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( ^ω^)しん・かたながり2014のようです

1 名も無きAAのようです :2014/01/23(木) 23:18:10 ID:xL9OWOaY0
前に嘘予告に投下した奴を練習も兼ねてながらで投下していくつもりです


投下用の酉はこちら
     ↓
【 ◆U0QTkY.0LM 】

2 ◆U0QTkY.0LM :2014/01/23(木) 23:33:53 ID:xL9OWOaY0
【( ^ω^)】

おかしな夢を見た。

そのせいか午前三時に飛び起きて、それからは朝まで録に眠る事もできなかった。

おかげで、彼は新学期だというのにえらく大きなクマをこしらえて登校している。

【( ^ω^)「――、――」】

目の前に居るのは自分自身で、その自分が何かを語りかけてくる。そんな夢だった。

覚えているのはそれだけで、話の内容なんかを思い出そうとしても時間が経つほどに記憶が薄れ、曖昧になっていく。そして最後には殆ど忘れてしまう。夢というのはそういうものだろう。

その点においては『おかしな夢』も普通の夢であったし、夢というのは大抵が大概『おかしい』ものでもある。そういう意味では、所詮夢なのだ。

しかしそれでも尚、彼が『おかしな夢』であったと思ったのは、その夢が特別だったから。その一点に尽きる。

3 ◆U0QTkY.0LM :2014/01/23(木) 23:49:27 ID:xL9OWOaY0
『特別』というのは様々な意味合いを秘める。

大事なものや大切なもの。

飛び抜けて異常なものや異様なもの。

あるいは、それらを総じて『印象に残るもの』や『記憶に焼き付くもの』。

この夢を『特別なもの』に仕立てあげたのはそれだった。

【( ^ω^)『――、――?』】

『自分』の話の中で、殆ど覚えていない夢の中で妙に焼き付いた、たった一言。

【( ^ω^)『――、――……』】

やけにあっさりとしたその一言だった。

【( ^ω^)『殺されるなよ、俺』】

そしてやけに生々しい、自分からの不思議なその一言は彼を夢の世界から追い出し、鍵を閉めてしまうには十分なのだった。

4 ◆U0QTkY.0LM :2014/01/24(金) 00:20:13 ID:3ZEQtyUA0
(;^ω^)「……悪夢と寝不足のデスコンボ……更にカーチャンの奴め、朝飯抜きの追い討ち付きとは予想外も良いとこだお……おのれmother……」

通学路を覚束無い足取りで歩きつつ、母親に呪詛の念を送り付けている彼の名前は内藤ホライゾン。

普段ならば愛用の赤いママチャリで遅刻との熱いレースを展開していたところだが、前述の通り『悪夢にうなされて早起きす』という健康的とも不健康的とも言い難い出来事があった。
寝不足の頭では自転車に乗る気にもなれないので、たまには歩いて登校する事にしたのだった。

顔を洗い、着替えて、家を出る。普段よりも二時間程も早い朝五時に。

そんな突発的な、ある意味異常とも言える行動はいくら母親と言えど予想できる筈も無い。朝食は用意されていないし、そもそも起きてすら居なかった。

結局の所空腹の原因&恨むべきは自分自身、あるいは夢の中の『自分』である。

5 名も無きAAのようです :2014/01/24(金) 00:26:22 ID:WDl3Td.g0
なぜ待たないんだ内藤よ

6 ◆U0QTkY.0LM :2014/01/24(金) 00:49:31 ID:3ZEQtyUA0
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

学校に着いたのは六時前と、まだまだ薄暗いが家を出た時よりは大分明るくなってきたように思える時刻だった。

遅刻を警戒して早く家を出過ぎた事に気付くが、もう遅い。校門には朝連目的に登校してきたと思われるジャージ姿の生徒達がちらほらと見受けられる。

こんな事なら母親の起床を待つべきだったと、空腹を解消するためにコンビニに立ち寄った事も含めて後悔する。

止まらないため息を抑える気にもなれないまま下駄箱で靴を履き替え、教室へ向かう。

ドアを開けても誰もいない静かな教室に一番乗りというのは基本的に不真面目な彼にとっては地味に人生で初めての経験であった。

(;^ω^)「……落ち着かないお」

とりあえず自分の席に着くが、慣れない環境に加えて誰が最初にやって来るか分からないという緊張感。

友人ならともかく、それ以外のクラスメートが来ても気まずい。残念な事に彼の場合は後者の方が多いので、緊張感は尚の事である。

7 ◆U0QTkY.0LM :2014/01/24(金) 01:08:16 ID:3ZEQtyUA0
暫し身構えるように教室のドアを睨みつけていたが、

( ^ω^)「……寝よ、うん」

ふと忘れていた眠気が顔を出し、おまけに徒歩通学の疲労も一緒にやってきた事で考えを改めた。

机に突っ伏して、腕を枕代わりに目を瞑る。あまり、というか全く快適とは言い難い姿勢だがあえて気にしない。

自分席のすぐ左横にある窓の方から聞こえてくる運動部の掛け声が、少しずつ気にならなくなっていく。

それから五分程経った頃だろうか。彼の意識が本格的に眠りに落ちる直前、ドアが開く音によって急激に眠気が飛んでしまった。

8 ◆U0QTkY.0LM :2014/01/24(金) 01:47:31 ID:3ZEQtyUA0
そのまま再び眠気を呼び起こす努力をしても良かったのだが、今度は教室内に入ってきた人物の事が気になってしまう。

顔を上げて一目確認すれば良い話なのだが、その人物が『それ以外』だった場合にはなんとも言えない気まずさに襲われるのは明白なので、内藤は行動を耳で追ってみることにした。

まず、ドアを閉める。そして移動。足音は小さく、音の間隔は広い。気を使っているかどうかは不明だが、どちらにせよ内藤を起こさないように動いているように思えた。

足音が内藤の方へ段々近付いて来る。

( -ω-)(……近くの席の人なのかな?なら、椅子を引く音とその位置でなんとなく察しがつくお……)

ちなみに内藤の席は窓際の一番後ろだ。その為、隣接する席は横、前、斜め前の三つだけであり、いくら友人の少ない内藤と言えどその席の人物くらいは記憶している。

そして足音が止んだのは内藤の真横。

( -ω-)(……素直さん、かお)

足音の主は『それ以外』の人物だった。

素直さんこと、フルネームは「素直クール」。

内藤の隣の席だが殆ど会話をした事も無い。休み時間は常に読書をしているし、成績も優秀な、まさしく真面目な人物である。

遅刻常習犯の内藤とは対極とも言える立ち位置で、それこそ遅刻や欠席は一度もした事が無い、という話だ。

9 ◆U0QTkY.0LM :2014/01/24(金) 02:04:56 ID:3ZEQtyUA0
それこそ、今日に限って異様に早い一番乗りを果たした内藤の次に教室へやって来たという事は、普段から最初登校しているのだろう。内藤の知識は正しかったようだ。

( -ω-)(……ま、素直さんなら寝たふり続行しても問題無かろうお。話した事無いし)

そう結論付けるが、ふと違和感を感じる。というよりは妙な気配というべきか。

なぜなら素直さんが席に着くことなく内藤の横に立っているのだ。

恐らく鞄のような物を机に置く音は聞いた。が、椅子を引き、腰掛ける様子が無い。

それに、わざわざ内藤の真横に立っているのも気になる。机の横に立つとしても、普通なら廊下側に立つのではないだろうか。

そういった、『妙なもの』が積み重なり、違和感になる。

( -ω^)(……一体何を?)

