろうがなんだろうが安くて寝床と風呂があればそれでよかった。
-
( ^ω^)「疲れたお…」
近所付き合いが無く、寂しくて、職場で叱られ嫌な思いをして、内藤は疲れきっていた。
( ^ω^)「今日はもう寝るかお…」
風呂に入り、飯を食べ、電気を消し、布団に潜る。暖かい布団は疲れきった内藤の身体を癒すには充分だった。
眠れない。目が冴えているのだろうか。しかし身体は疲れきっているし瞼は重たい。
何か違和感を感じる。何だ?
視線…?…誰かが、こっちを見ている?
内藤は天井に目をやった。
( ゚д゚ )
天井に浮かぶ大きな顔のようなシミが、こっちを見ていた。
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(
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i フッ
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( ゚д゚ )こっちを見ているようです
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おつ
画面をネガ反転して読むとそれっぽい雰囲気出ていいな
-
あーこういうの弱い、つーか怖い
乙!
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最後やめてーって思った…乙でした
投下いけますかね、怒濤のホラー連続に勢いを感じますが
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というわけで二十本目頂きます
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張り忘れた…
.,、
(i,)
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二十本目
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ーー 君たちは御存知か?
世の中、目には見えないものが最も恐ろしい
仮面を被った化け物達が
あちらを向けば微笑んで
こちらを向けば牙を出す
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ニ*ニl i |_ | | l ̄ ̄ ̄ ̄lニl| _| |◆◆○○重工| ____
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|::: : |ココココココココココlil-*鼹*l| |/ |LLLLLLLLL|l*鼹鼹顚* | ii|ココココココココココココl|ロロロロロロ|
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__ |コココココl,___ _,-−| |三 |LLLLLLl______ \ lココココココココココl|ロロロロロロ|
|=| |=|_ / __/l ̄ /| | _|__ LLl| = = |lニニllニニlコココl|ロロロロロロ|
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そう、奴等は堂々と潜んでいるんだ
気を付け ーー
.
-
ガツン!
<_プー゚)フ 「イテッ!」
ξ#゚⊿゚)ξつ|「うるっさいわね、いま何時だと思ってんのよ!」
<_プー゚;)フ 「あ…ドーモスミマセン…」
|そ 「まったくぅ!」ピシャッ
<_プー゚)フ 「……。 おっかねえ」
俺は頭上三階から降ってきたハーモニカに何故かささやかな物理ダメージを受けながら、
ラジオに備えられた録音モードを解除する。
あのくそアマ。
マンションの中庭でこんな歯痒い思いをしてる自分に嫌気がさす…
こんなんじゃなかった、こんなはずじゃ…
-
( ^ω^)つ| ガラッ
今度は頭上二階のベランダ窓が開いた。
しまった、俺の怨念じみた声が漏れていたか。
<_プー゚)フ 「…すすすみません、うるさかったですか?」
(;^ω^)「いや…固い音がしたから大丈夫かなって」
ちょうどさっきの女の真下に住むコイツは俺を気遣ってくれる良い奴だ。
入居した時からそう思っていた。
<_プー゚)フ 「はい、ダイジョーブス、スンマセンッした」
(;^ω^)「そうかお。 …なら」
(;^ω^)「………えーと、あのー」
(;^ω^)「次うるさくしたら塩まいて庭にすらいられなくしてやるお」
|そ ピシャッ
<_プー゚)フ 「……優しすぎるぜ子豚ちゃん」
奴の場合はぎりぎりルールに基づいて言ってるだけってのが分かる。 だから気にしない。
ちくしょう、
そもそも俺がまいた種ってのが悔やまれる……
-
俺が計画し建てたマンションがやっとのことで完成した時、
あたまいー俺はこの建物に住む住人にルールを課すことにした。
ごみの捨て方、設備不良対応、夜間騒音禁止…
そして、一番力をいれたのは
<_プー゚)フ 「このピラミッド型いいなー!
よし、一番上に住む奴から順に偉いってことにするぜ、だっはっはー!」
ーー そう、ヒエラルキーの構築。
オーナー兼管理人の俺はマンション最上階のフロアに暮らすことになってたからな。
DQNやモンクレ共が入居しようもんなら
さっさと追い出す作戦とか…
とにかく色々考えてそれを考案したんだ。
そしたらその日、
まさかの俺は車に轢かれて死んだ。
よもや道路向かいのコンビニに行くまでに死ぬとは思わなかった。
玄関開けたら二秒で死亡!
ーー って、…居るか? 他にそんなやつ。
ちょっと長めの屁が出てるくらいの時間で大切な人が目の前で死ぬ想像、貴方にできますか?
<_プー゚)フ
っても独身だし、その結果がいまの俺だし。
まあいいよ、前向きにいこうぜ。
ーー そんな風に思いながら、俺は自分の言葉を蔑ろにするように上を向く。
いま前向いたって壁しか無えからな。
-
俺の生きた証となってしまったマンションは三階建て。
以前、ここにあった平屋アパートを取り壊して一から建て直した新品だ。
それぞれ2LDKほどの広さがあるからけっこう大きいと思う。
一階に5部屋、
二階に3部屋、
三階には1部屋しかない。
な? ピラミッド型だろう。
そしてその最上階こそが、
死してなお君臨する俺の城なのだ。
<_プー゚)フ 「ぶっちゃけ羨ましいだろが。 そんな生活」
えっ…さっきの女は三階に居なかったかって?
ノンノーン、あれは三階じゃないってば。
"頭上三階" 。
<_プー゚)フ 「わかんない?
まってな。 いま図にするから…」
-
中庭に敷いてある砂利から大きめの石を見繕う。
この石→■一つ一つが部屋だと思って見てくれたまえ。
これが俺のハンサムマンションだ!
~~~~~~~~~~
空
■■■■■
\■■■/
〝 ̄■ ̄
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 地上
<_プー゚)フ
<_プー゚)フ 「いや、別に書き間違えじゃないからね」
-
これには海より深い理由がある。
当然のことながら元々は普通のマンションだった。
とある日、住人がテレビを見て大爆笑した。
よくいない?
笑うと猿の玩具みたく手ぇバンバン叩き出すやつ。
…そのうちそれがちゃぶ台を叩き出し
ついには床を叩き始めた。
抱腹絶倒だよ。
いや、いいんだ、それはさ。
俺だって生前よくなったよ恥ずかしながら。
……問題はマンション住人の全員が一斉にそれをやったことだ。
マンションちゃんも驚いただろうな〜
胃袋のなかで一斉に物が弾けたようなもんだし。
その衝撃に驚いたマンションちゃんはひっくり返った!
…それ以来、俺の部屋は最上階から最下階になってしまった。
俺のヒエラルキーも一変してパシリ扱いさ。
.
-
\
川 ゚ -゚) □ <シッテル? コウツウジコハ…
/
川 ゚ -゚) 「おーい、エクスト」
<_プー゚)フ 「はーい」シュイン
川 ゚ -゚) 「テレビを面白くしてくれ」
<_プー゚)フ 「…はい?」
川 ゚ -゚) 「二度は言わん。 やらないのか?」
<_プー゚)フ 「は、はいヤリマス」
シュルルー □<エクスト電子侵入〜!!
\
川 ゚ -゚) □ <ソーノーチーノーサーダーメー♪
/
\
川 ゚ -゚) □ <ジョー! ジョー!
/
\
川 ゚ -゚) □ <テレーレレー♪ テレーレレー♪
/
\
川# ゚ -゚) □ <オシッコモレター オシッコモレター♪ テテーン!!
/
…とり憑いたテレビごと窓から放られたり
-
(´゚ω゚`) 「エクストぉー!」
<_プー゚)フ 「はい」シュイン
(´゚ω゚`) 「我慢の限界だぁ!」
<_プー゚)フ 「…えっ」
(´゚ω゚`) 「俺は垂れ眉なんかじゃないよねぇ?!」
<_プー゚)フ 「……ソウッスネ」
<それはどっちのソウッスネだー?!?!
<スンマセン肯定ッス! ゼッゼ垂れ眉ジャナッス!!
…追い出せなくなった薬中ヤンキーにボコられたり
-
( ´_ゝ`) |(´<_` )「ふーむ」
( ´_ゝ`) |(´<_` )「ガラスに映るとまるで兄者を思い出すな」
(σ´_ゝ`)|(´<_`a) ポリポリ
ソトカベ フキフキ
<_プー゚)フ
( ´_ゝ`)|(´<_` )「…少し窓が汚れてるのかな」
ソトマド フキフキ
<_プー゚)フ|(´<_` )
( ‘_⊃`) |(´<_` )「……」
<_プー゚)フ
ソトカベ フキフキ
( ‘_⊃`) |(´<_` )「……」
(б ‘_⊃`)|(´<_`a) ポリポリ
<ちゃんと拭け余計に滲んでんだろがー!!
<ッセン!! ヤリッス! アッシタ!
…管理人として仕事してただけなのに
理不尽に怒られたり…
-
ノパ⊿゚) っ≡つ シュッシュッ
ノパ⊿゚) 「うーん、もしかして」
ノパ⊿゚) 「エクストぉぉ!」
<_プー゚)フ 「なんですか」シュイン
ノパ⊿゚) 「今度ボクシングの試合があるんだ、スパーリングしてくれないか?」
ノパ⊿゚) 「エクストなら物理的に強くはダメージ通らないから怪我しないし、いいだろー?」
<_プー゚)フ 「あ、なるほど、おーけーです。
そーゆーのなら当方いつでもウェルカムです」
ノハ*゚⊿゚) 「サンキュー!」
<喰らえっ!新技バーンナッコゥ!
<コノママデハオワランゾーッ
…そのまま殴ってくれたらいいのに属性帯びてくるし…しかも古いし…
-
こないだなんてエントランスを箒掃除してたら…
<_プー゚)フ ザッザッ
(^ω^ ))) 「あ、どうもー」
<_プー゚)フ 「あ、おはようございます」
<_プー゚)フ 「暑いッスねえ」ザッザッ
(^ω^ )「ええ、参りますお…ではいってきますお」
<_プー゚)フ 「いってらっしゃ〜い」
ω^ )))
)))
<_プー゚)フ ザッザッ
<_プー゚)フ 「……」
<_プー゚)フ 「なにこの胸の虚無感?」
…何もされない事に安心より不安を覚えるとか
-
<_プー゚)フ 「これ洗脳されてるでしょ、間違いなく!
犯罪者がよく使う手だよ!」
<_プー゚)フ 「だからね、俺はまた復権したいんだよ!
頼む、マンションをもう一度ひっくり返してくれ!!」
気が付けば俺は土下座していた。
もう今の暮らしを長く続ける自信が無くなって…
誰かに、誰かに…
助けてもらいたかったんだ。
(,,゚Д゚) 「ニャア〜…」
ミ,,゚Д゚彡 「ミャー?」
<_プー゚)フ 「マンションができる前からこの辺を牛耳ってるお前達野良猫なら、何か良い手を知ってるだろ?!
頼むなんとかしてくれ!」
(,,゚Д゚) 「ニャ」
ミ,,゚Д゚彡 「ミィ?」
(,,゚Д゚) 「ニャニャー、ウニャア」
ミ,,^Д^彡 「ミャ!」
(,,^Д^) 「ニャッハッハ」ミ^Д^,,彡
<_フ;ー;)フ 「ちくしょう全然言ってることわからねええぇーー!!」
\ / \ /
ドッ ヨッ ナカムラヤッ
ξ#゚⊿゚)ξつ|「毎夜毎夜うるせえってんだろがーー!!」 ガラッ
-
<_プー゚)フ 「くそ〜…おちおち作戦会議もできやしない」
文句は言えど、管理人としての職務を放棄したりはしない。
俺は今日もエントランスの箒掃除から一日をはじめる。
ホウキだけに…ぷぷ。つまんね〜()笑
( ・∀・) 「ああ、オーナーさん。
お世話になってます」
<_プー゚)フ キリッ 「これはモラハウジングサポートのモララーさん。
こちらこそどうも」
( ・∀・) 「ちょうどいい、本日は新規入居希望者を案内しにきまして」
('A`)「…ど、どうも」ペコリ
賃貸情報のチラシを持った気弱そうな男だ。
いつもなら収入増の喜ぶべきシーン。
だが、いまの俺には ーー
<_プー゚)フ 「新規って…」
( ・∀・) 「ええ、まだ空いてる二階の部屋を見てみたいとの事で」
<_プー゚)フ 「え、大丈夫? ヒエラルキーは二番目になるけど…」
('A`)「は、は、はい。 チラシにも書いてあるから確認してます」
-
本来一階に住んでいた最下層の奴等が
マンションひっくり返り事件によって三階にランクアップしたせいで
日に日に悪化する治安…
こんなひ弱そうな男がいじめられないか、心配ですよ俺は。
( ・∀・) 「なんせ築浅1年ですからね、人気があるんですよ」
<_プー゚)フ 「それならもっと早く全室埋まるだろjk…
ちょっとそのチラシ見せてもらえます?」
('A`)「あ、はい」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
建物名:プラズマンションext
二階:門部屋(三階建) エレベータ:無
築:1年 家賃:8万円 共益費:0円
▼ヒエラルキー制度導入による
新感覚ネイチャー人生RPG爆誕!!
【総ての過去を無かったことにする】
管理人が24時間巡回で単身女性も可
陽当たり良好な安心オートロック!
※オーナー、成仏寸前ですww
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
<_プー゚)フ 「おいこら」
( ・∀・) 「色々書き直したらソッコーで内見希望者が殺到しまして」
<_プー゚)フ 「だろうね、家賃8万とか
俺そんなん聞いてないし」
('A`)「突っ込むところそこなんですね」
-
<_プー゚)フ 「まあいいや、死んでから飯とか食わないから俺にかかる食費光熱費0だし」
( ・∀・) 「さすがオーナー。ご立派」
<_プー゚)フ 「ところで中見るのはいいけど…
君は学生さん?」
('A`)「は、は、はい。 父さんが土木建築関係で、それを継ぐための学校が近いんです」
ーー 俺はピーンときた。
Mr.ピーン。 足もピーンよ。 俺もう足無ぇけど。
<_プー゚)フ 「家賃8万でもいいけどさ…
かわりに相談させてほしい。
このマンション実は "逆" なんだよ、
こういうの落とせるもんかな?」
俺は口頭で説明しながら両手を広げ指さし、
二、三階の両脇部屋を大地へと降ろす。
このデカブツをまたひっくり返すのは無理でも
フロアの部屋数さえ元に戻れば、理由をつけて住人を割り振り直せるはずだと考えた。
(;'A`)「? ぎゃ…えっ?!
えっと、はあ…
物理的に可能ならできると、思いますけど…」
<_プー゚)フ 「よし! ではお父上をご紹介してくれ早漏!」
('A`)「!! なぜそれを!」
( ・∀・) 「オーナー、慌て過ぎて言葉遣いがおかしくなってますよ。
ドクオさんも候違いで語尾に強く反応しないように。
…いやあとにかく良かった、では契約書作ってくるのでドクオさんはまた後で」
-
<_プー゚)フ 「ささ、どーぞ内見してやって下さいな」
('A`)「…本当に築浅なんですね、ピカピカだ」
<_プー゚)フ 「そりゃあもう。
なんせ建ててすぐ俺が死にましたから」
(;'A`)「完全に事故物件じゃないですか
…しかも珍しいタイプの。
あ、過去を無かったことにするってそういう…」
<_プー゚)フ 「ねえねえ、ところでさ」
('A`)「は、はい」
<_プー゚)フ 「あのチラシってどこで見たの?
お店で渡されて?」
('A`)「家にポスティングされてましたけど」
<_プー゚)フ 「風評被害届出してもバチあたんねぇなこれ」
('A`)「心中御察しします」
<_プー゚)フ 「いや釣られてここに来た時点で、君もある意味同罪だから。
…まあいいや、今夜同じ二階の人と顔合わせするかい? その人は好い人だよ」
-
m9゚ー゚)フ 「ーー と、いうわけで夜です」
( ^ω^)「誰に向かって…?」
('A`)「な、なんだかすみません、おお、お呼ばれしてしまって」
( ^ω^)「いいんだお、独り身だし人とご飯するのもたまには楽しいから」
<_プー゚)フ 「はい、ではマンションひっくり返して復権しちゃおう会議〜!」
ドンドンパフ♪
('A`)「オーナーさんていつもこうなんですか?」
(;^ω^)「普段はぎゅうぎゅうにおさえ付けられてるから…」
<_プー゚)フ 「何を仰るブーンさん!
貴方も二階住人として本来なら俺の次のヒエラルキー位に立ってるはずなんですよ!」
(;'A`)「…お、横暴さが透けてる!」
(;^ω^)「うーん…ストレスだおきっと」
<_プー゚)フ 「ところで、早速ですが提案です。
ご飯を食べながら楽にして聞いてもらいましょう」
生前の俺は煌めく頭脳を遺憾なく発揮し、
若くして不動産を所有した経歴の持ち主。
そう、一連の作戦はすでに頭に浮かんでいるのだ。
-
----------
ピンポーン
ξ゚⊿゚)ξつ|「はーい」ガチャ
( ^ω^)「こんにちは、二階の内藤ですが…」
ξ゚⊿゚)ξつ|「え、なあに?」
<_プー゚)フ 『一番手強いのは頭上三階のツンさんだ。
まずはブーンさんが奴を手籠めにして ーー』
(;^ω^)『ちょっ、もっとオブラートに!』
<_プー゚)フ 『とにかく奴はムードに弱い(予感)!
同じ部屋に居てくれればあとは俺がなんとかするのでメロメロにしてやってください!』
( ^ω^)「えっと…こないだ旅行に行った時のお土産があるんですけど、いかがですかお?」
ξ゚⊿゚)ξつ|「あら、そうなの。
せっかくだから戴こうかしら…あ、お持たせだけど貴方も食べる?」
( ^ω^)「いいんですか? ではお邪魔しますお」
<_プー゚)フ (ナイスだ!
今のうちにベランダから奴の部屋のテレビに電子侵入して……) スゥー
-
ξ゚⊿゚)ξ「あまり綺麗なリビングでなくて悪いけど…はいお茶」
( ^ω^)「いえいえ!とんでもない」
\
ξ゚⊿゚)ξ □ < ツカモウゼ! ドラゴンボール♪
/
( )^ω^)「おー、再放送」
ムシャムシャ
ξ )゚⊿゚)ξ「ね。 懐かしいなーって思って」
ムシャムシャ
\
ξ )゚⊿゚)ξ □ < サガソウゼ!! ドラゴンボール♪
ムシャムシャ /
( )^ω^)(…テレビってムード作りにくいんだよなあ…)
ξ )゚⊿゚)ξ \
ムシャムシャ □ < セカイデイットー! ユカイナキセキ〜♪
( )^ω^) /
ξ )゚⊿゚)ξ \
ムシャムシャ □ < コノヨーハー デッカイ
( )^ω^) /
ξ゚д゚)ξ \
□ < マOコ ミタイナモンッ♪
( ゚ω゚) /
.
-
ξ#゚⊿゚)ξo彡 「エクストてめこらぁ!!」
ボコスカ <_フ;゚д゚)フ 「いていてて!!
やめてえ!ベジータ並みの連続エネルギー弾らめえ! 」
( ^ω^)(これはだめだ……)
ξ#゚⊿゚)ξ「あんたらグルだったのね」
(;^ω^)「あ、実はもう一つあって…」
その時、ブーンが取り出したのは
俺の頭にぶつけられた ーー
ξ゚⊿゚)ξ「あ、これ…あたしのハーモニカ」
( ^ω^)「こないだ中庭に落ちてたお。
エクストさんから、ツンさんの物だって聞いたから」
ξ゚⊿゚)ξ「そっか、ありがと…
あなたのこと誤解してたみたいね」
( ^ω^)「おっおっ」
ふざけんなしね ーー じゃなくて、
さすが俺の見込んでいた男だ。
まさか二段構えの策を練っていたとは。
俺の失態があるから輝く副策…
そうだろう?
……だから俺を見捨てないでくれ。
-
<_プー゚)フ 「次は住人を一時的に退去させる」
( ^ω^)「そんなことできるのかお?」
ξ゚⊿゚)ξ「ちょっと。その間どこにいろって言うのよ」
('A`)「家具とか荷物とか色々ありますしね」
<_プー゚)フ 「これは簡単だ、要は損を超える得があれば我慢できるんじゃろ?」
( ^ω^)(阿笠博士…?)
ξ゚⊿゚)ξ「まあね…なに、ホテルのスイートルームでも取ってくれるの?」
<_プー゚)フ 「それもやる。
加えて向こう三ヶ月の家賃も免除するし、退去中の物品紛失や焼失といった保険じみたサービスもやったるぜ」
ξ*゚⊿゚)ξ「まじ? うれしーわ、皆にも伝えてくる」タッタッタ…
(^ω^;)「…いいのかお?あんな約束して」
<_プー゚)フ 「これも俺の城とヒエラルキーを護るためと思えば!
ドクオ君、父上の準備はいつ頃できそうかね?」
(;'A`)「…そのヒエラルキーってどうしても要ります?
父さんは連絡したらすぐにでも来れるって言ってました」
<_プー゚)フ 「えっ仕事早いなあ。
君の父さんデキる男って感じ?
頼もしいわあ」
-
303号室:ツン
ξ゚⊿゚)ξ「みんな呼んできたわよ。
概ね同意してくれたみたい」
301号室:クー
川 ゚ -゚) 「ホテルで北島サブちゃんのディナーショーをやるらしいな」
<_プー゚)フ 「楽勝だ!
歌唱中の鼻フックもおーけー!」
302号室:ヒート
ノパ⊿゚) 「世界ヘビー級タイトルマッチを組んでくれるって聞いたぞー!」
<_プー゚)フ 「もちろん!マイクタイソンからデビルアナコンダまでなんでも魅せてやる」
304号室:ショボン
(´゚ω゚`) 「スーハースーハー!! 脱法ハ○ブを合法にするんだって!? 我慢できねー!」
<_プー゚)フ 「いいよいいよ、どんどんやれ!
お前の頭のなかだけでな!」
305号室:弟者
(´<_` )「うちの一族全員呼んでいいのか?」
<_プー゚)フ 「バッチこいだーーー!」
-
201号室:ドクオ
白('A`)「うん、来ていいって、はーい」
('A`)「父さんももう向かってるそうです」
<_プー゚)フ 「素敵! 抱いて!」
202号室:ブーン
(;^ω^)「…思えばあの時マンションのひっくり返った日は凄かったお」
<_プー゚)フ 「俺には悪夢の始まりだった…でも、もうすぐ、もとに戻るんだ!」
203号室:アサピー
(-@∀@) 「おやおやこれは楽しそうだ」
<_プー゚)フ 「まて、誰だお前は」
ドクオの父:モナー
( ´∀`)「いやーお待たせしました。
お話は聞いてるモナ、今日はよろしく」
<_プー゚)フ 「お父上! 本日はお頼みもうす!」
( ´∀`)「もうやっていいモナ?
スイッチ押すだけだからね」
<_プー゚)フ 「すげー文明ってすげー。
押しちゃってください、くるりんっ」
( ´∀`)σ 「では、ぽちり」ポチッ
-
※実際のマンションより背が高いのは気のせいです
,,-''ヽ、
、-// ,, -''" \
\イ _,-'" \
.' /\ \
__ //\\ \
_/ /|[]::::::|_ / \/\\ /
゙ ./| ̄ ̄ ̄ ̄ //\ \/ \ // 三階_
| |:::「「「「「「 / \/\ /\\ /:::/ ./| |__
_..| |:::LLLLL//\ \/ \/\\/::::::/ / | ロ .|lllllllllllll
/ llllll| |:::「「「「 / \/\ /\ .\/ ./::::::::/ / ./ .| |lllllllllllll
__ llllll| |:::LLL.//\ \/ \/\ /::::::::/ | / .| ロ .|lllllllllllll
llllll| |:::「「「/ \/\ /\ \/ /::::::::/ | ||/ ..| |lllllllllllll
llllll| |:::LL//\ \/ \/\ ./::::::::/ .| ||/ ..|
| |:::「./ .\/\ /\ \/ /::::::::/⌒ヽ、 .| ||/ ..|
| |:::l//\ \/ \/\_, -** 、 ''"⌒ヽ,_
(⌒ヽ、_,ノ⌒Y" Y .....⌒)
-
<_プー゚)フ
('A`)「おおー、盛大だあ」
( ´∀`)「モナモナ。 前に使った爆薬が残ってたから楽なものだったよ」
<_プー゚)フ
('A`)「さっすが、とうさん」
( ´∀`)「また何かあればいつでも頼りなさい、ドクオや。
ではエクストさん、私はこれで」スタスタ
<_プー゚)フ
<_プー゚)フ 「えっ、なんで?」
('A`)「…え?」
<_プー゚)フ 「いやいや」
<_プー゚)フ 「いやいやいやいやいや」
( ^ω^)「YAH-YAH-YAH?」
(´゚ω゚`) 「呼んだ?wwwww」
<_フ#゚ー゚)フ 「呼んでねーよ!」
-
<_プー゚)フ 「意味わからん!意味わかんないんやけど意味わかんないんやけど!!」
(´<_`白)「あ、もしもし兄者? いま目の前でブラクラが発生しそうなんだけど…撮る?送れ?はーい」ピッ
<_プー゚)フ 「なんで爆破するんだよ!?」
(´゚ω゚`) 「いまからーそいつおー♪」
('A`)「え、あ、だってエクストさんが…」
<_プー゚)フ" 『 ーー このマンション実は "ギャグ" なんだよ、こういうの "オトせる" もんかな? 』クイックイッ
('A`)「…って言ったからてっきりドリフ風のコントなのかと ーー 」
ξ゚⊿゚)ξ「AAのンゴゴ感はそれっぽいわね」
(´゚ω゚`) 「なーぐりぃなにィー逝こうかあー!!」
<_プー゚)フ 「君ってやつは社会経験があるのかないのかわからんな!!」
川 ゚ -゚)つ 「せっかくだしドリフのオチ作業用BGMバージョンで流しとくか」カチッ
□ <テッテケテーレー テッテケテーレー テッテケテーレー テッテッテ♪
ノパ⊿゚) 「なあエクストー、…この残骸どうするんだ?」
(´゚ω゚`) 「やーやーやーーーやーやーやーやーーー♪」
□ <テッテケテーレー テッテケテーレー テッテケテーレー テッテッテ♪
<_プー゚)フ 「どうしようもないだろ…
すでに作り直しを検討中だよ」
□ <テッテレッテテッテー ファファーファファーファ♪
ノパ⊿゚) 「そっか、手伝ってあげるよ!」
⊂(´<_`;)「! みんな伏せろ、カメラの邪魔だ!」
□ <テッテレッテテッテー ファファーファファーファ♪
-
28
< パゥワゲィザーー!!
ラメェ!>
/ ,,-",-''i|  ̄|i''-、 ヾ {
(" ./ i {;;;;;;;i| .|i;;;;;;) ,ノ ii
,, ( l, `'-i| |i;;-' ,,-'" _,,-"
"'-,, `-,,,,-'--''::: ̄:::::::''ニ;;-==,_____ '" _,,--''"
 ̄"''-- _-'':::::" ̄::::::::::::::::;;;;----;;;;;;;;::::`::"''::---,,_ __,,-''"
._,,-'ニ-''ニ--''" ̄.i| ̄ |i-----,, ̄`"''-;;::''-`-,,
,,-''::::二-''" .--i| .|i "- ;;:::`、
._,-"::::/  ̄"''--- i| |i ヽ::::i
.(:::::{:(i(____ i| .|i _,,-':/:::}
`''-,_ヽ:::::''- ,,__,,,, _______i| .|i--__,,----..--'''":::::ノ,,-'
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エクスト オモシロイコト デキタナ >
< ガマンデキネー!
-
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そのあとの事は僕から代わりにお話しするお…
( ^ω^)「エクストさんは、ショックが続いて成仏してしまったんだお」
( ^ω^)「…天に召されるときの彼の顔はとても穏やかで…」
<_プー゚)フ 『これ昇ったらお前らよりヒエラルキー高くね俺?
ヨッシャア!! あーばよーゥ』
( ^ω^)「彼は ーー きっと知らないんだお」
( ^ω^)「あの世…天使が住む天国には、もっとガチガチなヒエラルキーが存在する事を」
( ^ω^)「目に見えない差別や区別、それを作ったのは他でもない、神様や天使なのかもしれないおね」
( ^ω)「…どれも見たことはないけれど」
( )「……」
.
-
〜 天界 〜
(-@∀@) 「……」
<アサエル様、以上が彼の人生でした。
(@∀@-) 「はーい」
<_フ;゚ー゚)フ 「…迂闊だったぜ、まさか俺のマンションに天使様が住んでたなんてな」
<_フ;゚ー゚)フ 「なあ、俺ってここだとヒエラルキー何位なんですか?
なりてえんだ、一番に」
(-@∀@) 「…そうですねえ〜」
(-@∀@)つ□ スッ
(-@∀@) 「そのアンチモンを、あの垂れ眉に塗ったくってきなさい」
<_プー゚)フ 「…あんちもん?」
※天使アサエルが伝えたとされる物質
顔料として利用されたが人体に毒性がある
(-@∀@) 「ひたすらこの天界で徳を積むと善いでしょう」
<_プー゚)フ 「おーけー! いってきます」 シュルン!
(-@∀@) 「……」
(#-@∀@) 「あの薬中、マンションがひっくり返った途端に真下に住む私をこき使ってくれましたからね…」
なめんなヒエラルキー!<_プー゚)フ
のようです
(了)
(
)
i フッ
|_|
-
オチワロタww
乙wwwww
-
乙
ギャグホラーはビビりにとって癒し
-
乙!
-
いい清涼剤でした
乙!
