レス数が1スレッドの最大レス数(1000件)を超えています。残念ながら投稿することができません。
( ゚∀゚ )ブーン系小説&イラスト練習総合案内所のようです
-
その日の夜、町の広場に町中の人が集められました。
台の上には若旦那様が立っていて、横にボロ布に身を包んだ女が転がされていました。
松明の光に晒されて金に輝く薄緑の髪が彼女の顔を覆い隠していました。
親友はすぐに気付きました。
ミセリだと、気付きました。
そして若旦那様の手に握られた剣が煌めくのを見ました。
また魔女が現れた。
この女の魔力の源である髪を切り、火炙りの刑とする。
悪魔を呼びださせるな、この女は魔女だ。
朗々と語る若旦那様の声は親友の耳には届きませんでした。
ミセリは魔女じゃない、それだけが彼女の足を動かして前へ前へと進めていました。
背中で縛られた両手を動かしながらミセリの頭には疑問符ばかりが浮かんでいました。
何故私は縛られているのか。何故魔女と呼ばれているのか。
何故若旦那様は私に一瞥もよこしはしないのか。何故誰も私を呼ばないのか。
ミセリの髪が強く持ち上げられて、彼女は苦悶の表情を浮かべました。
それでもミセリの疑問符は消えませんでした。
顔を上げたことによって、泣きながら人混みを掻き分けて近寄ってこようとしている親友が見えました。
急にミセリの視界は地を向きました。
風に流れていく緑の糸が見えて、自身の髪が切られたのだとわかりました。
切ったのは若旦那であることも察しました。久しぶりに彼女の項を冷たい風が通り過ぎました。
ミセリの身体が持ち上げられます。
十字に組まれた丸太に括りつけられて、積まれた藁の上に掲げられました。
松明の火が揺らめくのを見て、火炙りになるのだと悟りました。
親友は人混みを抜け、一番前に来ました。
ミセリは魔女なんかじゃない、無実だと叫びましたが男達に取り押さえられました。
それでもミセリの名を呼んで、無実を訴え続けました。
一瞬、ミセリと親友の視線が合いました。
ぐちゃぐちゃに泣き腫れた親友の視線を受け止めて、ミセリは一筋の涙を流して。
薄く、微笑みました。
掲示板管理者へ連絡
無料レンタル掲示板