耐えかねた内藤が目を開けるのと、『それ』は、ほぼ同時だった。

10 ◆U0QTkY.0LM :2014/01/24(金) 02:32:33 ID:3ZEQtyUA0
川 ゚ -゚)っ╋二二二二フ

( ^ω^)「は」

彼女が、未だ突っ伏している内藤の後頭部目掛け、手に持った『刀』を振り下ろしたのは。

(;゚ω゚)「はっ!?ちょっ……!!」

まるで容赦の無い一撃だった。内藤はとっさに体を起こす。

直後、目の前で刀が振り下ろされた。刀は机を叩き切らんばかりの勢いだったが、机に触れる直前でピタリと静止した。

川 ゚ -゚)「……やるじゃないか、内藤君」

彼女がそんな事を言うが、内藤の耳には届かない。

( ゚ω゚)

呆然、唖然、そして少し遅れて騒然とする心中。

(lll゚ω゚)

あまりに予想外な『素直さん』の行動に、内藤の頭は真っ白、顔面は真っ青。咄嗟に言葉が出なかった。

川 ゚ -゚)「『これ』が見えているということは……つまり、そういう事なのだろう?」

言いながら自分の『刀』に目をやる素直さん。

一人で納得したように語る彼女は「どういう事?」と何も理解していない内藤の心境を無視して、一人で続ける。

川 ゚ -゚)「それに……不意討ったつもりが、よもや寝たふりとは……君は、かなり『できる』ようだ」

11 名も無きAAのようです :2014/01/24(金) 02:38:11 ID:3ZEQtyUA0
とまぁ一旦この辺りで一旦中断

予防線じゃあ無いけどながらで地の分ありのバトル物、となるとかなり初めての部類なんで、描写や展開に違和感があったら是非指摘して頂きたい。向上心は用意してます

あと、ご覧の通り筆の遅さが尋常じゃあないので暇さえあれば書き続けて行きたく存ず

12 名も無きAAのようです :2014/01/24(金) 06:49:06 ID:1YFlLBMc0
乙 スレタイの通り刀語が元ネタでおk?

13 名も無きAAのようです :2014/01/24(金) 07:01:19 ID:1YFlLBMc0
すまんしっかりスレタイ読んでなかった

14 名も無きAAのようです :2014/01/24(金) 07:54:56 ID:SOLYr09.0
おつおつ
なかなか良さげ、期待

15 名も無きAAのようです :2014/01/24(金) 09:17:31 ID:3ZEQtyUA0
レスありがてぇ

刀語は好きですが一応オリジナルという事になるのかな、きっと


という訳でながら再開します。チェリオ!!!!!

16 ◆U0QTkY.0LM :2014/01/24(金) 09:46:52 ID:3ZEQtyUA0
(lll^ω^)「え、ちょ、は?い、一旦落ちつ、ちう、膣口?」

セクハラ混じりで必死の説得を試みる内藤。

川 ゚ -゚)「私は至って冷静だが。落ち着くべきなのは君の方ではないのかな」

しかし依然刀を構えたままの彼女の返答は実に『クール』だった。

突然だが内藤には護身術の心得がある。とはいっても、真面目に技の練習をした事は無い。文字通り内藤には護身術の心得があり、心得『だけ』がある。

護身術というのは自らの身を守るための技術で、近年では自己防衛の為に女性が習得するというのも決して珍しくはない。

自らの身を守るというのは、同時に安全を確保すること。

護身術において安全を確保する方法というのは最終目標であり、武力、技術というのはあくまでその最大目標を成す過程でしかない。

そもそも護身術に相手を制圧するほどの強さは無く、あくまで不意をついて隙を生み出す程度に過ぎない。

(;^ω^)「……す、素直さん……これは今、言っておくべきだと判断したお」

そして、その隙を活かし、確実で最大の安全を確保する方法。

護身術の最終目標で、それこそ無力な女性でも誰にでも出来る行動、それは。

(;^ω^)「好きです付き合ってください!」

川 ゚ -゚)

(;^ω^)「よっしゃ隙あり!レッツ通報!!」

逃亡と通報、それに尽きる。

17 ◆U0QTkY.0LM :2014/01/24(金) 10:10:15 ID:3ZEQtyUA0
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


屋上。

普通の生徒は滅多に立ち寄らず、そもそも立ち入りが禁じられている、最高に開放的な閉鎖空間。

(;^ω^)「ハッ……ハッ……し、死ぬかと思った……」

……のはずが、内藤はそこにいた。

というのもつい最近、屋上入口のドアの横にある窓が一部の不真面目な生徒(内藤ではない)によって割られてしまい、現在はベニヤ板を張り付ける事でどうにか代用している状態だった。

更に困った事に、そのベニヤ板にこっそり細工をした不真面目な生徒(犯人は内藤)がおり、現在は蝶番によって簡単に開閉する事が出来る。

それは今の所内藤一人の秘密であり、昼休みなどはよく「ぼくのばしょ」と言わんばかりに寝そべっていたりするのだが、それは別の話である。

現在内藤は給水タンクの影、入口からは完全に死角になる場所で息を潜めてつつ、同時に息を荒らげていた。

18 ◆U0QTkY.0LM :2014/01/24(金) 10:48:50 ID:3ZEQtyUA0
暫くして呼吸が落ち着いてくる頃、同じく内藤の思考も落ち着き始めていた。

冷静に今の状況を省みてみると、あまりの異常事態にもはや奇妙な笑いすら込み上げてくる。

(;^ω^)「は、はは……ハァ……」

が、全く笑えない状況だった。

素直さんの異常な行動に加え、奇妙な言動。

内藤は彼女と仲が良かった訳ではない。かといって命を狙われるほどの恨みを買った覚えも無い。

しかし、悩み続ける内藤の脳裏にふと浮かんだ記憶があった。


【( ^ω^)『殺されるなよ、俺』】


何故今更あのおかしな夢を思い出したのか。それは自分でも分からなかった。

今は関係のない事だ。そう思い、頭から振り払おうとした、その時だった。


【( ^ω^)『おいおい。関係無い事無いぜ?』】


あろう事か、『自分』が語りかけてきたのだ。

(;^ω^)「?」

幻聴。幻視。

あるいは恐怖心とストレス、そして今も尚寝不足の頭が生み出した幻覚だろうか。

しかし内藤の耳と目……あるいは総じて頭の中、だろうか。その声は確かに聞こえた。その姿は確かに浮かんだ。

それは揺るぎない。それどころか声と姿は徐々に鮮明になっていく。


【( ^ω^)『それはさておき。どうやら言いつけ通りに生き延びたみたいだな?そこはまぁ、信じてたぜ。相棒』】


何やら一方的に語り掛けられるが、実に奇妙というか、不安になる感覚だった。

(;^ω^)(……なんだこれ、気持ち悪いお……消えない、というか、消せない?)