-
一切こわい要素の無い清々しいまでのギャグだなww
乙
-
取りかかりが遅すぎたせいで間に合うか微妙だな……
ここまでの書き手さん全員乙です。
-
IDが川 ゚ -゚)クーのうちに投下します
.,、
(i,)
|_|
二十一本目
( ゚д゚ )こっちを見るな!のようです
-
昨日まで一緒に過ごしてた兄が死んだ。唐突な話だ。
泣かなかったし、なんとも思わなかった。
まあどうせ俺には関係ないし。仕事の帰りに酔っ払ったのか知らんが前を見ず歩いてトラックに轢かれたそうだ。間抜けめ。
火葬する前に一度顔を見てみたよ。死んだくせに、轢かれたくせに、何か安心したように目を閉じてやがる。ふざけた奴だ。まだまだやりたい事もあったろうに。つか母さん父さん残してお前が先に死ぬんじゃねえ。早すぎるわ。親泣かせて安らかな顔してんじゃねえ。阿呆が。
いろいろ考えながら眠った。
次の日の夜。
バカ兄貴が窓からこっち覗いてやんの。
∩( ゚д゚ )∩
-
( ゚д゚ )
昔兄貴は信じられない事や驚いた事があるとこんな間抜け面で黙るんだ。
それを俺がこっちみんなwwwって笑う。俺達の鉄板ネタだった。母さんも父さんも笑ってた。
しかし今覗いてるバカ兄貴の表情はあの時の間抜け面じゃない。なんとも表現しがたい顔でこっちを覗いてる。
あまり気持ちの良いもんじゃない。正直に言ってビビる。最初は悲鳴をあげた。
んで、またアホ臭いのが直接的な何かをしてくるわけじゃないんだ。
何だよ、幽霊なら祟るなりなんなりしろよな。何でお前こっち見るだけなんだよ。迷惑だ。する事ないならさっさと成仏しやがれ。それで、不幸にも俺は眠れなかった訳だ。ひでぇ。いろんな意味で。弟を睡眠不足に追い込む事が幽霊になってする事かよ。小さすぎるわ。
-
( ゚д゚ )
次の夜にも兄貴はいた。今度は堂々と椅子に座り本読んでやがる。そこ俺の机だ、失せろ。何で人の卒アル読んでんだよ。
試しに話かけてみた。あのなんとも言い難い変な顔するだけ。
( ゚д゚ )
…こっちみんな。
次の日の夜もその次の日の夜も、兄貴はいた。
一晩中ぽつんと立ってたり色々してた。
こいつは何がしたいんだ。
( ゚д゚ )
…こっち見るんじゃねえ!
大声あげてもそいつはこっち見たまま。だめだこりゃ。
( ゚д゚ )
だからこっち見るなって!!
-
兄貴が死んで俺の部屋に居座るようになってから、7日経ったある日、机の上に本が置かれていた。
んで表紙に何か書いてある訳。
「泣いてなくて安心した」
馬鹿野郎が。油性ペンじゃねえか。消えねえぞ。
人の私物に堂々と落書きしやがって、お前のせいで泣きそうだよ。
それからの事、あまり悪い事も無く、危ない目に遭っても無事。何かあいつが見てくれてる気がした。
でも俺、兄貴がいなくてもやってけるし、兄貴がいなくても家族支えていけるよ。親でもねえ癖に過保護なんだよ。
だから…
( ゚д゚ )
…こっちみんな。
-
(
)
i フッ
|_|
( ゚д゚ )こっちを見るな!のようです
-
油性とかたちわりぃw
乙
-
ミルナも役目が違うとまたいい味出すなあ
乙
-
ミルナが好きです
他の書き手さんも乙してくれた皆様もこれから書く皆様も乙
-
>>540
ミルナ愛がすごい伝わるよ
乙です!
-
油性は止めてあげてwwww
乙!
-
二十二本目投下します
.,、
(i,)
|_|
白い蝶のようです
-
>>531
なあにまだ二日ある
まだ焦る時間じゃない
俺も似たような感じだし
-
夜の町を蝶が飛ぶ。白い翅を動かすその様は、どうしてかぼやけて見える。
目を凝らしてはいけない。追いかけてはいけない。魅せられてはいけない。白い蝶は人の魂に他ならない。
(゚、゚;トソン 「もう、待って、ミセリ、どこ行くの」
ミセ*゚ー゚)リ 「ちょうちょ、おねえちゃん、ちょうちょ!」
妹に手を引かれ、姉はよたよたと走る。
公園を抜け、神社の前を通り過ぎ、ゆらゆら浮かぶ蝶を追う。夕立に蒸せたぬるい暗闇に、ゆっくりと溶けていく。
-
転んで膝を擦りむいて、ひとしきりベソをかいてから、妹はやっと自分の両手が空いていることに気が付いた。
ミセ;゚ー゚)リ 「おねえちゃん、おねえちゃん」
辺りには電灯も無く、足元もおぼつかない。自分かどこから来たのかも、どれくらい走ったのかも分からない。
妹は不安になって歩き出す。あの蝶は、どこにいったのだろう。
-
( ФωФ)
しばらく歩くと、道端に老人が座り込んでいるのが見えた。
妹は道を聞こうとした。老人は胡坐をかいて、妹をじっと見ていた。
ミセ;゚ー゚)リ 「あの、びっぷ町ってどっち……?」
( ФωФ)
( ФωФ)σ
老人はにこりと笑い、妹の行く先を指差した。
妹は元気を取り戻し、お礼を言って歩き始めたが、どんなに歩いても町には戻れなかった。
-
しばらく歩いていると、時折ふわりと風が吹く。
雲が薄くなったところから、微かな微かな月明かりが夜闇に滲む。すると、少し遠くに灯りが見える。
ミセ*゚ -゚)リ
泣き疲れた妹は、他に当ても無いので、よろよろとその光に向かって歩いた。
灯りは白い蝶だった。沢山の白い蝶の群れが、音も無くゆらゆらと揺れていた。
群れの中には、小さな湖があった。夜闇よりも暗い水面に、白い光が際立った。
妹に気付いた蝶たちは、彼女の周りに近づいてくる。
手を伸ばせば届きそうなところでくるくると、音も無く踊り始める。
白い蝶に誘われると、棒のようになった脚が自然と動いた。
-
妹は一歩、二歩と踏み出したが、何かを思い出したように足を止めた。
ミセ*゚ -゚)リ 「……」
群れの中で一匹だけ、忙しなく飛び回る蝶に釘付けになった。
他の蝶のようにゆったりと風に揺れるような動きとは違い、湖の上を縦横無尽に、喚き散らすように飛び回る。
それをじっと見つめていると、だんだんと意識がはっきりしてくるようだった。
そして、その蝶は急に動きを変えた。
妹を取り囲む群れに飛び込み、彼女の脇をすり抜けて、どんどん遠ざかって行く。
ミセ;゚ー゚)リ 「まって!」
それを見て、弾かれたように走り出した。
ミセ*;ー;)リ 「まって!!」
纏わりつく光を両手で振り払い、無我夢中でその後を追いかけた。
-
それから妹がどれくらい走ったかは分からない。
('、`;川 「ミセリ、ミセリ……!」
ミセ*;ー;)リ 「おかあさん……」
気が付くと彼女はパトカーの中で、母親に強く抱きしめられていた。
('、`;川 「お姉ちゃんは? お姉ちゃんは一緒じゃないの?」
妹は泣きじゃくりながら、姉は蝶になったと話した。
その後も捜索は続いたが、ついに姉は見つからなかった。
-
(
)
i フッ
|_|
二十二本目、おしまい
-
切ねぇな……乙
-
しゅんとなった…
乙
-
二十三本目、頂きます
-
.,、
(i,)
|_|
(´・ω・`)は見ちゃったようです
-
その1
(´・ω・`)テクテク
( ><)テクテク
(´・ω・`)(ん?)
(◆ノ >)テクテク
(◆-◆ノ)テクテク
(´・ω・`)(あの人、後ろにサングラス掛けてら)
(´・ω・`)(まあ、額に掛けるよりは邪魔じゃないのかな)
-
(◆-◆ノ)テクテク
(´・ω・`)テクテク
(▲ ▲)ズル
(´・ω・`)(あ、ズレて――)
( <●><●>)ギロリ
(´・ω・`)!?
(´・ω・`)(え? え、何あれ? え?)
((´・ω・`))(いやいや何かの見間違い)
( <●><●>)ジー
(´・ω・`)(見間違い見間違い)
( <^><^>)ニコ
(;´・ω・`)そ「みまっ!?」
-
( ><)クル
(;´・ω・`)「あ」
( ><)
(;´・ω・`)
( ^ ^)ニコ
(´・ω・`)
( )クル
( )テクテクテクテク
(;´・ω・`)
その1:後ろの目
-
その2
(´・ω・`)「ふー」
(´・ω・`)(よかった、この時間は空いてる)
(´-ω-`)人「いただきます」
(*‘ω‘ *)モグモグ
(´・ω・`)モグモグ
皿
(*‘ω‘ *)モグモグ 皿皿
(´・ω・`)(前の人、随分注文してるなぁ)モグモグ
(*‘ω‘ *)モグモグ
(´・ω・`)(しかも結構な勢いで減ってるし)
-
(´・ω・`)カラン
(´・ω・`)(あーやっちゃった。拾ったら新しいの貰お)
(´・ω・`)ヒョイ
(*‘ω‘ *)モグモグ
( ωノ) モグモグ
v v
(´・ω・`)
(うω∩`)ゴシゴシ
(´・ω・`)
-
(*‘ω‘ *)ヒョイパク
( ω ) モグモグ
v v
(´・ω・`)
(*‘ω‘ *)ヒョイパク
( ω )゙゙ モグ
v v
(*‘ω‘ *)モグモグ
( ∀ ) ニコ
v v
-
(;´・ω・`)ガタガタガタンッ
(*‘ω‘ *)モグモグ 皿
(;´・ω・`)「ご、ごちそうさまでしたー……」
(*‘ω‘ *)
(´・ω・`)
(*^ω^ *)ニコ
(;´^ω^`)ニコ
(*^ω^ *)
(;;´^ω^`)
-
(;´・ω・`)「よかったら……食べかけですけど、どうぞ……」
(*‘ω‘ *)「いいですか、ありがとうございますっぽ」
(*^ω^ *)「おなか、空いてたんだっぽ」
(;´・ω・`)「は、はは……」
(;´^ω^`)(僕は超胃もたれしてます!!)
その2:お腹の口
-
その3
(´;ω;`)「っていうことがあったんだよおぉぉぉ」
ノパ⊿゚)「凄い泣いてるな!」
( ФωФ)「ほら、そんなに泣くでない」
(´;ω;`)「泣きたくもなるよ……こんなん、下手に人に話したら僕の方がおかしいって言われるよ」
( ФωФ)「我輩たちは構わんのであるか」
(´・ω・`)「君らなら、とりあえず真面目に聞いてくれるし……」
ノパ⊿゚)「おう! 熱血に真面目に聞いてたぞ!」
(´・ω・`)「うん、ありがとう」
( ФωФ)「それにしても、泣く程のことであるか?」
(´・ω・`)「気絶しなかった僕を褒めて欲しいくらいなんだけど」
ノパ⊿゚)「だって、なぁ?」
( ФωФ)「うむ」
(´・ω・`)「?」
-
「既に近くに」
「いるだろー?」
∧ ∧
( ФωФ)
ノハ )
(´・ω・`)
-
∧ ∧
( ФωФ)ニャア
ノハ )ツルン
(´・ω・`)
(´^ω^`)ハハッワロス
「おい?」
「ショボン?」
(´゚ω゚`)
「……目を開いたまま気絶しているのである」
「ありゃりゃ。やり過ぎたかな」
その3:ケモミミ(萌えない)とつるつるお肌(嬉しくない)
-
その後
(´・ω・`)
( ФωФ)「チョコレートパフェ、生クリーム特盛アイス追加である」
(´・ω・`)
ノパ⊿゚)「あつーいお茶を貰ってきたぞー!」
(´・ω・`)
( ФωФ)「……いや、本当すまなかったのである」
ノパ⊿゚)「悪かったよー。ほら、アイス融けるしお茶も冷めるぞー」
(´・ω・`)モグ
(´・ω・`)モグモグ
(´・ω・`)ゴクリ
(´・ω・`)「本当もう友達止めようかと思った」
ノパ⊿゚)「それは寂しいから嫌だー!」
( ;ФωФ)「悪かったのである」
-
(*´・ω・`)「……これ美味しいね」
ノハ*゚⊿゚)「だろ! 姉さんに紹介して貰った店だからなー!」
(´・ω・`)「君らも何か頼みなよ」
ノパ⊿゚)「おう! ショボンもガンガン頼めよー!」
( ФωФ)「うむ! 我輩たちのオゴリである!」
(´・ω・`)「じゃ、食べ終わったら白玉団子でも」
ノパ⊿゚)「お汁粉下さーい!」
( ФωФ)「宇治金時お願いするのである」
川д川「はぁい……」
(´・ω・`)
川д川←濡れ髪白装束半透明
(´・ω・`)
川д川
川∀川"?
(´・ω・`)
-
*'``・* 。
| `*。
,。∩ *
+ (´・ω・`) *。+゚
`*。 ヽ、 つ *゚*
`・+。*・' ゚⊃ +゚
☆ ∪~ 。*゚
`・+。*・ ゚
その後:もうどうにでもな〜れ☆
-
(
)
i フッ
|_|
-
ダメだ、笑うww
-
以上、二十三本目 (´・ω・`)は見ちゃったようです
-
乙です
不思議な雰囲気で和ませてもらった
-
二十四本目、置いていきますね
.,、
(i,)
|_|
-
ミセ*゚ー゚)リ「あー疲れた。もうダメ。寝よ」
腕を伸ばして、固まった体をほぐす。
時刻はもう深夜三時前。
広げていたノートを閉じると、後ろのベッドへそのまま寝転がった。
ミセ*゚ー゚)リある日の夜更かしのようです
-
ミセ*゚ー゚)リ「寝れねー」
目がぱっちり。
それもそうだこんな時間まで起きていたのだから、当然の報いである。
それでも無理矢理眠ろうとまぶたを閉じると、不意に金属音が響いた。
きゃりきゃりきゃり。
きゃりきゃりきゃりきゃりきゃり。
ミセ;*-ー-)リ(何これ)
外からではない。
耳の内側から、言うなれば耳鳴りである。
寝返りを打とうとすると生温い風が吹いたような気がして、思わずびくついた。
強ばった肩。
こんなんじゃ、到底眠れそうにない。
ミセ;*-ー-)リ(あー最近、無茶しすぎたかなぁ。身体が悲鳴をあげておるのかね)
肩から力を抜き、再び寝返りを打とうと試みる。
-
が。
ミセ;*-ー-)リ(あれ)
動かない。
ぐ、と力を入れるがまるで動かない。
こんなの、初めての経験だ。
けれど、すぐに心当たる。
ミセ;*-ー-)リ(金縛り……?)
嘘だーーーと心では叫びつつもそれは声にならない。
わずかに開いた口の隙間から、ひゅうひゅうと息が漏れるだけである。
-
どすん、と衝撃が走った。
-
ミセ;*-ー-)リ(ヒッ)
明らかに、ナニカが乗っている。
動物ではない。
私の家は、何も飼っていないのだ。
そうしてどれほどの時間が過ぎただろうか。
不意に、唐突に、身体が自由を取り戻した。
ミセ*-ー-)リ(あれ)
後ろを恐る恐る振り向くも、誰もいない。
その時、足元に黒い影が見えた。
寝転がったまま視線を向けるも、真っ黒い影が三人。
そのうち、じっとこちらを見ている影と目が合う。
ミセ*-ー-)リ(なんだ、母さんか)
私はなんだか気が抜けて、そのまま眠りについた。
-
翌日の朝のことである。
その影を、母さんと思ったその違和感に、気がついたのは。
(
)
i フッ
|_|
-
二十四本目終わりです
よくある、実話です
-
実話かよ
乙です!
-
そーいうこと、よくあるよね…
-
二十五本目、頂きます
.,、
(i,)
|_|
-
川д川「綺麗な満月…」
(*'A`)「さっだこちゃーん!ここに居たんだね!」
川;д川「ど、ドラキュラのドクオさん。こんばんは」
(*'A`)「今日はいい満月だね」
川д川「そうですね」
('A`)+「こんな月夜が綺麗な日には、俺と墓地をお散歩なんていかが?」キリッ
川д川「お散歩ですか?別にいいですけど…」
-
( ^ω^)「ちょっと待つお!そんな変態野郎なんかより、僕と遊ぼうお!」
川;д川「あ、ブーンさん…」
(#'A`)「お前みたいに太りすぎて死んだ幽霊と貞子ちゃんが遊ぶわけないだろ!後、俺は変態じゃねー!」
( #^ω^)「女の子の生き血を吸うハズの変態がどうして幽霊の貞子ちゃんを口説いてるんだお!それに幽霊は幽霊同士くっつくのが一番だお!」
(#'A`)「食い物と恋愛は違うんだよ、バーカ!こんなピザ置いといて、俺と散歩に…ってあれ?」
( ;^ω^)「貞子ちゃんがいないお!」
(#'A`)「お前のせいで今日も散歩いけなかったじゃねーか!ふざけんなよ、ピザ!」
( #^ω^)「それはこっちのセリフだお!」
-
川д川「あの2人、うるさいから苦手…」
川д川「やっぱり、この桜の木の下が一番落ち着くなぁ…」
ガサガサッ…
川д川「ん?何か物音が…」
-
ある所に、大きな桜を真ん中に、お墓が桜を囲むように建てられている墓地がありました。墓地の後ろには小さな森があることから、小森墓地と呼ばれていました。
小森墓地には、どんな妖怪や男幽霊に口説かれてもなびかない女幽霊がいました。
その女幽霊の名前は、貞子。
彼女は生前は全くもてなかったので、自分は騙されていると思っていたのでした。生前はもてなかったのに、死後にモテ期がくるなんて、皮肉な話ですね。
-
このお話は…
川川川「……」
('A`)「あ、貞子ちゃん見つけた!」
( ^ω^)「本当、貞子ちゃんはこの桜がお気に入りだおねぇ」
川川川「……」
( ^ω^)「ん?貞子ちゃん、どうかしたのかお?」
(*'A`)「こっち振り向いて、その可愛い顔みせてよ!」
三川;д川「…お二方、どうしましょう」クルッ
(;'A`)そ「んなっ!?その抱きかかえてるものは…!」
( ;^ω^)「さ、貞子ちゃん!何てことだ、君は…!!」
( ;^ω^)「「子育て幽霊だったのか(お)!!」」 ('A`;)
(-_-)スヤスヤ
桜の木の下で、ある日貞子が赤ちゃんを拾ったことから始まりました。
-
川д川は子育て幽霊になってしまったようです
.
-
川;д川「シッー!!2人共、あんまり大きな声出さないで下さいよ!起きちゃうじゃないですか!」
( ;^ω^)「ご、ごめんだお!」
(;'A`)「それにしても、まさか貞子ちゃんが子育て幽霊だったとは…」
川;д川「違いますよ!私はただの浮遊霊ですよ!」
('A`)「どうりで俺に振り向いてくれない訳だ…子供が居たんだもんな」
( ;^ω^)「誰との子なんだお?」
川;д川「私の子じゃありませんよ!そもそも私は20歳独身で死んだ幽霊で、結婚さえしてないんですから!」
( ^ω^)「父親は責任取らなかったのかお…」
('A`)「貞子ちゃんは処女だと思ってたのに…」
川;д川「2人共、私のお話聞いてますか?この子はたった今、拾っただけで私の子じゃありません」
('A`)「大丈夫、俺、貞子ちゃんが処女無くても愛せるよ!」
( ^ω^)「僕だって、その子の父親になる自信あるお!」
川#д川「……2人共、いい加減にしないと本当に呪い殺しますよ?」
-
川д川「とりあえず、この子どうしましょう」
( ^ω^)「育てるしか無いんじゃないかお?」
川д川「育てるよりも親元に返すのが一番いい気がするのですが…」
('A`)「それは無理だろうね」
川д川「何でですか?」
('A`)「俺はこの墓地ができる前からここらに住んでるけど、子供を育てられない親がこの桜の木の下に捨てるってのは昔からあったからね」
川;д川「つまり、この子を親元に返しても育てて貰えないってことですか」
('A`)「そういうこと。また捨てられるのがオチだね」
川д川「昔は桜の木の下に捨てられた子供はどうなったんですか?」
('A`)「野犬に食われるか、双子の河童に食われるかだね」
-
川;д川「双子の河童って…墓地の奥の森にある池に住む兄者さんと弟者さんですか?」
('A`)「そうだよ。兄者は女の子を、弟者は男の子を食べてたね」
( ;^ω^)「あんな気さくな2人なのにやっぱり妖怪は妖怪なのかお…」
川;д川「どどどどうしましょう!この子、男の子だから弟者さんに食べられちゃいますよ!」
('A`)「貞子ちゃんが育てるっていうなら食べないでしょ。アイツら貞子ちゃんには甘いし」
川;д川「育てるって言っても、どうやって育てればいいんですかね…」
('A`)「仕方ないなぁ、俺が深夜働いてお金を稼いで赤ん坊の飯、何とかしてあげるよ」
川*д川「本当ですか!ドクオさん!」
('A`)「貞子ちゃんのためなら余裕だよ、余裕!幽霊は霊感が無いやつしか見れないからバイト出来ないし、俺がやるしかないしね」チラッ
( ;^ω^)「ぐぬぬ…」
('A`)「これでどっちが貞子ちゃんの旦那…じゃなかった、赤ん坊の父親に相応しいか分かったか?」
( ;^ω^)「僕だって子守なら任せてくれお!これでも生前は教師だったんだお!」
川*д川「それは頼もしいですね」
(;'A`)「ぐぬぬ…」
-
( ^ω^)「どっちが赤ちゃんの父親に相応しいか勝負だおね」
('A`)「望むところだ!」
(;_;)「ふぇえぇん!」
川;д川「2人共、静かにしてくださよ!おー、よしよし…」
(;'A`)「ご、ごめん」
( ;^ω^)「悪かったお…」
こうして、桜の木の下で拾われた赤ちゃんはドクオの稼ぎと、ブーンの教育と、貞子の愛情によってスクスクと育ちました。
-
('A`)「ドクオ2世ー、新しい服買ってきたぞー」
(-_-)「ありがと、ドクオパパ」
( ^ω^)「文太にそんな趣味の悪い服着せるなお。文太、それより僕と遊ぼうお」
(-_-)「うん、ブーンパパ」
(#'A`)「稼いでも無いくせに文句言うんじゃねーよ、ブーン!それに変な名前つけんな!」
( #^ω^)「そっちは勉強教えられないくせに!それに、2世ってなんだお!ここは日本だお!?」
川;д川「2人共、喧嘩はやめてくださいよ…」
(*-_-)「あ、貞子ー!」
ギュッ
川д川「よしよし。それにしても、名前が無いってのは不便ですね…」
('A`)「ドクオ2世と文太のどっちが良いか本人に決めて貰おうぜ!」
( ^ω^)「文太に決まってるおね?」
-
(-_-)「んー…僕、貞子に決めてほしいな」
川;д川「えっ、私!?」
( ^ω^)「たしかに、貞子ちゃんが決めるべきではあるおね」
('A`)「それは一理あるな、で、貞子ちゃん!どっちにする?」
川;д川(どっちを選んでも、面倒くさいことになりそうだなぁ…)
(-_-)「貞子、早く早く!」
川д川「えっーと…じゃあ、ヒッキー君で!」
( ;^ω^)「ひ、ヒッキーって、それはちょっと…」
(;'A`)「そうだよ、貞子ちゃん、それは…」
(*-_-)「わかったー!僕の名前、ヒッキーに決定ね!ありがと、貞子!」
川*д川「実は昔からいくつか考えてたんだよね、喜んでもらえてよかったぁ」
(;'A`)(忘れてたけど貞子ちゃん、センスねぇんだった…)
( ;^ω^)(ヒッキーって、ヒキコモリとかの意味あるおねぇ…)
こうして桜の木の下で拾われた赤ちゃんは、ヒッキーと名前も付き、ますます元気に育っていきました。
しかし、ヒッキーが成長し、みんなが恐れていた問題に直面することになりました。
-
川;д川「さて、恐れていたものがついに来ましたね」
( ;^ω^)「小学校入学問題だお…」
川;д川「そもそもヒッキー君には苗字すらないですしね」
('A`)「あぁ、それなら小森墓地の名前から貰って、小森ヒッキーでいいんじゃない?」
川д川「それいいですね。後はどうやって入学させるか…」
( ´_ゝ`)「それなら俺たちに任せてよー」
(´<_` )「任せろ任せろ」
川;д川「兄者さんと弟者さんじゃないですか…!ヒッキー君は食べさせませんよ!?」
( ´_ゝ`)「俺は男の子を食べる趣味はないよ」
(´<_` )「俺も……食べないよ、多分」
川;д川「多分ってなんですか、多分って!後、その間はなんですか!?」
-
( ^ω^)「まぁ、それよりどうやって入学問題を乗り越えるんだお?」
( ´_ゝ`)「河童の妖力でそんなのちょちょいのちょいだぜ?」
( ^ω^)「河童すげぇお…」
(´<_` )「まぁ、何とかしてやるから報酬くれ」
('A`)「何が欲しいんだよ、胡瓜とか?」
(´<_` )「んー…、ヒッキーの左腕一本とか」
川;д川「ダメに決まってるでしょうが!」
結局、胡瓜をあげることで2人は妖力によってヒッキーを小学校に入学させてくれました。
-
(*-_-)「わーい!ランドセルランドセルー!」
川д川「なんとか小学校入学させられましたね…」
('A`)「これまで以上に働かなきゃだけどね」
川;д川「私も働けたらいいんですけど…」
(;-_-)そ「え、貞子も働いちゃうの?」
川д川「うーん、働けたら働きたいかな?」
(;_;)「やだー!貞子は家に居てよー!」
川;д川「よしよし、分かったから泣かないの」
( ´_ゝ`)「仕方ないなぁ、貞子ちゃんのためにも人間に化けて俺らも働くか…!」
(´<_` )「えー、俺はニートしてたいんだが…。あ、ヒッキーの一部でも食わせてくれるなら話は別だが」
( ´_ゝ`)「流石弟者、クズだな」
しかし、なんだかんだいって手伝ってくれるのがこの河童たちでした。2人はドクオと違ってお昼も働けるので、ヒッキーの学費や生活費はなんとか賄えました。
-
無事小学校生活を送っていたヒッキーでしたが、小学校六年生の時、とても暗い顔をして帰ってきました。
川;д川「ど、どうしたんでしょう。ヒッキー君」
(;'A`)「まさか家が墓地にあるってのがバレて、からかわれたとか…!?」
( ;^ω^)「もしくは親が居ないことをからかわれたとかかお?」
( ´_ゝ`)「服がダサいとかかな?」
(#'A`)「ださくねーだろ!俺が選んでるんだから!」
(´<_` )「だからだせぇっていってんだろ」
川;д川「まぁ、私、ちょっと聞いてみますね」
( ´_ゝ`)「頼んだよ、貞子ちゃん。俺ら隠れて聞いてるわ」
-
(-_-)「…はぁ」
川д川「どうかしたの?ヒッキー君」
(-_-)「なんでもない…」
川;д川(ガーン…!今までこんなことなかったのに…)
川;д川「お、お菓子あげるから、ね?」
(-_-)「お菓子は別にいい…。ブーンお父さんがいつもくれるし」
川#д川(健康上に悪いからあげ過ぎは良くないっていつもいってるのに…!)
