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今のブーン系にはエロが足りないようです

648名も無きAAのようです:2015/09/26(土) 03:06:05 ID:7Hhzibug0




ノパ⊿゚)ヒート・アイランドのようです


『お兄ちゃんいまどこ?』

ドクオが講義を終えて妹からの着信に気づき電話をかけ直すとそんな質問が返ってきた。
スマートフォン越しの妹の声。数ヶ月ぶりに聞くその声に久しぶりだな、とドクオは懐かしくなる。
キャンパスを出て地下鉄の駅へと向かいながら今大学が終わったところだと告げた。

『どのぐらいで家に着くの』

('A`)「え、十五分ぐらいだけど」

『じゃあ待ってるね』

待ってる、その言葉の意味がすぐには分からなかった。
訊き直そうとしたところでドクオはまさかと気づく。

('A`)「お前、今どこなんだ」

『北千住駅』

それはドクオが今春から一人暮らしをしているアパートの最寄り駅だ。
妹が東京に来ている。それだけははっきりと理解出来た。

('A`)「お前、東京に来てるのか」

『そだよ』

('A`)「すぐ帰るから、待ってろ」

はーい、と返事が来て電話が切れる。妹が東京に来ている、それは予想しなかった事だ。
なんだか無性に急がなければならない気がした。駅ホームまでの長い階段を二段飛ばしで駆け下りる。
地下に設けられたホームへ降りるとアルミ合金製の列車がまさに発車準備を整え待ち構えていた。
特徴的である伸びやかなブザーの鳴動が終わるとドアが閉まる。息を吐いて古びた列車は動き出した。

今のような夏にはオアシスとなる冷房の効いた車内でドクオは息をつく。
急いだせいでじっとりと汗をかいていた。年を越してからあっという間で既に七つ目の月を迎えている。
隧道内には等間隔で蛍光灯が設置され車窓を流れていく。見慣れた景色であるのに今日は変な気分だった。
妹が東京に来ている、これは非日常的な事だ。今春に大学に進んで上京してきたドクオにとって、妹は引っ越しの日以来になる。
まして妹が東京に、兄であるドクオを訪ねてくる事など今までなかった。初めての展開にドクオは不思議な感じがした。




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