必死に呼吸を落ち着けようとするが、不安は拭えない。例えるなら、バケツの中の水をティッシュ一枚で吸い出しているような感覚だった。

19 ◆U0QTkY.0LM :2014/01/24(金) 11:35:17 ID:3ZEQtyUA0
【( ^ω^)『おいおい、おいおいおいおいおいおい!気持ち悪いとはなんだ!夢の中で全部話しただろう!?お前も納得してたじゃあないか!』】


『自分』がそんな事を言う。が、何の事やら……といった感じだった。


【( ^ω^)『……ん?お前今、「何の事やら」って……?おい、ちょっと待て。心読むぞ』】


(;^ω^)(何だこいつ……)

『自分』に早口でまくし立てられるが、よく分からなかった。

直後、『自分』が居なくなる。

(;^ω^)「……精神病院、ってやつ行った方が良いのかな……」

自らの精神状態に一抹の不安を抱きつつも、内藤は再び訪れた『静寂』に浸るのだった。

が、それも長くは続かない。


【(#^ω^)『てめぇは馬鹿なのかよ!!』】


(;゚ω゚)「いでででで耳と目が!!」

直後、再び現れた『自分』の『怒り』が、目と耳を強烈に刺激する。

思わずのたうち回るが『自分』はそんな内藤に構うことなく怒鳴り散らす。


【(#^ω^)『あんだけみっちり重要な事を話してやって、それで覚えてんのがあんなどうでも良い忠告のみってのはどういう事だこらおいこら!?あぁん!?』】


(;^ω^)「ぎぎぎ……ちょ、ちょっともちつけマジで!何言ってんのか分からんお!す、すごく痛い!」


【(#^ω^)『……チッ……、……フー……』】


一応『自分』は冷静な人物なようで、内藤の発言をしっかりと聞き入れて怒鳴り散らすのを止める。どうやら深呼吸で精神を落ち着けているようだった。

『自分』が落ち着くにつれて、内藤の痛みも収まる。勘だが、恐らく『怒り』が静まって来たのだろう。

20 ◆U0QTkY.0LM :2014/01/24(金) 11:59:56 ID:3ZEQtyUA0
(;^ω^)「また死ぬかと思った……」


【( ^ω^)『取り乱して悪かったな。けどまだ一度も死んでねぇだろ』】


(;^ω^)「そういう意味じゃな……ッツ!?」

言い返そうとした所で、内藤は慌てて声を抑える。微かに、入口の方からベニヤ板の開閉に似た物音が聞こえた気がしたのだ。


【(;^ω^)『あいつか?……チッ、マズイな……こちとら録に説明も済んでねえのによ』】


『自分』が声を潜める事無く話を続ける。内藤は慌てて注意しようとしたが、『自分』は内藤を片手で制しつつ言った。


【( ^ω^)『落ち着け。俺の姿と声はお前にしか感じ取れない……』】


(;^ω^)(……あぁ、それもそうかお)

言われてみれば納得だった。
内藤の妄想のような何かは『妄想のような何か』でしかない。第三者にそれらを見られる事など有り得ない。

というか、目の前にいる『自分』はどう見ても幻覚だった。視線を動かそうとも、常に視界の中心を保ったまま移動してくるのだから、これは『自分の目の中に居る』とでも表現するべきものなのだから。

21 名も無きAAのようです :2014/01/24(金) 12:01:57 ID:3ZEQtyUA0
昼休憩&中断

少しずつ話が前進し始めた感覚です

22 名も無きAAのようです :2014/01/24(金) 13:28:22 ID:TJiAEXKU0


23 名も無きAAのようです :2014/01/24(金) 14:38:31 ID:Wzetffgs0
刀語読んだことないけど面白そう

24 名も無きAAのようです :2014/01/24(金) 17:59:09 ID:3ZEQtyUA0
再開します。レスありがてぇ

>>23
ニュアンスをはかりかねるが、刀語は面白いよ
で、このスレの元ネタって訳でもないよ

25 名も無きAAのようです :2014/01/24(金) 18:46:12 ID:3ZEQtyUA0
現在の時刻は恐らく六時半をとうに回っているだろう。空はかなり明るくなって来たもの、まだまだ薄暗い。

何者かの硬質な足音だけが響く。内藤は相手が既に自分の居場所を察知している事に察しはついていたが、それでも息を潜める。

(;^ω^)(どう、しよう……見つかったら今度こそ殺られそう……)

というよりは他に成す術がない。先ほどの唐突な告白も今度は使えないし、他の手で隙を作ろうにも、そう簡単には行くまい。

そもそも命を狙われる理由すら未だに不明なのだが。

しかし。ここに来て内藤は一つの救いの手を思い出した。

(;^ω^)(……そうだ、通報)

110。

警察機関と言う名の救世主を召喚する、魔法の番号。『自分』との会話で忙しかったせいで、内藤は未だそれに頼っていなかったのだ。

物音を立てぬように気を払いながら上着の内ポケットに手を入れる。内藤の携帯はそこにある。


【( ^ω^)『あーこら待て、通報はやめとけ』】


(;^ω^)(アッホ抜かせお!この状況でクラスメートの犯罪歴に気ぃ遣ってどうするんだお!)

何故か『自分』が止めてくるが、一刻を争うこの状況で一々話を聞いている暇も無い。

内藤は颯爽と携帯端末を取り出すと、警察に向けて発信する。

……つもりだったのだが。

(;^ω^)(……あれ)

そもそも内ポケットに携帯が入っていなかった。

(lll^ω^)(ちょ、えっ、マジで……!?)

全身をまさぐってみるが、やはり何処にも無い。

顔面蒼白の内藤とは対照的に『自分』はえらく涼しげな態度で言う。


【( ^ω^)『……さては落としたな?まぁ好都合だ。そもそも通報なんかしても無駄、だからな』】

26 ◆U0QTkY.0LM :2014/01/24(金) 18:47:27 ID:3ZEQtyUA0
現在の時刻は恐らく六時半をとうに回っているだろう。空はかなり明るくなって来たもの、まだまだ薄暗い。

何者かの硬質な足音だけが響く。内藤は相手が既に自分の居場所を察知している事に察しはついていたが、それでも息を潜める。

(;^ω^)(どう、しよう……見つかったら今度こそ殺られそう……)

というよりは他に成す術がない。先ほどの唐突な告白も今度は使えないし、他の手で隙を作ろうにも、そう簡単には行くまい。

そもそも命を狙われる理由すら未だに不明なのだが。

しかし。ここに来て内藤は一つの救いの手を思い出した。

(;^ω^)(……そうだ、通報)

110。

警察機関と言う名の救世主を召喚する、魔法の番号。『自分』との会話で忙しかったせいで、内藤は未だそれに頼っていなかったのだ。

物音を立てぬように気を払いながら上着の内ポケットに手を入れる。内藤の携帯はそこにある。


【( ^ω^)『あーこら待て、通報はやめとけ』】


(;^ω^)(アッホ抜かせお!この状況でクラスメートの犯罪歴に気ぃ遣ってどうするんだお!)