川д川「じゃあ、お願い一つなんでも叶えてあげるから何があったか話して?」
(-_-)「…なんでも叶えてくれるの?」
川д川「私が叶えられる範囲でね」
(-_-)「じゃあ、話す…」
ヒッキーはポツリポツリと今日あった出来事を話はじめました。
-
从 ゚∀从『なぁ、小森』
(-_-)『高岡、なにかよう?』
从 ゚∀从『小森って、誰も授業参観とか運動会とか来てくれたことないよな』
(-_-)『…うん』
从 ゚∀从『お前、家族に愛されてねぇんじゃねーの?』
(;-_-)『そ、そんなことないよ!』
从 ゚∀从『どーだか』
(;-_-)『そ、卒業式には来てくれるって言ってたし!』
从 ゚∀从『へー、そりゃ楽しみだな。本当だったらだけどな』
-
(;_;)「みんなが卒業式とかそう言うのに来れないの分かってるのに、悔しくて嘘吐いちゃったんだ…」
ヒッキーはポロポロと泣き出してしまいました。
川д川「…大丈夫、卒業式に私たちが行けば問題無いんだから」ナデナデ
(つ_;)「えっ!でも、貞子もブーンお父さんもドクオお父さんも学校には来れないんでしょ?」
川;д川「それは、その、うーん…」
( ´_ゝ`)+「そんな時の俺らですよ!」
(;-_-)そ「あ、兄者お兄ちゃん、聞いてたの?」
( ´_ゝ`)「河童は地獄耳だからな」
川;д川「兄者さん、なんとか出来るんですか?」
( ´_ゝ`)「1日くらいだったら、貞子ちゃんを実体化させるくらいは出来るよ」
('A`)「問題は父親を誰がやるかだよな…」
( ^ω^)「リアルファイトだおね」
川;д川「もー、皆で行けばいいじゃないですか!」
-
(-_-)「…みんな来てくれるの?」
('A`)「当たり前だろ、お前の晴れ姿なんだからな」
( ^ω^)「おっおっ、むしろ今まで行けなくて悪かったお」
川д川「そうですよ、みんなヒッキー君のこと愛してるんですから」
(*-_-)「ありがとう…」
川д川「ところで、その発言をした子の髪の毛を今度持ってきてくれますか?」
(-_-)「えっ、高岡の髪の毛を?なんで?」
川д川「ふふふ、ちょっとだけ痛い目見てもらおうかなと思ってるだけですよ、うふふふ」
( ;´_ゝ`)「さ、貞子ちゃん、それはダメだよ!気持ちはわかるけど!」
-
こうして、ヒッキーは無事、卒業式に家族全員に来てもらうことが出来ました。
(;A;)「いい卒業式だったな…!」
( ^ω^)「ヒッキーも中学生になるんだおねぇ…」
(´<_` )「美味しそうな子供多かったな」
( ´_ゝ`)「分かる。1人や2人、食ってもバレなそうだったよな」
川;д川「…兄者さんと弟者さん、本当に勘弁してくださいね、それは」
(*-_-)「皆、来てくれてありがとうね」
川д川「ヒッキー君の晴れ姿、みれて良かったですよ」
-
从 ゚∀从「おい、小森」
(;-_-)「あ、高岡…」
从 ゚∀从「…この前はあんなこといって悪かったな」
(-_-)「気にしなくていいよ、中学生になってもよろしくね」
从*゚∀从「お、おう!」
川*д川(いい子に育ったなぁ、私、本当に子育て幽霊向いてるのかも…)
-
川д川「そういえば、ヒッキー君。お願い一つ叶えてあげる約束してたよね、何がいい?」
(-_-)「あぁ、それは…」
('A`)「欲しいオモチャでもあるのか?」
(-_-)「ううん、オモチャは兄者お兄ちゃんがいつも買ってくれるから…」
川#д川(あげ過ぎは良くないって言ってるのに…)
-
川д川「じゃあ、何が欲しいの?」
(-_-)「……貞子、しゃがんで?」
川д川「え?なぁに、ヒソヒソ話?」
( ^ω^)「僕らにも聞かせて欲しいおー」
( ´_ゝ`)「まぁまぁ、貞子ちゃんに後で聞けばいいだろ」
(-_-)「あのね、僕のお願いは…」
川д川「うん、なぁに…」
-
チュッ
(゚A゚) ( ゚ω゚)( ´_ゝ`)(´<_` )
川;д川「……え?」
-
(*-_-)「僕のお願いはね、貞子と結婚して、お父さん達やお兄ちゃん達ともずっとずっと一緒にいること!」
(;'A`)「なななな貞子ちゃんと結婚!?」
( ;^ω^)「お、お父さんは許さないお!?」
( ´_ゝ`)「なるほど、だから貞子ちゃんのことはママとか言わなかったのか」
(´<_` )「母親じゃなくて、恋愛対象だったんだな」
川д川「……育て方、間違えましたね」
こうして、小森墓場の皆は末永く平和に暮らしましたが、成人式を迎えたヒッキーが本格的に貞子争奪戦に参加するのはまた別のお話…
-
二十五本目、お終い
(
)
i フッ
|_|
-
ほのぼのした
貞子かわいい
乙
-
二十六本目、頂いてきます
-
.,、
(i,)
|_|
二十六本目
( ゚д゚ )神様と願い事のようです
-
嘘のような本当の話だ。
今日も仕事で疲れて家に帰るとね、
川 ゚ -゚)「あ、頂いてます」
見知らぬ女が飯を食っていたんだ。
( ゚д゚ )「どなたですか」
川 ゚ -゚) 「神様だ」
ハハッワロス。
( ゚д゚ )「1、1、0と」
川 ゚ -゚) 「まあ待て」
するとね、僕はなぜか不思議な力で壁に叩きつけられたんだ。漫画とかでよくあるけど、あれって結構痛い。
「おい、うるせえぞ!」
( ゚д゚ )「あっ…すいません」
川 ゚ -゚) 「おわかりいただけただろうか」
そんな心霊特番のナレーションの決まり文句をほざく自称神様。
( ゚д゚ )「人じゃないってのは分かりましたよ…」
川 ゚ -゚) 「おかわりいただけるだろうか」
やらねえよ。
-
( ゚д゚ )「で、何しに来たんですか、神様(笑)」
川 ゚ -゚) 「(笑)は余計だよサラリーマン君」
…?僕は職業なんて言ってない。
そしておかわり食べるな。僕は出してないし出すとも言ってない。
川 ゚ -゚) 「まあ話して行くとだな」
川 ゚ -゚) 「ズバリ君毎週のように神社行ってるだろ」
( ゚д゚ )
川 ゚ -゚) 「こっちを見るんじゃない。…それでだ」
川 ゚ -゚) 「あまり平日に神社に来る人もいないこのご時世に君のような人間は稀だからね、特別に君の願いを叶えようと思うんだ」
( ゚д゚ )
川 ゚ -゚)「だからこっちを見るんじゃない」
訳が分からない。なんで知ってるんだ。もしかしてこいつ本当に神様なのか?
川 ゚ -゚) 「では君のここ最近願っている事を当ててみよう」
川 ゚ -゚) 「童貞卒業」
(うд⊂)「…とりあえずあなたが神様って事は理解しました」
川 ゚ -゚) 「なるべくおとなしいメガネっ娘年下彼女」
( うд;)「もう勘弁してくれ」
-
( ゚д゚ )「…いきなり願い叶えるとか言われても思い浮かばない」
川 ゚ -゚) 「まあそうだろうな」
(*゚д゚ )「あの…童貞卒業とかそんなん駄目でしょうか」
川 ゚ -゚) 「無理無理、神様でも出来ない事がある、ついでに君には一生恋人が出来ない」
( ゚д゚ )
川 ゚ -゚) 「こっちみんな」
流石神様の言う言葉だ。神ってだけでも説得力がある。納得したくないけど。
( ゚д゚ )「金とかいっぱい貰ってもきっと使いきれる自信がない」
川 ゚ -゚) 「そりゃ見るからにそんな顔だもんな」
他人から見て自分の顔はどんな顔に見えてるのだろう。「こっちみんな」と言われる度にそう思う。幸薄そうな顔なのだろうか。
( ゚д゚ )「………」
川 ゚ -゚) 「欲しい物とか無いのか?」
欲しい、物?
( ゚д゚ )「彼女以外で?」
川 ゚ -゚) 「以外で」
( ゚д゚ )「……」
川 ゚ -゚)
( ゚д゚ )「…話し相手」
川 ゚ -゚) 「賄い付きだぞ」
( ゚д゚ )
川 ゚ -゚) 「こっちみんな」
-
(
)
i フッ
|_|
( ゚д゚ )神様と願い事のようです
-
IDがクーだったのでクーとミルナの話
シューでもいい気がした
ミルナが好きです乙!
-
VIPのとあるスレ(非ようです)に投下あったんだが、ここに転載して良いの?
許可らしきものは取ってある
-
ブーン系の体を成していて許可らしきものではなく許可を得ているならいんじゃないかな
-
乙 ミルナ好きだからくそ嬉しい
-
27本目
ξ゚⊿゚)ξ・・・
http://viper.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1408118658/
より、「か(は)げのようです」
転載します
ξ゚⊿゚)ξ蝋燭立てればいいの?
.,、
(i,)
|_|
-
リーンリーン
( ^ω^)「虫の声を聴きながら蝋燭の明かりで本を読むのも風流おね」
ガラッ
ξ゚⊿゚)ξ「……」スタスタ
( ^ω^)「お? 誰だお」
(゚;ξ ξ「え?」クルッ
( ^ω^)「いや、お前だお」
-
ξ゚⊿゚)ξ「え、私? ツンよ!」
( ^ω^)「なんだ、ツンかお」
ξ;゚⊿゚)ξ「この部屋には私とブーンしかいないじゃない。
アンタ一体誰に話しかけてたのよ……不気味ね……」
( ^ω^)「いや、だからツン、君に話しかけてたんだお」
-
ξ゚⊿゚)ξ「それならそうと言いなさいよね、分からなかったわよ」
( ^ω^)「理不尽だお」
ξ;゚⊿゚)ξ「よいしょっと……って熱ゥッ!?」
( ^ω^)「ツン、蝋燭に近づき過ぎだお」
-
ξ*゚⊿゚)ξ「こ、これはちょっとボケっとしてただけなんだから!」
( ^ω^)「そうかお」
ξ;゚⊿゚)ξ「……!?」
( ^ω^)「どうしたお?」
ξ;゚⊿゚)ξ「あ、アンタの後ろに黒くて大きい何かが……!」
( ^ω^)「ツン、それは僕の影だお」
-
( ^ω^)「幽霊じゃないんだからちゃんと影があるに決まってるお」
ξ*゚⊿゚)ξ「い、言われなくたって知ってるわよ! そんな事!」
( ^ω^)「そうかお」
ξ;゚⊿゚)ξ「……!?」
( ^ω^)「今度はどうしたお?」
ξ;゚⊿゚)ξ「わ、わわわ私の影がないわ!!」
( ^ω^)「ツン、君の影は後ろに…………あれ?」
-
ξ;゚⊿゚)ξ「も、もしかして私……幽霊なの?」
( ^ω^)「そんなわけ無いお。だから大丈夫だお」
ξ;゚⊿゚)ξ「ででででも、私、影が……」
( ^ω^)「抱きしめてあげるから落ち着くお」
ξ;゚⊿゚)ξ「ブーン……」ギュッ
-
( ^ω^)「ほら、ちゃんと抱きしめられるお! だから幽霊じゃ無いお!」
ξ*゚⊿゚)ξ「そ、そうよね……」
(;^ω^)――――――√`ーz__,-―――――!!
ξ゚⊿゚)ξ「ブーン、どうしたの?」
(;^ω^)「尋常じゃない視線を感じるお……」
ξ゚⊿゚)ξ「もしかしてあれの視線かしら?」
(;゚ω゚)「あ、あれは!!!!!!」
-
\ /
\ 丶 i. | / ./ /
\ ヽ i. .| / / /
\ ヽ i | / / /
\
-‐
ー は げ
__ --
二 彡⌒ ミ = 二
 ̄ ヽ(´・ω・`)ノ  ̄
-‐ (___) ‐-
/
/ ヽ \
/ 丶 \
/ / / | i, 丶 \
/ / / | i, 丶 \
(;゚ω゚)「ハゲだお!!!!!!!!!!!!!!」
ξ゚⊿゚)ξ「ハゲなのね!!!!!!!!!!!!!」
-
(;^ω^)「光あるところには必ず影がある……」
ξ゚⊿゚)ξ「でも、その影を消す方法が存在する……それは」
ξ゚⊿゚)ξ(;^ω^)「「より強い光源(ハゲ)を用意すること……!!」」
(;^ω^)「謎は全て解けたお……!」
ξ*゚⊿゚)ξ「じゃあ私は幽霊じゃないのね!! ブーン大好き!!」
こうしてハゲにお帰りいただいた後、ブーン達は熱い夜を過ごすのであった……
めでたしめdたし
-
\ /
\ 丶 i. | / ./ /
\ ヽ i. .| / / /
\ ヽ i | / / /
\
( -‐
ー )
__ i フッ --
二 彡|_| ミ = 二
 ̄ ヽ(´・ω・`)ノ  ̄
-‐ (___) ‐-
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/ ヽ \
/ 丶 \
/ / / | i, 丶 \
/ / / | i, 丶 \
-
乙
なんかワロタ
-
乙です
なんだかんだで今日中に三十本行けるかなぁ
-
二十八本目、頂きます
.,、
(i,)
|_|
-
('、`*川「手から滑り落ちてしまうの、何もかもが」
ぼそぼそと手遊びをしながら彼女がいった。
その手には何ももっていない。
(´・_ゝ・`)「手に何ももっていないのにいったい何が滑り落ちてしまうんだい?」
('、`*川「だから、何もかもがよ」
-
僕と彼女の関係は世間一般でいう初対面。
始発電車、車両には僕と彼女だけ。
現在進行形の不思議な出会い。
(´・_ゝ・`)「具体的に何が滑り落ちてしまうんだい?」
('、`*川「全てよ」
やっぱり全然具体的じゃない。
('、`*川「物理的な事だけじゃないのよ、心理的な事も含んでいるのよ。それなのに具体的になんて無理な話だわ」
さてはて全くわからない。
(´・_ゝ・`)「どういうこと?手から滑り落ちてしまうんだろ?物理的な話じゃないか」
('、`*川「…」
彼女は呆れたようにため息をはいた、でも分からないものは分からないんだから仕方ないじゃあないか。
-
('、`*川「…本当はすでに全て失ってしまったのよ。だから手の上にはもうないの」
彼女は手遊びをしながら言った。 まだ彼女は僕の顔を一度もみていない、人と話す時はちゃんと相手の顔をみないといけないのに。
(´・_ゝ・`)「全てって、具体的に何を失ってしまったの?」
('、`*川「…全てよ」
会話はまた振り出しにもどる、双六をしているわけでもないのに。
(´・_ゝ・`)「すべてねぇ…」
今度は僕がため息を吐きながらそう呟いた。
-
電車はまだ発車しない、始発駅でとまったまま。僕たちのこの状況と一緒だ。双六に例えたらまだどっちも賽子を振ってはいない、スタート地点にいる。
賽子を先に振ったのは、彼女だった。
('、`*川「あなただって、何かを失ったことぐらいあるでしょう?」
質問ばかりする僕に、今度は彼女が質問をしてきた。
彼女の手遊びは、出会った頃に比べるとだんだん激しくなっていた。
(´・_ゝ・`)「ないよ、何もかも失ったことなんかないね」
僕はきっぱりといった、彼女の手遊びが一瞬止まった けれど、すぐにまた始まった、しかも悪化して。
-
('、`*川「嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ、何も失ったことがないだなんて、ありえないわ」
口調も手遊びもだんだん激しくなっていく。
(´・_ゝ・`)「本当さ、僕は何も失ったことはない。だって、僕は何も持ったことがないんだから」
僕と彼女の関係は、世に言う初対面。
出会いは始発電車、車両には僕と彼女だけ。
進行形の出会い、そしてこれっきりの出会い。
('、`*#川「嘘よ!!」
彼女は叫び、僕を睨み付けようと僕を初めて見た。
そして彼女は僕を認識した。その瞬間、彼女はとんでもない勢いで泣き出して僕に抱きつこうとした、けれどそれはかなわない。
-
(;´・ω・`)「なにをしてるんだ!」
二人きりの電車に、男の人が現れたから。
そして男の人は手遊びをする彼女の腕を掴み、電車からおろそうとし始めた。
(;、;*川「お願い離して、離してよ!!」
彼女は彼に哀願する、叶うことの許されない願いを。
-
(´・_ゝ・`)「…今回は電車、降りてくれないかな。あなたが乗ってると僕はいつまでたっても目的地にいけないんだ」
そう僕がいうと、彼女は、でもでも…と泣き崩れてしまった。
男の人は険しい顔でどこかへ電話している。
(´・_ゝ・`)「あなたは何も無くしちゃいないよ。それはただちょっと違う場所にいくだけさ」
それでも!と言わんばかりの彼女の手を引っ張って、男の人は彼女を電車から降ろしていった。
それと同時に発車のベルがけたたましくなる
-
(´・_ゝ・`)「気長に待ってるよ、それまでは二人ともお幸せに」
「父さん、母さん」
.
-
支援
-
聞こえたか聞こえなかったかは知らないが、ドアの向こう側に向かって僕はそう呟いた。
始発電車、目的地以外止まらないこの電車に残ったのは僕と、彼女が手遊びによって残した床に溜まった赤い水溜まりだけだった
-
二十八本目、お終い
(
)
i フッ
|_|
始発電車はお一人様限定のようです
-
乙ん
二十九本目いくよー
友に呼ばれてのようです
-
('A`)「ちょっと肝試しするよ」
友達のドクオがそう言って玄関から入ってきたのは陽もたっぷり落ちてからだった。
('A`)「そう嫌な顔するなよ、今は夏だぜ?」
夏だから? 冬でも言いだろと反論したいところだったが、そういう前にドクオは準備万端なようで。
('A`)「あ…懐中電灯切れちまった」
やはり、そこはドクオだった。
-
.,、
(i,)
|_|
('A`)「良かった、ろうそく持ってきてて」
アナログ万歳だ、時代の進化に流されないことも大事なんだな。
('A`)「え、携帯のライト?」
('A`)「ちょっと携帯失くしちゃってさ」
流石ドクオだ、おっちょこちょいめ。
教科書なんて毎日忘れてるから、隣の席の僕は苦労してるんだぞ。
-
('A`)「さーて、何処にあるんだ?」
〇〇の場所にある〇〇を取ってくる事。
ミッション肝試しのありふれたクリア条件の一つ。
と言っても発案者のドクオは答えを知っているはずなのだ。
('A`)「暗いと今自分がいる場所もわかんないな」
足元がギィギィとなってドクオの身体がビクってなった。
(;'A`)「怖、熱っ、ろうが溶けた!」
-
('A`)「にしても広いなぁ」
広いのはいいことだ、でっかいことは良いことだ。
('∀`)「海はひーろいなーおおきいなー」
怖い気持ちを紛らわすようにドクオは突然大きな声を出した。
しん、とした空間が震えてドクオが足を止める。
(;'A`)「…」
ゴクッとドクオの喉がなるのが僕にもわかった。
-
(;'A`)「ふぅうううううう」
今度は大きく深呼吸。
ドクオのお腹が吸い込んだ息で膨れる。
学校ではシャイで暗くていつも眠そうなドクオのいつもと違う一面に笑いを堪えるのに僕は必死だった。
('A`)「埃っぽいし、暗いし早く出よう」
外でサイレンの音が鳴っている。
('A`)「甲子園の始まりだー!」
野球部でもないドクオがそうやって駈け出した。
ドクオの手にあるろうそくの炎がグラグラと大きく揺れてギィギィとまた少し床がなった。
-
('A`)「うーん、何処だー?」
走ったかと思えば歩いたりキョロキョロしたりその場でじっとしたりしてドクオは進んでいく。
('A`)「明日から工事が始まるって言ってたからな」
……工事?
('A`)「ここは壊されちまうんだよ、実を言うともう見るのも嫌なんだ」
言いながら天井を見上げるドクオ。
そうなんだぁ
('A`)「だからさ、ちょっと忘れ物を回収しに参ったわけよ」
ガタッ
-
+++++++++++++++++++
(;'A`)「ショボン! ショボン!」
( ゚д゚;)「君!離れて!煙吸っちゃうから!」
(;'A`)「友達がいるんです!ショボンが!家の中に!助けて下さい!助けて!」
( ゚д゚ )「…私達の仲間が助けに行っている、安心しなさい」
(;'A`)「っあ…‥ボンぁう」
-
+++++++++++++++
J( 'ー`)し「来てくれてありがとうね、ドクオちゃん」
(A)「俺が…俺のせいです、おじさん、おばさん。俺、煙がいっぱいで、わけわかんなくなっちゃって、それで」
(`;ω;´)「あの野郎、タバコなんて…」
J( 'ー`)し「幸い身体は綺麗だったの…顔、見てあげてくれない?」
(A)「ショボン…教科書見せてくれる奴いなくなっちまって、困ってんだよ」
(A)「先生もさ、俺が忘れ物しても何も言わねぇの」
(A)「怒れよとか、思うんだけどさぁ」
(A)「あと俺、お前んちに携帯忘れてた…そのうち返して貰いに行くからな」
-
('A`) ピピッ
('A`)白 パカッ
13/8/16/04:50
差出人 ショボン
sub
待ってる
-
+++++++++++++++
(;^ω^)「え? 肝試し?」
('A`)「そ、発案者は俺です」
(; ^ω^)「言われずともわかるわ!」
('A`)「開催期間は今日、集合場所は…」
-
(; ^ω^)「ドクオ!何処行ったお!」
内藤が辺りを必死に見回している。
灯りの役目のドクオがいなくなったのだ、うろたえて暗闇の中で一人、狼狽している。
僕もそうだった、熱くてさ、凄く怖いんだ。
でも煙が入ってきてからは一瞬だった。
(;^ω^)「人んちに無断で入るからこうなるんだお…」
遠慮しなくてももう誰も住んでないから大丈夫なのにね。
( ^ω^)「…なんか焦げ臭いお」
( ゚ω゜)「」
-
16日の4時頃AA県VIP市の家屋から火が出ているのを近所の住人が見つけ通報した。
火災はすぐに消し止められたが家の中から近所のVIP高校ニ年生の鬱田ドクオ君(17)が遺体で見つかった。
家屋は当時誰も住んでおらず欝田君は友達と肝試しに来て突然いなくなったという。
消防は欝田君が灯りにしていたろうそくが出火原因と見て一緒にいた少年に話を聞いている。
出火した家屋は一年前にも火事が起きていてその際も少年が一人亡くなっている事から警察は関連を調べている。
+++++++++++++++
-
+++++++++++++++
( ^ω^)「去年ドクオから来たのと同じメール…」
( ^ω^)「きっと嫌がらせだお…」
( ^ω^)白 ピッ
14/8/16/04:50
差出人 欝田ドクオ
sub肝試ししようぜ
日曜日ショボンの家で肝試ししようぜ
玄関に迎えに行くから
ろうそくとか用意しとけ
火曜は皆で
えいがでも見に行こうぜ
恋愛物とかツン見たがってたし
内藤は火曜空いてる?
クーとか良ければ誘っておいてよ
夏だしもしかして俺にもチャンスあ
るかもしれん、頼む内藤!
( ^ω^)白 ピッ
-
ξ゚⊿゚)ξ「ねぇねぇ、ここってショボンの家でしょ?」
( ^ω^)「…」
ξ゚⊿゚)ξ「火事あったの…二年前だよね」
( ^ω^)「会いに行くお、僕の友達に」
ろうそくを持って
-
(
)
i フッ
|_|
二十九本目おしまい
-
おつおつ
ドクオのメール…!!
-
乙
もうすぐ30か…
-
三十本目、頂きます
.,、
(i,)
|_|
-
( ´_ゝ`)「死にたい死にたい…」
あまりにストレート、 そして過激な台詞を吐く、 それは俺の影だ。
(´<_` )「うるさいな、黙れ」
( ´_ゝ`)「死にたい死にたい…」
悪霊か何かでもついているのかも知れない。
1ヶ月前からこんな調子だといい加減ムカついてくる。
仕方ない、明日は仕事を休んでお祓いでもしてもらおう。
( ´_ゝ`)「死にたい死にたい…」
まだいってやがる。
もうほっといて寝よう。
-
可哀想な彼のようです
.
*
-
有名な霊媒師なる者の所へやってきたのは良いものの、
川д川「…あなたは残念ながら『あなた』に憑かれています」
バカな事をいいだしやがった。
(´<_` ;)「はぁ?何をいっているんだ」
川;д川「嘘だと思うでしょう、私もこんなケースは初めてで す」
ダメだな、こいつ。
(´<_` )「もう良いですよ、帰ります」
川д川「…あなたは消えます、何故ならあなたは『あなた』で はないのだから」
霊媒師なんてあてにした俺が馬鹿だった。
-
次の日、同僚に昨日の話をした。
(´<_` )「な、馬鹿げてるだろ?」
('A`)「…いや、あながち霊媒師の話は正しいかもな」
同僚は笑いながら言う。
(´<_` ;)「は!?」
こいつ、頭がどうかしてるんじゃないか?
('A`)「だって、お前変わったもん」
(´<_` )「何もかわってないだろ?」
('A`)「いやぁ、変わったよ」
意味がわからん、もういいや。話してる時間が無駄だ。
(´<_` )「…わりぃ、まだ仕事残ってたわ。 又明日な」
もういい。 話を切り上げてしまおう。
('A`)「そうか、また明日な」
ったく、どいつもこいつも…
-
( ´_ゝ`)「死にたい死にたい…」
家に帰ると影の声がいつもより家のなかに響いた。
声が日に日に大きくなってきているようだった。
(´<_` #)「うっせぇな、死にたきゃ勝手に死ねばいいだろう!」
怒鳴る俺、なんて近所迷惑な行為だろう。
( ´_ゝ`)「…できないんだ。」
初めて影が死にたい以外でしゃべった。
(´<_` )「なんで死ねないんだよ」
( ´_ゝ`)「…キミが止めるからだ」
はぁ? ふざけるな、止めた覚えなんかない。
(´<_` )「何をバカな事を」
-
( ´_ゝ`)「止めたんだ、キミは。 キミはボクと違ってたから」
意味がわからない、しかし話をやめることはできない。
何故なら気になるからだ。
(´<_` )「どういう意味だ?」
( ´_ゝ`)「1ヶ月前、キミはボクが死のうとしたのを止めたんだ」
1ヶ月前と言えば、ちょうど影の声が聞こえるようになったぐらいのときだ。
(´<_` )「そんな記憶はないのだが」
( ´_ゝ`)「…」
急に無言になる影。
-
(´<_` )「…何故、死にたくても死ねないんだ?」
話を元に戻してみた。
( ´_ゝ`)「…キミが止めるからだといってるだろう」
(´<_` )「じゃあ、止めないから死ねばいいじゃないか」
次の瞬間、見えたのは下からの眺めで見る俺だった。
そう、俺は『影』になっていた。
-
(´<_` ;)「なんだこれ!」
俺は叫んだ。
( ´_ゝ`)「今度は止めないんだろ?」
影だった俺が笑いながら続けて言う。
( ´_ゝ`)「いつからだったかな、キミが喋りかけてくるようになったのは。
キミは何時もボクが死のうとするたび止めてくれたね。ボクはキミだけは、ボクを救ってくれるんだと思ってたんだ」
笑いながら息継ぎもせず、奴は言う。
( ´_ゝ`)「1ヶ月前、遂にボクも本当に死のうとした。その時キミは言ったよね」
1ヶ月前、俺は何を…?
-
( ´_ゝ`)「『やめろ!俺は生きたいんだ!!』って…」
奴は笑いをやめた。
-
( ´_ゝ`)「次の瞬間、キミとボクは入れ替わってた。 ボクは今までの人生の中で一番ショックだったよ。所詮キミも自分の欲望のためだけにボクを助けてたんだとおもうと。
ボクは裏切られたんだ」
何もかもを全て思い出した。
そうだ、本来は俺がコイツの影だったのだ。
( ´_ゝ`)「ここは二十階だね、ここから落ちたらさぞかし痛いだろうね」
…遂に俺も死ぬらしいな。
( ´_ゝ`)「裏切ったキミを道連れに、ボクは死ぬよ」
(´<_` )「…裏切ったんじゃないんだ。ただ、俺はお前の影として生きていきたかったんだ 」
( ´_ゝ`)「最後の言葉まで、嘘をつくのかい?」
嘘なんかじゃない、嘘なんかじゃないんだ。
( ´_ゝ`)「まぁいいや、どうあがいても君は道連れなんだから」
-
二十階から飛び降りた彼、彼はもちろん死んだ。
それは彼の望み道理に終わった。
死ぬ事しか望んでいなかった可哀想な彼。
可哀想な彼のお葬式、
それはささやかなお葬式、
何故か霊媒師もきていたが…
-
そんなささやかなお葬式に来ていた同僚は、霊媒師に声をかけた。
('A`)「あいつは…どうなったんですかね」
川д川「あの体の持ち主は勿論死にました」
('A`)「いや、そうじゃなくて」
同僚は言う。
('A`)「死ぬ前のアイツですよ」
川д川「あぁ、あの方の体を乗っ取っていたあの方の影ですね」
('A`)「そうそう! 面白い奴だった、『アイツ』自体は全くもってつまらないし変な奴だったから葬式に来るの悩んだけど…。
影の方は面白いし良い奴だったから葬式に来たんですよ」
-
彼の同僚は、 「惜しい奴を失った」 と泣いていた。
霊媒師は死んだ彼の写真を見ながら
川;д;川(なんて可哀想な方なんだろう)
と涙した。
誰も彼の死を悼むことはなく、
誰も彼も悼むのは彼の『影』の死だったのだから
-
三十本目、お終い
(
)
i フッ
|_|
-
三十一本目は俺がもらう!
-
――ある日の夜。
('A`)「…………………」
(´・ω・`)「スー、スー」
('A`)「……ショボンは静かでよろしいよ」
('A`)「…………………」
( ^ω^)「ぐおぉ〜すぴぃ〜ごっ、がァ〜」
('A`)「こいついびきうるせえし、寝顔きめえwwwwwww」
('A`)「……折角岩手まで遊びに来たのになんてざまなんだ」
時刻は午前二時半。
俺とブーンとショボンは高校一年の夏休みに旅館で温泉に入っていたら、ブーンがはしゃぎすぎて滑り、頭を打ち、ノックアウト。今まででショボンとジュースを飲んだり、布団に寝転がっていたらショボンは寝てしまいこんな時間になっていた。
('A`)「とりあえず、歯磨きでもしてこようかな」
.
-
.,、
(i,)
|_|
('A`)座敷童子と遭遇したようです
(*゚∀゚)
.
-
('A`)シャコシャコ
('A`)「そういえば、午前2時の合わせ鏡はなんか幽霊出るとか言ってたな…………大丈夫だよな」
('〜`)ガラガラ
('3-`)ペッ
('A`)「歯磨きでもしたし、もう寝ようかな……」
('A`)
(;'A`)「ちょっと待ってよね、ほんとにお化けなんていないよね?なんで鏡に着物っつうか、浴衣みたいな女の子がいるんだ……」
(* ∀ )
(;'A`)「嘘だよな、嘘だと言ってくれよ」
(* ∀ )「ウーラーメーシーヤー……」
(*゚∀゚)「うがあああああああ!!!!」
(’A’)「あばばばばばばばばばばばば」バタッ
(*゚∀゚)「アヒャ、引っかかったーwwwwwww怖かった?wwww………あれ?やり過ぎたかな?おーい!起きろー!うぉーーーーい!」
( ^ω^)「ごっ、ぶっ!、がぉー、おならくせーお………」
.
