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(  ゚∀゚ )ブーン系小説&イラスト練習総合案内所のようです

78名も無きAAのようです:2013/10/30(水) 03:43:03 ID:YZGwHYSA0

次の日の夜、親友は前日の服装のまま十字架に括りつけられました。
彼女の胸中は、ミセリは無事でやっているだろうかということだけがありました。
自身の運命はどうでもいいと思っていました。むしろ、親愛なる友を守りきったことを誇りにすら感じていました。

藁に油がかけられます。よく燃えるだろうと他人事に感じながら、親友は空を仰ぎました。
空は真っ暗で、ミセリの羽によく似ていました。
そういえば、羽が生えても瞳の色が変わっても、ミセリは美しかったと思いました。
頭の中のミセリが笑いかけてきました。彼女の親友でよかったと思うと同時に、もう会えないことに涙が流れました。

松明が藁に近づけられます。
目を閉じた親友の耳に、カラスの鳴き声が届きました。
自身を包むはずの炎はあがりませんでした。代わりに、強い衝撃と羽音が襲いました。

ミセ*゚ー )リ

呆然として、ただ口は動きました。
ミセリ、と呼ぶと彼女の笑みは深くなったように見えました。
ミセリは叫びました。強く、強く叫びました。

どこからか空を埋め尽くすほどのカラスが現れました。
人間の背丈の半分ほどあろうかという、大きなカラス達でした。
ミセリが一つ咆哮をあげると同時に、人々に襲い掛かりました。

家の中に逃げ込んでも、剣で応戦してもカラス達の猛攻は収まりませんでした。
最初は子供から、次は老人、女、男、誰も彼もがカラスに捕まってどこかへ連れていかれました。

羽根だけを残してカラス達は飛び去っていきました。
町に残ったのは親友と、ミセリだけでした。
ミセリの右目は紅く輝いたままでした。昔見た、ルビーによく似ていると未だぼやけた頭で親友は思いました。

ミセリはにこりと笑って、飛び立ちました。
親友が呼び止めようとすると、右手を前に出して、三本指を立てました。
そのままカラス達が飛び去った方へ飛んでいきました。




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