何故か『自分』が止めてくるが、一刻を争うこの状況で一々話を聞いている暇も無い。

内藤は颯爽と携帯端末を取り出すと、警察に向けて発信する。

……つもりだったのだが。

(;^ω^)(……あれ)

そもそも内ポケットに携帯が入っていなかった。

(lll^ω^)(ちょ、えっ、マジで……!?)

全身をまさぐってみるが、やはり何処にも無い。

顔面蒼白の内藤とは対照的に『自分』はえらく涼しげな態度で言う。


【( ^ω^)『……さては落としたな?まぁ好都合だ。そもそも通報なんかしても無駄、だからな』】

27 名も無きAAのようです :2014/01/24(金) 19:29:13 ID:gIbnaKmk0
かたながりをかたながたりと見間違えたんだろう、俺もそーなの。

28 ◆U0QTkY.0LM :2014/01/24(金) 19:45:00 ID:3ZEQtyUA0
(lll^ω^)(ああああああああ詰んだ……どうしようどう……え?無駄?)

何やら聞き逃せない単語に遅れて反応し、頭を抱えながら『自分』に問いかける。


【( ^ω^)『そもそもな。あれ……えー、あいつが持ってる『刀』。まぁ、ざっくり言えばあれは『超能力の類』だ】


( ^ω^)(……僕って幻聴、幻視に加えて厨二病も患ってたのかお)

ふと自らを客観視してしまい、あまりに現実から剥離した状況にため息が漏れた。


【(#^ω^)『黙って聞きやがれ』】


(;゚ω^)(おづっ!ごめんなさい!)

しかし『自分』の苛立ちが小さな頭痛として伝わって来る。

しかも再び足音が聞こえた事で内藤は大人しくなった。


【( ^ω^)『いいか。とりあえず全部納得しろ。今、お前はそういう状況に居る』】

【( ^ω^)『例えば素直クール。例えば俺。具体的な根拠はお前が見た通りで、どれも非日常的な人物だ』】


(;^ω^)(……お、おう……)

正直『理解』は出来ないが、言われた通りに『納得』する事は出来る。『納得』する事だけは出来た。


【( ^ω^)『そしてそんな非日常的な人物は当然のように不思議な力を持ってる。その力は普通の人、つまり一般人には見えないし感じられないし影響も無い』】


しかしそこで引っかかる。『理解』も『納得』も出来ない。

(;^ω^)(……お?いや、僕、『普通の人』なのに素直さんの『刀』見えたんだけど……)

『自分』が再び怒るかもしれない、と内藤は少し身構えたが、今度はそんな事は無かった。

というよりは話の流れとして想定していたのだろう。当然のように答えた。


【( ^ω^)『それはお前が『非日常的な人物』そのものだからだよ。もしお前が必死こいて警察に通報してたら、それは悪質な悪戯として処理されてただろうな。だから止めたし、無駄だったし、携帯が無かったのは好都合だった』】

29 ◆U0QTkY.0LM :2014/01/24(金) 20:24:57 ID:3ZEQtyUA0
(;゚ω^)(いやいやいや……そんなおづっ!ごめんなさいごめんなさい!)

反射的に否定してしまったが、頭痛に従い納得した。


【( ^ω^)『ハァ……いいか?今からお前は……』】


『自分』が更に続けようとした説明は、声によって遮られる。



「内藤君。そこに居るんだろう?」



(;^ω^)「……っ……!!」

素直さんの声だ。

思わず内藤の身が竦む。呼吸を更に潜めるが無駄だろう。彼女は見透かしているように声を紡いでいく。

「この携帯、ベニヤ板の前に落ちていたよ。落し物で、しかも個人情報の塊を勝手に覗くのはいい気分ではなかったが……間違いなく君の物だ」

もはや身を隠す意味も無い。彼女は感情の見えない声で続ける。

「しかしこれはわざとなのだろう?人気の無い場所へわざわざ誘い出したということは、やはり君も『やる』つもりなんだな」

捉え様によっては若干危ない発言ををしながら、近付いてくる。

30 ◆U0QTkY.0LM :2014/01/24(金) 20:27:29 ID:3ZEQtyUA0

「あんな人の心を弄びかねない方法で隙を突いたのは、この為だったんだな……出て来たまえ、内藤君。君の希望通り、誰にも見られる事の無いここで、何の気兼もねなく全力で君を倒す!」

(;^ω^)(……やばい、やばいお。素直さん、なんかやる気満々だお)

あたふたと慌てふためく内藤を尻目に、『自分』は浅いため息を吐きながら言う。


【( ^ω^)『時間切れか……しゃあねえ。説明は全く足りねえがな……いいか「内藤ホライゾン」』】


(;^ω^)(よくねえお!死ぬ!殺される!せめて痛みなく……いややっぱ死にたくない!)

完全に死の受け入れ方を考え始めた内藤は無視し、なおも『自分』は続ける。


【( ^ω^)『聞け。この状況を打開出来る手段は何も第三者に頼る事だけじゃねえ。チャンスはお前の中にある』

【( ^ω^)『つまりだ』】


(;^ω^)(……?)

不安と怪訝さの混じった瞳。

『自分』はそんな内藤を指さし、濁りの無い真っ直ぐな瞳で告げた。

31 ◆U0QTkY.0LM :2014/01/24(金) 20:29:47 ID:3ZEQtyUA0




      【( ^ω^)『俺の名前は【素刀武運《ソトウブウン》】』】

      【( ^ω^)『お前の刀で、チャンスの鍵だ』】



.