-
――午前四時ぐらい
('A`)「…………あれ?俺いつの間にか寝てたのか?」
なんだろう、この後頭部にある柔らかくて、鼻をくすぐるシャンプーの香りは…………。
(*゚∀゚)「アヒャ、やっと起きたか?」
('A`)
('A`)「…………あぁ、これは欝の末期症状なんだ。自殺しないと、けどここでは迷惑だから、遭難ってことで死んだってことにしといた方が、あ、後遺書も……」
(;*゚∀゚)「いや?ちがうよ?ちがうかんね?私はね座敷童子だよ!あの妖怪!」
('A`)「え?まじで?信じられねえ」
(*゚∀゚)「アヒャ、まじだぞ!」
座敷童子。
妖怪であり、おかっぱで5歳ぐらいの子と聞いたことがあるが、だが現実は違うのかな?
(*゚∀゚)
あの子は髪型はオレンジ色のショートカット、やや幼さを残した顔に、身長は140cmこえてるだろうか?まあ小さいにはかわりないか……けど、スタイルはほんとにいいと思う。
(*゚∀゚)「なにじろじろ見てんだよ」
('A`)「ヒィ!ごめんなさい!」
けど、結構暴力的な女だなと思う。
.
-
('A`)「で?どうしたんだ?座敷童子さんよ?」
(*゚∀゚)「アヒャ、実はなお願いがあってな……」
('A`)(マンドクセ……)「……なんだ?聞いてやるよ?」
(*゚∀゚)「……2時間私の愚痴を聞いて欲しいんだ」
('A`)「そんぐらいの事かよwww別にいいぞ!ジュース飲むか?」
(*゚∀゚)「カルピスでお願い!」
.
-
(*゚∀゚)「でさー!そいつが全然怖がんなくてさ!」
('∀`)「wwwwwwwまじで!俺はお前に驚かされたけどな(笑)」
(*゚∀゚)「素直に私怖いって言えよ!」
実際に妖怪さんとこう喋ってるって事が恐ろしいです。
普通にジュース飲むんだな。
座敷童子もいろいろ大変そうだ。
5歳から15歳の人がまで旅館やあちこち行って、縁起物と勝手にされて都合よく旅館使われて、客を驚かしても縁起物として扱われてるから、そのことばかり言われてなにも触れられないとか普通の妖怪は怖いのにどうしてわたし達はとかとにかく愚痴ばかり聞いた。
俺もブーンのことを愚痴ったらものすごく笑ってくれた。
笑顔可愛かったな……。
ちなみにこんなに喋りたいと思ったのは俺とかだってよ!
へへっ!羨ましいだろ!
(*゚∀゚)「あ、もうこんな時間か……」
気がつけばもう6時まで後15分前だった。
.
-
(*゚∀゚)「ドクオ、私ね今日をもってねこの座敷童子って妖怪をね引退するんだ」
('∀`)「お!よかったな!これからゆっくりできるじゃん!」
(*゚∀゚)「……でね、後一年したらね私人間になれるの」
('∀`)「おぉ!まじか!wwwwwww俺嬉しいぜ!」
(*゚∀゚)「けどね……私不安なんだ」
('∀`)「なにがだ?」
(*;∀;)「……私上手くやっていけるかな………けどね、それよりね、1年後にドクオとあってね私の事忘れてないかなって思って………」
('A`)「人間はな俺みたいなやつに優しくしてくれるいい奴らばかりだよ!けどな!俺が座敷童子の事を忘れるはず無いだろ!」
(*;∀;)「けど、忘れたられたときは私は一人ぼっちだよ!どうすればいいの?ねぇ!どうしたらいいのよ!!」
その時、口が勝手に動いた
.
-
(#'A`)「俺はお前が好きだから忘れるはずねえ!」
(*つ∀;)「…………え?」
あ、やべ!
言ってしまった!
('A`)「驚かされた時は暴力的な人かなとか思っちゃったけど、愚痴とか聞いてると次第に座敷童子に惹かれていった!もう振ってもいい!振ったら友達でいましょとかいってくれるだろ!?」
もう振られてしまえ……。
(* ∀ )
(* ∀ )ププッ
(*゚∀゚)「アヒャヒャヒャヒャwwwwwww笑いすぎてお腹痛いwwwwwww」
(#'A`)「……なんだよ!」
(*゚∀゚)「…………ありがと、どっくん元気もらった。告白の返事はね…………」
('A`)「あ、ああ……」
(*゚∀゚)「私の事、覚えてくれてたら返事してあげる!」
.
-
(#'A`)「なんだよ!その上から目線!後どっくんってなんだよ!」
(*゚∀゚)「アヒャヒャヒャヒャwwwwwwwやっぱりどっくん面白いwwww」
(*'A`)「……もういいわ」
正直、笑顔が可愛すぎて見とれてしまった。
(*゚∀゚)「……じゃあまたね!」
('A`)「あ、目をちょっと待って」
(*-∀-)「ん?なになに?」
俺は、バックの中になぜ持っているのかがわからないひまわりの花を取り出し、彼女の右の頭に付け、デコピンした。
(*-∀-)「あでっ!」
('A`)「目を開けていいよ」
(*゚∀゚)「……なにがあったの?w」
('A`)「まあいいから速くしないと6時過ぎるぞ!」
(*゚∀゚)「アヒャ!そうだった!」
さあ、来年。
君に会えることを僕は祈っている。
.
-
(*゚∀゚)「どっくん!」
('A`)「ん?」
(*゚∀゚)「ありがと!また来年ね?」
('∀`)「おう!」
最後に見せた笑顔は尋常じゃないほど可愛かったな。
.
-
('A`)「さあ寝るか……」
( ^ω^)「どっくん……」
('A`)
(* ^ω^)ポッ
(;´・ω・`)「おはよう、みん……てっ、なにやってるのドクオ!」
(; ^ω^)「………むごむご!ドクオ悪かったお!許してお!見ちゃってごめん!頼むからどっから持ってきたかわかんないフライパンしまえおおおおおお!」
(#'A`)「離してよショボン!このバカの脳みそを引きずり出してやるんだ!」
(;´・ω・`)「だめたよ!ふらはよくない!!」
(#'A`)「ちくしょおおおおお!」
こうして、高校一年の不思議というかこれからも続くであろうという体験が終わった。
.
-
――高校二年、一学期の終業式の朝のSHR前。
俺は、クラスメイト達と夏休みの計画をたてていた。
( ゚∀゚)o彡°「おっぱい!おっぱい!」
(# ^ω^)「ブーンは貧乳教だお!だからジョルジュ!悔しいがここで対立だお!」
(# ´∀`)「そうだモナ!ちっぱいことはいいことだモナ!あ!ジョルジュいい加減僕のAVコレクション返せモナ!」
(´・ω・`)「お前ら、静かにしねえと掘るぞ」
( ^ω^)
(´・ω・`)
( ´∀`)
(,,^Д^)「ギコハハハ、今日も賑やかだな!夏休みが待ちどうしいぜ!」
('A`)「あぁ……そうだな」
(,,゚Д゚)「おい!元気ねえぞゴラァ!後4時間授業頑張ればカラオケなんだから頑張るぞ!」
('∀`)「あぁ!そうだな!」
.
-
(´・ω・`)「ドクオ!」
('A`)「なんだ?ショボン?」
(´・ω・`)「あれから一年経とうとしてるけど、あの子と会えなかったからどうするつもりかい?」
('A`)「あーそうだな、俺は会いにいくぜ、あの旅館まで!お前もブーンも強制だからな」
(´・ω・`)「やれやれ、人使いが荒いよwわかった、楽しみにしてる」
ショボンと会話していたら
N| "゚'` {"゚`lリ 「今から席を着かなかったら俺にケツ穴をよこせ」
先生が入ってきた。
.
-
N| "゚'` {"゚`lリ「こんな時期だが、今から転校生を紹介する、正直すげー美人だと思った。この俺が認める。お前ら襲うなよ。おっと!俺は生徒でもノンケでも構わないさ」
そして、男生徒は盛り上がる。
まさか、まさかな。
座敷童子の予感がするのは気のせいだよな。
N| "゚'` {"゚`lリ「つーさん、入っておいで」
俺が見えたのは、まだ幼さが残った顔、オレンジ色がなびくショートカット、ちょっと背が伸びたが小さい。
――そして、俺があげたひまわりの花
そんなそんな……
('A`)「座敷童子じゃねえか!」
俺はあまりの驚きを隠せずに立ってしまった。
(; ^ω^)「どっ、ドクオー!」(;´・ω・`)
二人は小声で俺を呼び、前後ろから俺が立とうとしている所を押さえつけると言うか叩いてくる。
( つω;)「よかったお…ほんとによかったお…!」
(´;ω;`)「ほんとによかったね…!」
(;A;)「お前ら、グズッ」
N| "゚'` {"゚`lリ「では、自己紹介だ。内藤、ショボン、ドクオは後でトイレに来い!何回も行ってるだろ?俺はノン(ry」
そんなことはどうでも良かった。
はやく!はやく座敷童子と喋りたい!
.
-
(*゚∀゚)「つーです!後一年半しかないですけどよろしくお願いします!」
この声は座敷童子の声だった。
もう胸がはちきれそうなんだ!
早くしてくれ!
(*゚∀゚)「…あの?どくおくんの席の隣空いてますか……?」
N| "゚'` {"゚`lリ「ああ!空いてるさ。今日からドクオの席で勉強することになった!ドクオよろしく頼むぞ!」
男子生徒からブーイングが聞こえる。
(# ´Д`)「おい!お前!なんでこんなろり娘と!ハァハァ」
モナーが興奮しすぎてダメになったみたいだ。
.
-
N| "゚'` {"゚`lリ「じゃあ1時間目は俺が担当する現代文だ。まずはくそみそテクニックの3Pを…失礼、P23を開いてくれ」
('A`)(今授業中だから喋れないから机に書こう)
俺は
『よ!座敷童子!どうだったか?一年の休養?』と書いた。
(*゚∀゚)φカキカキ
『どっくん、もう私はつーて名前あるんだからそう読んでよ!……後、ひまわりの花ありがと?私似合ってるかな?』
('A`)φカキカキ
『どっくんいうなwwwめっちゃ似合ってるよ。そうだな!つーお疲れ!これからもよろしく!』
(*゚∀゚)
(*-∀-)
(*-∀-)φカキカキ
('A`)「〜〜〜〜♪」
(*゚∀゚)「ねぇねぇ!」
('A`)「おま!阿部先生の授業…あ……」
つーは幼さ残る顔で最高の笑顔を見せながら僕の机に書いた最高のメッセージを見せた――
,
-
――『どっくん!だーーーい好き!』
ってね!
.
-
三十一本目、お終い
(
)
i フッ
|_|
-
みんな乙!
ようやく参加できる!
-
今日と明日で70本近くか、
作品投下の混雑が予想されるな
-
昨夜一日で、前半三日分を超える投下があったんだなあ
-
みんなお疲れ様です
>>701が言ってる通り、今日と明日の投下は混雑すると思う
もし最終日の時点で投下できなかった、しきれなかった人が多ければ、日程を月曜日まで延ばそうと思うんだがどうかな
-
希望者が多ければそれもいいと思う
一日程度の延長ならgdらんだろうし
-
そういや今年は感想会みたいなのやるのかな
-
翌7時までなら伸ばさなくても行けると思うけどな
後を伸ばすよりかは投下時間を前に伸ばしたほうがいいとは思うけど
-
やっぱり一日延ばすのは時間が多すぎるかなと思ったんで、>>706の案で行こうと思う
最終日、つまり明日の開始時間だけ16時にするよ
-
見える……開始時刻を早めても過疎ってるこのスレが見える……
-
投下できなかった・しきれなかった人への救済措置なら、開始時間を早めるより終了時間を遅らせる方がいいのではなかろうか
でも終了時間は平日の朝だから、それはそれで難しいか…
-
>>709
平日の朝は忙しいだろうし、終了時間を遅らせたら百物語の雰囲気的にどうなのかなって思ったんだ
夕方から朝にやるからこそ雰囲気が出るんだと思うし
-
言われてみれば、たしかに昼前の百物語となるとちょっと締まらんね
そして気付けばもう本日の開始時間来てた
正座待機
-
三十二本目
.,、
(i,)
|_|
-
(´-_-`)Zzz
(´::.;ω:.,.::`)ズズズ・・・
ズズズズズス(´::.;ω:.,.::`)゙ズズズズズズ・・・・・・・
(´-_-`)
(´・_・`)
(´::.;ω:.,.::`)
(´::.;ω:.,.::`) キョエエエエエエエエエエエエエエァアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
キ―――――――――――――(´>_<`)―――――――――――――ン・・・
(´>_<`)
(´>_・`)
(´・_・`)
(´・_・`) うるせェ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜なァ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
(´::.;ω:.,.::`)
(´・_・`)
(´::.;ω・`)
(´・_・`)
(´・ω・`)
(´・_・`)
(´・ω・`) あのさ
(´・_・`) ん?
(´・ω・`) 驚けよ・・・
-
(´・_・`)ぼくはショボンだよのようです
.
-
(´・_・`) え、いや
(´・_・`) なんで?
(´・ω・`) いや、・・・先日死んだはずの友人が部屋にいてさ
(´・ω・`) しかも寝てる所に現れて起き抜けに奇声浴びせてくると来た
(´・ω・`) 驚けよ・・・
(´・_・`) うーん・・・いや、なんかドラえもんにもこういう回があった気がするけど、ジャイアンと同じセリフ言うわ
(´・_・`) 幽霊は怖いが、ショボンは怖くない
(´・ω・`)
(´・_・`)
(´・ω・`) 俺どうしたらいいん?
(´・_・`) 帰れ
-
(´・ω・`) いや帰れん・・・せっかく死んでまで恨みを晴らしに来たんだ、意地でもお前を痛い目に合わせるぞ
(´・_・`) なあ、そもそもなんで化けて出るくらい俺に恨み持って死んだん?
(´・ω・`) えっ・・・それ普通化けて出た本人に聞く?
(´・_・`) まーま、この際だから言っちまえよ、ぼくらマブだろ?
(´・ω・`) 顔とノリが一致してねえよ・・・つーかさっきからの俺の言葉聞いててよく俺らマブだろなんて言えたな・・・
(´・ω・`) そもそも、お前が・・・
(´;ω;`) お前が、俺の彼女を奪ったのが悪いんだろうが!!!!!!!
―――――――――――――
――――――――――
―――――――
-
(´・ω・`) あー暇だ
(´・_・`) ああ、あまりにも暇だったからお前の彼女にメールしてみたわ
(´・ω・`) ん?どれどれ
To:デレさん
件名:ぼくはショボンだよ
ぼくみたいな金玉おばけじゃなくてショーン小練君の方がイケメンじゃね?
付きあうんだったらショーンにしときなよ
(´^ω^`) ちょwwwwwwwお前これは流石にwwwwwwwwwwww
(´・_・`) え?流石にって何が?
(´・ω・`) え、いやだってお前
ヴー、ヴー
(´・_・`) お、返信
(´・ω・`) 見せてみろ
From:デレさん
件名:Re: ぼくはショボンだよ
一理ある
(´・ω・`)
(´・_・`) 計画通り
(´・ω・`)
-
―――――――
――――――――――
―――――――――――――
(´・_・`) 回想短ッ
(´;ω;`) だから俺は自殺までしてお前に復讐に来たんだよ!!
(´・_・`) もうちょっと現世で頑張れよ・・・
(´;ω;`) うるせェーんじゃボケ!死ね!!
(´・_・`) お前が殺せよ、幽霊になったんだろ?
(´・ω・`) はっ、そうだ・・・!幽霊になったからには何かしら都合のいい能力が身についているはず
(´^ω^`) フハァーハハッハァー!!バカにしてられるのも今のうちだァ!!今からお前を特殊能力で殺してやるぜ!!!
(´・_・`) ほう
(;´・ω・`) ムムムム・・・ハッ!!!
i
l\ ┌:, ,!'| ` .
! | !ヽ. ,、 |\_|| ’ j i! i ,-、、
! .| l l.|゙i |「`ヽ`i { || / /
l | l |! l └′/,/ :、,ィl! l! {′/ ;/
! ヽ、 ̄ `''' , ` Yl!|: | |. / /
! r 二コ | 、 ゙リN: ; !li└ヽ/ /゙:、
| | }'′ i ;}|! ,/ ,/
``' ,:;:;:,! ''′ ,. !/ _,,.-'' ヽ
(''゛ j! ..:;;:==-:、 ゙''"ィi {ヘ!,l .
〃’ :; {`' ,ィ゛ '′. ) jj」li|liY、⌒}
j∨il!ィ' {’ へヾ;;イ
’ λ' ,j、l! / 、 ., ,il{ ,゙!j!;| :
゙ハ! ;. ゙:、 j| '/'}′ ,
じ:、 i,' ゙:、 ,,., ′彳レ/
丶、v{ ヒ! i!||il. , 八 Z
__ _,ゝ、;_ ゛:|! ゙ ,rカ  ̄
_  ̄`ζ」'(´ ヽ j! ゛ ,ィ彡′_.. -
二 ニ ゙て∠rιク_;.,、_,ー-'^- =ニ_
(;´・ω・`) 規模すごっ!
(;´^ω^`) だが・・・フフフ、これであいつに一矢報いることができた・・・
-
「今・・・何か、したか?」
(;´゚ω゚`) な・・・
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : 、 :::::::::::::::::::::::::::::::::::::
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y. : : : : : :):y'"~) ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;, ノ::⌒:::〜':" : . y: ⌒ :
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. : : : : : :::.:: ,,..': :y'"´:ノ:::::'" ;;;;;;; ;;;;;;;;;;;;;;;;;;. '';;;;;, :〜''”~: ..、. . : : : : : :
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: : :':⌒ : : : : : : . . . ':. '':;,゙ .;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; '" '": : : . . .: : :.:"'y'´. . ... : : : ::: :): : . .r'"~: .: : . . : : : :
: : : : : : : : : : : : ⌒ ;;;;;;;;;;:;;;;;;;;;; ,:〜へ: :ノ ゙⌒: : . . {,... : : . :.. .⌒ :〜':" : . y: ⌒.:
: : : : : . .: : : :,.〜 '~ ';;;;;;;;;.';;;;;;;' :" : . y: : : : .y'" . ..,). . : : : 〜 ::::::::::,:' :〜 { :
: : . . : 〜'~ソ: :,. y' ;;;;;;;;.;:;;;;;;; ,:' :〜 { : . : : : ::: :): : . .r'"~: .: : . . ''”~: ..、. . : : : : : :
y. : : : : : :):y'"~) .:〜'; :〜''”~: ..、. . : : : : : : . .. :ノ ⌒: : .:ノ ⌒: : . . {,,... : : . :.. . . : :
. : : : : : : : : : : :⌒ソ ,. : -ー'"~"'"⌒ . ... :ノ ⌒: : . . {,,... : : . :.. . . : ⌒: : : .y'"⌒: : : .y'" . ..,). . : : : 〜 : :
. : : : : : :::.:: ,,..': :y'"~~ :-、:: . ⌒: : . .,,. - ⌒: : : .y'" . ..,). . : : : 〜 : : ... : : : ::: :):. : : : ::: :): : . .r'"~: .: : . . : : : :
: : : : : : : : : : :,, '": : : : : :'": : : . . .: : :~"'y'´. . ... : : : ::: :): : . .r'"~: .: : . . : : : : :ノ ⌒: : .:ノ ⌒: : . . {,,... : : . :.. . . : :
(´・_;..,:::`) 全く、困るな・・・ぼくの家なのに
(´・_・`) 家具が壊れたらどうする
(;´゚ω゚`) お前っ!なぜ生きてる!
(´・_・`) 忘れたか?ぼくの性質は「無気力」。自分から攻撃する気が起きないのは弱点だが、お前の攻撃を受ける気もぼくにはない
(´・_・`) お前の「能力」では、ぼくの「性質」にすら敵わないのさ
.
-
(;´・ω・`) くそっ・・・バカな、能力が効かないだって!?そんな奴、勝てるわけが・・・
(;´゚ω゚`)(逃げるッ!)
(´・_・`)シュン おっと、待ちなよ
(;´゚ω゚`)(速・・・)
(;´゚ω゚`) お前っ!自分から攻撃できないんだろ!?フフハッ、なら足止めなんかできないはずだ!俺は逃げる!おとなしくそこを・・・
(´・_・`) なあ、なあ
(´・_・`) 自分から仕掛けておいて、そりゃあないんじゃないか?ん?
(´・_・`) ぼくは怒ったよ。怒ったから、自分の性質なんかに頼らないで、「能力」を使う
(;´゚ω゚`) ッ、・・・
(´・_・`) ねえ、ショボン
(´・_・`) 自分の彼女を取られて悔しかった?悔しいから化けて出て一矢報いると?
(´・_・`) それさあ・・・
(;´゚ω゚`) やっ、やめ、やめろ!悪かった!
(´・_・`) 『根本的解決になってないよね』
(´゚ω゚`)
-
(´゚ω゚`) んがああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!(ブリブリブリブリュリュリュリュリュリュ!!!!!!ブツチチブブブチチチチブリリイリブブブブゥゥゥゥッッッ!!!!!!!
\___________________________________________________________
○
o
。
(;´・ω・`)ガバッ
(;´^ω^`) ハ、ハハハッ、夢か・・・
(;´・ω・`) ふぅ・・・なんて妙な夢だ、朝から嫌になる・・・
ヴー、ヴー
(;´・ω・`) ん、メール・・・?
From:デレ
件名:別れましょう
ショーン君のことが好きになっちゃった・・・別れましょう
(´・ω・`)
(´・ω・`)
(´・ω・`)
(´;ω;`)
┼ヽ . -|r‐、. レ |
d⌒) ./| _ノ __ノ
-
(
)
i フッ
|_|
(´;ω;`) あっ・・・寝グソしてる・・・
-
ワ、ワロタ乙
-
一理あるワロタ
-
ちょっと笑った くそ
-
よーしパパ三十三本目貰っちゃうぞー
-
_
( ゚∀゚)「良く来たな内藤!一人暮らしするんだって?」
( ^ω^)「そうだお!だけどお金が無いから長岡のところでアパート探そうと思って」
_
( ゚∀゚)「任せとけ!この事故物件案内人のジョルジュ様にな!」
∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧
< 事故物件案内人のようです >
∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨←火
|_|←ロウソク
.
-
(( ^ω^)「でも事故物件で何か起こることってあるのかお?」スタスタ
_
(( ゚∀゚)「ま、普通は無いな、大したこと無い理由で安くなる。
化けて出ることなんざ更々無いから安心しなよ」スタスタ
_
( ゚∀゚)「まずはここだな」
( ^ω^)「おー、なかなか洒落てるお」
_
( ゚∀゚)「コーポゆざわ、1LDKの10帖だ。窓が南向き、エアコン付きで家賃が1万5千円」
( ^ω^)「駅も近いし最初から良いおね!で、ここが事故物件の訳は?」
_
( ゚∀゚)「壁みろ壁」
( ^ω^)「壁?」
-
ィ'ト―-イ、
以`゚益゚以
( ^ω^)
_
( ゚∀゚)「あの染みが顔に見えるらしくて」
( ^ω^)「いや、顔だお」
( ^ω^)
( ^ω^)「うん、やっぱ顔だお」
_
( ゚∀゚)「雨降ると何か血涙流してるように見えるんだと」
( ^ω^)「マジかよこえーな、まぁ物置けば何とか」
_
( ゚∀゚)「あれ、でも確かあの染み前は天井付近にあった気がする?気のせいかな」
( ^ω^)「よし!次の物件に行くお長岡!」
-
_
(( ゚∀゚)「やっぱお前もあのシミが顔に見える感じ?」スタスタ
(( ^ω^)「全力で般若顔だったお、今にも祟られそうだったお」スタスタ
_
(( ゚∀゚)「事故物件なんてあんなシミがあることなんざ普通だって」スタスタ
_
( ゚∀゚)「着いたぜ、なかのハイツ、2DKの6畳が二間でこっちも1万5千だ、まぁちっと一人暮らしには広いかな?」
( ^ω^)「ちょっと外観は古いけど、内装はそうでもないおね、シミも無いし」
( ^ω^)「で、これの何処が事故物件なんだお?」
_
( ゚∀゚)「前回住んでた人が自殺したからだな、借金背負ってたみたいだ」
( ^ω^)「ふーん……ん?」
-
┌───┐
│___│
8
8
8
8
○
( ^ω^)「蛍光灯の紐に綱が括ってあるお」
_
( ゚∀゚)「前に住んでた人がインテリアで残したやつじゃないかな」
( ^ω^)「そうなんだ」
( ^ω^)
( ^ω^)「いや、どう考えてもそこで死んだだろ」
( ^ω^)「括って千切れなかった蛍光灯も凄い耐久力だけど」
_
( ゚∀゚)「あー、そういやそうかもな、ちなみに夜はすきま風入るのかその紐ぶらんぶらん揺れるから注意な」
( ^ω^)「よーし!次々紹介してくれお長岡!」
-
_
(( ゚∀゚)「何だよ、紐くらいでびくびくすんなって」スタスタ
(( ^ω^)「あの綱がすきま風ごときでぶらんぶらん揺れる訳ないお、それにちょっとカビ臭かったお」スタスタ
_
( ゚∀゚)「そーか?あそこは俺の中で一番住みやすかったんだが」
( ^ω^)「え?事故物件に住むのかお?」
_
(( ゚∀゚)「当たり前だろ、紹介しなきゃいけないんだから一週間は住んで様子を見るんだよ」スタスタ
(( ^ω^)「マジかよ根性あるってレベルじゃねーぞ」スタスタ
_
( ゚∀゚)「着いたぜ、グランドこやま、1DKの10帖、家具家電つきで2万円だ」
( ^ω^)「家具家電付きとは嬉しいおね!で、ここはどんな事故物件……長岡?」
_
(;゚∀゚)
_
(;゚∀゚)「……ここは気を付けた方がいい、俺が住んだ中でも一番ヤバイ物件だ」
(;^ω^)
(;^ω^)「それは、何でだお」
-
(,,゚Д゚) ニャーニャー
(*゚ー゚) ニャーニャー
_
壁│゚∀゚)))「玄関から猫が勝手にくる」←猫嫌い
(*^ω^)「ここに決めたお長岡!」←猫好き
(
)
i フッ
|_|
-
いや、顔だお でワロタ
しかしギャグ2連発とは
乙
-
乙
かわええ
でも事故物件なのにそんな即決していいのかwww
-
化け猫なんじゃね
-
連続投下、三十四本目
こっちはすぐ終わります
-
.,、
(i,)
|_|
霊界ミエールのようです
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
从*゚∀从「出来たぜタカラ!『霊界ミエール』だ!」
( ,;^Д^)「えぇ……何ですかその名前が安直を地で行く錠剤は……」
从 ゚∀从「ふふん、昨今の科学で霊の仕業と思われていたのが科学で解明される中、
天才ハインちゃんはその逆、霊がいることを証明するためにこの錠剤を作ったのだ!」
( ,;^Д^)「……で、それを僕に飲めと言う」
从 ゚∀从「おう」
( ,;^Д^)「嫌ですよ!顔グッチゃぐちゃの霊とか見えたらどうするんですか!」
从 ゚∀从「そこは大丈夫!全員超健全な状態で見れるはずだぜ!」
从 ゚∀从「それにもう見たくない時は鼻で吸い込む式の解除薬があるから!」
( ,;^Д^)「解除薬があるならまぁ、やらないこともないですが……」
从>∀从b「じゃあ、任せた!」グッ!
-
タイトルのろうそくが無茶すぎるwwww
もっと続きが読みたいくらい好きだ、乙乙
-
从 ゚∀从「そんじゃまずは、この研究所にどんなやつらがいるか教えてくれ」
( ,,^Д^)「……分かりました、良かった、墓場じゃなくて」
从 ゚∀从「お?後で墓場も行くぞ?」
( ,,^Д^)「えぇ……嫌だなぁ……」ゴクッ
( ,,^Д^)「……」
从 ゚∀从「どうだ?」
( ,,^Д^)「さぁ……まだ何とも……お、見えて来ました」
( ;;^Д^)「……!!!わーっ!!!わーっ!!!」
从;゚∀从「ど、どうしたタカラ!?」
( ;;^Д^)「解除薬……解除薬を下さい!!早く!!」
从;゚∀从「わ、分かった!」プシュー
( ,; Д )「ぶはあっ!……み……見えなくなった……」
从;゚∀从「ど、どうしたんだよ?何が見えた!?」
( ,;^Д^)「そ……それが」
-
( ,,^Д^)「すし詰めでした」
从 ゚∀从
( ,,^Д^)「人の霊やら植物やら動物やら原人やら恐竜やらが」
从 ゚∀从
( ,,^Д^)「もうとにかくすし詰めでした」
从 ゚∀从
从*゚∀从「よし、次は墓場に行くぞ!」
( ,;^Д^)「行きませんよ!!!!!」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
(
)
i フッ
|_|
-
人間以外の生き物も霊になるなら、そらそうなるよな…
乙乙
-
ちょw乙ww
-
三十五本目を頂戴します
-
.,、
(i,)
|_|
( <●><●>)中身を知りたいようです
-
見てるよー
-
男が目を覚ますと、そこは真っ白い部屋だった。
壁も、天井も、床も、全てが白い。そんな殺風景な空間に男はいた。
出口やドアらしき物は見つからない。
しかし、部屋の真ん中に、箱が一つ。
真っ赤な、少し黒い、血のような赤い箱。
真っ白い空間の中で一際異彩を放っていた。
( <●><●>)
( <●><●>)「…この箱に何かあるのはわかってます」
男は箱に手を伸ばす。
箱に手を付け、一旦止める。
(;<-><->)「迂闊に開けて何かあったら怖いのもわかってます」
とりあえず男はすることも無いので眠りについた。
-
男が目を覚ますと、やはりそこは白い空間だった。
そしてやはりぽつんと佇む赤い箱。
( <●><●>)
気にならないと言えば嘘になる。
中身が知りたい男はもう一度手を伸ばした。
グシャッ…グチョッ…
箱の中から気味の悪い音が聞こえる。
(;<○><○>)
男は驚いて手を止めた。
-
( <●><●>)
男は滅入っていた。
中身が気になってしょうがないからだ。
気になって眠れないからだ。
あの音は何なんだろう。
( <●><●>)「もう我慢の限界なのもわかってます…」
男は深呼吸し、箱に手を付けて
(#<●><●>)「オープン!」
勢いよく開けた。
(;<●><●>)
その瞬間、男の視界は赤く染まった。
-
(´・ω・`)「好奇心は猫を殺す。そんな言葉があります。過剰な好奇心は身を滅ぼす。
箱の中身や、男はどうなったかは皆さんの目でお確かめ下さい。
…まあ、無事かどうか、保証はしませんがね」
(
)
i フッ
|_|
( <○><○>)中身を知りたいようです
-
乙!
中身は何だったんた……
-
乙
個人的にがもうちょっと長くてもよかったと思ってる
-
三十六本目
いらっしゃらなければ頂きます
.,、
(i,)
|_|
( ^ω^)ξ゚⊿゚)ξ好きなようですζ(゚ー゚*ζ
-
プルルルル…
( ^ω^)「もしもしだおー」
『………』
( ^ω^)「もしもしだお。
誰なんだおー?」
ξ゚⊿゚)ξ「ブーン、早く行きましょう……って、電話中か」
『………プツッ』
-
( ^ω^)「切れたお……」
ξ゚?゚)ξ「……また例の無言電話なの?」
( ^ω^)「お、そうだお。
今日で三日目だお」
ξ゚?゚)ξ「気味が悪いわね。
ストーカー?」
( ^ω^)「いや……ストーカーではないと思うけどお……。
ま、気にしないで出掛けるお!」
ξ゚?゚)ξ「? うん!」
僕は内藤ホライゾン。
この子は僕の彼女のツン。
ブーンとは僕の小さい頃からのあだ名だ。
ξ゚?゚)ξ「早く行かないと店混んじゃうわよ」
( ^ω^)「お!ごめんお!
今行くおー」
最近の僕の悩みは、ここ三日ほど続いている無言電話。
ツンには報告していないが、僕には大体の予想がついている。
-
―四日前―
ζ(゚ー゚*ζ「内藤くん……ずっと、ずっと前から好きでした」
( ^ω^)「デレちゃん……ごめんお。
知ってるとは思うけど、僕はツンと付き合ってるお。
別れるつもりもないし……」
ζ(゚ー゚*ζ「……そうだよね」
( ^ω^)「ごめんお……」
彼女の告白を断り、今に至る。
僕は、彼女の告白は有難いけれども、僕にはツンがいるし、それに何より
デレはツンの実の妹だ。
僕たちは幼なじみで、小さい頃からいつも一緒だった。
だから、同い年であった僕とツンがくっつくのは必然的なことだろう。
ξ*゚⊿゚)ξ「ここのケーキ美味しいわね。
今度デレも連れてきてあげたいわ」
( ^ω^)「お。そういえばデレちゃんは甘いもの好きだったおね。
きっと喜ぶお」
ξ゚⊿゚)ξ「最近なんか落ち込んでるみたいだったから。
聞いても話してくれないし」
( ^ω^)「……デレちゃんももう中学生だお。
色々あるんじゃないかお?
そっとしておいてあげるお」
ξ゚⊿゚)ξ「……そうね」
-
その日はツンとケーキを食べて帰宅した。
その晩、僕に起こることなど、想像もせずに。
( ^ω^)「ただいまだおー」
J(*'ー`)し「お帰りホライゾン。ご飯は?」
( ^ω^)「腹減ってないし要らないお」
J(*'ー`)し「はいはい」
僕は2階にある自室へと向かう。
そのとき、僕は見逃さなかった。
玄関から覗く、デレちゃんの瞳に。
( ;^ω^)「………」
まずいことになった。
まさか、デレちゃんが自宅まで来るとは思わなかった。
しかしここは、穏便にすませたい。
大切なツンの妹だ。
僕は自室へ向かうのを諦め、そのまま外に出た。
( ^ω^)「デレちゃん……」
ζ(゚ー゚*ζ「………」
デレちゃんは何も口にしない。
それが逆に僕には恐怖だった。
( ^ω^)「本当にすまないけど……」
ζ(゚ー゚*ζ「……わかってる」
その言葉を聞いてから、僕の意識は薄れ、次に目が覚めたのは病院のベッドの上だった。
-
ζ(゚ー゚;ζ「あ……あぁ!」
やってしまった。
小さい頃からの想い人、内藤くんを。
決して格好も成績もスポーツも良くはないが、
いつもニコニコしていて、温かみをくれた内藤くん。
そんな彼が姉であるツンと付き合い始めたと知ったのは、半年ほど前だった。
ξ゚⊿゚)ξ「あ、そういえば」
ζ(゚ー゚*ζ「うん?」
ξ゚⊿゚)ξ「私、ブーンと付き合い始めたから」
ζ(゚ー゚*ζ「……え?」
ξ*゚⊿゚)ξ「だから!
ブーンと!」
ζ(゚ー゚*ζ「……そう」
それから一週間、何も食べれない日が続いた。
何故、姉なんだろう。
何故、私じゃないんだろう。
彼は、私の全てだった。
姉は怒りっぽく、私は散々な扱いを受けてきた。
それをなだめてくれたのが、彼だった。
姉の素行の悪さを知っている筈なのに。
私が泣いてきたのを見てきた筈なのに。
どうして内藤くんは、姉を選んだのだろう。
-
毎日、胸が張り裂けそうだった。
半年程たったある日、私は一つの決意をする。
ζ(゚ー゚*ζ「……伝えよう」
そうだ。伝えよう。
伝えることさえ出来れば、この胸のわだかまりも無くなる気がする。
ζ(゚ー゚*ζ「内藤くん……ずっと、ずっと前から好きでした」
( ^ω^)「デレちゃん……ごめんお。
知ってるとは思うけど、僕はツンと付き合ってるお。
別れるつもりもないし……」
ζ(゚ー゚*ζ「……そうだよね」
( ^ω^)「ごめんお……」
欲しいのは、そんな答えじゃない。
どうしてあんな姉を選んだの。
私が泣いてきたのを、あなたは見てきたんでしょう?
( ^ω^)「……ツンは」
( ^ω^)「普段はあんなに怒りっぽいけど、根は素直で優しい良い娘だお。
ブーンは、君の姉さんを、大事にしていきたいと思ってるお」
ζ(゚ー゚*ζ「………*」
優しい?
あの姉が?
あの、私に対して物を投げ、私の物を自分の物のように扱い、誰からの目線も独り占めする、あの女。
ζ(゚ー゚*ζ「わかった……
じゃあせめて、今までの関係を、続けさせて。
今までの、幼なじみって、いう」
( ^ω^)「もちろんだお。
ずっと宜しく頼むお」
その時私は、私を押さえ込むのに精一杯だった。
この黒い感情を、無くさなければ。
元の、仲の良い幼なじみに、戻らなければ。
彼と、姉のために。
-
──────
姉と二人で使っている、八畳の部屋。
姉の机には、彼と姉の写真が並ぶ。
私の机には……。
そこでふと、目に付いた、CD。
いつだか、彼に借りたもの。
ζ(゚ー゚*ζ「返さなきゃね……
幼なじみなんだし、別に、電話しても、良いよね?」
あぁ、でも姉と一緒にいたなら。
きっと姉は、彼の携帯を鳴らした私を攻めるだろう。
悩んだ末に、非通知に設定し、もう暗記してしまった番号へ掛ける。
『……もしもしだお?』
あぁ、彼の声。
愛しの、彼の声だ。
ζ(゚ー゚*ζ「……っ」
言葉が出ない。
そう、前日に、あんな会話をしたばかりだ。
何も今日、電話することはなかったのだ。
ただ、電話をする口実が欲しくて……
ζ(ー*ζ「……っ」
プツッ
切ってしまった。
これじゃ悪質な嫌がらせじゃないか。
-
次の日、私は携帯を片手に昨日の件を省みていた。
ζ(゚ー゚*ζ「昨日はごめんね!実は私だったのw!
内藤くんから借りてたCDだけど……」
ζ(゚ー゚*ζ「……よし。この流れで話そう」
予行練習までして、私は掛ける。
『もしもしだおー?』
出た!さっそく練習の成果を…
ζ(゚ー゚;ζ「………ぁ」
言えない。さっきまで、スラスラ出ていた言葉が。
でも、でも!
『?*間違いかお? 切るおー』
……切られてしまった。
これで、また掛けるハードルが高くなってしまった……
-
─────
ζ(゚ー゚*ζ「昨日一昨日とごめんね!
話そうと思ったんだけど…緊張しちゃってw
それでね、借りてたCDなんだけど……」
ζ(゚ー゚*ζ「…よし!
今日こそは!」
プルルルル…
『もしもしだお。誰なんだおー?』
ζ(゚ー゚*ζ「あっ……」
『ブーン、早く行きましょう…って、電話中か』
!?
姉の声!?
まずいまずいまずい。
こんなことをを姉に知られたら───。
ζ(ー*ζ「───」
黙って電話を切る。
本当に、タイミングの悪いあの女。
ξ゚⊿゚)ξ「ただいまー」
玄関から帰宅した姉の声が聞こえる。
隣家である彼もまた、帰宅しただろう。
ζ(゚ー゚*ζ
もう電話は出来ない。
いっそ、直接返しに行ってしまおうか。
そうだ。
いつか彼としたソフトボール。
もうボールもバットも、何かも、返してしまおう。
思い出も、記憶も、ここにあるものも全て。
私は、玄関を開け、外に出る。
-
ピロリン♪
ζ(゚ー゚*ζ「……?
メール?」
ξ゚⊿゚)ξ『あんた、最近元気ないわよね。
美味しいケーキの店見つけたから、今度行きましょ。ブーンと三人で』
ζ(ー*ζ
この姉は。
ほんとうに。
私の邪魔ばかりする。
( ^ω^)「デレちゃん……」
ζ(ー*ζ
どうしてこの人は、姉を選んだのだろう。
私じゃなく、あんな女を。
こいつさえ、わかってくれれば。
こいつさえ、私の側にいてくれたら、それだけで良かったのに。
こいつさえ……
許せない。
-
『キャ────!!!!』
ξ;゚⊿゚)ξ「なっ、なに!?」
外に出てみると、道路に倒れているブーンと、デレ。
周りには野次馬の集まり。
ξ;゚⊿゚)ξ「通してください!通して!」
『女の子がバットで男の子を……』
『あれ、内藤さんちのブーンくんでしょう?』
『確か仲が良かったはずなのに……』
野次馬、野次馬、野次馬。
ξ;゚⊿゚)ξ「ブッ…ブーン!!」
ξ;⊿;)ξ「ブーン!!起きて!!起きなさいよ!!」
ξ;⊿;)ξ「救急車!誰か救急車!!」
あぁ、愛しの、愛しのブーン。
どうして、どうして。
どうしてブーンが殴られなきゃいけないの。
ζ(ー*ζ
立ち尽くす、妹のデレ。
そう、あんたが、ブーンをやったのね。
-
──────
(´*ω*`)「とりあえず、気絶しただけのようなので、意識が戻り次第、目覚めると思いますよ」
J('ー`)し「先生…ありがとうございました」
(´*ω*`)「いえいえ。*それでは」
ξ゚⊿゚)ξ「……」
デレはあの後、駆けつけた警察官によって連行された。
未成年といえども、何かしらの処罰はあるだろう。
ごめんなさい。
私があなたを愛してしまったばっかりに。
ごめんなさい。
私があなたを思ってしまったばっかりに。
あなたを、傷つけてしまった。
ξ゚⊿゚)ξ「ブーン……」
ξ゚∀゚)ξ「ありがとう」
演技はよく出来ていたかしら?
彼氏の側で泣きわめく彼女の様子。
デレがブーンを好きなのは、幼い頃から気付いていた。
姉だもの、当然でしょう?
でも、ブーンにあなたは渡さない。
あなたは、一生わたしのものなのよ。
離さないわ、死ぬまでね。
-
──────
ξ゚⊿゚)ξ「デレ……お帰りなさい」
ζ(ー*ζ「………ぅっ」
ζ(;ー;*ζ「お姉ちゃん……ごめんね、ブーンくん……」
ξ゚⊿゚)ξ「いいのよ、デレ」
ξ゚⊿゚)ξ「あなたには、私がついてるわ」
ξ゚⊿゚)ξ「私と、あなたと二人。
支えあって生きていきましょう」
ξ゚∀゚)ξ「永遠に」
(
)
i フッ
|_|
-
とにかく文字化けが多過ぎた。
ツンの顔以外の*は全て文字化けです。
次の人も頑張ってくれー
-
ショボンの顔でちょっと笑ってしまった
乙、歪んでたのはツンだったか…
-
誰もおらんようですんで37本目頂きやす
-
( ^Д^)「あー疲れたぁ〜!」
( ^Д^)「店長!お疲れっす!」
(`・ω・´)「おう!気を付けて帰れよ!」
( ^Д^)「うっす!んじゃさいならっす!」
( ^Д^)「久々に早く上がれるし、酒でも買って帰るか!」
.,、
(i,)
|_|
メリーさんのようです
-
:::::::::::::::::::;;;,,,;;;,,,,;;;;;,,,,;;',,;;;';::::::::::::;;;;,,,;;;,,,,;;;;';;;,,,;;;':::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
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○ /;:::':::;:::':::;:::':::;:::':::;:::':::;:::':::;:::':::;:::':::;:::':::/ \ \:::::,,,,,,,,;;;,,,;;;';;:::;;;,,,,,,,,:::::
;;ミゞ, || /;:::':::;:::':::;:::':::;:::':::;:::':::;:::':::;:::':::;:::':::;:::':::;/ \ \:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
;;;ヽミゞ;,;||;/;:::':::;:::':::;:::':ノヽ;:::'::ミゞ`;;:ノ;ミゞ;:::':::;::::;:::/ ロ \ \: : : : : : :: :: : : : :
";"ミゞ:; ||, ̄| ̄ ̄ ̄ 彡ヽミゞ:ノミゞ;ノ:;ミ;  ̄ ̄ ̄| | ̄
ノミミゞ:; ||, | |ニlニ彡ヽミゞ:ノミミゞ;彡 ミ lニl | lニlニl |
;;ノ彡ミi ,||ゞ, | |___l;彡;;i;ヽミゞ;ソミ;;彡::ノミゞゞ__|゙ | |___l___|゙ | ;":;;:
ノ;ヽミゞ゙||ミ;;ゝ ノミヽミゞ;ノミミノノ;;ii;;;ヽミゞ, | iニニニニiニニニニi ;::;;":;;';; ;":;;
彡|l!:ミゞ||. | |ニl'ノ彡ii;ミミヽミゞ;;彡|l::lニlニl | i :::┌─||;i:::: i | || / ̄ ̄ ̄ ̄
|l! ||. | |___l___| .|l! |l! ";:;|l |___l___|゙ | i ゙ |i:i:i:゙||:| i | || | ̄ ̄ ̄;":;;
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(*^Д^)「ポテチ!焼き鳥!ビール!クゥ〜ッ、ウマい!」
(*^Д^)「プギャー、豪遊っ…!なーんてなぁ!ハァッハッハァ!」
♪さっだこ右乳首が落ちた(着信音)
( ^Д^)「あん?電話?誰だよお楽しみの最中に。もしもし?」
ζ( ー *ζ「あたしメリーさん。今あなたの街にいるの…」
_,
( ^Д^)「はぁ?ナニイテンダコイツ?」
-
ζ( ー *ζ「くすくすくす」
( ^Д^)「ちっ、基地外デムパかよ」ピッ
( ^Д^)「あーあ、ったく何だってんだよ。まぁいいや、飲み直しだ飲み直し!」
しかし、電話を切ってもすぐまたかかってくる。
ζ( ー *ζ「あたしメリーさん。今駅の前にいるの」
ζ( ー *ζ「あたしメリーさん。今コンビニの角を曲がった所なの」
(;^Д^)「おいおいおいおい…これってただの与太話じゃねえのかよ…」
ζ( ー *ζ「あたしメリーさん。今あなたの家の前にいるの」
俺は思い切って玄関のドアを開けたが、誰もいない。やはり誰かのイタズラかと思った直後、またもや電話が…
ζ( ー *ζ「あたしメリーさん。今 あなたの後ろにいるの」
-
(;^Д^)「なん…だと…?」
振り返るも、そこには誰もいない。
(;^Д^)「ったく、脅かしやがって…。一体誰のイタズラだ?」イタヅラハイヤヅラ
そう思った矢先、またも電話の音が鳴り響く。俺は恐る恐る携帯を取るが、着信を示す画面は出ていなかった。
(;^Д^)「どうなってんだ…?」
ζ( ー *ζ「くすくすくす」
ζ( ー *ζ「あたしメリーさん。今あなたの中にいるの」
(;^Д^)「ひぃっ!?な、中!?」
頭の中から声が響く。恐怖で気が狂いそうだった。
ζ( ー *ζ「一つになろ?ね?」
-
(; Д )「ひっ…あっ、あ…!うわあああああああああ!」
プシャァァァァァ
ζ( ー *ζ「え?」
股間に湿り気が広がる。それと同時にかすかなアンモニア臭も。
ちょっとの解放感と、大きな羞恥心が波になって襲ってくるこの感じ。
まさかこれは…
ζ(;ー;*ζ「いやぁぁぁぁぁ!こいつ漏らしたぁぁぁぁぁぁぁ!!」
( ^Д^)「あっ…?えっ…?」
-
ζ(゚ー゚#ζ「何てことしてくれたのよ!女の子に恥じかかせるなんてサイッテー!!」
(#^Д^)「人ん中でギャーギャー騒ぐんじゃねえ!一体何があったか説明しろ!産業で!」
ζ(゚ー゚*ζ「①取り憑いた瞬間
②あんたが小便漏らして
③KONOZAMA
(;^Д^)「えっ、あ!なんじゃこりゃああああああ!」
ζ(゚ー゚#ζ「いい年こいておしっこ漏らすとかホンット信じられない!」
(#^Д^)「お前が散々脅かすからだろーが!本物のメリーさんとか誰だって怖いわ!」
ζ(゚、゚#ζ「とりあえず床のそれ拭いたら?絨毯に北海道が出来てるわよ」
(;^Д^)「あ、ああ。うわー、いくら乗っ取られてたとはいえこいつはヒドい」
ζ(゚ー゚#ζ「ちょっと!あたしが漏らしたみたいな言い方しないでくれる!」
-
30分後
( ^Д^)「やっと片付いたぜ…いい年こいてこんなことするなんて夢にも思わんかったわ」
( ^Д^)「で、結局お前一体何なんだ?」
ζ(゚、゚*ζ「見ての通り、ただのメリーさんよ?まだ分からないの?」
(;^Д^)(いや見ろと言われましても声しか聞こえないんですが)
ζ(゚ー゚*ζ「野暮なツッコミはナッシングよ」
(;^Д^)「お、おう」
( ^Д^)「じゃなくて!何で俺なんだ?そんでお前は何がしたいんだ?」
ζ(゚、゚*ζ「教えてあーげないっ!」
(;^Д^)「ハァ?」
-
まさかの展開w
支援
-
ζ(゚、゚*ζ「あ、でも責任は取ってもらうから」
( ^Д^)「責任?」
ζ(゚ー゚*ζ「女の子に恥じかかせた罪は重いわよ?」
( ^Д^)(理不尽だ…)「で、何すればいいんだよ」
ζ(゚、゚*ζ「さぁ?自分で考えたら?子供じゃないんだし」
(#^Д^)(クッソォ殴りてぇ…)
ζ(^ー^*ζ「あ、殴っちゃう?殴っちゃう?いいよ。でもあなたに全部ダメージ行くだけだからね?」
(#^Д^)「クッソがぁぁぁぁぁぁ!!」
ζ(^ー^*ζ「これからよろしくね。お漏らしプギャー君」
-
(
)
i フッ
|_|
( ^Д^)「そういや何で俺の名前知ってんの?」
ζ(゚ー^*ζ「メリーさんは何でもお見通しよ♪」
-
短いですがこれにてお終い
お粗末さまでした
-
乙!
2レス目で猛烈に腹へったぞ、どーしてくれる
-
乙
三十八本目いただきます
-
三十八本目
.,、
(i,)
ξ;゚⊿゚)ξ(; ^ω^)つ|_|
ttp://imepic.jp/20140816/745220
ヒギャアアァァァ!!!>
オウフッ>
(
)
i フッ
|_|
-
涙目なツンちゃん可愛い
後ろの連中も良い具合に怖いな
-
ツンちゃんprpr!!
-
>>783
この構図鏡に映ってるのって見ている人間だよな
俺らか
-
三十九本目、頂きます。
.,、
(i,)
|_|
-
私は今まで様々なストーカーにあって来ました。
それもこれも、私のこの見目麗しい美貌のせいでしょう。
ちなみに、自分で言うのもあれですが、性格は見た目に反して最悪な女です。
そんなストーカー共は、私の私生活を見るや否や勝手に幻滅し、勝手に失恋することがほとんどです。
中にはしつこい物好きがいたりします。だけど、そんな奴らが襲ってきた時でも柔道黒帯保持者の私に投げられて、泣きながら立ち去るのが常なのでした。
ですが、今回、私は最強のストーカーに出会ってしまいました。彼は私のだらしない私生活を見ても何とも思わないし、何より一番の問題は彼には私の柔道技が効かないと言うことでした。
-
(゚、゚#トソン「あなたいい加減、私から離れてくださいよ!!」
どんな時でも後ろにいるストーカーに向かって叫ぶ私は、はたからみたら、異常者でしょう。
何故なら、このストーカーとは…
( ;<●><●>)「すいません、迷惑なのはわかってます。すぐにでも離れて差し上げたいのですが、どうしても離れられなくて…」
私にとり憑いた背後霊なのですから
-
(゚、゚トソンストーカーは背後霊のようです( <●><●>)
.
-
(゚、゚#トソン「あー、もう、嫌になります。なんで私があなたみたいな幽霊に取り憑かれなきゃいけないんですか!」
(; <●><●>)「私だって、背後霊になる気は無かったのですが…」
(゚、゚トソン「じゃあ、さっさと離れてくださいよ」
( <●><●>)「それがどうにも離れられないようでして…」
(゚、゚トソン「何でですか」
( <●><●>)「私はトソンさんの側以外、どこにも行けないようにされちゃったみたいですね。やっぱりこーいうことしちゃダメですねぇ」
そう言って、背後霊がギュッと掴んだのは彼の首を締めている固そうなロープでした。
(-、-;トソン「自殺の罪は重いってことですね…」
-
彼は平凡な幽霊でした。幽霊と言えば、白装束を着ていたり、透けていたり、足がなかったり、 血塗れだったりを想像するかもしれません。
だけど、この幽霊はそんなことはありません。見た目はどこにでも居るサラリーマンのようであったし、喋り方も温厚な所謂「いい人」でした。
生きている人間と違うところがあるとすれば、私にしか見えないことと、首からロープが常にぶら下がっているということだけです。
-
( <●><●>)「自殺は良くないですよ、本当。何もいいことないですからねぇ」
(゚、゚トソン「する気も無いから安心してください」
( <●><●>)「そうですね、それにもうすぐお見合いなさるんですよね」
(゚、゚;トソン「なんでそれを知っているんですか!?」
その情報はごく一部の人しか知らないはず…!
( <●><●>)「そりゃあもちろん、トソンさんの背後霊ですからね」
(゚、゚トソン「えーと、075-000…と」ポチポチッ
( <●><●>)「トソンさん?なにをしてるんですか?」
(゚、゚トソン「霊媒師に電話かけてるんですよ。あなたみたいなのが憑いてちゃ、お見合いも万全な態勢で望めませんからね」
( <●><●>)「無駄だと思いますけどねぇ…」
(゚、゚トソン「あ、もしもし、霊媒師さんですか?至急祓って欲しいんですけど!」
-
川д川「お待たせしました、霊媒師の貞子です」
(゚、゚トソン「よろしくお願いします」
川д川「確実にいますね、この部屋には…!」
( <●><●>)「…トソンさん、どんな幽霊がいるか聞いてみてください」
(゚、゚トソン「えーと、先生、どんな幽霊がいますか?」
川д川「そうですね…獰猛な女幽霊があなたに取り付いていますね」
(゚、゚トソン「…」
( <●><●>)「やっぱり。トソンさん、この子霊感ないですよ」
(゚、゚トソン「…まぁ、いいや 。さっさと幽霊退治してください」
川゚д゚川「はい、キェエエエエエエ!!!!離れたまえ、離れられたまぇえええええ!」
(゚、゚;トソン
(<●><●>;)
背後霊よりも、この人の方が悪霊っぽくて怖かったです。
-
川;д川「こ、これで大丈夫!無事、祓われましたよ」
(゚、゚トソン「…あぁ、そうですか」
チラリと後ろを見ると、背後霊が何だか申し訳なさそうに立っていました。
川д川「一万円になりまーす」
(゚、゚トソン「はいはい…」
インチキ霊媒師が帰った後、背後霊はペコペコしながら私に謝ってきました。
( ;<●><●>)「すいません、トソンさん。祓われよう祓われようと思って、私も頑張ったんですが…」
(゚、゚トソン「いや、私が格安の霊媒師なんか頼んだからインチキに引っ掛かっちゃっただけですから…」
高額な霊媒師に依頼するお金もなかったので、それまで通り背後霊のいる生活をしばらく続けることになりました。
-
背後霊との生活は、極めて悪い物ではありませんでした。家事の苦手な私の代わりにポルターガイスト現象で、片付けをしてくれたり、生前の趣味も合い、話は尽きませんでした。
そんな生活に甘んじていたおかげで…
(゚、゚;トソン「お見合いまで、後一日になってしまったじゃないですかぁぁあ…!」
( <●><●>)「まいりましたね…」
表情の少ない彼でしたが、初めて暗い表情になりました。
(゚、゚トソン「…そういえば、あなたはなんで私に取り憑いているんですか?」
( <●><●>)「前々から言ってますが、取り憑こうと思って取り憑いてしまって訳ではないんですよ、私」
(゚、゚トソン「そういえばそうでしたね…」
でも、だからってなんで私の背後霊になってしまったのでしょうか。
-
( <●><●>)「自殺の罪は重い、とトソンさんも言っていたじゃないですか。これは罰なんですよ」
(゚、゚トソン「あなたの自殺の罪が、どうして私の背後霊になることなんですか」
( <●><●>)「私の自殺が、あなた絡みだったからでしょう」
(゚、゚;トソン「…え?」
それは初耳でした。というか、私が彼と出会ったのは、彼が背後霊になってからです。
それなのに、どうして彼の自殺原因が私になるのでしょうか。
-
( <●><●>)「実は私、生前もトソンさんのストーカーをしてたんです」
(゚、゚トソン「…」
これだけでも中々の衝撃事実です。何故なら、私は自分をストーカーしている奴らは全員把握しているつもりだったからです。しかし、私が把握しているストーカーリストに彼はいなかったからです。
( <●><●>)「というか、職場も一緒だったんですけどね」
(゚、゚;トソン「…えぇ!?」
( <●><●>)「だからトソンさんがお見合いすること知ってたんですよ。部長にすすめられてお見合いするんですよね、部長が酔った勢いで話してくれました」
部長め…!
-
( <●><●>)「お見合い相手は、とてもいい人だと聞きました。地位も名誉もある好青年だと」
(゚、゚トソン「らしいですね」
( <●><●>)「それを聞いて、自分には勝ち目がないなぁと思いましてね」
確かに勝ち目は無いかもしれません、お見合い相手は今をときめく大手企業の跡取り息子です。
( <●><●>)「だから、自殺しちゃいました。トソンさんが他の人とくっつくのを見ていたくなくて」
(゚、゚トソン「はぁ」
どうしてそんなくだらないことで自殺なんてしてしまったんでしょう。
( <●><●>)「でも、人生ってなかなか上手くいかないものですね。あなたが他の人とくっつくのを見たくなくて自殺したと言うのに、私は結局、あなたの背後霊になってしまいました」
にっこりと、悲しげに彼は笑いました。
私は彼にかける言葉が見つからず、お見合いも控えていたのでその日はいつもより早く就寝することにしました。
-
(゚、゚トソン「お見合いと言うのは、こんな堅苦しい格好をしなければならないんですね」
着物を着るのは成人式以来です。
( <●><●>)「でも、とっても似合ってますよ。トソンさん」
そう思っているなら、もっと笑顔で言ってくれればいいのに。
(゚、゚トソン「…一つ、質問をしてもいいですか?」
( <●><●>)「はい、なんでしょう?」
(゚、゚トソン「背後霊ってのは、成仏できるんですか?」
( <●><●>)「…どうでしょうか。私の場合は、トソンさんが死ぬまでは恐らく成仏できないと思います。それが私への罰ですから」
(゚、゚トソン「そうですか、それだけ聞ければ充分です」
(; <●><●>)「えっ、充分って何がですか?」
-
('A`)「おい、都村!慣れない着物だから遅いのは分かるが、早く来なさい!」
(゚、゚トソン「はいはい。ったく、相変わらず部長はうるさいんだから…」
( <●><●>)「…じゃあ、トソンさん。上手くいくといいですね」
背後霊の心にも無い言葉には返事をしないで襖を開けると、そこには美青年が居ました。美青年は私の顔を見るなり、顔を赤らめました。
部長の言う通り、このお見合いは地位も名誉もあるこの美青年からの申し込みのようでした。
-
私は美青年にフッと、微笑み返しました。
美青年が、どうぞお部屋に入ってくださいと言う前に、私はその場で土下座しました。
(-、-トソン「すいませんがこのお見合い、お断りさせて頂きます」
部長も美青年も仲人役であろう人たちも、皆驚いていましたが、一番驚いていたのは背後霊でしたでしょう。
私は土下座をしながら、皆からは見えない顔でしてやったり、という笑顔をしていました。
-
後日、私は部長にこっぴどく怒られましたが、事情を説明すると途端に優しくなり、許してくれました。口煩い部長ですが、人情には厚い人なのです。
しかし、部長はなんとかなりましたが、あのお見合いから毎日毎日煩いのは背後霊でした。
-
( ;<●><●>)「どうして断っちゃったんですか!?あんないい人、中々居ないですよ!?」
(゚、゚トソン「そうですね。顔も良かったですし」
( ;<●><●>)「だったら、何故…!」
(゚、゚トソン「他に好きな人が居るからですよ」
( ;<●><●>)「…!そ、そうだったんですか…」
お見合いを断ったことは文句を言う癖に、好きな人が居ると言えばこの落ち込みよう。なんて面倒臭い人なんでしょう。
(゚、゚トソン「その人は地位も名誉も無いですが、私はあの美青年よりその人が好きなんです」
( <●><●>)「…そうですか、それは一体誰なんですか?」
(゚、゚トソン「秘密です」
( ;<●><●>)「そんな殺生な…」
-
きっとこれから、彼とは長い付き合いになるでしょう。
でも、これだけは一生教えられません。
だって、もし教えたとして、両想いだと知った彼が満足して成仏したら困るじゃないですか。
彼には私が死ぬまで、ストーカーの背後霊として取り憑いて貰うつもりです。
それが、自殺した彼への私からの罰なのですから。
-
三十九本目、お終い。
(
)
i フッ
|_|
-
おっつ。爆発しろ
-
乙!