32 名も無きAAのようです :2014/01/24(金) 20:31:32 ID:3ZEQtyUA0
ひと段落着いたので、ここで中断。一レス書くのに一時間ぐらいかかる感じです。ながらでよかった。

33 名も無きAAのようです :2014/01/24(金) 21:23:50 ID:eIdMO8GAO
乙。ゆっくりで良いから最後まで書いてくれよな。

34 名も無きAAのようです :2014/01/24(金) 23:54:24 ID:3ZEQtyUA0
レスありがてぇ

ところで、地の文はこんなもんで良いんだろうか?量といい内容といい

35 名も無きAAのようです :2014/01/25(土) 00:36:19 ID:JUSBad.M0
おつ
地の文について俺から見ると、悪いが読みにくい。
一行毎に空いてるとなんとなく目が疲れる気がする。話は面白いんだけど
量というか長さもちょいちょい気になる。
最後のクールの台詞は長すぎて変なところで区切られちゃってるし、適当なところで行を変えた方がいいと思う。
とりあえずおつ。なんか上から目線になってすまん

36 名も無きAAのようです :2014/01/25(土) 01:08:32 ID:3FVK628c0
>>35
上とか下とかそんな全然、貴重な意見に感謝

確かに無駄な改行が多いし横幅も広い。恐ろしい事に、言われてみないとまるで気付かなかった

意見を元に、試しに>>2を修正


【( ^ω^)】

おかしな夢を見た。
そのせいか午前三時に飛び起きて、それからは朝まで録に眠る事もできなかった。
おかげで、彼は新学期だというのにえらく大きなクマをこしらえて登校している。

【( ^ω^)「――、――」】

目の前に居るのは自分自身で、その自分が何かを語りかけてくる。そんな夢だった。
覚えているのはそれだけで、話の内容なんかを思い出そうとしても時間が経つほどに記憶が薄れ、曖昧になっていく。
そして最後には殆ど忘れてしまう。夢というのはそういうものだろう。

その点においては『おかしな夢』も普通の夢であったし、夢というのは大抵が大概『おかしい』ものでもある。
そういう意味では、所詮夢なのだ。
しかしそれでも尚、彼が『おかしな夢』であったと思ったのは、その夢が特別だったから。その一点に尽きる。


修正前を比べてみると、確かに読みにくい。というか醜い。

特にタブレットから投下してると他の環境で文章の横幅が変わる事なんかもまるで配慮してなかったので、かなり為になる意見です。

次回からしっかと反映させて頂きますので改めて感謝の意を。ありがとう

37 名も無きAAのようです :2014/01/25(土) 01:55:53 ID:JUSBad.M0
>>36
うん、確実にこっちの方が読みやすい。
意見取り入れてくれてありがと
応援してるよ

38 名も無きAAのようです :2014/01/25(土) 08:52:12 ID:/3ovDhZ.O
面白い支援

39 名も無きAAのようです :2014/01/25(土) 18:20:38 ID:3FVK628c0
タブレットの充電が完了次第始めます

40 名も無きAAのようです :2014/01/25(土) 19:29:27 ID:hdK1II5o0
刀語じゃなくて刀狩りだったのか
でも面白いからwktk

41 名も無きAAのようです :2014/01/25(土) 20:31:55 ID:3FVK628c0
断線しかけの充電器ってイヤなものね

続き始めます

42 ◆U0QTkY.0LM :2014/01/25(土) 21:21:36 ID:3FVK628c0
直後。

『自分』の姿が一瞬で目の中から消えたかと思うと、内藤の右手が突如として眩い光を放ち始める。

( ^ω^)「……これは……」

不思議な事に驚きは無かった。
むしろ、先程まで渦を巻いていた感情が静まり、心が落ち着いていくのが分かる。
内藤はいつの間にか緊張で握り締めてしまっていた右手を見つめ、指を開いた。

(;^ω^)「!」

光が弾ける。
指の隙間から漏れた光明に目が眩み、思わず瞼を閉じてしまう。
ほんの一瞬だった。ほんの一秒足らず。

しかし内藤が再び目を開けた時、彼の右に握られていたのは光でなく『刀』だった。

( ^ω^)「……『刀』……僕の、『刀』……?」

刀。
抜き身の刀身は鋭い輝きを放ち、それが『本物の刃』である事を言うまでもなく証明していた。
銀色の刀身に金色の鍔。内藤の握り締めている柄は絹のように白い。

思わず見蕩れ、息を呑んでしまうような美しさを放つそれは、紛れも無く『刀』だった。

43 ◆U0QTkY.0LM :2014/01/25(土) 22:10:17 ID:3FVK628c0
【おい相棒、俺に惚れてる場合じゃねえ】

再び聞こえる『自分』の声。
しかし先程までとは異なり、『刀』から内藤の右手、体へと響いてくるような感覚だった。
刀を通して『心』へ、というのが一番しっくりくる表現だと内藤は思った。

「ようやく『刀』を抜いたな、内藤君。さあ出て来たまえ……名乗る時間くらいは与えよう」

恐らく『光』で察したのだろう。
素直さんは感情の見えない声でそう告げるが、言葉の端には明確な殺意が滲み出ていた。

(;^ω^)(……このまま素直に素直さんの前に姿を晒してもいいものかお?えと……『僕』)

心の中で『自分』に問いかける。
なんと呼ぶべきか少々悩んだが、無難に一人称を流用した。

【おいおい相棒。俺の名前は『素刀武運』だ。たった今名乗ったばかりだろう?】

が、しっかりと訂正され、却下されてしまった。

(;^ω^)(ああうんすまんお……えーと、ソトーブーン?)

【……あーなんか不自然だな、武運でいい】

(;^ω^)(わかったお、えと、ブーン……って、そうじゃなくて僕の質問に!)

発音にどこか不自然さを残しつつも、話は本筋へ舞い戻る。

【とりあえずこの状況では逃げようもないだろう。
 そこのフェンスを越えて地面に落ちても無事で居られるってんなら話は変わってくるが?】

(;^ω^)(……仮にこのまま隠れてたら?)

【このタンクごと真っ二つ】

( ^ω^)「わかった。姿を出すお、素直さん」

恐怖には勝てなかった。
大人しく宣言し、『刀』は持ったままゆっくりと給水タンクの影から姿を現す内藤。

44 ◆U0QTkY.0LM :2014/01/25(土) 23:49:11 ID:3FVK628c0
川 ゚ -゚)「大人しく出てきてくれて良かったよ。
     無いとは思っていたが、もしそこに留まろうものならそのタンクに斬りかかっていたところだ」

素直さんは内藤の姿を見るなりそんな事を言う。
それを聞いた内藤は小さく安堵の息を漏らし、同時に『もしも』を想像して背筋が凍る。

川 ゚ -゚)「にしても……先程から私ばかり話をしているな。名乗る時間くらいとは言ったが、話があれば聞こう」

彼女なりの気遣い、あるいは平等思考というべきか。
生真面目な彼女らしく、この張り詰めた空気の中そんな事を言う。

少しばかり戸惑ったが、内藤はありのままの考えを発することにした。

(;^ω^)「……素直さん。正直、僕はこんな事したくないお」

川 ゚ -゚)

素直さんは何も言わない。
感情を顔に出す事も無く、ただ真っ直ぐ、瞬きもせずに内藤の顔を見ている。

( ^ω^)「それに動機も理由もないお。こんな状態でクラスメートと争うなんて……」

川 ゚ -゚)「内藤君」

(;^ω^)「……?」

唐突に割り込まれ、思わず黙ってしまう内藤。

川 ゚ -゚)「君はなんでも叶える魔法のランプの魔人がいたらどんな願いを叶えてもらう?」

あまりに唐突な質問に少々困惑するが、彼女にふざけている様子はない。
少し考えた後、思ったことを口にした。

45 ◆U0QTkY.0LM :2014/01/26(日) 01:18:35 ID:fU0nyGps0
(;^ω^)「そもそも願いを『叶えて貰う』ってどうなんだお?」