-
リア充だ…片方死んでるけどw
この時間はみんなでほん怖観てるのかな?
今のうちに投下しておこうかな
-
.,、
(i,)
|_|
四十本目
-
2014年8月9日、朝7時のアラームが鳴る直前…
僕はいつもと違う携帯の振動で目が覚めた。
ぶーん、ぶーん、ぶーん…
( -ω-)「……お」
眠気から解放されつつも、
音が鳴り止むまで放っておくつもりだった。
誰だろう…こんな時間に。
いつもと同じように目を覚まさないと、
きちんと寝た気になれない。
ぶーん、ぶっ ーー ……
( -ω-)「……」
しめしめ。
鳴りやんだ事を確認して、そこではじめて携帯に触る。
デジタル時計はAM6時55分を表示していた。
そして、一通の着信と留守電のマークも。
( ^ω^)「……」
このような事は僕の日常で滅多にない。
記憶の限り…
嫌な知らせの他ない。
.
-
数時間後、僕の姿は惨めを晒していたと思う。
いい歳した大人が、妻の前で憚らず涙を流した。
ξ゚⊿゚)ξ「ねえ、どうしたの? なにかあったの?」
ツンの問い掛けにしっかり答えようにも、
言葉にしようとしただけで溢れる涙…
それを堪えきれなかった。
( ;ω;)「……ど、ど…」
僕は友達が多くない。
その代わり、誰よりも厚い友情に恵まれていたと思った。
年末年始はもちろん、
3ヶ月に一度はどこへでも集まって遊んでいた。
3ヶ月前の2014年5月26日もそんな日だった。
僕の用事が済み次第ではあれど、
二人で初めて入る焼き鳥屋さんで
旨いお酒と旨い肴に喜びを分かち合って
別れた。
.
-
それなのに ーー
ピーッ
『……内藤ホライゾンさんの番号でしょうか』
『はじめまして、ドクオの父です』
『昨日ドクオが亡くなったので…お電話しました』
ーー それが、僕が初めて聞く
彼の嫌っていた父親の声だった。
.
-
電話の翌日。 当日は台風だった。
メモに走り書きした住所を便りに僕が向かった先は、
かつて共働きの両親の代わりに僕の面倒を
見てくれたバーチャンが亡くなった時と
同じ火葬場だった。
タクシーを降りてすぐに屋根のある場所に
立ったはずなのに、もう喪服の足元が
びしょ濡れになる。
等間隔に並ぶ待合室。
故人を見送る一族の名前。
それを頼りながら案内所で確認し、
建物二階にある小さな部屋の引き戸を開けた。
( ^ω^)つ| スゥ…
そこにいた黒ずくめの人々が、
一斉にこちらを見やる。
誰だろう? …そんな顔だ、だが無理もない。
一番近くに立っていた厳しい顔の男性に
僕がドクオの友人であることを告げると、
瞬間その男性は哀の表情に破顔した。
「ホライゾン…ブーンさん、私が、
私がドクオの父です」
-
その場に集まった人数はそう多くはなかった。
理由が理由だから仕方なく、かといって東北や関西などに住む家庭もあった。
ひとり一人が律儀に話し掛けてくる。
突然現れた僕に無関心な人は居なかった…
彼の一族における親戚付き合いは
薄情な僕の一族とは真逆で密接に感じられた。
でも、それは少しだけ、
ーー 招かれた立場からすれば傲慢だが、
本当に少し、窮屈とも思った。
同時にそれはドクオが彼らに感じる事でも
あったのかもしれない…、
僕達はそれほど似ていたと思う。
.
-
支援
-
棺を前にして火葬場でお経をあげながら、
僕を除く全員がお坊さんに合わせて
南無阿弥陀仏を唱える。
僕はそのメジャーたる部分しか分からず、
皆が唱える言葉を心のなかだけで復唱する。
周囲と…そして自分が洩らす嗚咽に紛れて
二年前の事をふと思い出した。
( A )『俺んち…仏教の○○宗らしい』
( ^ω^)『今頃知ったのかお?』
( A )ノ□ 『うるせー。だからこそ学ぶべく
これをさっき買ってきたんだぜ!』
( ^ω^)
つ□ 『どれどれ』
【もしもリアルパンクロッカーが仏門に入ったら】
( ^ω^)
つ□ 『このチョイス…お前アホかお』
(; A )『いや、まて! 意外と面白いぞ!』
-
その時借りたその本は確かに面白くて、
底辺高校出な僕にも分かりやすかった。
でもそれは、ドクオの母が癌で亡くなる
一ヶ月前の出来事だった……。
彼はうすうす感づいていたのかもしれない。
カーチャンの調子が良くない…
当時のそんな相談を、
僕は「這ってでも病院連れていけ」と
アドバイスして、結果発覚した。
( A )『サンキューな、後は俺の問題だから…』
そういった数日後、ドクオは仕事を辞めて
カーチャンの通院と入院中の世話をした。
カーチャンの骨をお墓に持っていった日、
ドクオはどんな気持ちだったのだろう…。
-
…気が付くと僕の嗚咽は一段階大きくなった。
くだらない本だったな、なんて思いながら
彼の棺は炎の中へと運ばれていく。
ドクオの親族全員が泣き叫んでいた。
その最後尾で、
僕だけが声を殺して泣き笑っていたと思う…
壮大なドッキリだとしか思わなかったから。
( ^ω^)「ほら、早く起きないと焼けちゃうお?」
( ^ω^)「……もはや20分経過。
あーこれはもうダメかもわからんね」
テーブルに並べられた食べ物がすべてゴミに見えた。
なんでドクオの葬儀に自分がいて、
これを口にしなきゃいけないのか理解できないまま…
一般的礼儀のつもりで一口食べた。
なんの味もしない。
なんの意味も感じられない。
僕はいわゆる礼儀…マナーが嫌いだった。
モラルと違って、形骸化したそれは
声高らかにどや顔をするのが嫌いだ。
会社ではスーツ、言葉遣いは私、
御社、弊社、身内は呼び捨て、
香典は立場によって額が変わります、
注ぐときのビール瓶はラベルを上に向けて、
逆手に持つのはいけません?
…出来なかったら誰か死ぬの?
どれもイケナイコトだと知らなければ
何一つとしてひっかかりのない事項ばかり。
-
見てるよ支援
-
そのあとはドクオが骨になるまで…
彼の父や姉と並んで座り、話をした。
ずっと僕を隣の席に迎えてくれて、
ドクオの話をせがんでいた。
でも親戚を差し置いて家族の席に座るのは
さすがに抵抗があった。
( ^ω^)(…僕は他人なのに)
ーー わかってる。
彼らは僕ではなく、その後ろにいる
ドクオの影を見ていることくらい。
でも生憎と僕は記憶力が悪かった。
小学五年生の頃、意地悪な先生が配った
忘れ物ノートという物がある。
皆がせいぜい30を数えるところを
僕は一年で154個という記録を打ち立てている。
当時、皆が僕をバカにした。
先生も僕をぞんざいに扱った。
ーー でも六年になって地方から転入してきた
ドクオだけが違う感想を述べた。
( A )『お前すげーな、俺もやってみるぜ』
とはいえ結果、六年生のドクオは104個。
対する僕と言えば232個という圧勝に
( A )『怖いもん無しだなお前ww』
( ^ω^)『親もご飯作ってくれなくなったおww』
と、笑い合った。
…僕はもうそれ以来、
母親の作ったご飯を食べる事は出来なくなる。
-
焼き終わったドクオの骨は比較的多かった。
係りの人は
「若い方は特にですが、
よほど丈夫だったんですね」
と話していた。
( ^ω^)(骨と皮だけで出来てるような
奴だったしな)
二人一組で骨を拾い、骨壺にドクオを
納めていく。
たった一人参列していた僕が戸惑っていると
恐らくは僕より若い男性が
「…よろしければご一緒に…」
と、会釈して声をかけてくれた。
それなのに、
パキッ
…と、音をたてて僕の掴んだ部分が折れた。
他の皆はそんな事もなく平然と済ませたのに。
( A )『うひひwwざまあwww』
そんな声が聴こえるようだった。
(# ^ω^)「…死んでもそれかお」
僕は平然を装おってもう一度、
今度こそドクオの残骸を骨壺に納める。
大人しくしろ、こんなときくらい…
-
結局、ドクオの骨はそのままでは壺に
収まりきらなかったために、
係りの人がさりげなく潰していた。
僕にはそう見えた。
こんなとこでまで
はみださなくていいだろう?
…挨拶を終え、タクシーで帰ろうとした僕を
ドクオの父、姉が引き留めた。
「ぜひお食事もご一緒にお願いします」
…その時の彼らの瞳は虚ろだった。
僕は人の眼を見てから話す癖がある。
でも、すぐに反らす。
最初は全然顔も見ないのに、慣れてくると
眼をじっと見てくるドクオとは対称的に。
喪主を先頭に、マイクロバスに載って
会食の場に移ると
二人に挟まれた。 …正面には骨を拾った
先の男性。
歳もそれほど離れていない従兄だと知った。
喫煙所で時間を共にする他の親戚も
皆一様にドクオという人間を知っていた。
これほど故人を知る親戚付き合いが
この世に存在するのかと驚くと同時に、
少しだけ僕の中には変化が訪れる。
-
ドクオとはいつからのお友達?
( ^ω^)「小学六年生のはじめに
彼が引っ越してきた時からだお。
皆と同じ輪で話してても、
少しおどおどしてた時の顔も憶えてるお」
ドクオって学校でどんな子でした?
( ^ω^)「へっへっ屁が出た五秒後♪
って唄って授業中にめっさ怒られてたお。
クラス全員から」
いつも何して遊んでたの?
( ^ω^)「子供の頃はドクオの家で
ゲームしてたお。隣の部屋で、ドクオの
カーチャンがニコニコしてたお」
大人になったら遊びも変わるでしょ?
( ^ω^)「初日の出を見るために
真夜中の山を登って、アイツがガスコンロで
お茶を沸かして少し周りが燃えたお。
すごい怒られたけどアイツのせいだお」
( ^ω^)「僕の好きなバンドのライヴに行くから誘って、アイツのバイクで2ケツ
してったんだけど…
僕がチケット忘れて説教&片道一時間を
しなくてもいい往復させたり」
( ^ω^)「二人で旅行もしたお!
レンタカーで高原ど真ん中のペンションで飯食って…そこにいた大型犬の名前を
僕が憶えられなくて何度も聞いたから
ドクオがぶちぎれたり…」
( ^ω^)「三日目には豚丼を食うか刺身を食うかで大喧嘩だお! 結局別行動して
二人で好きなもの食べて飛行機で帰ったお」
-
( ^ω^)「居酒屋でトイレに行くとき
ラフレシア摘みにいくのか?って聞いたら…
花を摘むのと奴隷を選ぶのと何が違う!
って怒り出してそこはもう出禁ですよ」
( ^ω^)「僕の作った焼豚をあげたら
その場で完食したり…あ、それは秋葉原の
道路のど真ん中でなんですけど」
( ^ω^)「アイツが株をやりだして
年収いくら?って聞いたら3万ww
馬鹿にして僕がやったら年収1万とかww」
( ^ω^)「他にもたくさんあるお!」
ドクオの家族は黙って聞いてくれた。
ゲームの話はさすがにきょとんとしていたが
それ以外の思い出は伝わったのだろう。
だから、
姉さんが
「ドクオのこと色々憶えてくれてるんだね」
…って、
僕に向かって泣きながらそう言ったから ーー
.
-
( ;ω;)
僕も泣いたんだ…
.
-
巷ではこんな事を言うと
ホモくせえ、とか
きめえ、とか
言うかもしれないお。
.
-
でも、
僕にとってはドクオは家族だったお。
親も知らない僕を知ってるし、
僕も貴方達が知らないアイツを知ってる。
ドクオが通った高校、大学、会社。
どんな生活をしていたのか、
どんな知り合いがいるのか、
ドクオが出くわした事件、トラブル。
その時何を思ったのか、
誰に何を思ったのか、
( ;ω;)「きっと僕以上に…
ドクオを知ってる奴は居ないお」
なのに、何故死んでしまったんだろう…
.
-
その日の夜、僕はドクオの家にお邪魔した。
玄関までという約束をして、
手持ち無沙汰に待っていると父親が一枚の
紙を持って出てきた。
「……これがアイツの遺書です。
君のことが書いてあったから連絡できたんだ」
そう、
ドクオの死の理由は自殺だった。
( ^ω^)「……すみません」
父親に礼を述べ、
無意識に震える手でなんとかその紙を読む。
.
-
《2014年8月2日、私は死にます》
( ^ω^)つ□
「検死の結果だと…8月5日に死んだって」
《借金、なし…金銭の貸し借り、なし…》
( ^ω^)つ□
「金のことなんて書くくらいなら」
《長い間お世話になりました、ありがとう》
( うω^)つ□
「もっと…私達に言うことがあるのにね」
《ブーン へ。》
( ω )つ□
-
《長い間、借りてばっかりでごめんな》
.
-
僕はもう感情をおさえられなかった。
わんわんと泣いた。
一番哀しいのは家族だ!
でしゃばるな!
…そう言う人もたくさんいるだろう。
だったら言わせてもらう。
僕はその権利がある。
哀しさなんて測れる人がいるのか?
それは神か? 仏か?
悪魔すらそんな傲慢なこと言うものか。
育ての親のバーチャンが死んだ後からずっと
僕の家族はもう、
ドクオとツンしかいなかったのだから。
( ;ω;)「……」
こうして、僕の家族はまた一人居なくなった。
.
-
支援
-
ドクオが他人や世間に怒るときの
口癖があった。
(# A )『どいつもこいつも…
自分のケツは自分で拭けよ、
バァーーーカ!』
( ;ω;)「…お前もじゃないかお」
人様の家でむせび泣く僕も、
お前の父親も、姉も、
こんなに頭がごちゃごちゃになる。
遺された人間がどれだけ哀しいか。
どれだけ気を揉むか。
どれだけ答えのでない後悔で
自分を責めるのか。
どれだけお前のケツを拭いているのか…
-
(# ゚ω゚)「あの世で反省しろ
バーーーーーーーーーーーーーーーカ!」
.
-
.
-
('A`)「……」
('A`)「……」
('A`)「もうすぐお盆だな」
('A`)「……」
('A`)「お、夏の百物語もあったか」
('A`)「……」
('A`)「間に合うか、俺の死に様?!」
('A`)「i can fry!!」
( ^ω^)「…どうせこんなんだお」
( ^ω^)「あーあ、もう少し待てば
お前の好きな漫☆画太郎改名のニュースが
読めたものを…」
( *゚ω゚)「それよりも…間に合ったお、
お前のお望みの百物語に!ガハハ!」
.
-
僕は帰宅してから…
部屋の片隅に、
割り箸を刺したキュウリを置いといた。
ーー え、普通はナスも置くって?
おかしいって?
でも僕とドクオの間には
そういう上辺だけの常識はいらない。
それに、そもそもナスはあの世から
こっちに来るためのお供え物だ。
ちゃんと成仏するまではお断りである。
(
)
i フッ
|_|
晒し者は誰ですか?見付けにくい人のようです
(了)
-
乙!
-
※本来、キュウリでこちらにきて
ナスで帰ります
バカボンの歌のように誤って覚えないようご注意ください
-
うーん
-
途中支援嬉しかったです
ありがとうございました!
次のかたどうぞ
-
うーん
-
乙です。キュウリとナス逆じゃね?って思ってたけど意味あったのね
-
友達を晒すブーンの怖さと、記憶力が悪いからバカボンみたく逆に覚えたってことか
-
最後の最後だし、これ聞きながら
見ようぜ とってもいいかんじ
https://m.youtube.com/watch?v=lcnSl2TolJw
-
>>846
聴きはじめてすぐにそっ閉じ
-
>>847
刺激が強過ぎたか
あ、ちなみに絶叫系とかビックリ系では無いからその点安心してくれ、
じわじわくる奴だから
-
投下終わったので報告
.,、
(i,)
|_|
('A`)百物語、のようです 廃村ツアー
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/13029/1376666020/144-
(
)
i フッ
|_|
四十一本目 終わりました
-
人居ないな
-
NHKでも百物語やってる?
-
投下する人いないんなら四十二本目もらってくね
-
みなさん、だるまさんが転んだ、という怖い話をご存じだろうか。
意味が分かると怖いコピペ、などで巷に広まった都市伝説の一つである。
その内容は以下のようなものだ。
お風呂に入って頭を洗っている時、「だる
まさんがころんだ」と口にしてはいけません。頭の中で考
えることも絶対にヤバイです。何故なら、前かがみで目を閉じて頭
を洗っている姿が「だるまさんがころんだ」で遊んでいるように見える
のに併せて、水場は霊を呼び易く、家の中でもキッチンやおふ
ろ場などは霊があつまる格好の場となるからです。さて、洗髪中に
いち度ならず、頭の中で何度か「だるまさんが
ころんだ」を反芻してしまったあなたは気付くでしょう。青じ
ろい顔の女が、背後から肩越しにあなたの横顔を血ば
しった目でじっとみつめていることに…..。さて、あな
たは今からお風呂タイムですか? 何度も言いますが、
いけませんよ、「だるまさんがころんだ」だけは。
聡明な、もとよりネット文化に造詣ある諸兄なら既にご存知かもしれないが、
この怖い話、内容よりも「気づくと怖い部分」に実がある。
中で語られている「達磨さんが転んだ」の怪談は、いわばブラフ。
おどろおどろしい雰囲気を醸し出すためのエッセンスに過ぎないのだ。
だが、しかし。
人の恐怖心は、事実のみから沸き立つものでは無い。
怪談は、語られ人の耳を渡り伝播されるうちに、虚実であっても真実の恐怖を生み出すのだ・・・・・・。
-
).
ノ_, イ
/::::::::::し! l)
/::::::::::::::::::( (
i::::::::::::;ヘ、::::ヽ
ト、::ト' `i::レ 百物語2014 四拾弐本目
ヽ:ヽ _リ
.`i!' 川゚( lll゚'ω゚) だーるまさんがこーろんだ。ようです
_i!_
r´ ̄ ̄ ̄ ̄ `;
し'⌒Y`ゝ_ノ`J
| :し.. .:::::!
| :::::| :::::::::::::::::::::::
| .J: ::::! :::::::::::::::::::::::
| :::::| :::::::::::::::::::::::
| :::::|::::::::::::::::::::::
| :::::| :::::::::::::::
| :::::|::::::::::::::
| :::::|::::::::::
| :::::|:::::
i _____:!::
-
( ^ω^) …………もう一時過ぎちゃったお。
( ^ω^) 怖いコピペ読んでたらこんな時間だお。そろそろ寝ないと明日のプリキュア(※1)に間に合わないお。
::( ^ω^):: ブルル......
( ^ω^) 窓開けっ放しにしてたからすっかり冷えちゃったお。
( ^ω^) ……昼間は汗かいたし、シャワー浴びるお。 スクッ
( ^ω^) ヌギヌギ......
( ´ω`) おーん、またちょっと太ったかもしれないお……
( ´ω`) いっぱいホラー読んだけど、この脂の塊が一番恐ろしいお………… タプンッタプンッ
( ^ω^) まあいいお。明日からダイエットするお。そうと決まれば風呂上りは断食前の決起コーラ(※2)だお。
※1 日曜朝8時半からテレビ朝日系で放送している女児向けアニメシリーズ。
今年度の『ハピネスチャージプリキュア』で十周年を迎えた。
※2 香料と糖類で構成されたデブの元(清涼飲料水)。類似語に「ピザ」「ポテチ」等がある。
同名の小惑星が存在し、かつてとある少年の窮地を救ったとかなんとか。
-
( ^ω^) ふんふふーん ♪ ガラッ......
( ^ω^) 体が冷え切ってるときはまず温めのお湯が良いんだお。熱いと死ぬ。 キュッキュッ
< シャァァァァァッ (※3)
( *´ω`) んん〜〜……生き返るぅ〜〜
( *´ω`) やっぱり夏場のシャワーは気持ちいいお〜〜
( ^ω^) おっと、あんまり無駄に浴びていたらお湯がもったいないお。
( ^ω^) ちゃっちゃと髪洗うお。夏場はトニックシャンプーでスッキリだお。 シャコッ
(∩‐ω‐) ワシャワシャワシャ......
(∩‐ω‐) (そう言えば……読んだコピペにお風呂で頭を洗ってる時に……(※4)ってあったお)
(∩‐ω‐) (あれって、たしか、……)
※3 シャワーからお湯が出たことを洗わす効果音。擬音語。勝俣邦和では無い。
※4 意味が分かると怖いコピペ等でよく取り上げられる、創作怪談の一つ。
本文については>>853を参照。縦読み系。
-
(∩‐ω‐) (だるまさんがころんだ)
::゚:::゚:::
.
-
て
(∩‐ω‐)そ ゾクゾクッ
( ;‐ω‐) (なんかいま、妙な寒気が……)
( ;‐ω‐) (…………気のせいだお。だって、だるまさんがころんだの内容は……)
::゚:::゚:::
て
( ;‐ω‐)そ ゾクゾクゾクッ
( ;‐ω‐) (………………何かが…………)
::゚:::゚:::
( ;‐ω‐) (何かが近づいてきている……ッ!)
-
( ;‐ω‐) (でも、だるま……あの怪談は縦読みのブラフじゃないか……)
( ;‐ω‐) (気のせい……気のせいだお……要は気の持ちようだお)
( ;‐ω‐) (だるまさんがころんだって言わなきゃ……)
::゚:::゚:::
( ;‐ω‐) (〜〜〜〜〜ッ!!ダメだ!どうしたって意識してしまう!どうしたらいいんだお!)
( ;‐ω‐) (そうだ!目を閉じなければいいんだお!目を開けたままシャンプーするお!)
( ゚ω゚) そ カッ
( ゚ω゚)
(lll´ω`) 目にしみるよね〜〜そりゃね〜〜
-
(lll´ω`) なんでトニックシャンプーなんかにしちゃったんだろ……鬱だお……
::゚:::゚:::
(lll´ω`) あー……もー―……めっちゃ圧力感じるし……
(lll´ω`) 早くながそ…… シャァァァァァッ
(´ω`lll) チラッ
:::::゚:::゚::
(lll´ω`) (めっちゃいたんだけど……鏡にばっちり映ってるんだけど……こわい……)
(lll´ω`) (これ追いつかれるとどうなるんだっけ?)
::::::゚:::゚:: コロス......
(lll´ω`) 殺すか〜
(lll´ω`) ってかしゃべるんだ〜〜マジ意志疎通〜〜
-
ガラッ
(lll´ω`) ふぃー……間違ってもう一回唱えちゃったけど、何とか殺されずにすんだお……
(´ω`lll) チラッ
(lll´ω`) よかったお…………なんとか逃げ切ったお………… フキフキ
(lll´ω`) 今後の為にシャンプーハット(※6)買うかお…… ワシャワシャ
(lll´ω`) ふぅ……あったまったのに冷えちゃったお……コーラ飲んで寝るお
(lll´ω`) ハァ〜〜もう怖い話はこりごりだお…… グビグブイグビ......
( *‐ω‐) げぷぅぅぅ〜〜〜〜〜〜……
( 0^ω^) よし、気分も回復したしねるお! テカテカ
※6 頭を貫通させて用いる、シャンプー際に泡が垂れて顔にかかるのを防ぐための、鍔のみの帽子。
八つ裂き光輪と誤認されることが多いが、別物である。
-
( ^ω^) ふんふふ〜ん♪
( ^ω^) さすがにガチもん出てくるとは思わなかったけど、風呂あがっちゃえばコッチのもんだお!
( ^ω^) でも気味悪いから明日塩いっぱい買ってきて撒くお
( うω^)〜゚ ふぁ……
( ‐ω‐)〜゚ ……早起きして松太郎(※7)から見るかお…… ウツラウツラ
( ‐ω‐) iPhoneで目覚まし時計をセットして……(※8)
つ日
( ‐ω‐) おやすみなさいだお……
※7 日曜朝六時半から放送している、ちばてつや先生原作の相撲アニメ。
テレビ朝日は何を思って誰に向かってアニメ化に踏み切ったのか。
※8 そう、iPhoneならね。
-
( ‐ω‐) ......スゥ-ー―……
ズリ
( ‐ω‐) ......スゥ-ー―……
ズリ
( ‐ω‐) ......
ズリ
( ;‐ω‐) (ですよね。これで落着するわけないですもんね。楽しい百物語ですもんね)
-
( ;‐ω^) チラッ
:::::::::::::::::::::::::::i| . l:::::::::::::: : :i| :: \::::::::::: i| ::: ――――― ―
:::::::::::::::::::::::::: i|: : ' ,::::::::::: : i| :: \:::::::i|三三三三二≧土一-,,,.
:::::::::::::::::::::::: : i|: : ∨:::::::: i| :: r'洲\仆三三ニ= ̄ ̄ ̄ ''¨¨=三≡辷
:::::::::::::::::::::::::::::i| : : \::: ∧州洲州¨丶: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ¨¨气辷廴 r'/
::::::::::::::::::::::::::::::i| \∧i|州i¨|: : : : `气辷
:::::::::::::::::::::::::::::::i| ,〃洲州Ⅳ¨: : : , ― 气\
:::::::::::::::::::::::::::::: i|∠彡洲孑: : : : /;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:; : `ヽ ヾ \ヽ
:::::::::::::::::::::::::::: : i| ._ヾ爪: : : : 〃;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;: ; ;丶 ∨
::::::::::::::::::::::::::::: : i| ⌒ ヾ弋: : : : /;:;:;:;:;:;:;:;斤i|i气;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:; l!
:::::::::::::::::::::::::::::: : i| ヾ弋: : : .:;:;:;:;:;:;:;:{殷鬱ll} ;:;:;:;:; ',
::::::::::::::::::::::::::::::: : i| ⌒ 气 {l;:;:;:;:; 弋怨汐 :;:;:} :::
:::::::::::::::::::::::::::::::: : i| ⌒ ヽヾ .', // ;;;;;;;
::::::::::::::::::::::::::::::::: : i| `ヽ ', イ
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i| , \ // イ ::::::::::::::
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i| ⌒ ヽ ヽ _ , ´ 、< ::::::::::::::::::::
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i| ー ―――― ` ::::::::::::::::::::::::;;
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i|  ̄  ̄ ̄ ::::::::::::::::::::::;;;
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: i| ::::::::::::::;;;;;;
( ;‐ω^)
( ;‐ω^)
( ^ω^)
( ^ω^) (近すぎじゃないですかね???)
-
( ^ω^) (どうすんのこれ?どうすんの?)
::::゚:::゚:: コロス......
( ^ω^) いや、君がどうするかは聞いてません
::::゚:::゚::
( ^ω^) あ、そっか。だるまさんがころんだだから、目を瞑ってないと近づいてこれないんだお。
::::゚:::゚::
( ^ω^) 対処法見つけたお!これなら怖いけど怖く無いお!!
( ^ω^) また勝ってしまった……敗北を知りたい……
::::゚:::゚::
( ^ω^)
::::゚:::゚::
( ^ω^) (……目を瞑れないから眠れない……これが敗北か……)
-
(lll´ω`) (……どうしよ、めっちゃ眠い…………でも目を閉じたら確実に取られる…………)
::::゚:::゚:: マダ?
(lll´ω`) (めっちゃ待ちわびてる……)
::::゚:::゚:: ......ボォーヤー... ヨイコダネンネシナー ♪
(lll´ω`) (子守唄歌い出したお……日本昔話(※9)なつかし……)
::::゚:::゚:: 〜〜〜♪
(lll´ω`) (歌詞忘れてハミングになった……)
::::゚:::゚:: クマノコミテイタカクレンボー ♪
(lll´ω`) (エンディングに入った……)
::::゚:::゚:: イーイーナー イーイーナァー ニーンゲンッテ イーイーナァ......♪
(lll´ω`) (重い……だるまさん歌うと歌詞超重い……)
::::゚:::゚:: マダ?