川 ゚ -゚))

素直さんが小さく揺れる。揺れたような気がした。

( ^ω^)「叶えて貰いたい願いにもよるけど、大事な願いすら何の感慨も無く……
      それこそ長年悩んできた事でも訳分からん魔法で一瞬で消えるって、あんまりいい気分じゃないお。
      それまで悩み続けてきた自分はなんだったのかってバカバカしくなりそうで」

川 ゚ -゚)

素直さんは何も言わない。

(;^ω^)「だからまぁ……僕なら願う事はないと思うお」

川 ゚ -゚)「……、……。……そうか」

素直さんはそれだけ言うと小さく息を吐いた。
それから少しだけ間を置き、言う。

川 ゚ -゚)「しかし、それでも私の動機と理由はそこにある」

素直さんが『刀』を構える。

(;^ω^)「えっ!?いや、僕の話途中だったんだけど!?」

川 ゚ -゚)「君に私と戦う理由が無くとも、私にはそれがある。簡単な事だ」

(;^ω^)「……やっぱ、どうしてもやる気なのかお……」

内藤もやむを得ず構える。
左手を右手に添え、刀身を相手に向ける。
たったそれだけ。

しかしその途端、手の震えが止まらなくなった。

川 ゚ -゚)

対する素直さんには何の震えも見て取れない。
人に対して、クラスメートに対して『凶器』を構える事に何の躊躇いも無い。

迷いが無い。

それだけの強い『動機』、あるいは『理由』を、確かに持っている。
そう思えた。

46 名も無きAAのようです :2014/01/26(日) 01:24:13 ID:fU0nyGps0
今日は特に遅筆でしたがここまで。次回からようやくバトるよ!やったね内藤ちゃん!

次回は明日は夕方以降に

47 名も無きAAのようです :2014/01/26(日) 01:50:11 ID:FDn36Iv.0
おつおつ

48 名も無きAAのようです :2014/01/26(日) 16:33:43 ID:FXaPfvqg0
こちら作者、聞こえるか?

少し予定が狂ったので夕方ではなく夜に開始します

49 名も無きAAのようです :2014/01/26(日) 19:53:34 ID:fU0nyGps0
帰宅。レスに感謝しながら開始

50 ◆U0QTkY.0LM :2014/01/26(日) 21:50:17 ID:fU0nyGps0
(;^ω^)(……クソ……『願い』が理由?動機?それで僕と戦うって……)

止まらない汗と震えを抑えることも出来ないまま、心の中で呟く。
それを感じ取ってか、それまで黙っていた「ブーン」が素早く語り始める。

【簡単に答えるから一度で納得しろ。
 その一、この『超能力の類』をお前に目覚めさせた奴がいる。
 その二、それは素直も同じで、お前と同じ奴だ。
 その三、お前や素直みたいな『超能力者』同士で戦って、相手を沢山倒せば、
      『そいつ』が『褒美』として『色々』してくれる。それこそ『願い』も叶えてくれる】

内藤は早口言葉のように飛び出た言葉をどうにか理解していく。
が、理解した上でこう思った。『理不尽だ』と。

(;^ω^)(ハァ!?なんだおそれ!?僕はそんな事一切聞いてない!!)

【だーから夢の中で全部話したっつっただろ?
 しかも、自分でしっかり納得した上で了承したってのに、それも含めててめぇが勝手に忘れやがったんだ。
 とにかく今は割り切れ、いくら理不尽でもお前の選んだ道だ】

(;^ω^)(う……その通りだけど……)

ブーンの言う事はもっともだったし、そもそもの原因である内藤自身に反論の余地はなかった。
忘れてしまったものは仕方が無い。
現状に立ち向かうしか無い。

だが。

(;^ω^)「けど、やっぱり人を『倒す』って……僕に『人を斬る覚悟』なんて、そんなもの無いお!」

現状は、言葉よりも遥かに大きい。

51 ◆U0QTkY.0LM :2014/01/26(日) 22:17:57 ID:fU0nyGps0
これは間違いなく内藤の本心だった。
『動機』も『理由』も無い。
内藤にとって『誰かを傷つける』という、あまりに人として歪んだ行為を正当化できる物が何一つとして無い。

夢の中で戦う事を了承した時には、それがあったのだろう。
根拠はないが、内藤には分かった。
だとしてもそれを思い出せない以上、現状においては本当に何も無いのだった。


しかしそれは通用しない。言い訳にすらならない。
自分の意志で了承した彼女のような人には、それらが『ある』のだから。

川 ゚ -゚)「……なぁ内藤君」

素直さんが依然として『刀』を構えたまま、内藤との距離をほんの一歩詰める。
表情、と語気には、相変わらず感情が見えない。

川 ゚ -゚)「そのいかにも『弱々しい奴』といった演技、程々にしてくれ」

が。その言葉の中、軸にあるものは間違いなく『苛立ち』だった。

52 名も無きAAのようです :2014/01/26(日) 22:23:11 ID:fU0nyGps0
一旦中断します

53 名も無きAAのようです :2014/01/26(日) 22:25:39 ID:fU0nyGps0
少し頭を整理して日付が変わる前後に再開します

54 名も無きAAのようです :2014/01/26(日) 22:53:17 ID:Ci6n8oScO
明日ゆっくり読ませてもらうよーがんば

55 名も無きAAのようです :2014/01/27(月) 13:53:00 ID:Ve4uz/6.0
あの後ぐっすり寝てました、再開します

56 名も無きAAのようです :2014/01/27(月) 13:57:18 ID:I5c8JdW20
支援だ

57 ◆U0QTkY.0LM :2014/01/27(月) 14:58:10 ID:Ve4uz/6.0
川 ゚ -゚)「君に二度も『隙』を作ってやるほど、私は愚かじゃないんだ」

互いの距離は数メートル。
しかし素直さんが踏み出す一歩には、その程度の距離など一瞬で消失させてしまうような、そんな不思議な迫力があった。
内藤は思わず後ずさるが、すぐに落下防止用のフェンスに阻まれる。

(;^ω^)「え、演技って……そんな」

川 ゚ -゚)「ならばその『刀』はなんだ?何故その力を受け入れた?
     答えは単純だ。君は嘘をついている。その嘘で私の背中を突き刺すために」

最早今の彼女にとって内藤とは『そういう奴』なのだろう。
あらゆる『情』に訴えかけて隙を作る卑怯者。
倒すべき『敵』。

そんな内藤の言葉を信じることで生じるメリットなど何一つとして無いのだ。

(;^ω^)「……」

内藤は何も言えない。
きっと何を言っても通用しない。
ようやく分かって、黙るしかなかった。

刀はやはり震えている。

まるでその心境に呼応するかのように、登り始めた朝日が内藤に影を落とし始めていた。

川 ゚ -゚)「…………行くぞ」

吐き捨てるような呟きの後。
逃げ場の無い内藤目掛けて、素直さんは迷い無く駆けてきた。

58 ◆U0QTkY.0LM :2014/01/27(月) 15:55:27 ID:Ve4uz/6.0
(;^ω^)「っ……」

内藤の体は動かない。

【相棒!とにかく相手の剣撃を防ぐ事だけ考えろ!】

ブーンの声。
素直さんは既に目前へ迫っていた。
左足を大きく内藤の方に踏み出し、 『刀』を自らの右下に構えている。

後ろには逃げられない。
内藤は咄嗟に『刀』を握り締めると刃先を左下に向けた。

川 ゚ -゚)「……っ」

(;^ω^)「ぐぅっ……!」

『刀』同士がぶつかり、甲高い金属音が鳴り響いた。
内藤は左下から斬り上げてくるような素直さんの一撃を刀身で受け止め、そのまま沿わせるようにしながら全力で右上に振る事で、強引に受け流す。

59 名も無きAAのようです :2014/01/27(月) 15:58:03 ID:Ve4uz/6.0
ここで中断。目標としては一日10レスです

60 名も無きAAのようです :2014/01/27(月) 20:37:05 ID:B54zuR6U0
地の文で素直にさん付けしてるのは伏線なんだよな
な?

61 名も無きAAのようです :2014/01/27(月) 20:56:19 ID:RVpWqAQkO
内藤はどっちでもさん付け、さん付けしてないのはブーンの方だけであろう。

62 名も無きAAのようです :2014/01/27(月) 21:05:55 ID:IVQvcpEo0
(地の文さん付けで生じる伏線ってなんだ……?)

63 名も無きAAのようです :2014/01/27(月) 21:53:26 ID:Ve4uz/6.0
レスありがてぇ

内藤にとって素直さんは素直さんだから素直さんです。素直でもクールでもなく素直さんだから素直さんです。

質問にてんで的外れな事を言ってるかもしれない自分の読解力を心配しつつ再開

64 名も無きAAのようです :2014/01/27(月) 22:31:28 ID:LBX/7X6k0
地の文は誰視点なの?

65 名も無きAAのようです :2014/01/27(月) 22:58:14 ID:Ve4uz/6.0
うわぁ……ググってみたら第三者視点の地の文で登場人物に敬称をつけるのってタブーの一つみたいですね。なるほど。

一応、軽い伏線と言えば伏線のつもりでしたのでこのまま回収まで突っ切ります。

申し訳ありませんが違和感には暫し我慢を。指摘に感謝します

66 ◆U0QTkY.0LM :2014/01/27(月) 23:23:45 ID:Ve4uz/6.0
それによって素直さんがよろけ、踏み込んでいた左足を後ろへ引く。
内藤はその『隙』を突き、広く動きやすい場所を確保する為に彼女の左側から背後へと移動しようと思ったが、そう簡単には行かない。

素直さんは内藤が右上へと弾いた事で生じた『刀』への衝撃を頭上で円を描くように受け流し、その流れで今度は左上から斬りつけてくる。
内藤はまたも咄嗟に刀身で受け止めるが、今度は受け流せない。
そのまま上下の鍔迫り合いになり、押し合いの構図になる。

だが、そのまま拮抗とはならない。
男女で力の押し合いとなれば、彼女ではなく彼の方に部があるのは明白である。

(;^ω^)「ぐっ、おぉっ!」

川 ゚ -゚)「くっ……」

そのまま素直さんの方へと踏み込み、勢いよく押し込む事で、彼女がまたも体勢を崩す。
そして今度こそを生み出した『隙』を逃がさない。
内藤はお互いの立ち位置を入れ替えるように、踏み込みつつ素早く回り込んだ。

67 ◆U0QTkY.0LM :2014/01/28(火) 00:18:39 ID:ffgt/4ms0
川 ゚ -゚)「……っ、正直……私は君の事を見くびっていたのかもしれない……」

ほんの少しだけ息を乱しながら、素直さんが言う。

(;^ω^)「……はっ……はっ……」

対する内藤は呼吸を切らし、肩で息をしていた。
文字通り立場は変わったものの、未だ迷いのある内藤にとって一転攻勢とは言えない。
間違いなく有利な立場ではあったがそれでもなるべく距離を置く事を第一に考える。

川 ゚ -゚)「考えてみれば当然だな……ほんの少し、私に剣術の心得があろうと、女が男に力で勝るはずもない」

素直さんはそう言うと、内藤に向けていた『刀』から左手を離し、右腕を下ろす。
一見すると降伏とも取れる行為である。

(;^ω^)(……?素直さん、一体何を……?)

しかしどう見てもそれは違う。
何故なら彼女は左手を握ったまま正面へと突き出しているからだ。
あからさまに何かをしようとしていると思うが、内藤はそこに斬りかかったりは出来ない。

【……まずい相棒!そいつを斬れ!早く!】

突如としてブーンが叫ぶ。
しかしそれが出来るなら、内藤は最初から何も悩んでいない。
それどころか言いようのない不気味さ……俗に言う『嫌な予感』のようなものに、内藤はむしろ小さく後退する。

川 ゚ -゚)「しかし、しかしだ。それなら別の『力』で勝ればいい」

素直さんの左手が蒼白い光を放つ。
それは、内藤の右手から『刀』が現れた時の物とは少し違うが、それと同種の光であるようにも見えた。

68 名も無きAAのようです :2014/01/28(火) 00:31:19 ID:ffgt/4ms0
うーむ、ひとまずここまで


やっぱり、地の文の「素直さん」に関してはどうするべきか。素直さんで通すにしても『素直さん』で表記した方が違和感は無いんだろうか?

それともここまでの整合性を重視してこのまま普通の素直さん表記で行くべきなんだろうか?

ブレまくってるのでもし良ければ読者側としての意見を頂けたら助かります

69 名も無きAAのようです :2014/01/28(火) 00:55:21 ID:F5fWmREM0
おつ

しれっと次から素直でいっちゃえば?

素直さんだと内藤視点なのかなと思いつつ後に内藤は〜とくるからちょっと違和感あるかな

70 名も無きAAのようです :2014/01/28(火) 01:41:43 ID:4NejP3GQ0
おつ

>>69の違和感は俺も感じるが素人目にはそこまで気にならない程度って感じ
伏線として置いておきたいならそのままでもいいんじゃないか

71 名も無きAAのようです :2014/01/28(火) 23:30:49 ID:klUfePQY0
意見ありがとうございます
やっぱり違和感は無いに越したことは無いという結論で、次回からは素直表記で行きます
というか素直さんでも素直でも問題はないことに気がついたというか……

それと今日は疲労が理由で再開はなく、明日に繰り越しさせて頂きたく奉り早漏

72 ◆U0QTkY.0LM :2014/01/30(木) 12:04:20 ID:FNI9RErg0
(;^ω^)(ブーン、あれは……)

内藤が心で問いかける。
だが、ブーンがそれに答える暇は無かった。

川 ゚ -゚)「【氷刀雪兎《ヒョウトウセット》】……お前の『力』を、私達に示してくれ」

素直が握っていた指を開き、その隙間から蒼白い光が弾ける。
内藤は目を瞑らなかった。
そして見た。

『光』が一瞬で形を作り、素直の繊細な細い指の中で、美しい『鞘』になったのを。

【……あの鞘は、俺達『刀』に『銘』を付与するための道具】

(;^ω^)(???)