(lll´ω`) (しつこ・・・・・・)
※9 日本各地の民話をアニメで映像化した『まんが日本昔ばなし』の意。
やたらと白米を山盛りにするじいさんばあさんが登場する。
-
(lll´ω`) (どうしよ……このままだと僕が負けるお)
(lll´ω`) ……ちなみにどうやって殺すんですかお?
::::゚:::゚::: クウ
(lll´ω`) 食うのか〜〜脂乗ってるもんな〜〜
(lll´ω`) (……ぅわ……だめだ…………眠い………………)
(lll´ω`) (瞼が………………………)
(lll‐ω‐) (あっ…………)
(lll‐ω‐) (終わった……短い生涯だった…………)
(lll‐ω‐)
(lll‐ω‐)
(lll‐ω‐)
(lll‐ω‐) (……あれ、何も起きない?)
-
(lll‐ω‐) (そか……例の言葉を唱えなければ……大丈夫なのか……じゃあこのまま…………眠れば…………)
(lll‐ω‐) (…………だるまさんが……)
(lll‐ω‐) (…………あぶね、そう考えたらつい思い浮かべそうになる)
(lll‐ω‐) (だる……だるま……うう…………ダメだ………………)
(lll‐ω‐) (考えちゃいけないと思うほど考えちゃう…………耐えられない……………)
(lll‐ω‐) (何かでごまかさないと……そうだ霊は下品なのが苦手なんだお…………)
(lll‐ω‐) (びっくりするほどユートピ…………あ、だめだ…………金縛りにかかっててケツを叩けない…………)
(lll‐ω‐) (だる…………だるま………………)
(lll‐ω‐) (だるまさん………だるまさん…………あっ、あっ……ああっ……だっ、だっ……だるまっ…………)
-
( #゚'ω゚) だるまさんとセックス!! バッ
:::;゚:::゚:: ビクッ
( #゚'ω゚) だるまさんとセックス!! ジリッ
:::;゚:::゚:: タジ......
( #゚'ω゚) だるまさんとセックス!! (反復横跳びを始める)
::゚:::゚;::: 彡 クルッ......ズリ......
( #゚'ω゚) 逃がすかぃ!!
( #‐ω‐) だるまさんがころんだ!!
((( ::゚:::゚;::: !? グググ→
( #゚'ω゚) やはり反射的に寄ってきたか!己の特性を呪え!!
-
ワロタ支援
-
_人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人_
> <
> だ る ま さ ん と セ ッ ッ ッ ッ ッ ク ス ! ! ! <
> <
´ ̄^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^ ̄
/⌒ヽ∩
r( ゚'ω゚#)ノ _
└‐、 レ´`ヽ
ヽ ● ノ´`
( .(
`ー
::::゚:::゚::
::::゚:::゚::
::::゚:::゚:: えっ
-
( #゚'ω゚) 大体なんで僕が一方的に怖がらなきゃいけないんだお!!
( #゚'ω゚) 明日は日曜日なのに寝坊したらどうしてくれるんだお!!
( #゚'ω゚) 貧乏学生は録画機器持ってないんだお!!リアタイ視聴は遊びじゃないんだお!! ドンッ
( #゚'ω゚) この責任は体で払ってもらうお!! ジリジリ......
:::;゚:::゚:: ビクビクッ
( #゚'ω゚) 。o O (( ^ω^) やったお!思った通りだお!幽霊は下品な奴が苦手なんだお!!)
( #゚'ω゚) 。o O (( ^ω^) 一旦ペースを掴めばこっちのもんだお!もう怖くないお!)
( #゚'ω゚) (……それに落ち着いて見てみると……)
川;゚ ,゚)
( #゚'ω゚) (黒髪に奥二重のぱっちり釣目……の割に押しに弱そうなたたずまい……これは中々……)
(*^'ω^) …………フヒヒッ ジュルリ
川;゚ ,゚) ビクッ
-
(*^'ω^) さあ・・・・・・だるまちゃん・・・・・・おにいさんといいことしようね・・・・・・
川;゚ ,゚) タジ......
(*^'ω^) 抵抗しても無駄だお ジリジリ......
川;゚ ,゚)
(*^'ω^) フヒヒヒヒ……手も足も出ないとはまさにこのこと!!
川;゚ ,゚)
(*゚'ω゚) いっただっきむぁあああす!!! ガバッ
川;゚Д゚) ぎぃゃぁぁぁぁぁぁぁ!!!
-
◎イメージソング:『島人ぬ宝』
https://www.youtube.com/watch?v=ALZsM7PBSOA
僕が生まれたこの島の空を
僕はどれくらい知っているんだろう
輝く星も
流れる雲も
名前を聞かれてもわからない
/⌒ヽ∩
r(*^'ω^)ノ _
└‐、 レ´`ヽ ィハヘトヽ
ヽ ● ノ´` (゚Д゚;川
( .( 〈 ヽ
`ー ゝy )
※名曲と共にまろやかな表現でお楽しみください
-
でも誰より
誰よりも知っている
悲しい時も
嬉しい時も
何度も見上げていたこの空を
\ィーヤーサーサァッ/
∩/⌒ヽ
_ ヽ(^ω^*)7
γィソハ /`ヽJ ,‐┘
川;゚Д゚) ´`ヽ ● ノ
/ 〉 ) )
( yノ ー´
-
教科書に書いてある事だけじゃわからない\ァーサーサーッ/
大切な物がきっとここにあるはずさ\ァーサーサーッ/
それが島人ぬ宝 \ィーャーサーサーッ/
_,..-――-:..、 ⌒⌒
/.:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::.\ ^^
/ .::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::..ヽ
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
:::::::::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:::::::
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/⌒ヽ∩
r( ::;;;;;;;;丿ノ _
└‐、::;;;;;;;;;レ´`ヽ
―''ー-―'――ー'''‐'ー'''―‐'―''''―ヽ :;;,、;;ノ´`―'''ー'-''――'`'
,, '''' `、 `´'、、, ''' (:::( ''' 、、,
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,, ,,,, ''' , ::::;;;;;;;;;;::::: ,,
,,,,, ,, :::::::::;;;;;;;;;;;;;;;::::: ''
,, ''''''' ,,,, ,, :::::::::::::;;;;;;;;::::::
-
\ピリリリリリリリリリリ........./.
( ‐ω‐) , z Z ......
\ピリリリリリリリリリリ........./.
( ‐ω‐) , z......
\ピリリリリリリリリリリ........./.
( ‐ω‐)つ んん…… ポチッ
( ‐ω)~゚ むにゃ……もう六時半かお……
つ日
( ‐Д‐)~ ふぁ〜〜 やっぱり松太郎起きは辛いお……
( ‐ω‐) ……
( ^ω‐)
(^ω^ )
(^ω^ )
-
なんというテンションww
-
\ r'´ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄`、::. ___
l} 、:: \ヘ,___,_ ______/::.__| .|___________
|l \:: | | |、:.. |[], _ .|:[ニ]:::::
|l'-,、イ\: | | γ,iノハヽ^/⌒ヽ |::.. ヘ ̄ ̄,/:::(__)::
|l ´ヽ,ノ: | | 川 。‐ ,)(^ω^ ) l、:::  ̄ ̄::::::::::::::::
|l | :| | |,r'",´ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄`ヽ、l:::::
|l.,\\| :| | ,' :::: :::::.....::ll:::
|l | :| | | :::. .:::::::...:::|l::::.
|l__,,| :| | | :::. .::......:::|l::::
|l ̄`~~| :| | | |l::::
|l | :| | | |l:::: チュンチュン
|l | :| | | ''"´ |l::::
|l \\[]:| | | |l:::: チュン
|l ィ'´~ヽ | | ``' |l::::
|l-''´ヽ,/:: | | ''"´ |l::::
|l /:: | \,'´____..:::::::::::::::_`l__,イ:::: (※10)
(※10) 朝チュン。漫画、アニメ作品などで用いられるシーンスキップの手法。
登場人物が性的な関係を持ったことを示唆する際によく用いられるとされる。
-
川 。‐ ,) グスングスン......
( ^ω^) だるまちゃ〜ん
て
川。゚ ,゚) そ ビクゥッッ
( ^ω^) あ〜え〜っとその〜〜〜
川。゚ ,゚) オドオド......
( ^ω^) ごめんね、うん。なんか。ちょっとね。うん。
川。゚ ,゚)
( ^ω^) えっ、責任?……え〜あ〜〜うん、とる。とんないとまずいよね、うん。
川。゚ ,゚)
( ^ω^) うん、うん?そうだな、一人目はやっぱり女の子が良いかな
-
川。゚ ,゚)
( ^ω^) へ〜そうなんだ〜。初めての怪奇現象だったんだ〜〜。
川。゚ ,゚)゙ コクコク
( ^ω^) なんかごめんお、初めてこんなやつで
川。゚ ,゚)゙ コクコク
( ^ω^) ……ところで、帰らなくていいの?もう朝だお?
川。゚ ,゚)
( ^ω^) あ〜〜〜〜そっか〜〜〜〜〜(※11)
(※11) だるまさんがころんだは『鬼に動いてるところを見つかった者は鬼に掴まる』というルールがある。
この怪談(?)に置いて鬼はブーンであるから、だるまさんはブーンに捕まったことになるのである。
捕まった者が解放されるには、別の誰かが鬼にタッチしなければならない。(ローカルで差異あり?)
-
( ^ω^) ってことは何?君を解放するには別のだるまさんに僕がタッチされなきゃいけないの?
川。゚ ,゚)゙ コクコク
( ^ω^) タッチされるとどうなるんだっけ?
川。゚ ,゚) コロス
( ^ω^) 殺すか〜〜
( ´ω`) (どーしよ……確実に僕んとこにだるまさんズ押しかけてくるじゃん……)
( ´ω`) (ハーレムラブコメみたいになっちゃうじゃん……四肢欠損オンリーというコア過ぎるジャンルの……)
川。゚ ,゚) ??
( ´ω`) あー―……なんでもない何でもない。とりあえず一緒に松太郎でも見るお……
川。゚ ,゚)゙ コクコク
( ´ω`) (まー―……一度捕まえちゃえばいい子だし……なんとかなるでしょ…………)
-
その頃新人のだるまちゃんを取り戻すため、
魑魅魍魎怪異百鬼の大群がブーンの家に向かっていることにブーンはまだ気付いてなかった・・・
∧_∧
(ヽ( )ノ) ∧_∧ ∧_∧
ヽ ̄ l  ̄ ./ (ヽ( )ノ) ∧_∧ (ヽ( )ノ)
∧_∧ | . . | ヽ ̄ l  ̄ ./ (ヽ( )ノ) ヽ ̄ l  ̄ ./
(ヽ( )ノ)(___人__ ) | . . | /⌒ヽ ヽ ̄ l  ̄ ./ | . . |
ヽ ̄ l  ̄ ./ ; 丿 し ( _人__ (ヽ( )ノ) | . . | (___人__ )
∧|_∧ | ∪ ∪ ; 丿 ヽ ̄ ∧_∧ (___人__ ) ∧_∧
(ヽ( )ノ) ∧_∧ ∪ (ヽ( )ノ)丿 し (ヽ( )ノ)
ヽ ̄ l  ̄ ./ (ヽ(::::::::::::::::)ノ) ∧_∧ ヽ ̄ l  ̄ ./∪ ヽ ̄ l  ̄ ./
| . . | ヽ:: ̄ー ̄./ (ヽ( )ノ) | . . | ∧_∧ |
(___人__ ) ∧_∧::::::|:::::::::| ヽ ̄ l  ̄ / ( _人__ ) /⌒ヽヽ(::::::::::::::::)ノ)
; 丿 し (ヽ( )ノ) ::::::::) | . . | ∪ ; 丿(ヽ( )ノ) ー ̄./
∪ ヽ ̄ l  ̄ ./ ; 丿 (___人__ ) ∪ ヽ ̄ l  ̄ ./::::::|:::::::::|
| . . | ∪ ; 丿 し | . . | (:::::人:::::::(
∧_∧ ∧_∧ ∧_∧ ∧_∧ ∧_∧
(ヽ( )ノ)(ヽ( )ノ)(ヽ( )ノ)(ヽ( )ノ)(ヽ( )ノ)
ヽ ̄ l  ̄ ./ ヽ ̄ l  ̄ ./ ヽ ̄ l  ̄ ./ ヽ ̄ l  ̄ ./ ヽ ̄ l  ̄ ./
| . . | | . . | | . . | | . . | | . . |
∧__ ) ∧_∧__ ) ∧_∧__ ) ∧_∧__ ) ∧_∧__ )
)ノ)(ヽ( )ノ)(ヽ( )ノ)(ヽ( )ノ)(ヽ( )ノ)
 ̄/ ヽ ̄ l  ̄ ./ ヽ ̄ l  ̄ ./ ヽ ̄ l  ̄ ./ ヽ ̄ l  ̄ ./
. | | . . | | . . | | . . | | . . |
__ ) (___人__ ) (___人__ ) (___人__ ) (___人__ )
し ; 丿 し ; 丿 し ; 丿 し ; 丿 し
∪ ∪ ∪ ∪
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._
\ヽ, ,、
`''|/ノ
.|
_ |
\`ヽ、|
\, V
`L,,_
|ヽ、)
_/_
r´ ̄ ̄ ̄ ̄ `;
し'⌒Y`ゝ_ノ`J
| :し.. .:::::!
| :::::| 四拾弐本目
| .J: ::::!
| :::::| ┼ヽ -|r‐、. レ |
i _____:! d⌒) ./| _ノ __ノ
-
ひでぇオチだwwww乙!
-
乙!
曲のチョイスがwwwwwwwwwwwww
-
投下終り。蝋燭込みでギリギリの30レスと言う妙義
四十二本目>>853-884でした
-
乙www
-
※でわらったwww
-
四十三本目
頂きます
-
.,、
(i,)
|_|
四十三本目
ホラーのようです
-
これは!!!びっくりするh(ry
-
え、今投下しちゃ駄目?
投下来ないけど
-
あ、ちゃんと四十三本目頂きますってあるわ スマン
-
( ^ω^)「今日は突然ツンに呼ばれたお」
(*^ω^)「昨日も会ったばかりなのに…そんなにブーンに会いたいのかお?」
ξ゚⊿゚)ξ「ブーン!」
( ^ω^)「お、きたお」
ξ゚⊿゚)ξ「ごめんなさい、待った?」
( ^ω^)「今来たところだお」
( ^ω^)「突然どうしたお?」
ξ゚⊿゚)ξ「えぇ、今後のことも話したくて」
( ^ω^)「今後?」
ξ゚⊿゚)ξ「妊娠したわ」
( ^ω^)「?」
ξ゚⊿゚)ξ「妊娠したの」
( ^ω^)
( ^ω^)
( ゜ω゜)
(
)
i フッ
|_|
-
>>893
投下しようとおもったらふっとんだ……
遅くてすまん。
次どうぞ
-
はぇぇw
-
四十四本目
.,、
(i,)
|_|
-
ゴミ捨て場ってさぁ、
誰が何捨ててるか分からないだろ?
ホラ、君の部屋から直ぐ近くのゴミ捨て場の事だよ。
絶対そこに何か居るって。
絶対に、夜見ちゃいけないもんが、きっとあるぞ?
.
-
俺はその日、チャリで通勤していた。
まだ朝は早くて、道には誰もいやしない。
('A`)
景色が流れていった。
出勤時に川辺を散策するのが俺の趣味だった。
問題は直後に起きた。
河川敷の比較的低い方に。
そこに、一つ、ぽつんとビニール袋が捨てられてんのよ。
そこがゴミ捨て場になってんのは知ってたけどな。
そして。
ほんの一瞬だったけど、俺は見ちまった。
ある程度遠かったけど、確かに。
口紅をがっつり塗って、ニタっと笑ってる、女の生首が、ビニールの中に詰め込まれて、こっちを見てるんだよ。
.
-
(;'A`)「ひぅ、」
恐怖に息が詰まったね。
でも、信じられない。
あれは嘘だ、見間違いだ、って、何度も何度も言い聞かせた。
だってそうだろ?非常識的過ぎるんだから。
自然とペダルを漕ぐ足に力が入った。
振り返ってみると、生首の入ったビニール袋はもう遠くで、見えなくなってた。
一体、あれは本当だったのか。出勤中、そればかりを考えたよ。
でも、結局見間違いだった。
そうとしか考えられなかったんだ。
第一、あんな遠くからハッキリ「生首」だなんて認識出来る筈が無いだろ?
-
('A`)「……おはよう」
( ・∀・)「おはようドクオ」
( ・∀・)「顔色悪りいな」
( ・∀・)「今日、夕飯食ってくか?」
仕事場に着くと、開口一番に同僚のモララーがそう言って来た。
('A`)「……ああ」
節約主義の俺は、いつもなら断ってたんだ。
でも、今朝の「出来事」を思い出すと、一人で帰るのは
怖かった。
暗がりの帰り道、また「あいつ」と遭遇するなんて、事を考えちまった。そんな事あり得ないのに。
('A`)「いいよ」
渋々。
( ・∀・)「やった」
モララーは喜んでた。
俺は、安堵した。
-
仕事終わり。
俺は今朝の事なんて半ば忘れ去っていた。
( ・∀・)「どこ行く」
('A`)「ラーメンでいいだろ」
( ・∀・)「おk」
結局、俺とモララーは駅前のラーメン亭に寄る事にした。
ラーメン亭は、飯の匂い立ち込める表通りから逸れた裏道に、ぽつりと立っている。
(`・ω・´)「らっしゃい」
('A`)「塩下さい」
( ・∀・)「僕は豚骨で」
-
ラーメン亭のおっちゃんに注文を届けた後、俺はモララーと他愛ない話をして待ってた。
( ・∀・)「彼女欲しいなー」
('A`)「彼女?食いもんか?それ。ただでさえラーメン脂っこいのに、これ以上食えねえよ」
( ・∀・)「冗談だよ。ドクオ。俺もお前と同じ仲間だ」
(`・ω・´)「はいよ」
('A`)「お、ありがとーーー」
その瞬間には、俺は、椅子から転げ落ちていた。
だって、おっちゃんが出したどんぶりの中には、
ラーメンなんかじゃない、
黒い何かに浸かった、あの生首が入ってたんだから。
あの、にったり笑った、女の生首と、目が、合ったんだ。
.
-
明日ぜったいゴミ捨て場見ちゃうわw
-
( A )「う、うああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」
「ど、どうしたんだよ!?ドクオ!」
俺は半狂乱だった。
地べたを這い回り、呂律の回らない口で、何かを口走りまくっていた。
「ただの旨そうな塩ラーメンじゃねえか!」
ラーメン?これがラーメンに見えるってのか。
ふざけるなふざけるなふざけるなふざけるな!
ふと、モララーを見上げると、
あろうことか、頭上にあの女の顔があった。
( A )「あ……?」
信じられなかった。
モララーの顔は何処かへ消え失せ、モララーの首から先に、女の生首が、ひっついてたんだ。
三日月型ににっかり割れて、底の見えないくらいに漆黒に
笑う、視線が、俺の目を舐めまわして。
にっこり笑う、その血みたいに真っ赤な口紅の口を、大きく開いて。
モララーの首から下を、俺にむけて、にょっと伸ばして。
そう、俺を、食うみたいにーーー
-
( A )「っ、あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」
気付けば、俺はベットの上だった。
( A )「はぁっ、はぁっ、」
嫌な夢を見た。それも妙にリアルな。
水を飲もう。
そう考えて、俺がベットから降りようとした瞬間。
-
ゴミ箱から、ゴトっ、という音がした。
.
-
「おい、この前の、首切断ショー、凄かったよな」
「アレ、マジだったらしいぜ」
「え」
「ヤク漬けにされて、廃人になった女を、本当に殺したんだと」
「……恐ろしいな」
「後になって分かった話だけど、客が居なくなった後、その生首は、何故か見つからなかったそうだ。いくら探しても」
-
あなたのそばに、のようです
(
)
i フッ
|_|
-
町のゴミ捨て場とかって、なんとなくみちゃうから怖いな…
-
第二夜はほのぼの系やギャグが多いなって思った瞬間これだよ!!
いやああああああああああ
-
乙
ゴミ捨て場こあい
-
らめええええ!!ゴミ捨てに行けないいいいい!!
ラストのせいでゴミ箱すら直視できないいいい!!
乙んんんんん!!
-
四十五本目、頂きます。
.,、
(i,)
|_
-
川ー川「ねぇ、肝試しに行こうよ」
上京する前まで、幼馴染みの彼女に怖がりな僕は腕を引っ張られて、色々な心霊スポットへと連れ回されたものだ。
彼女は僕が怖がる顔が大好きらしく、泣く僕を見てはいつも笑っていた。
心霊スポットは大嫌いな僕だったけど、彼女の幼い時から変わらない笑顔を見るのが好きで、怖がりな癖に沢山の心霊スポットをまわったものだ。
しかし、上京して彼女とも疎遠となり、心霊関係に関わることは無くなったと思っていたんだけど…
-
川ー川 「お久し振り。ねぇ、こわぁい話してあげる」
一人暮らしを始めて一年後、彼女が夢にでてくるようになったのだ。
それも、百本の火の付いた蝋燭に囲まれて
-
川д川百物語より怖い物のようです(-_-)
.
-
(;-_-)「ななななんで貞ちゃんが此処に!?」
川д川「何でって、ヒッキー君が呼んだんじゃない」
(;-_-)「えっ、呼んだって…?」
川д川「というか夏だから、毎年恒例の心霊スポット巡り出来なくて寂しがってるかなぁと思って」
(;-_-)「むしろ喜んでたよ、今年はいかずにすむって」
川д川「じゃあ、私に会えないのも寂しくなかったの?」
(;*-_-)「そ、それは、その、寂しかったけど…」
今だって夢だと分かっていても、会えて嬉しいと思ってるし…。ってか、夢なのになんで照れてるんだ、僕は!!
-
川*д川「でしょ?だから、今年は夢の中で百物語しようと思って!」
(-_-)「へぇ、百物語…」
(;-_-)そ「って、えぇ!?なんでそうなるの!?」
川д川「だって、ヒッキー君と現実では会えないから夢で会うしかないじゃない?だからよ」
(;-_-)「だからと言って、なんで百物語を夢の中でするの!?そんなの悪夢じゃん!そんなことより、もっと楽しいことしようよ!」
川д川「百物語より楽しいことってなに?」
(;*-_-)「そ、そりゃあ夢なんだから普段できないあんなことやそんなこと…」モゴモゴ
川д川「ん?なに?」
(;*-_-)「やっぱり何でもないよ…」
-
川д川「だよね、百物語より楽しいことなんかないし!早速始めようか!」
(;-_-)「でも、二人で百物語って…」
川д川「大丈夫、ヒッキー君は百本目の時だけ話してくれればいいから」
(;-_-)「えぇ…、よりによって百本目…」
川ー川「ね、いいから早く始めようよ」
グイッと腕をつかまれる、懐かしい感触だった。
そして
(-_-)「…その笑顔はずるいよ」
川д川「なにが?」
久々に見た彼女の笑顔を見て、断れるわけがなかった。
-
川д川「じゃあ、まず一本目ね…」
僕は彼女の笑顔に負けたことを本当に後悔した。彼女は並み大抵のホラー好きでは無かったのだ。
そう、彼女の持ちネタも滅茶苦茶怖かったのだ。
(;_;)「も、もう、やめてぇえええ!!」
川*ー川「あはははは!相変わらず脅かしがいがあるなぁ、ヒッキー君は」
(;_;)「今日はここまでにしよう、ね!?」
川д川「え、でも、まだ十本目の途中だよ?」
(;_;)「もう無理!寝れなくなる!」
川д川「今まさに寝てるじゃない」
(;_;)「とにかく、もうギブ!」
川д川「まぁ、ヒッキー君がいいならそれでもいいけど…」
-
四十五本目頂きます
ホラーのようです〜良い子のみんなへ〜
.,、
(i,)
|_|
-
(;_;)「いいにきまってるじゃない!」ガバッ
(;_;)「…あれ?」
どうやらあまりの恐怖で夢から覚めたらしい、僕は現実でも涙を流していた。
-
('A`)「それは凄い夢だな」
(;-_-)「幸せなんだか、不幸せなんだか分かんない夢だったよ…」
大学の友達に夢の話をすると、ホラー好きの彼は興味津々だった。
('A`)「で、どんな話だったんだよ。彼女の怖い話は」
(;-_-)「なんか一人暮しにジワジワくる系の話ばっかだったよ…」
('A`)「あぁ、たち悪い奴か…」
(-_-)「十本目は、愉快犯がバラバラにした死体をどう処理したかって話だったけど、オチを聞く前に目が覚めちゃったから分からないけど」
('A`)「オチ聞かない方がある意味怖くね?」
(-_-)「僕は聞かない方がマシだね」
('A`)「まぁ、またその夢の続きみたら教えてくれよ」
(;-_-)「出来れば見たくないけどね…」
-
ミス!!
うわぁぁぁぁ
申し訳ありませんでした。
支援
-
そして、その日の夜。僕は彼女から聞いた一人暮らしにジワジワくる系の怖い話を思い出して、ビクビクしていた。
(;-_-)「もー…、本当に貞ちゃんのバカ」
しかし、夢なのだから、実際の彼女は何も悪くないので八つ当たりもいいとこだろう。
(-_-)「まぁ、いいや…。部屋にいても落ち着かないし、コインランドリーに洗濯物洗いに行こう…」
-
僕の住むアパートは、歩いて二分のコインランドリーが近くにあり、四つの洗濯機が置いてある。そこは客が少ないのか、いつも一つも回っていなかった。
しかし、
(-_-)「あれ、今日は全部回ってる」
珍しく今日は四つの洗濯機が全部回っていた。
一体何を洗っているのかなぁと思って、回る洗濯機を見ると言うことは良くあることだと思う。
例に漏れず、僕も何の気なしに、回る四つの洗濯機の中身を見た。
そして、僕は腰を抜かしてしまった。
-
*
(;-_-)「あは、あははは!まさか、まさかねぇ!?だってそんな訳…」
僕が自分はバイトのし過ぎで疲れているんだと考えていると、四つの洗濯機は一斉に回るのを止めた。
そして、洗濯機の中身がはっきりと見えた。
(;゚_゚)「うわあああああ!!」
僕は急いで家に帰り、布団に潜って目を瞑った。あれが現実な訳がないと思い込みながら。
だって、四つの洗濯機がそれぞれ回していたもの、それは…
*
-
川д川「それぞれの洗濯機にはいってたのは、頭、腕、胴体、足でしょ?」
(;_;)「やっぱりアレ幻覚じゃなかったの!?」
(;-_-)「…って、なんで貞ちゃんが?」
川д川「ここは夢だよ、夢。ヒッキー君は寝ちゃったのよ、泣き疲れて」
(;-_-)「そ、そうなんだ…」
泣き疲れて寝るなんて、赤ちゃんみたいだな、僕…
(;-_-)「…じゃなかった!なんで貞ちゃんが僕が見たコインランドリーでの出来事を知ってるのさ!」
川д川「あれが昨日途中で話すのを止めた十本目のオチだからだよ」
(;-_-)「…へ?」
川д川「だから途中で止めるのはオススメしなかったのに」
(;-_-)「何それどういうこと?」
-
川д川「私の怖い話を最後まで聞かないで途中で起きちゃうと、現実でオチの部分を体験することになるの」
(;-_-)「ええええ!?何それ、そんな話聞いてないよ!?ってか、どうしてそんなことに!?」
これはただの僕の見ている夢のはずなのに!
川д川「まぁ、そんなことより!今日も百物語の続きをしましょう」
(;-_-)「あんな怖い思いもうしたくないんだけど!?リタイアとかできないの?」
川д川「…一度始めた百物語を、途中抜けできるとでも?」
(;_;)「ですよねー…」
-
こうして、僕は毎晩彼女のとびっきり怖い話を聞くことになった。
時々、あんまりに怖すぎて途中で目が覚めてしまったり等して現実世界でとんでもない目に会うこともあった。
しかし、百物語を終わらせるためには話を聞くしか無く、泣きながらも頑張った。
そして遂に
川д川「これで九十九本目…」
フッと彼女が蝋燭を消す。火が付いている蝋燭は残り一本となった。
(;_;)「あぁ、やっと後一本で終わるんだね!さぁ、貞ちゃん!早く最後のお話を!」
川д川「忘れたの?最後の一本はヒッキー君が話す約束だよ?」
(;-_-)「えっ?あ、そういえばそうだった…」
川д川「…まさか用意してなかった
の?」
(;-_-)「あ、明日必ず!」
川д川「仕方ないなぁ、とびっきりなの待ってるからね」
(;-_-)「も、勿論さ!」
-
(;-_-)「という訳なんだ…」
('A`)「それで怖い話が用意できないから俺に相談に来たって訳か」
(;-_-)「うん、頼むよ!貞ちゃんが喜ぶようなとびっきり怖い話、なんか教えてよ!」
('A`)「怖い話を教えてやるのは構わねぇが…」
(*-_-)「流石ドックン、頼りになる!」
-
('A`)「お前、なんかヤバイのに取り憑かれてるんじゃねぇの?」
(;-_-)「へ?」
('A`)「普通に考えて可笑しな話だろ、夢の中で聞いた話が現実でも起こるなんて」
た、確かに、全くもってその通りだ。
(;-_-)「でも、取り憑かれてるなんてまさかぁ…」
('A`)「その貞ちゃんとか言う、心霊スポット巡りにお前を付き合わせた幼馴染みに連絡とってみろ。もしかしたら、そういう夢に出てくる幽霊に曰くがある場所に連れていかれたのかも知れないぞ」
(;-_-)「…う、うん」
('A`)「あぁ、それと」
(;-_-)「なに?」
('A`)「夢の中の貞ちゃんとやらに勝つには、本物の貞ちゃんに怖い話を聞くのが一番なんじゃないか?」
(*-_-)「確かに!流石ドックン、冴えてるー!」
-
こうして僕は家に帰って、彼女に電話をしようとした。
だが、電話番号が書いてある紙を無くしてしまっていた。
なので、母さんに電話をして彼女の家の電話番号を聞くことにした。
そして僕は彼女の家に電話をかけることができ、百物語の最後に相応しい怖い話を手に入れることができた。
-
川д川「こんばんは、ヒッキー君」
(-_-)「こんばんは、貞ちゃん」
川ー川「…どうやら、百本目に相応しい怖い話は用意できたみたいね」
(-_-)「あぁ、出来たよ。じゃあ、早速話させてもらおうかな」
僕は火が付いた最後の蝋燭を手に持ち、話を始めた。
-
(-_-)「これはある男の子の夢に、ホラー好きな幼馴染みが百物語をしに出てくるお話なんだ」
(-_-)「男の子はホラーが大嫌いなんだけど、その幼馴染みが大好きだから百物語をすることを受け入れてしまったんだ」
(-_-)「そして始まった恐ろしい怖い話や、数々に現実で起きる心霊体験」
(-_-)「普通なら信じられないよね、こんなこと。ただの夢じゃないって、途中で止めてしまうよね」
(-_-)「でも、男の子は百物語に最後まで付き合うんだ。だって、男の子はその幼馴染みには逆らえないから」
(-_-)「そして、最後の百本目のお話を男の子は幼馴染みに託された」
(-_-)「しかし、男の子は自力で怖い話なんて何も用意できなかった」
(-_-)「だから、夢に出てくる幼馴染みの家に電話をしたんだ。所詮、夢に出てくる幼馴染みは男の子の脳が作った偽物であって、現実には敵わないからね」
(-_-)「それで、幼馴染みに電話したら…」
(;-_-)「…」
川д川「…ヒッキー君、話を続けて」
(;-_-)「電話を、したら…」
-
(-_-)『あ、おばさん?お久し振りです、ヒッキーです』
『あら、ヒッキー君?お久し振りねぇ』
(-_-)『はい、ところで貞ちゃんは…』
『今日は貞子の命日だもんねぇ、電話してくれて貞子も喜んでると思うわぁ』
(-_-)『……は?』
-
(;_-)「おさ、幼馴染みは死んでたんだ」
(;_;)「それで、僕は、去年あった出来事を全て思い出したんだ」
-
!?