ブーンの声。
独り言のように呟くそれは、本当に独り言らしかった。
何を言っているのか理解出来なかったのも、きっと内藤のせいではないだろう。

73 ◆U0QTkY.0LM :2014/01/30(木) 12:07:44 ID:FNI9RErg0
【相棒。俺を捨てて逃げろ】

そして突然そんな事を言った。
内藤は今度こそ言葉の意味を理解できなかった。

(;^ω^)(……は?何言ってんだお……そんな事)

【「そんな事したら身を守る物が無くなる」ってか?
 安心しろ、素直の狙いは『刀』だ。
 俺を置いて逃げればお前は傷一つなくこの戦いからドロップアウトできる】

要は身代わり。囮。
蜥蜴の尻尾。
内藤の身を守るにはこれ以上なく安全な提案だった。

(;^ω^)(いやそうじゃなくて!)

しかし。

(;^ω^)(僕の心を読んでるんだから、言いたい事は分かってるはずだお……。
      いくら僕でも、その後ブーンがどうなるのかはなんとなく想像がつくお!)

内藤はそれを受け入れない。

74 名も無きAAのようです :2014/01/30(木) 12:38:44 ID:DhHCSTAQ0
きたか
熱いの一発頼むぜ

75 ◆U0QTkY.0LM :2014/01/30(木) 16:58:44 ID:FNI9RErg0
【別に、お前が思ってる程酷いことにはならねえさ】

(;^ω^)(それは少なからず酷いことになるって言ってるようなもんじゃないかお!)

内藤が心で吠える。
しかしブーンはなだめるように言う。

【落ち着け……俺はただの『道具』だ。そして持ち主はお前】

(;^ω^)(僕はそんな風に思ってないお!)

【ただの事実だ。それに、現時点では『俺』を手に入れる事を望んでいなかった、お前は】

(;^ω^)(……そ、そんな事……)

【ないことないよな。だからもう良い。お前は大人しく退場しろ。その事を責める奴なんて誰も居ないんだ】

図星を突かれてしまい言葉に詰まる。
その上で、ブーンはそんな内藤を、言外に「俺も責めない」と、そう言っているのだ。

76 ◆U0QTkY.0LM :2014/02/01(土) 17:46:36 ID:vg1Ji63g0
川 ゚ -゚)「……雪兎、これが私の心なのか……」

左手に持った『鞘』を見つめながら素直が呟く。
『氷』のように冷たく光を透く鞘。
その表情はどこか切な気で、それでいてやはり無感情だった。

(;^ω^)「……っ……」

それを見て内藤の背筋に悪寒が走る。
直感的な恐怖だった。

【なんとなく勝ち目の無さが分かっただろ?だから、逃げろ】

(;^ω^)

【おい相棒、聞こえてるか?】

(; ω )

【おい……】

内藤はブーンの声に反応しない。
それどころか、刀を構えたまま石のように固まってしまった。

そんな内藤をまるで気にもとめず、素直は動く。
彼女は両手の『刀』と『鞘』を向き合わせると、一気に根元まで差し込んだ。

77 ◆U0QTkY.0LM :2014/02/01(土) 18:32:39 ID:vg1Ji63g0
川 ゚ -゚)

光は無かった。
代わりに、ガラスが割れるような音がした。
日の昇った屋上の片隅に冷たい風が吹く。
季節外れの北風ではない。そもそも自然現象でもないし、本当は風ですらなかった。

『冷気』だった。

それは、素直を中心に発生した『冷気』だった。

川 ゚ -゚)「【氷刀雪兎・冬《ヒョウトウセット・フユノメイ》】」

その場で太陽に刀をかざしながら、自身や余裕のような『何か』を含んだ声で素直が言う。
現在進行形で『冷気』を撒き散らしている素直の『刀』は、刀身から先程までのような金属感が完全に消え去り、透き通っている。
まるで氷のように。氷よりも氷らしく、冷たく。

そして『冬』。

刀身には小さく、そう刻んであった。

78 名も無きAAのようです :2014/02/01(土) 19:56:05 ID:KzDC2NrE0
しえん

79 名も無きAAのようです :2018/10/19(金) 13:54:18 ID:09RlEh4k0
川 ゚ -゚)「死にたくなければ――」

(;^ω^)

素直が『刀』を構え、氷柱のような切っ先を内藤を射抜くように向ける。
内藤は息を吸うのも忘れ、凍りついたように動けなくなった。

そして次の瞬間。
絶対零度の如き冷風が屋上を駆け巡り、内藤の背筋を駆け上がった。


川 ゚ - )「――動くなよ」

そして、素直の姿が掻き消える。


【後ろだ相棒ォーッ!】

(;^ω^)そ

ブーンの声が内藤の脳を揺さぶるのとほぼ同時。
内藤は殆ど反射のように、背後に刀を刀を構え直そうとその身を捩る。

瞬間、内藤の視界が白に染まった。

( ^ω^)「なっ、にが――」

80 名も無きAAのようです :2018/10/19(金) 14:07:09 ID:09RlEh4k0
目が眩む程の閃光。

内藤の双眸を焼くかのように光り輝いたそれは、青白く、そして冷たい。
目を擦ろうと右手を動かした内藤は、そこでよようやく『異常』に気が付いた。

( ^ω^)「……え」

腕を動かそうと脳が信号を発する。
発している筈だった。
しかしその感覚は、途絶している。

まるで『凍りついたように』うごかない自身の右腕。
内藤の背中を嫌な汗が伝う。
呼吸が苦しくなり、顎が小刻みに震え、奥歯が鳴る。

ブーンの声はない。
まるで凍てついた時の中に取り残されてしまったような恐怖。

恐る恐る、自身の右腕を確認した内藤が目にしたもの。

それは。
足元から突き上がる氷柱に呑まれ、切り離され、氷漬けになった自らの右腕と刀であった。

81 名も無きAAのようです :2018/10/19(金) 14:15:11 ID:09RlEh4k0
( ^ω^)「あ」

間の抜けた声が喉元を通り過ぎていく。

( ^ω^)「あ、あ、あ」

一度漏れ出したそれは、絖るようなしつこさと粘性をもっていて、最早内藤の意思で塞き止めることは出来ない。

内藤はその場に膝をつき、残された左手で、凍り付いた断面を握る。
赤黒い氷が左手の熱で溶け、制服に吸い込まれていく。

( ;ω;)「ああああああああああ!!!!」

痛みと、恐怖と、混乱。
氷とともに溶け出したそれらが、雪解け水と雪崩のように、内藤の心を押し潰した。

82 名も無きAAのようです :2018/11/08(木) 14:04:25 ID:NXEkm8b.0
ちょこっと更新されとるやんけ


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