-
J( ;ー;)し『貞ちゃんが死んじゃうなんてねぇ…』
(-_-)『…』
J( ;ー;)し『だから一人であんな森に入っちゃ行けないって言ってたのに…』
(-_-)『…百物語』ポツリ
J( ;ー;)し『…え?』
(-_-)『百物語を最後まですれば、貞ちゃんはきっと出てきてくれる…』
J( ;'ー`)し『ヒッキー、あんた何言って…』
(-_-)『百物語をやらなくちゃ…』
-
(;_;)「そうして、僕は一人で百物語をやったんだ。…貞ちゃんが死んだあの森で」
(;_;)「…百物語は見事、成功した」
川д川「…ヒッキー君に呼ばれてから一年かかっちゃったけどね」
(;_;)「夢の中で百物語をしている間だけ、貞ちゃんと会える機会を与えられたのに、僕は百物語を早く終わらせることばかり考えて…!」
川д川「まぁ、百物語をした代償に記憶を奪われたんだから仕方ないよ」
-
僕は泣き過ぎて、話を続けることができなかった。僕の鼻をすする音だけが、響いた。その沈黙を破ったのは彼女だった。
川д川「悪いけど、ヒッキー君。今回の百物語の代償も貰うね。今回の代償は…」
(;_;)「貞ちゃん、お願いだ、僕を連れていって!今回の百物語の代償は、僕の魂を差し出すよ!」
川д川「ヒッキー君…」
(;_;)「怖い話は大嫌いだけど、貞ちゃんがいないこの現実で生きていく方が僕にとっては恐ろしいんだ!」
川д川「ヒッキー君、そんなことを言われたら私…」
-
川ー川「ヒッキー君が、怖がる方を取るにきまってるじゃないですか」
.
-
彼女は僕の大好きな笑顔をしたかと思うと、僕が持っていた百本目の蝋燭の火をフッと吹き消した。
(;_;)「待って、貞ちゃん!!」ガバッ
目が覚めると、そこは何も変わらない、いつも通りの僕の部屋だった。
彼女は勿論いなかったし、僕の魂は取ってはもらえなかった。
-
あの日以来、彼女は夢に出て来てはくれないし、心霊現象も起こらなくなった。
毎年、この季節になると彼女を思い出すのだけど、どうしても大好きだったあの笑顔は思い出せなくなってしまった。
魂の代わりに、代償として彼女が取ってしまったのだろう。
そして、僕は心霊現象や怪談が怖くなくなった。
なぜなら、この世界でなによりも怖い、「大好きな人との別れ」を体験してしまったのだから。
*
-
四十五本目、お終い。
(
)
i フッ
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しんみりした
乙!
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貞ちゃんええ子やぁ……乙
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埋まりそうなので新スレ建てました
こっちがもうちょっと埋まってから次スレを使用してください
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/lite/read.cgi/internet/13029/1408210693/l30
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乙です。
では出来立てほやほやの短編をこちらへ投下させてもらおうか……
四十六本目
人体幻視行のようです。
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かつてぼくが本で読んだ言葉の中に、以下のようなものがあった。
『人の身体を構成する器官は、そのほとんどが生涯において、日の光を浴びることはない』
人体のうち白日の元に晒されているのは、皮膚、眼球の一部、耳朶、唇、爪、もろもろの体毛と極僅かであり、その他の部位は一生日の目を見ることなく、その生涯を全うするのだそうだ。
ぼくはその言葉を初めて読んだとき、人の内腑に広がる遠大な闇を想像して、うっとりしていたものだった。
どんな老若男女、美男美女醜男醜女であろうとも、その肉の内側に一点の光明も艶めきもない、黒暗淵(やみわだ)を持っている。
想像してほしい。一切の明かりのない場所で、課せられた本能のままに日夜蠢く臓器たちを。その臓器たちを動かすために一心不乱に循環する、無数の色を持った体液たちを。
人は皆自覚のあるとなしとに関わらず、その内に光すら差さない闇を抱えている。
その事実、その量感、その言霊が、ぼくの心の柔らかな部分で、事あるごとにかそけく波打つのだ。
まぶたの裏にこそ真の闇はあり、そして己の内側にこそ真の深淵は存在しうる。 そう思うだけで、得体の知れない興奮がぼくの身を包むのである。
ぼくの知らない場所でぼくを生かすために動くそれらの物たちを、ぼくは死ぬまでこの目に捉えることは叶わないのだ。
長年そんな思いを抱えていたからだろうか。ここ数日ぼくの頭は、おかしな具合に変調をきたしてしまったようだった。
.
-
.
ーーーー
ーーー
ーー
ー
ぼくがその異変に気づいたのは、部屋の隅に転がる、何の変哲もない小さな綿埃を見つけた時だった。
木造平屋の、一人暮らしには少々手広すぎる一軒家がぼくの住み処である。とても多いとは言えない遺産と共に、ぼくが両親から譲り受けた数少ない物の一つだ。
仏間の畳は毛羽立ち、板間の板は歩けばギシギシと音を立てたが、それでも長年住んだ分だけ、それなりに愛着のある家だった。
独り身の男にありがちなように、お世辞にも我が家は片付いているとは言えない。それ故に、埃が立つことくらいはさして珍しい現象でもない。
それなのに、ぼくがその埃に目を取られてしまったのは、そこにぼくの部屋には通常あり得ない、異質なものが混ざっていたからかもしれない。
出かける準備をしたぼくの足元に、風もないのにどこからともなくころころと埃が転がって来る。
その埃を何の気なしにつまみ上げると、雑多な灰色の中に一筋だけ、鮮やかな色みが混ざっている。
埃の中からその色みを探り当てて思いきり引っ張ると、小さな摩擦音を立てて、ぼくの指の間からでろりと人毛がぶら下がった。
恐らくは人の毛髪だろう。 指でつまむのが困難なほど小さい綿埃から、驚くほど長い金髪が姿を現した。無論それは、ぼくのものとは髪質も色も全く違う。
よくよく観察してみれば、その髪の毛にはキューティクルも毛根も存在しているようだ。つまりこれは、カツラや人工毛のような作り物ではないということになる。
冷蔵庫の裏に溜まっていた埃が、コンプレッサーの動きに合わせてまろび出てきでもしたのだろう。そう思い、まじまじと眺めていた髪を、埃ごと丸めて塵箱へ捨てた。
その金髪の持ち主が誰なのかは、可能な限り考えないようにした。
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-
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家を出てしばらく歩くと、商店街の古めかしいアーケード通りがある。そこでもぼくは、奇妙な物を目撃した。
特に注意を払うべくもなく歩いていたせいか、何か柔らかな物を踏んづけてしまったのだ。
さては犬の糞でも落ちていたかと恐る恐る足をどけてみると、ころりとした眼球が靴の下から転がり出てきた。
眼球。どこからどう見ても、完全に眼球である。
どこかに瑞々しさを保ったまま、思いがけないほどの弾力でもってぼくの足の裏から自己主張をしている。
ぼくは数瞬、眼球と見つめ合った。何故だかは分からないが、その一瞬でぼくはそれが作り物の類いではないことを、本能的に悟っていたように思う。
瞳の色は青いが、表面にまとわりつく血管は赤い。そして本来なら脳へと繋がっているはずの太い視神経が、やる気無さげに球の末端から垂れ下がっていた。
頭では理解できていたはずのそれら眼の仕組みも、現物の生々しさを知ればどこかへ吹き飛んでしまうものらしい。
まだ生きて何物かを見ているかのごとく、眼球はギョロリとぼくの顔を睨む。
ぼくはそれを思いきり踏みつけにすると、眼球が潰れずに形を留めているのを確認してから車道へと蹴り飛ばした。
『先生……』
どこか遠くの方からぼくを呼ぶ声が聞こえたような気がしたが、恐らくは気のせいだろうと思った。
.
-
.
しばらく歩くと、再びぼくの歩みを止める物が見つかった。
三叉路の合流地点にある横断歩道の前で、ふと感じた違和感に頭を上げる。
ぼくのいる場所の対岸にある歩行者用信機の、赤のマークがやたらに毒々しい気がしたのだ。
目を凝らしてよくよく見てみると、微かではあるが赤い色が動いているのが分かる。
しばし観察を続け、その動きが命ある物に付き物の、脈動だということに気づいた。
人の脈拍の元となる臓器。それはもちろん心臓に決まっている。
世界広しと言えども、信号機の赤い部分に人の心臓が嵌め込まれている奇妙な図など、ぼく意外に見たことはないだろう。
他の通行人の邪魔になるのも構わず、ぼくは文字通り脈絡なく現れたその心臓を、食い入るように見つめた。
大中小の血管、そして蠢き躍動する無数の筋肉。それらの密集した塊が、確かにそこにはあった。
心臓はぼくに見られていることなぞお構い無しに、実に堂々と動いていた。さすがに臓器の王様と言われるだけのことはある。
しかし一体あの心臓は、あの場所で拍動しながら、どこへ血液を送り続けているのだろう。
まさか信号機そのものに血液なぞはあるまい。ではあの心臓は、全く無駄な動きにその能力を費やしているのだろうか?
それを思うとぼくはなんだか虚しい気持ちに苛まれ、目線を心臓から外してやることにした。
やがて信号は青へと変わり、ぼくはそれまでのことがなかったかのように、通行人に紛れて歩き出す。
ξ ⊿ )ξ「先生」
横断歩道の反対側から、ぼくへ向かって手を振り走りよってくる少女のことを、ぼくは華麗に無視していた。
.
-
.
それからまたしばらく歩くと、今度は不意に空模様が怪しくなり始めた。
空がゴロゴロと鳴っている。今はまだ遠雷だが、しばらくすれば雨が降ってくるだろう。
そう思ってから間もなく、雨宿りする場所を確保する暇も与えられずに、唐突に雨は振り出してきた。
わたわたとうろつき、ともかく雨に濡れない場所をと思っていると、ぼくの額にも当然のように雨粒がぶち当たった。
反射的に額を拭い、これもまた反射的に拭った手を見る。その手が何故か、乳白色に染まっている。
三度反射的に空を見上げると、色とりどりの液体が、宙から地面へと落ちてくる最中だった。
たん、と一滴落ちたそれは、地面を茶色く染めた。
てん、と一滴落ちたそれは、地面を赤黒く染めた。
とん、と一滴落ちたそれは、地面を黄色く染めた。
それが何であるのか理解するのに時間がかかってしまったが、ほどなくして雨がどしゃ降りに変わるのを見て、ようやくぼくは納得する。
白色は、母乳。
茶色は、胆汁。
赤色は、血液。
黄色は、胃液。
空から降る数億の雨粒は、人の身体を流れる体液へと変貌していたのだ。
ぼくはやっと見つけたボロコンビニの軒先で雨宿りしながら、その体液の乱舞をぼんやりと眺める。
ξ ⊿ )ξ「……」
いつの間にかぼくの隣で雨宿りしていた少女に、ぼくは一瞥もくれなかった。
.
-
.
オンボロコンビニの軒先で、ぼくは今日自分が見たものについて、少しだけ考える。
今もなお降りしきるこの体液色の雨は、果たして本当に現実なのだろうか。
そしてぼくはその答えを既に持っている。こんな非現実的な物が、現実のはずがないのだ。
何故ならぼく以外の誰も、この雨を見て驚いたりするような素振りを見せなかったのだから。
体液色の雨にまみれているはずのサラリーマンも、心臓の横断歩道で隣あった買い物帰りの主婦も、眼球を見つけた通りですれ違った若者も。
常と何一つ変わらない風で、恐怖や驚嘆なぞ微塵にも感じていなかったのだから。
ξ ⊿ )ξ「そんなの、当たり前じゃない」
いつの間にかぼくの背後に回っていた少女が、ぼくの首に腕を回しながらそっと囁く。
ξ ⊿ )ξ「だってこれは、人を殺した人にしか見えない幻覚なんだから」
あぁ、分かっている。分かっているよ。ぼくは心の中で、ぼくの殺した少女へ向けて何度もそう呟く。
そうしている間にも、巷にはぞろぞろと臓器が溢れだし、もはや百鬼夜行と呼んでも差し支えの無い様相を呈していた。
大脳が、肝臓が、大腸が、膵臓が、肺が、脾臓が、膀胱が。
大腿骨が小脳が横隔膜がアキレス腱が鮃筋が膝蓋骨が前頭葉が環状動脈がリンパ腺が静脈血が鼓膜が中指骨がホーデンが子宮が中枢神経が軟骨が虫垂が亀頭が蝸牛器官が皮下脂肪が骨髄が肩甲骨が。
闇に隠れていたはずの人の中身が、この世に溢れ返ってくる。
ぼくはそれを、ぼくが殺した少女の幻覚と共に、黙って見ているしか出来なかった。
.
-
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ーーーー
ーーー
ーー
ー
ぼくがその少女、津出玲子に対して記憶していることは、ごく僅かである。
はっきり言えることといえば、彼女は基本的に明るく、人付き合いも達者であり、それでいながら精神の根っこに、どこか病的なものを持っていたということだけだ。
誤解を恐れず言うならば、ぼくは彼女に、親子ほども歳の離れた少女に愛されていた。
何が彼女の琴線に触れたのかは、本人にしか分からない。ただある日突然、彼女の方から思いの丈を告げられたのだ。
あるいは大学の非常勤講師というぼくの立場も、彼女からすれば付き合いやすさを助長するものだったのかもしれない。
悪い気こそしなかったものの、ぼくは津出玲子に対して、いかなる感情も抱いてはいなかった。
ただ、どうやらぼくは彼女の恋情に対する執念を見誤っていたらしく、一度断ってからの彼女の再アピールには、凄まじいものがあった。
頼んでもいないのに弁当を作ってこられ、他の教員が見ている前で堂々と渡す。
おかげで学長から生徒と不純な関係を築いているのではと勘繰られ、こってりと絞られた。(大学生とはいえ彼女はまだ未成年である)
あるいは、大学の構内にも関わらず、ぼくの腕を取りベタベタと絡んでくる。
どれだけ離れろと言っても悪びれた風さえなく、露骨なボディタッチはどんどんエスカレートしていった。
そして、一週間前のあの晩。
どうやってぼくの住所を知ったのか、彼女はぼくの住む家へ現れ、あろうことかぼくと関係を結ぼうとしてきたのである。
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結論から言えば、ぼくはその晩に彼女を殺した。
愛憎の縺れなどという複雑な理由からではなく、単なる利害の一致からである。
ぼくはぼくに抱いてほしいという彼女へ向けて、ぼく自身の異常な性癖を事細かに説明した。
人知れず蠢く臓器たちへの愛情、その隠微なる淫靡を、である。
ぼくは人を愛せない。ぼくが愛してやまないのは、人の内側にある暗闇だけだ。そう正直に告白した。
それは当然、彼女を諦めさせるための方便の意味合いが強かったのだが、驚いたことに彼女は、それでもなお食い下がってきた。
人の内臓しか愛せないなら、私の内臓を見て欲しい、愛して欲しい。そんな提案さえしてきたのである。
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-
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本来ならそこでぼくは、馬鹿なことを言うなと彼女をたしなめるべきだった。けれど、それが出来なかった。
恐ろしいことに、その時のぼくは彼女の提案に、大きく心を引かれていたのである。
彼女は言う。先生に殺されるなら、私はそれでも構わない。だから先生のそばへずっと居させて欲しい、と。
先生に迷惑をかけないよう、殺した後の死体はどこへ打ち捨てても構わないし、万が一警察にバレたら同意の上での殺しだったと遺書に書いておく、と。
もし捕まってもそれを見せれば、少しは情状酌量の余地があるはずだ。少なくとも、ただの快楽殺人よりは、遥かに。
ξ゚⊿゚)ξ「だからね、先生」
ξ゚⊿゚)ξ「先生の手で、私を殺していいよ?」
( ^ω^)
……ぼくはその甘い提案に、抗いきることができなかった。
.
-
.
今になって思い返せば、ぼくと津出玲子はその時、大きな勘違いをしていたのが分かる。
ぼくは内臓そのものを愛していた訳ではなく、暗闇においてその使命を忘れず蠢く臓器の、その健気さを愛していたはずだったのだ。
けれどぼくは、誘惑に負けた。
日の光に晒されることのない数多の臓物。それらをこの手で露にして、肉眼で見てみたい。
そんなおぞましい、刹那的な誘惑に、醜い欲望を強烈に刺激されてしまったのだ。
ぼくは無言のまま、津出玲子の細い首に手をかけた。最初から刺し殺しては、さすがに彼女も苦しかろうと思ったからだ。
その間彼女は、抵抗らしい抵抗をほとんどしなかった。その顔には、笑みさえ浮かんでいたような気さえした。
そうして彼女の腹を出刃包丁で割いた後に、ぼくの脳裏に湧いた感情は、後悔などという生易しい言葉では到底足りないものだった。
人を殺した罪悪感より、この少女を生かすと決められていた臓物たちを、無下に散らしてしまったことへの罪悪感が勝っていた。
明るいところで見る臓器は無残なほどに醜悪で、注視に耐える代物ではなくなっていた。
ぼくはこんなものを見るために、人一人を殺してしまったのか。こんなもののために、こんな、こんな……。
ぼくはトイレに駆け込むと、胃の中身が空になるまで何度も何度も嘔吐した。
何度嘔吐しても、足りなかった。
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ーー
ー
雨上がりの夕暮れの中を、少女の幻覚と歩く。それは出来るならば、彼女が生きている間にしてあげるべきことだったのだろう。
彼女への謝罪の言葉を、ぼくは持たない。何故ならぼくは、既に罰を受けているのだから。
闇にあって人を生かし続ける美しい器官たちは、日の光の当たる場所にあるだけで、こうも醜悪に変わり果てると知ってしまったのだから。
外へ出ながら結局何も買うことなく、ぼくはぼんやりと家路についた。
帰る道すがらにも、臓器たちはぼくの視界の中から消えてはくれない。ぼくはその事実を、徐々に受け止めつつあった。
我が家まであと僅かというところで、ぼくは自宅の前に、見慣れない車が停まっていることに気づく。
その車の横を通りすがる時、思いがけずその車の持ち主に、声をかけられた。
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( ・∀・)「……内藤文吾さん、ですね?」
その車の運転席から出てきた男……小綺麗なスーツを着こなす利発そうな男は、ぼくの名前をはっきりと正確に発音した。
(,,゚Д゚)「津出玲子失踪事件の重要参考人として、お前の身柄を拘束させてもらう」
もう一人、助手席側から出てきた男……くたびれたコートを羽織った中年男は、ぼくへの要件を簡潔に述べた。
男たちはどうやら、ぼくを逮捕しにきた刑事であるらしい。
とはいえ、今さら抵抗するつもりも、言い訳する気も起きなかった。来るべき時が訪れた、ただそれだけのことだ。
家宅捜索が入れば、冷蔵庫へしまわれた津出玲子のバラバラ死体も、彼女がしたためたぼくを擁護する遺書も、すぐに見つかるはずだ。
そんな状況で足掻いて逃げて、一体何になるというのか。
いっそのこと、ぼくの傍らに佇む幻覚の少女が彼らにも見えていれば手っ取り早いのだが。そんな下らないことを考える余裕さえ、ぼくには在った。
( ・∀・)「彼女が失踪する前、あなたに会っていたかもしれないという証言を得ましてね。少しお話を伺えますか?」
そんな刑事の言葉も耳に入らず、ぼくは改めて二人の男へ視線をやると、その立ち姿をじっと眺めた。
スーツの男の首には大腸が、コートの中年の肩口には頭皮が、この期に及んでそれぞれ引っ付いており、それがなんだか少しだけ可笑しかった。
(,,゚Д゚)「何を笑っている?」
いえ、とぼくは断りを入れ、何気なく空を見上げる。
.
-
.
( ^ω^)「あ……」
見上げた空の彼方には、真っ赤に照るはずの夕日の代わりに、巨大な髑髏が燦々と輝いていた。
ぼくはもう永遠に、この幻視から逃れることはできない。そんな確信を、ぼくは抱いていた。
<了>
-
終わりです。冷静に狂う人間が一番怖いのかも、というお話でした。
(
)
i フッ
|_|
-
今回の作品で1番好きだわ、乙
-
泣きそう
-
乙乙、虚しさがとてもいい
四十七本目
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(i,)
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ガマンできないようです
(やや閲覧注意)
-
ζ(゚ー゚*ζ『早く入れてよう』
クソみたいな女だった。
四六時中セックスしていないと気が済まないような女だった。
よく知りもしない男、どころか出会って30分しか経っていない男へも簡単に股を開くような、
どこもかしこも緩みっぱなしのゴミだった。
ゴミは「歩くダッチワイフ」と学部内で呼ばれているのを自覚し、それでもへらへら笑っていた。
( ^ν^)「……」
かたかた。かたかた。
キーボードを打ち込みながら、ディスプレイを見つめる。
文字の羅列を読み流す。
-
ζ(゚ー゚*ζ『入れてよ、ねえ。もうガマンできないよう』
会えばすぐにそう言っていた。
映画なんかを見に行っても、大してスクリーンに集中せぬままぼんやりと二時間を消費し、
終わればすぐに俺の手を引いて近くのホテルに入る。
そうして早々に服を脱ぎ、ベッドに転がるのだ。
白状すると、互いに相手の体──ひいては体を合わせる行為──にしか興味がなかったので
手っ取り早いと言えば手っ取り早かったが。
それにしたって、向こうの明け透けさにはしばしば興醒めした。
かたかた。かたかた。
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あいつと関係を持った男の数など、確かめるのも億劫だ。
とにかく誰にでも誘いをかける女だったので。
たまに、勘違いした輩から「俺以外の男と寝ないでくれ」と懇願されるらしい。
本人は深く思い悩んで発したのであろう願いを、あいつは困り顔で他の男に話し、相談する。
「彼氏でも夫でもない人に、そんなこと言われてもね」と。笑える。
あいつからすると、肌を晒してきた男の大多数は恋人でも友達でも知人でもない。
自分を気持ちよくしてくれる棒だ。あいつが必要としているのはそこだけだ。つまり道具。
物を考える頭も言葉を吐く口もよく動く手足も、あいつにとっては棒の付属品だった。
道具から、ましてやその付属品から独占欲を向けられたってどうしようもないのである。
かたかた。かたかた。
それを理解せぬまま、自分は特別だ、あいつの彼氏なんだと
勘違いしてしまう馬鹿は、相当数いたらしい。
何をどうすれば、あんな尻軽に熱を上げられるのだろう。
数十、下手をすれば数百もの男に共有されてきた便所を恋人にしたいと、なぜ思えるのだろう。
向こうはこちらを道具として見ているが、こちらだって向こうを道具だと思っている。
向こうの挙動もこちらの挙動も何もかもどうでもいい。
そういう認識が一番楽で、また、正しくもあるのに。
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その点俺は上手くやっていた。
あれは性欲発散にすこぶる丁度良かった。
女に慣れていない俺のような男の誘いにも簡単に乗るし、金もかからない。便利極まりなかった。
ゴムの着用を徹底させているのは意外だったが、病気を移されるよりはいい。
かたかた。かたかた。
だが、わけもなく苛立たされるような女でもあった。
時折、無性に腹が立つ。
へらへら笑う顔やころころ高い声が神経を逆撫でする。
会う度にそれが増す。
それらが零れないようにと支えていた糸が切れてしまったのは、つい先日。
かたかた。がたがた。
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ζ( O ;ζ『ぉあ゙……っ……ぎ……』
あの汚い声と歪んだ顔は、多分俺しか見たことがない。
細い指を全部折った。あるいは潰した。
ここが弱いの、といつぞや言っていた乳首に針を何本か刺した。
付け根に小さな裂け目が出来るほど舌を引っ張った。手に力が入りすぎて先端がやや潰れていた。
薄汚い穴にはリモコンとかペンとか、入りそうなものを手当たり次第ぶち込んだ。
やめて許して痛い苦しいと喚く度に舌を引っ張っていたら、いつの間にか黙った。
楽しくはなかったが、やらなければならない気がしていたので、そういうことをひたすら繰り返した。
粗方済ませた後、穴から異物を全て抜き取る。
限界まで開かされてもなお異物をくわえ込み続けていた穴は裂けてしまっていた。
ズボンと下着を下ろし、興奮しきったモノを宛てがう。
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( ^ν^)『早く入れてって言えよ。いつも言ってるだろ』
ζ( 、 ;ζ『ぅぎ、ぎぃっ……』
( ^ν^)『言ったら終わりにするから』
ζ( 、 ;ζ『っ、ぃ……いれて、いれてくださいっ、いれて、いれて、いれて』
言う通りにしたので、終わらせてやった。
犯しながら首を締めていたら白目をむいて完全に沈黙した。
整っていた顔は、安物のダッチワイフの方がマシなくらいぐちゃぐちゃだった。
ゴミ女は本当にゴミになった。
細かくしてゴミ袋に小分けする。
ああ、これでこいつ、他の男の相手できなくなったなあ。
そう思った途端に満足した。
ようやく楽しい気分になった。
何故そんな風に思ったのか分からない。
どうせ大した理由じゃないだろう。
どうでもいい。
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がたがた。がたがた。
( ^ν^)「……」
ディスプレイから目を離す。
さっきまで小さく震えるだけだったドアが、大きな音を立てて揺れている。
〈……れて……〉
音に混じって声がした。
あいつが事切れる間際の濁った呻き声に似ている。
〈入れて……入れてよう……ねえ……〉
がたがた。がたがた。
ドアを押さえる、背の低い本棚も揺れていた。
やがてドアが細く細く開く。
そうすると、ますます揺れが激しくなった。
-
〈……入れて……〉
こちらが招き入れるまでもなく、もうしばらくしたら、勝手に入ってくるだろう。
ひたり、変色しきった薄い指がドアと壁の隙間から覗く。
俺はディスプレイに向き直り、また無意味な羅列を眺める。
がたがた。がたがた。
がたがた。ぎい。
背後で、ドアが一層開く音がした。
終
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(
)
i フッ
|_|
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あぁ……乙
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乙!!
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こえーよ…
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リョナが流行りと聞いて
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ラスト一夜でどんだけ延びるか…
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こわすぎる…
ヤンデレいいね、乙
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あと15分くらいで最終日開催か
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消せない番号のようです
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/16305/1408261228/
投下開始しました。本数カウントは終了後に
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消せない番号のようです
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/16305/1408261228/
四十八本目、終わりました
(
)
i フッ
|_|
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個別スレ立てて、ながらはいいんだっけ?
間に合うか分からないから先に立てて置いてOK?
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いいよ
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>>987
個別スレでのながらは可
ただ先に建てておくってのは意味なくね?間に合わん時は間に合わんでしょ
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ありがとう、いけそうだったらあとで立てる
なんか、こう、プレッシャー的なパワーで間に合わせられそう(震え声)
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>>989
百物語が終了する前にスレと蝋燭さえ立てておけば、終了時刻までに投下が完了できなくても参加作品と認められる(であろう)からじゃね?
去年や一昨年にも、百物語が終了してから数日後に完結した参加作品はあったし多分大丈夫だろう
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>>991
あーそういうことかあ 納得したわ
>>987
なんか噛みついたみたいになってすまん
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>>992
謝ることないよ、ありがとう
それよりあなたの後ろの人、誰?
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>>993
やめろよ…明日早いんだからやめろよ…
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皆さん乙乙
だるまさんの対処法覚えとくわwwwww
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投下報告です。
2スレ目にて、四十九本目投下させて頂きました。
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残りじゃ投下難しいだろうし次スレに投下来て紛らわしくなるし埋めよか
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埋めよか
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999
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埋め
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